2020年 初級者向けアイアン第1位
第2位
お買い得
2020年 初級者向けアイアン第1位
コブラ「F MAX AIRSPEED」
  • 2020年 初級者向けアイアン第1位
  • ロング、ミドルアイアンでストロークス・ゲインド1位
  • 見た目部門でテスターから一番人気
  • 飛距離重視のクラブではない
1位
5位
135.96ヤード
RUNNER-UP 第2位
クリーブランド「ランチャーHB TURBO」
  • ショートアイアンでストロークス・ゲインドが上位
  • 寛容性で第2位
  • クラブのデザインと見た目がテスターから高評価
  • トータル飛距離が下位
2位
2位
145.25ヤード
コブラ「T-RAIL」
  • ショートアイアンのストロークス・ゲインド1位
  • テスターの多数がダークフィニッシュに高評価
  • アライメントをサポートするフェース下部の白いスコアラインとのコントラストも人気
  • 寛容性で下位
  • トータル飛距離で下位
3位
11位
143.78ヤード
ピン「G710」
  • ロングアイアンでストロークス・ゲインドが上位
  • ショートアイアンのストロークス・ゲインドが平均以上
  • デザイン/見た目部門でテスターから一番人気
  • 寛容性で下位
  • ミドルアイアンのストロークス・ゲインドで下位
4位
10位
144.04ヤード
お買い得
トミーアーマー「845MAX」
  • トータル飛距離で第1位
  • ロングアイアンでストロークス・ゲインドが上位
  • テスター間の主観的評価で高い人気
  • ショートアイアンのストロークス・ゲインドが下位
  • 寛容性が下位
5位
9位
150.29ヤード



すべてはあなたのゴルフのため

2020年はかつてない年になっている。パンデミックによる影響で一番大きかったのは、我々の「Most Wanted」テストの中断を余儀なくされたこと。

でもご安心を!2020年「Most Wanted」の最終回もなんとか終了し、みなさんに少しは良いニュースを届けることができた。

最終回は、ミドルからハイハンディのゴルファー部門を対象にした2020年初級者向けアイアンランキング。

このカテゴリーでは、ミドルからハイハンディのゴルファーに対する最高の売り文句となる「寛容性」を享受することができる。

基本的にこうした初級者向け・ミドル/ハイハンディキャッパー向けアイアンにおいても、「見た目」を損なうことはない。しかしそれ以上に「寛容性」「一貫性」「扱いやすさ」の方が、「見た目」を大きく上回る評価を得ている。

もしあなたがゴルフの上達を目指し、プレーを楽しみ、そしてエゴを捨てられるなら、このランキングは必見だ!



第1位:コブラ「F MAX AIRSPEED」


パフォーマンス評価

下記は、パフォーマンス評価をアイアンの「番手」に分類したものだ。各アイアンの数値は、それぞれのアイアンが、テスト全体における各テスターの「ベスト初級者向けアイアン」となった頻度を表している。このデータの算出方法については、テスト方法のページをチェックして欲しい。

パフォーマンス評価

パフォーマンス評価

MYGOLFSPY版の「ストロークス・ゲインド」について

ストロークス ゲインド:元々は2011年からPGAツアーで導入されたプレーヤー指標。コースの難易度により大きく変動する「平均パット数」や「パーオン率」等では比較できない、選手の「本当の実力」を比較するために生まれた指標。同じコースでの全選手の平均ストローク数、あるいは同程度の難易度のコースや状況における平均ストローク数と自分のストローク数との「差」で示される。

「スコアを何で稼いでいるか」という観点で、「ドライバーショット」「アイアンショット」「アプローチショット」「パッティング」それぞれのショットが、平均値より何打“少ないか(ゲイン)“を数値化している。

MYGOLFSPYの「MOST WANTED」における製品テストでは、この「ストロークス・ゲインド」の考え方をベースとして、プレーヤーではなく“商品そのものの実力”を見るため、「ドライバー」「アイアン」「パター」等、各カテゴリーの「商品の実力」を比較する指標として用いている。

