今年発売されたレーザー距離計は、過去にテストした中で最高の商品ばかりだった。

レーザー距離計の商品数は年々増え続け、同時に機能性も向上している。ターゲットまでの距離計測機能は、ほとんどの商品が申し分なかった。昨年1年間で、レーザー距離計のマーケットは劇的に進化している。

優れたレーザー距離計は、単にターゲットまでの距離を測るだけでなく、容易に、迅速に、正確にターゲットをとらえてくれるが、多くの商品はそれだけではなく、「どんなショットを打てばいいか」という情報までゴルファーに与えてくれるのだ。

各商品を直接対決させて比較を行うのが、私たちのテスト基準の一つだ。各商品カテゴリーの中から上位の商品を選び出し、屋内ラボ、野外の両方で厳格な比較テストを実施している。

そして、評価項目ごとに配点を決め、商品を採点・ランク付けをし、評価理由を説明した上で、最優秀商品に賞(評価)を与える。

今年のレーザー距離計のテストは、徹底的なマーケットリサーチとゴルファーからのフィードバックに基づき、テスト方法を改良しながら厳正に評価を行った。この事前リサーチから得たいくつかの有益な発見が、今年のテストに生かされている。

今回のテストにおいて、一部の商品の性能が他の商品よりも明らかに勝っていた。このバイヤーズガイドでは、特に「計測の安定性・一貫性」、「視野の明瞭さ」、「200ヤード以上の距離を測る能力」に着目したが、今回トップだった商品は、それらの項目で他を圧倒していた。

 

※用語:NAME(商品名)/MAGNIFICATION(倍率)/CROSSHAIR COLOR(十字線の色)/RANGE(測定距離範囲)/LOCK INDICATOR(ロック時の表示)/Y/M(表示単位:ヤード/メートル)/SLOPE(勾配補正)/WARRANTY(保証)

 

測定基準

私たちは常にテスト方法を微調整し、意義あるデータ収集ができるよう努めている。それを継続することで分析に磨きをかけ、可能な限り正確なアドバイスを届けたいと思っている。

 

テスト方法

このテストでは、テスターに3つの異なる距離からピンに向けてレーザーをあててもらった。効果的に距離を測れるようピンには反射板を取り付けた。測定距離が正確か、一貫性があるかどうかを検証するために、それぞれのレーザー距離計につき10回計測してもらった。

その結果、長距離の計測が難しい商品もあることが分かった。もし3回計測して正確に測定できなかった場合、正確でなくてもその計測距離を最終記録とした。 

・正確さ(40ポイント):

この項目の目的は、与えられた距離に対して一貫して正確に測ることができるかどうかだ。性能の良い商品は、繰り返し同じ距離を表示した。どれも1~2ヤードの許容誤差はあったが、中には5ヤード以上の誤差、さらにターゲットを完全に見失ってしまった商品もあった。

僅かな距離の差が大きく影響するゴルフでは、測定距離が一貫していることが重要だ。

測定器を使ってラウンドする場合、仮に実際の距離と違っていても、計測器に表示される距離を参考にクラブを選ぶはずだ。

つまり、一貫した測定距離は正しい測定距離よりも重要になるということだ。

・測定スピード(15ポイント):

ここでいうスピードとは、ターゲットまでの距離を測定するまでにかかる時間のことだ。計測完了をゴルファーに知らせるピンセンサー付きのレーザー距離計は、より使いやすいことが分かった。

ピンセンサー機能がない商品は、計測が完了したかどうかがわからず使いにくいし、(完了前に測定器を動かすことで)ターゲットの前後にあるものを計測してしまう恐れもある。

・見やすさ(25ポイント):

この項目では、どれくらい視野が明瞭か?コースの地形ははっきり見えるか?草の葉、砂の粒まで対応できるか?に注目した。

このレベルまで確認する必要はないかもしれないが、コースレイアウトの確認には役立つだろう。はっきり見えることで、フェアウェイやグリーンの傾斜についても対応できる。

・ディスプレイ(15ポイント):

ディスプレイに距離がはっきりと表示されるか?レイアウトが複雑すぎないか、シンプル過ぎないか?フォントデザインや色がディスプレイの邪魔になるか、役に立つか?などに注目した項目だ。

・その他の特徴(5ポイント):

