ゴルフ用品には、『Most Wantedテスト(MyGolfSpy独自のランキング)』 や『バイヤーズガイド』では大きく取り上げていないが、魅力あるギアがたくさん存在する。
これらの“隠れた名品”にどんな性能や機能が隠されているのか、読者の皆さんなら興味があるだろう。そこで、「We Tried it(トライ)」と称してこれらの商品を取り上げ、広告通りの性能が備わっているのか検証してみることにした。
トライした商品は?
アディダス「コードカオス22 BOA」。これは、アディダスの最高性能スパイクレスゴルフシューズの『BOAフィットシステム』を搭載したバージョンだ。そう、100%「スパイクレス」だ。
テストしたのは?
Mygolfspyのトニー・コービー。長きに渡るBOA(ボア)愛用者。
アディダス「コードカオス」について
「コードカオス」は、アディダスの代表的なスパイクレスゴルフシューズだ。
『Most Wantedスパイクレスゴルフシューズランキング』では、毎年優れたパフォーマンスを発揮し(何度も1位を獲得している)、最高のゴルフシューズとして評価されている。ここ数年MyGolfSpyでも取り上げてきたが、そろそろ実際に試してみようと思う。
「コードカオス22 BOA」特徴
・「マイクロ・アジャスタブルフィット」:「BOAフィットシステム」により足にしっかりとフィット
・「ブースト(Boost)・フォーム」:アディダス独自のフォーム。クッション性のある快適さと、驚くほどの反発力をもたらす
・リサイクル素材:アッパーには少なくとも50%以上のリサイクルプラスチック廃棄物が使用
・「スパイクレス・トラクション」:「グリップモア」ラバー使用の「ツイスト・グリップ」アウトソールが、スイング中も足をしっかりと固定する
さらに、「モールドEVA」ソックライナーも忘れてはいけない。
BOAバージョンは3色、レース(靴紐)バージョンは7色展開だ。
現在のところ小売価格は200ドルだが、標準のレース(靴紐)バージョンは 128ドル(元は160ドル) に値下げされている。
スタイル
スタイルについて意見を述べるのは好きではないが、読者の皆さんからの要望が多く、もはや避けることができないようだ。
他のBOAデザインのように、「コードカオス22 BOA」もフラップを覆うようなデザインだが、これは多くの人がBOAシューズで抱えていた問題の部分でもある。見た目の好みはそれぞれだが、このフラップ機能はBOAフィットシステムと連携して動作し、靴(つまりは足)をより均等に固定してくれる。
このように考えてみよう。「BOAフィットシステム」はズボンの全てのループにベルトを通した状態で、従来の靴ひもはズボンのフロントループだけにベルトを通した状態だと。
一旦話をスタイル(と機能性)に戻そう。
他のBOAデザインとは異なり、このフラップシステムは第二のジッパーの下に隠されている。これにより、一体化したようなルックスになるが、まだ好きになれない人がいるかもしれない。
確かに多くのスパイクレス愛用者が求めるような“カジュアルさ”はないが、よりカジュアルにしたいならBOAを締めずにジッパーを下げたままにすると良い。
間抜けに見える?いや、ルイ・ヴィトンのジョーダンモデルを、靴ひもを外して履いている人がいるくらいだから大丈夫だろう。
誰かはさておき・・・
一般的にBOAのカラーは限定的でほとんどが私の好みではなく選ぶことが少ないが、BOA以外でいつも好むのは黒地に黒のカラー。たまたま私はネイビー率が高いため、クラウドホワイト/クルーネイビー/クリスタルホワイトなら問題なく合うが、ほとんどの人は白地に白の靴ひもを選ぶだろう。
BOAバージョンだから違う色というルールはないはずだが、なぜかフットジョイも同じような傾向がある。
BOAフィットシステム
どれだけ周知されているかは分からないが、BOAにはさまざまなクロージャー(開閉)メカニズムが存在する。