 

アイアン購入で検討すべきこと

新しいアイアンを買う時は、パフォーマンスを一番に考えるべきだが、購入を決める前に考慮した方がよい点が他にもある。


クラブセッティング

「Most Wanted」のテスト中はクラブセッティングに注意を払っているが、今回も同様だ。初級者向けアイアンの多くのセットには4番アイアンがない。多くは5番からPWで、GWが含まれることがあったり、コブラの「T-RAIL」のようなモデルならハイブリッドの4番がセッティングされている。

ベストな初級者向けアイアンにおいては、「番手毎の飛距離」と「コントロール性」が重要な要素となる。クラブセッティングを決める時は、成功への切符となるこうした要素に着目すると良いだろう。


シャフト選択

初級者向けアイアンは、他のカテゴリーに比べ軽量シャフトを装着している傾向にある。圧倒的にカーボンシャフトが装着されているが、スチールシャフトも選択可能。スチールシャフトがオプションとなっている場合は、重量が100g以下となっていることが一般的だ。

初級者向けアイアンは、主にスピードとボールを上げることに苦労しているミッドからハイハンディのゴルファーが、ゴルフを楽しめるようにすることを全体の目的としている。

だからこそ、軽量で高弾道を実現するシャフトが強力な存在感を示しているのだ。

こうした特徴は、クラブヘッドにおける低・深重心化にもつながっており、これらが組み合わさることで、寛容性と適正な打ち出し角が実現できる。適したシャフトを見つけ、それを装着することで、より扱いやすいアイアンを持てるチャンスが増すというわけだ。


飛距離 vs. 寛容性

このカテゴリーにおいては、寛容性が重要視される。年々、初級者向けアイアンは寛容性が突出してきていることが明らかだ。では、飛距離はどうだろうか?

ベストな初級者向けアイアンの重要な要素は飛距離であると感じているゴルファーなら、トミーアーマーの「845 Max」、キャロウェイの「MAVRIK MAX」、EPONの「AF-706」から選ぶと良いだろう。

ウィルソンスタッフ「ローンチパッド」やクリーブランド「ランチャーHB TURBO」は、究極の寛容性を求めている人には良い選択肢となるはずだ。


価格

ベストな初級者向けアイアンでも、他カテゴリーの同等クラスのアイアンより安価になる傾向がある。例えばツアーエッジの「HL4」は489.99ドルとコストパフォーマンスが良い。

一方高価格帯のモデルもありピンの「G710」は1,137ドル。そして、これら2モデルの間にはたくさんの選択肢が存在する。新アイアンを購入する予定があるなら、プロのフィッティングを受けることを忘れないようにしよう。

   
Best Forgiveness - New Level 623-M Forged

寛容性で第1位 – ウィルソンスタッフ「ローンチパッド」

ウィルソンスタッフ「ローンチパッド」は寛容性部門でトップの評価を受けた。他の多くの初級者向けアイアンと同じく、「ローンチパッド」は見た目と打感でユーザーを驚かせることはないだろうが、パフォーマンスは素晴らしい。バラつきを抑えたいなら、検討に値するアイアンと言える。


記録

テストでは、市場全体がどこに向かっているのかを探っている。さらに、メーカーが年々パフォーマンスを向上させるためにどのような改善を行っているのかを分析。

テスト中は、テスターからフィードバックも受けている。テスターの主観的なフィードバックは参考になるものではあるが、総合順位に影響を与えることは全くない。


トレンドと改善点


・ランキングトップとなったコブラ「F MAX AIRSPEED」は、ストロークス・ゲインドにおいて圧倒的な強さを見せた。興味深いのは、このアイアンが他にテストしたモデルよりも距離は全然出なかったこと。ロフトのせいかと言われれば、確かにそうだろう。とは言え、このアイアンが全体を通じて素晴らしい安定感を発揮していた。とは言え、もっと飛距離を伸ばしたいのなら、このクラブはおすすめしない。


