ゴルフシューズは急速に変化している。最近のゴルファーは、ゴルフシューズのルックスはもちろん、たとえ新品でも履き心地の良い快適さも求めている。さらに安定性があり、過酷なコースコンディションにも持ちこたえる耐久性も求められる。

このスパイクシューズバイヤーズガイドの目的は、スパイクシューズとしての「機能性」と、履きなれたスニーカーの「快適性」の両方を兼ね備えたシューズを見つけることにある。

今の時代、「何かを買う」というプロセスにはストレスと時間がかかる。最良の商品レビューは、消費者が正しい選択をし、時間とお金を有効活用するのに役立つ。

このガイドを見れば、あれこれ推測する手間を省き、自信を持って商品を選ぶことができるだろう。購入する前に、ぜひ機能をチェックして欲しい。

 

テストでは、それぞれの商品を突き合わせて比較する。各カテゴリーで上位の商品を選出したあと、並列テストを行う。このテストはラボと実際のコースの両方で実施し、各商品を各カテゴリー(配点は下記参照)で評価する。ランク結果では優れている点を説明したうえで、それぞれのカテゴリー内でベストパフォーマンス賞を決める。

ランキングには、多くの要素が含まれる。ラウンド中の「安定感」、新品の状態とスイング中の「履き心地」、厳しいコースコンディションでも損傷しない「耐久性」、「スタイル」、そしてかかとからつま先まで全体のフィット感などである。スパイクシューズのカテゴリーでは、デザインとトラクション(グリップ力)も考慮に入れている。

私たちは、常にテスト方法を微調整しながら、最良のデータを収集するよう努めている。消費者に最良のアドバイスをお届けするために、今年も微調整と更新を重ねた。

 

<2018年スパイクシューズ一覧>

テスト方法

私たちは、データに基づいた測定ルールと強化された測定基準を使って、何時間にもおよぶテストを行った。

テスト期間中、テスト参加者は各シューズを履いてボールを打つ。各シューズで打つのは8ショットずつで、テスト中とテスト後にスコアを付けてもらう。発汗や疲労を抑えるために、休憩時間を設けた。また、インソール、ミッドソール、アウトソールなどを細かくチェックし、機能性や快適性の障害になるものがないかを検査した。

 

採点方法

・安定性(25点):スイング中のサポートはどの程度か。足首は安定しているか。足首の動きはどれくらいで、その方向はどうか。母指球(足の親指の付け根)とかかと部分が、前後左右にスライドするか。これらの項目をすべて検証した。

安定性の低いシューズの場合、足首、母指球やつま先がシューズの中で滑ってしまう。安定性の高いシューズは、足首が所定の位置に収まるよう、かかとにくぼみが施されていた。これらのシューズは、底部が安定しているためバランスが高まる。

インソールに、水平なパターンや防水加工が施されたシューズは、スイング時に母指球やつま先が滑る傾向にあることが分かった。

注目すべき点は、高級なシューズと「安定性」「履き心地」には相関性がないということだ。

・快適さ(40点):新品でおろしたてのシューズで9ホール、18ホール、あるいは36ホールを回れるだろうか。立ったり座ったりする程度なら問題ないが、長距離を歩くと苦痛に感じるシューズは多い。私たちは、足の形にフィットしないインソールの形状や、硬くて柔軟性に欠ける靴底があることに気づいた。

快適なシューズとは、軽くて、ラウンド中に必要な安定感があるものだ。「快適さ」のカテゴリーには、長さ、幅、足首の入り口、つま先周り、土踏まず、かかとのへこみのフィット感が、いかに快適かが検証されている。

このカテゴリーでランクが低かったシューズの不快感は、これらの点がフィットしていないことに原因があった。一方、高いランクのシューズは、まるで手袋をはめるようにぴったりフィットする。

・機能性(15点):ゴルフコースでは、さまざまなコンディションに直面する。ゴルフシューズは、いかなる条件にも対応することが求められる。露や泥、雨に至るまで、あらゆる環境要素から足を守らなければならない。

このカテゴリーで最高ランクのシューズは、ミッドソール、アッパーソール、アウトソールが適切に設計されていて、さまざまな環境要素からシューズ自体を守ってくれる。

・スタイル(10点):このカテゴリーは、テスト参加者がシューズのルックスを気に入ったかではなく、大半の消費者がスタイリッシュと認めるかどうかが考慮されている。テスト参加者に答えてもらうアンケートは、ブランドで判断することがないように考慮されている。

・トラクション(グリップ力)(10点):コースでショットを打つ時に滑ってしまうのは、誰にとっても好ましくない。インパクトの瞬間に、シューズが滑らず地面に接地していることが重要だ。このカテゴリーで高いランクを獲得したシューズは、滑ることなくスイングできるグリップ力が高い。注意して欲しいが、トラクションは、安定性とは異なる。

