MyGolfSpy の『Ball Lab(ボールラボ)』では、市場に出回るゴルフボールの「品質」と「一貫性」の調査、数値化を行っており、価格に見合う最適なボール選びに役立てもらいたいと考えている。

今回取り上げるのは、コストコ「Kirkland Performance +V2(カークランドパフォーマンス+V2)」ボールだ。テストプロセスや、「不良」ボールの定義については、MyGolfSpy『Ball Lab』のページにて確認していただきたい。


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カークランド「Performance + V2」について

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世間では、初代カークランドボールに引けを取らない4ピースボールを待ち望んでいると思うが、私達にはまだ選択肢がある。それが、コストコの3ピースボール「Performance + V2」だ。

初代モデルは1ダースあたり13ドル以下という驚くべき価格だったが、その“価値(品質)”には疑問が残ることがテストにて明らかになった。サンプルのほぼ4分の1に重大な「同心性」の問題が見つかり、「直径の一貫性」にも欠けていたのだ。

そして最近のロボットテストから分かったのは、このボールが市場にあるプレミアムボールと引けを取らないとは言うのは“やや無理がある”ということだ。「Performance + V2」は、その高いスピン性能のために飛距離が犠牲になりやすく、特に「風」に対するパフォーマンスに関しては懐疑的だ。

これらの性能だけでもこのボールが万人向けではないことが分かるが、「Performance + V2」が合う人(または価格のために性能を犠牲にできる人)にとっては、以前から指摘されている「品質問題」が改善されたのか?は気になるところだろう。

コストコカークランド「Performance+ V2」の「品質」は、初代モデルから改善されたのか?その全容を見ていこう。


カークランド「Performance + V2」− コンプレッション(硬度)

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私たちの測定では「Performance + V2」の平均コンプレッションは94。これは前モデルよりも約4ポイント高く、キャロウェイ「Chrome Soft X」やバイス「Pro」と同じく一般的な範囲。『Ball Lab』のデータベースでは、3ピースボールの中で最も硬い。


カークランド「Performance + V2」−直径サイズと重量

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USGAの重量制限である1.62オンスを超えたボールが1個確認された。あってほしくはないが、「DTC/ファクトリーボール(直接販売や工場直売のボール)」が束になって重量オーバーになることは珍しくない。そのため、問題が見つかったボールが1個だったことは唯一の励みだ。

「真円度」に関してはすべて私達の基準を満たしていた。しかし、「Performance + V2」は前モデルほどではないが、依然としてウレタンボールの基準では大きい方だ。



カークランド「PERFORMANCE + V2」− インスペクション(検査)

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中心性と同心性

以前のカークランドの3ピースボールとは異なり、今回の問題はレイヤー(層)の「同心性」ではなかった。マイナーなレイヤーの欠陥は数個見つかったが、「不良品」と言えるほど深刻なものではない。


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コアの一貫性

コアカラーは全体的に一貫していた。その他の破片、塊なども確認されなかった。


カバー

重大なカバーの欠陥はなし。だが、、ボールが金型から完全にきれいに出なかったと思われるディンプルの不揃いは見られた。


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カークランド「PERFORMANCE + V2」− 一貫性

このセクションでは、カークランド「Performance + V2」の「一貫性」について詳しく説明する。これは、これまでにテストしたすべてのモデルと比較して、サンプル内のボールが互いにどの程度一貫しているか示す目安だ。


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カークランド「Performance + V2」


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重量の一貫性

・「重量」の一貫性は、平均範囲だが下の方

・「BOX 3」は、全体的にやや一貫性に欠ける


直径サイズの一貫性

・「Performance + V2」のサイズは非常に大きい(ウレタン基準による)。ご覧のとおり、チャートに完全に収まるボールは限られている

・全体的にサイズが大きく、「BOX 3」だけわずかに小さい傾向にあるがサイズは概ね一貫している

・サイズが大きいと通常「飛距離が出ないボール」と言われ、飛距離の最大化を目指す人には当然気になるところだろう


コンプレッション(硬度)の一貫性

・コンプレッションの「一貫性」は、「GOOD(良い)」レベルにある

・かなり硬いボールがいくつかあったが、サンプル全体の「コンプレッション差」はわずか8ポイントだった

・各ボールで測定した「3点間の平均コンプレッション差」も一般的に優れており、大幅な差があったのは2、3個に留まった



True Price - ボールの真の価格 -

「True Price」は、ゴルフボールの「品質」を独自に数値化した指標だ。これは、「優良ボール1ダース(12個)の対価として必要な金額」を表している。

「Ture Price」は常に「小売価格以上の金額」になる。「Ture Price」と「小売価格」の差が大きいほど、ボールの品質が懸念される。


カークランド「PERFORMANCE + V2」− まとめ

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最大のポイントは、コストコカークランド「Performance + V2」は初代3ピースボールより遥かに「一貫性」に優れていることだ。「品質」の観点から、「平均以上のボール」と言える。

品質の測定が『Ball Lab』の目的なのだが、このボールの特性が「低〜中弾道」でかなりの「高スピン」であることから、ニッチな商品に分類されることは述べておかなければならない。

素晴らしい「価格」で提供されるカークランドボールだが、大多数の人はそれほど極端なパフォーマンス特性を持たないボールの方がうまく機能するだろう。


良かった点

・「品質」が大幅に改善

・コンプレッション(硬度)の「一貫性」が平均以上


悪かった点

・サイズが大きく、超高スピン


最終スコア

コストコカークランド「Performance + V2」の総合スコアは84点。

また、このボールの「True Price(真の価格)」は、12.85ドル。小売価格よりたった36セントの増加で、このボールがいかに安いか物語っている。