・「2019年の初級者向けアイアンランキング」のテストと同じように、「ハイブリッド系」アイアンが中空ボディ構造同様にラインナップしている。クリーブランド「ランチャーHB TURBO」、ウィルソンスタッフ「ローンチパッド」、コブラの「T-RAIL」、そしてツアーエッジの「HL4」は、全てセッティングを通じて「ハイブリッド」スタイルのデザインが特徴だ。なぜかといえば、従来のアイアンに比べて重心をより深く、後部に配置できるから。こうすることで、より易しく、弾道も改善されボールスピードもアップする可能性があるのだ。


・テクノロジーは常に進化を遂げている。ここ数年、キャロウェイはAIを活用したデザインにより限界にチャレンジ。キャロウェイの「MAVRIK」は、「2020年の中級者向けアイアンランキング」で、このAIを押し出していたが、今回テストされたキャロウェイの「MAVRIK MAX」も、AIによるデザインが特徴となっている。キャロウェイではAIを活用することで、優れたパフォーマンスを発揮する『フラッシュフェースカップ・テクノロジー』を各番手に採用しているのだ。


・ピンの「G710」アイアンには「アーコスゴルフ」が標準搭載されている。アイアンセットでこのアーコスを採用するなんて相当なことだし、これによりあらゆるレベルのゴルファーに対してコース上の素晴らしいフィードバックを提供することが可能になっている。仮に「G710」アイアンがあなたにマッチしなくてもコース上のデータをトラッキングしたいなら、アーコスキャディの「スマートグリップ」は素晴らしい選択肢となるだろう。

Best Distance - Tommy Armour 845 Max

飛距離で第1位 – トミーアーマー「845 MAX」

トミーアーマーの「845 MAX」は今年のテストを大きく盛り上げてくれた。テスターたちも、テストの工程を通じて高評価。安定した飛距離は、今年のテストにおけるこのアイアンの多くの長所の一つと言える。もっと飛距離を稼ぎたいのなら、このアイアンは現在の“初級者向けベストアイアン”の一つと言えるだろう。


テスターからのフィードバック

下記は20人で構成するテスターによる主観的なフィードバックだ。

ここでは、テスト中のフィードバックのいくつかを紹介しているが、ベストな初級者向けアイアンに対するテスターのフィーリングが、いつもデータと相関するわけではないということは理解しておいて欲しい。


・初級者向けアイアンは、見た目に定評があるわけではない。しかしながら、ルックスが良かったモデルもある。テスターからはキャロウェイの「MAVRIK MAX」、EPONの「AF-706」、ゼクシオ「11」、そしてコブラの「F MAX AIRSPEED」が高い評価を受けていた。


・コブラ 「T-RAIL」、ツアーエッジの「EXOTICS EXS 220H」、ピン「G710」の3モデルは、テスターに対して見た目で意表をついていた。これらの3モデルは全て仕上げがブラック。フィニッシュ(仕上げ)におけるテスターからの評価は賛否両論あったが、トータルで見ると、各アイアンとも一番下のスコアラインの白いラインが、アドレス時のアライメントに役立ち、フェースをスクエアにしやすくなったという。


・古豪復活か?テスター数名は、トミーアーマーの「845MAX」のフィーリングと見た目を称賛。「全体的に素晴らしい」という声もあった。


・初級者向けベストアイアンの中にはクリーブランドの「ランチャーHB TURBO」、ウィルソンスタッフの「LAUNCH PAD」、ツアーエッジの「HL4」、そしてコブラの「T-RAIL」にように「ハイブリッド系」アイアンもある。その評価は、簡単に打てそうなデザインをしているという声がある一方で、見た目が耐えられないという声も。プラス面としては、ハイブリッドタイプの中での見た目No.1として、クリーブランドの「ランチャーHB TURBO」を挙げるテスターが数名いた。


