MYGOLFSPY BALL LAB テスト方法
MyGolfSpy『BALL LAB』とは?
MyGolfSpyが独自に取り組む『Ball Lab(ボール・ラボ)』は、ゴルフボールの「品質」と「一貫性」を数値化するために考え出されたものだ。世間で言われるように、重要なのはボールの“内部”である。
「品質」に光を当てることによって、市場に出回っているゴルフボールの隠された真実をより詳しくゴルファーに伝えることができる。一貫した高品質なゴルフボールを探す出発点として、『Ball Lab』を利用いただきたい。
MyGolfSpy BALL LAB -2つの重要な測定項目
Ball Labのレポートには、基本的に2つの測定項目が含まれる。
『一貫性』
「コンプレッション」「重量」「直径」の3つの測定項目に対して、の『一貫性』を「Excellence(優)」から「Poor(劣)」の範囲で示す。ご想像のとおり、テストするボールの大部分は平均の範囲内にある。
『TRUE PRICE(真の価格)』
MyGolfSpy独自の『True Price』指標は、各ボールモデルの優良ボール1ダース分の真の価格を算出したものだ。
簡単に言うと、優良ボールとは、サンプルセット内のボール同士が均一で一貫性があり、USGAサイズ規定や重量規定に準拠しているボールのことを言う。
このように考えてほしい。12個(1ダース)の優良ボールを得るのに、2ダース購入する必要がある場合、1箱30ドルのボールに真の価値があるだろうか?
しかし実際の問題は、箱の中のどのボールが不良品なのかゴルファーが知ることはほとんど不可能だということ。考えても仕方のないことと言われればそれまでだが、時には追求する必要があると私達は思う。
『True Price』は、そのボールが実際にどれだけの価値があるのか、そしてどれほどの性能がボールに反映されているのか、より深く理解するのに役立つはずだ。
MyGolfSpy BALL LABプロセス
ボールの調達
テストする各ボールモデルを小売店で3ダース購入する。可能な場合は、別々のベンダーから異なるタイミングでボールを調達する。複数のバッチにわたってサンプリングすることにより、『品質』と『一貫性』の全体像をより包括的に見ることができる。
継ぎ目の確認とマーキング
各ボールのカバーの継ぎ目や分かれ目を特定する。測定プロセスで使用するため、4か所の測定ポイント(継ぎ目の90度ごとに2か所、1か所はポールに、もう1か所は継ぎ目とポールの間)にマークを付ける。
インキュベーター
一貫したテスト条件を維持するために、測定前に少なくとも24時間ボールをインキュベーター(恒温器)に入れる。
テスト条件は、華氏70度*(+/- 2度)、相対湿度50%(+/- 3%)。
*華氏70度=摂氏21.1度
テストプロセス中、1回に20分以上ボールをインキュベーターから外すことは絶対にしない。
MyGolfSpy BALL LABテスト方法
Ball Labのテストプロセスは、4つの項目で構成される。
コンプレッション
MyGolfSpy Ball Labの『コンプレッション』測定は、OK Automation製の「Model 55-Mゴルフボールコンプレッションテスター」を使用。コンプレッションゲージ(圧縮真空計)は、各テストセッションの開始前に調整する。
入力エラーを避けるため、キーボードゲージ・インターフェイスデバイスを使用して、ゲージからコンピューターに直接データを転送する。
実際のコンプレッション測定では、2種類の項目を算出する。
1つ目は、3か所(継ぎ目の2か所とポール1箇所)の測定値の平均を、各ボールのコンプレッションとみなす方法だ。コンプレッションチャートで公表するのは、この数値だ。
例えば、あるボールの平均コンプレッションがセット全体の中央値と大幅に異なる場合、そのボールは「不良品」と見なされる。
2つ目の測定基準では、各ボールで測定された3か所のコンプレッションの『一貫性』を調べる。
これらの3つのポイントに大きなばらつきがある場合、そのボールも「不良品」と見なす。
私たちの「コンプレッションの一貫性」は、この2種類のコンプレッション測定の集計に基づいて評価している。
重量