 

最終評価

最終評価は、各カテゴリーの獲得点数の合計で決定された。獲得得点が最も高いシューズには最優秀賞として評価を与え、上位5つのシューズにも賞を与えた。

各カテゴリー(フィット感、履き心地、安定性など)で、業界の既成概念を超える性能のシューズに対しては、「Best in Class」の評価が与えられた。

大手ブランドと競り合う、価値のあるシューズを提供する優れた企業には、「Editor’s Choice(エイディターズ・チョイス)」や「Best Buy(ベスト・バイ)」などが与えられた。

 

2018 ベストスパイクシューズ ランキング

<ADIDAS TOUR 360 BOOST 2.0(アディダス ツアー 360 ブースト 2.0)>

※用語:STABILITY (安定性 ) / COMFORT (快適性) / ELEMENTS (機能性 ) / STYLE (デザイン性) / TRACTION (グリップ力) / SCORE (評価点)

 

<好評価ポイント>

・抜群の安定感

・ヒール部分のサポートが優れている

・アーチ(土踏まず)のサポートがある

 

<長所>  

・多彩な配色オプション

・スイングに適したコンパクトな作り

・プロゴルファー仕様のようなデザイン

 

<マイナス点>

・歩行中わずかにかかとが擦れる

・靴幅が狭い(幅広のオプションを考慮すべき)

 

<SKECHERS GO GOLF PRO V3(スケッチャーズ ゴー ゴルフ プロ V3)>

※用語:STABILITY (安定性 ) / COMFORT (快適性) / ELEMENTS (機能性 ) / STYLE (デザイン性) / TRACTION (グリップ力) / SCORE (評価点)

 

<好評価ポイント>

・柔らかな履き心地

・よくフィットする(ヒール部)

 

<長所>  

・余裕があるので通気性に優れている

・スイング時の安定感がある

・甲の上部分のフラップが縫い付けられており、砂などが入りにくい

・コースを歩くのに最適

 

<マイナス点>

・サイズによってはかかとが滑りやすい

・カラーバリエーションが少ない

 

<UNDER ARMOUR UA SPIETH 2(アンダーアーマー UA スピース 2)>

※用語:STABILITY (安定性 ) / COMFORT (快適性) / ELEMENTS (機能性 ) / STYLE (デザイン性) / TRACTION (グリップ力) / SCORE (評価点)

 

<好評価ポイント>

・スイング中の安定性が高い

・カラーバリエーションが少ないが、スタイリッシュ

・適切なサイズ感

・斬新で効果的なデュアルスパイクシステム

 

<長所> 

・すべての要素において平均以上

・力強いスイングでも安定感を保つ

・甲の上部分のフラップが縫い付けられており、砂などが入りにくい

・改良された構造(つま先〜甲部分に厚みがある)で、軸足の回転をサポートする

 

<マイナス点>

・母指球からかかとにかけて、多少きつめ

・新品の時は硬く、慣れるまでに時間がかかる

 

<ADIDAS TOUR 360 EQT BOA(アディダス ツアー 360 EQT BOA)>

※用語:STABILITY (安定性 ) / COMFORT (快適性) / ELEMENTS (機能性 ) / STYLE (デザイン性) / TRACTION (グリップ力) / SCORE (評価点)

 

<好評価ポイント>

・履きやすく、脱ぎやすい

・優れたフィット感(幅広の人向け)

・柔軟な素材で、履き心地が非常によい

 

<長所>  

・BOAテクノロジーにより、しっかりと固定される

・BOAがサイドに設定されることで、甲の上部の圧迫感が少ない

・カラーバリエーションが多い

・ずば抜けた安定感

 

<マイナス点>

・レザーにしわが寄り、歩行中に親指が擦れる

 

<FOOTJOY TOUR S(フットジョイ ツアー S)>

※用語:STABILITY (安定性 ) / COMFORT (快適性) / ELEMENTS (機能性 ) / STYLE (デザイン性) / TRACTION (グリップ力) / SCORE (評価点)

 

<好評価ポイント>

・オーソドックスな配色

・デザインと構造が優れている

 

<長所>  

・スイング時のかかとのサポートが優れている

・幅広い層にアピールするスタイル

・改良された構造(つま先〜甲部分に厚みがある)で、スイング時に軸足の回転を抑える

 

<マイナス点>

・シューズ中央部分に余裕がない

・ウォーキングに関しては許容範囲

・通常より1/2サイズ大きめ

<2018 年スパイクシューズランキング>