アディダス「コードカオス22」の場合、BOAのL6ダイヤルとTX4素材のレース (靴ひものような素材ではない)が使われる。「L6」は、ゴルフシューズ界では一般的に使用されるダイヤルでフィット感の微調整が可能だが、「Tour360 22 BOA」に搭載のLi2ダイヤルとは異なり、緩める機能がない。
一部のBOAユーザーからは、ラウンド中に締め直す必要があるという声を聞く。私も経験したことがあるが問題と思ったことは一度もなく、締め直した記憶もない。正直言って、なぜ巷でそのようなことが言われるのか不思議ないくらいだ。
アディダス「コードカオス22 BOA」フィット感と快適さ
「コードカオス」ではBOAもレース(靴ひも)モデルもワイド(幅広)サイズを展開していないため、靴ひもモデルだけを否定するようなことは言えない。
他のアディダスシューズと比較した場合の「フィット感」に関して言えば、現時点で唯一比較できるとしたら、以前取り上げた「Tour360 22 BOA」だろう。その点で「コードカオス」は確かにワイドに感じるが、真のワイドサイズからはほど遠い。
とはいえ、私には快適なフィット感で、ヒールカップはピッタリとは言えないが、他人がオーダーメイドした「Tour360」を履いた時よりはるかに履き心地が良かった。
ブーストフォームを使ったモデルを試すのは2回目だが、正直虜になってしまった。柔らかすぎず快適でサポート力があり、多くのスパイクレスシューズよりも「安定性」にも優れている。
確かに、誰もがスパイクレスシューズにこのような機能性を求めているわけではない。しかし私の場合は、カジュアルシューズやスニーカーよりも、ゴルフシューズのように感じられる(機能性も含めて)ことを望んでいる。
テストした時は「快適さ」を考えて、万が一のために快適な予備靴をバッグに入れておいた。13番ホールで予備が必要になるかと思っていたが、主にかかと少し大きい私の右足から来る不快感は特になかったし、それ以降も特に問題はなかった。
前述の通り、私はゴルフシューズに慣れが必要という考えにはあまり賛成しないが、我慢できるのであればハーフを歩くには悪くない。また、標準幅のシューズを履くゴルファーなら文句ない「快適さ」かもしれない。
トラクション(グリップ力)
率直に言って、どんなレベルのスイングでも、スパイクレスはスパイクシューズの「トラクション(グリップ力)」には匹敵しない。スパイクレスがプロのツアーであまり見られないのはそのためだ。
とはいえ、乾いた状態での「トラクション」は十分だったし、滑ってスピンするような感じはなかった。乾いた状態では問題ないと断言できる。
ただし、濡れた状態での「トラクション」は良く言って平均以下といったところだ。激しく滑ってしまうこともあり、想像通りドライバーでは特に顕著だった。
結論として、「コードカオス22 BOA」は、コンディションが悪いことがわかっている場合には全くお勧めしない。
しかし、幸いなことに15分間激しい雨が降ったにもかかわらず、私の足は濡れていなかった。耐水性に優れている証拠だ。
アディダス「コードカオス22 BOA」− まとめ
「コードカオス22 BOA」は、今年お気に入りのスパイクレスシューズだ。正直、私は大したスパイクレスのファンではないし、好きなシューズを好きなだけテストできるわけでもない。
ワイドサイズがないことは残念だが、このモデルには十分な幅があり私にも履くことができる。すでに話した通り、私はワイドサイズと言っても標準に近いため、もっと足の幅が広い人は他のシューズを探した方が賢明だ。
どちらかと言えば、「コードカオス(BOA/レース)」は「快適さ」を優先するものではなく、オフィスからゴルフコースに直行できるようなカジュアルなものだ。そのため「ジッパー」を付けたというわけだ。
誰がジッパーシューズをオフィスに履いていくんだろう?
そもそも「コードカオス」は何よりもまずゴルフシューズであり、たまたまゴルフができるというものではない。その点ではフットジョイ「Pro SL」に少し似ているかもしれない。
ルックスや雰囲気はフォーマルさに欠けるが、スパイクレスシューズにまさに私が求めるデザインだ。
Leave a Comment