番手を決めるにあたって、実際に役に立つのか?レーザー距離計は、今や平坦な場所で距離を測る道具に留まらない。グリーン前、中央、後ろまでの距離を表示する商品もあるし、測定が完了したことをバイブレーション機能でゴルファーに教えてくれるものもある。

 

最終ランキング

最終ランキングは総合得点に基づき決定する。高得点を獲得したレーザー距離計を「最優秀レーザー距離計」とし、トップ5に賞(評価)を与えた。

さらに、特定の項目において業界の常識を覆すような性能を持つレーザー距離計には、「Best in Class」の評価を与えた。

※用語:ACCURACY(正確さ)/SPEED(測定スピード)/OPTICS(見やすさ)/DISPLAY(ディスプレイ)/ADDITIONAL FEATURES(その他の特徴)/TOTAL(総合評価)

1位 NIKON  COOLSHOT PRO STABILIZED

<高評価ポイント>

ニコンのイメージスタビリゼーション(手ブレ補正機能)が、「2018年ベスト機能」に選ばれた。ニコン独自の振動削減技術が、ついにゴルフ用レーザー測定器にも採用されたのだ。手ブレ補正の安定性が増したことで、ターゲットをさらにしっかりとらえることができる。視野は広く、見やすい。

<長所>

・手ブレ補正機能が、「2018年ベスト機能」に選出

・震える手でも、しっかり固定

・人間工学を見事に取り入れている

・手ブレ補正機能により測定の正確性が向上

・優れた精度、素早い測定

・明瞭で精密なディスプレイ

・勾配の変化に対応したスロープ機能

<短所>

・他の商品と比べると計測までやや時間がかかる

 

2位 BUSHNELL  HYBRID

<高評価ポイント>

初のハイブリッドGPSは、ブッシュネル独自のレーザー測定技術とGPS機能を搭載し、レーザー測定器単体では不可能だったグリーンの前、中央、後ろまでの距離を測ることができる。また、ジョルト機能が測定完了を振動によって伝えてくれる。

モバイルアプリを利用すればプレー中のホールを上空からの眺めやレイアップショット用の距離を確認することも可能だ。

<長所>

・GPSアプリにより、各ホールのビジュアルを詳細に提供

・ターゲットを素早くとらえる

・測定完了を振動で伝えるジョルト機能

・非常に見やすい

<短所>

・250ヤード以上でピンフラッグが中間色の場合、距離を測定しにくい

 

3位 BUSHNELL  PRO X2

<高評価ポイント>

ブッシュネルのもう一つの優秀なレーザー距離計。ディスプレイカラーを好みと明るさに合わせて赤から黒に変更できる。現在のところ、最も測定が早いレーザー測定器。数秒でピンを捉えるその精度と正確性は、他を圧倒している。

<長所>

・「2018年 最も精度が高いレーザー距離計」に選出

・「2018年 最も測定が早いレーザー距離計」に選出

・ジョルト機能搭載で、瞬時にターゲット測定を感知できる

・オンオフの切替ができるスロープ(勾配補正)機能

<欠点

・デザインライト機能はやりすぎだと思うゴルファーもいるかもしれない

 

4位 BUSHNELL  TOUR V4

<高評価ポイント>

Tour V4の良い点はいくつかあるが、素早くターゲットを捉える能力に長ける。視野が非常に広く明るいため、ターゲットやその周辺がとてもにクリアに映る。シンプルだが、機能性に優れた商品を求めるゴルファーにぴったりだ。

<長所>

・「2018年 測定が速いレーザー距離計」に選出

・高い精度

・非常に見やすい

<欠点>

・機能自体は少ない

 

ベストバリュー賞 PRECISION  PRO NX7

<高評価ポイント>

価格が199ドルとお手頃なPrecision Pro NX7は、「2018年ベストバリュー賞」に選ばれたコンパクト、かつ標準的なレーザー距離計だ。

トップ5に備わる全ての機能が搭載されているわけではないが、NX7は正確にピンをとらえ、距離測定に一貫性もあり、価格面と性能面ともに価値ある商品といえる。

<長所>

・素早くターゲットをとらえ、測定の一貫性や精度にも優れる

・最も安価なレーザー距離計

・クリアな視界

<短所>

・ディスプレイに調節機能があればなお良い

※用語:NAME(商品名)/PRICE(価格)/ACCURACY(正確さ)/SPEED(測定スピード)/OPTICS(見やすさ)/DISPLAY(ディスプレイ)/ADDITIONAL FEATURES(その他の特徴)/TOTAL(総合評価)