Ball Labでの『重量(オンス)』測定は、Ohaus Pioneer 製「PX 323 Precision Electronic Balance」という機器を用いて測定。入力エラーを避けるため、量りのPCインターフェイスを使用して値を直接コンピューターに転送する。
わずかな誤差は考慮するが、ボールの重量がUSGAの許容限度である1.620オンス(約45.93グラム)を超えると、そのボールは「不良品」と見なす。
テストでは、各ボールの重量に加えてサンプル全体の重量の一貫性に関しても追跡する。
直径
Ball Labの直径測定は、特注の円形ベースとインジケーターチップを装備したMitutoyo 「ABSOLUTED Digital Indicator(Model 547-476B)」を使用した。そのカスタムツールはディンプルにまたがり、測定エラーの防止に役立つ。
測定器は、各ダースボールを測定する前に調整する。
直径は、各ゴルフボール4か所(継ぎ目2か所、ポール1か所、継ぎ目以外1か所)で測定される。直径は、測定した4か所の平均値で表す。
測定ポイント間に大きな差がある場合、正確さを見るため再度測定する。
継ぎ目の測定値の平均とポールの測定値とを比較して、ボールが丸いかどうか(真円度)をおおまかに判断する。丸くないボールは「不良品」と見なす。
さらに、平均サイズと真円度に加えて、USGA規定に適合しているか各ボールをチェックする。「ボールトラック」の手順は、特注の1.680 インチ「 Class X No-Go Gauge(ゲージ)」を使用して行う。
USGAボールトラックテストに合格しなかったボールも、「不良品」とする。
目視テスト
独自の測定テストに加えて、Ball Labでは各ボールの目視検査も行う。
物理的な欠陥を判断するのに、基準は至っておおまかだ。ゴルフボールは常に大目に見られる。プロセスの一環として、私達はボールを3つにカットする。
カバーの欠陥 –私たちの目的は、アベレージゴルファーが気づき、問題を起こす可能性が高いカバーの欠陥を探すこと。そのため、ピンマーク、ディンプルによる人工物、その他小さなイレギュラーは無視する。
ディンプルの欠落や、表面の印象が大きく異なる場合、ツールマーク、またはカバーの傷や擦り傷などの大きな欠陥があるボールは、「不良品」と見なす。
コアの中軸度 –Ball Labの中軸テストの目的は、ボールを顕微鏡下に置いて、ミリの差を数えるような、あら捜しをすることではない。目的は、パフォーマンスに大きな影響を与える可能性が高い異常を特定することだ。
肉眼でコアが中心から外れて見えるボールがないか確認し、コアが中心から大きく外れている場合にのみ、「不良品」とする。
レイヤーの同心性と厚さ –マントルとカバーレイヤーの異常は、パフォーマンスに影響を与える可能性がある。目に見えるが比較的マイナーな欠陥もチェックする。マントルまたはカバーレイヤーの厚さが明らかに一貫性に欠けている場合のみ、そのボールを「不良品」と見なす。
通常、これらはボールの一方のレイヤーが、反対側のレイヤーよりも明らかに厚い場合に欠陥品となる。
コアカラーの一貫性 – 些細な色の違いは無視するが、私達が探りたいのは、コア自体が不均一に混合されている場合や明らかな異常が見られる場合だ。
コアの見た目がサンプルの他のコアと著しく異なる場合、そのボールは「不良品」扱いになる。またコアにこのような欠陥があるボールは、他の理由ですでに「不良品」として扱われている場合が多い。
MYGOLFSPY BALL LABレポートについて
MyGolfSpy Ball Labが公開したレポートには、「コンプレッション」、「直径」、「重量」における一貫性の評価を掲載している。さらに、目視で行った検査の結果もまとめている。
最後に、サンプルセット内の「不良」ボールの総数を確認し、それを「True Price」の基準として使用する。真の価格「Ture Price」は、そのボール1箱から得られる「価値」の指標と捉えることができる。これは、「優良」ボール1ダース分得るために、相当する金額を見積もったものである。
読者のご意見
MyGolfSpy Ball Labに関する提案やリクエストがある場合は、個々のBall Labレポートにコメントを残していただきたい。
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