2020年MOST WANTED「初級者向けアイアン」データ

2020年MOST WANTED「初級者向けアイアン」データ

専門家の意見:シャフト素材

テスターの中ではスチールシャフト使用者が圧倒的だが、カーボンシャフトもスイングスピードが速いゴルファーによりマッチしてきている。スチールシャフトは、力がありスイングが速いゴルファー向けと見られており、一方、カーボンシャフトはその逆と考えられているが、次にアイアンセットを選ぶ際は、シャフト素材選びに柔軟性を持って欲しい。適正なシャフトを選べば、バラツキが減少し弾道も安定、そしてカーボンシャフトもこうしたことを実現する手段となる可能性がある。


2020年MOST WANTED「初級者向け」商品スペック

2020年MOST WANTED「初級者向け」商品スペック


FAQ

ニューアイアンの購入にあたって

Q:アイアンを買い替え頻度はどのくらいか?

A:まれに明確な技術革新が続くこともあるが、メーカーがクラブのパフォーマンスを相当に向上させるには通常3〜5年かかる。特にUSGAがメーカーに対してクラブの規制を厳しくしたことから、今後の技術革新はより時間がかかる可能性があるだろう。我々がおすすめする買い替え時期は、使用中のクラブよりも明確に性能が良い新アイアンが発表された時。もちろん、新作が出たから欲しいというなら、それでも構わないだろう。


Q:どのように自分に合うアイアンカテゴリーを見つければ良いか?

A:アイアンには、「上級者向け(キャビティーバック)」、「上級者向け飛び系」、「中級者向け」、「初級者向け」の4つのカテゴリーがある。カテゴリー同士が重なり合うこともあるが、カテゴリー探しは、個々のスキル(ハンディキャップ)やゴルフに求めることを率直に見つめることから始めるほうがよい。もしハンディ10以上で打点にバラツキがあるなら、「中級者向け」か「初級者向け」のアイアンを検討して欲しい。より安定してボールを打つことができるなら、「上級者向け」か「上級者向け飛び系」を使うと最もメリットが得られるだろう。その中でも特に飛距離を求めるなら、「上級者向け飛び系」が理想的なアイアンとなるはずだ。


Q:シャフトは重要か?

A:もちろん。スピン量や打ち出しの差はそれほどではないだろうが、シャフトを交換することで正確性、バラツキの減少、そして全体的な安定性の向上が期待できるだろう。


Q:アイアンを試打する時は何に注目すべきだろうか?

A:ゴルファーは、飛距離以外のほとんどの要素に目を向けない傾向があるが、初級者向けカテゴリーであっても「小さな数字」や「丸で囲まれた数字」にも注目すべきだろう。「飛距離」と「ボールスピード」などの数値を比較する際も、必ず「標準偏差(ローンチモニターのスクリーン上では、これらの数値は大きな数字の下に表示される)」をチェックすること。数字が小さいほど安定性が良いということだが、これはコース上だと1~2ヤード飛距離が伸びることでもある。同様に(丸で囲まれた)バラツキも確認して欲しい。アイアンにおいて大切な安定性を過小評価してはいけないのだ。

正確性を改善するにはシャフトがカギ

一般的にゴルファーは、シャフトを“弾道”や“スピン”を最適化する手段として考えているようだが、シャフトは“正確性”や“バラツキ”にこそ大きな影響を与えているのが現実だ。「重量」、「剛性」、「トルク」などの要素は全て、クラブヘッドがボールに届くまで、どのように曲がったり捻れたりするのかに影響を与えている。新しいアイアンセットをフィッティングする際は、これらの要素も検討すべきだろう。

ベストを決めるテスト

Q:どのようにアイアンを各テスターにフィットさせるのか?

A:テストでは「フィット・フロム・ストック」と呼ぶフィッティングプロセスを活用する。各テスターは、追加料金でカスタムされたものではなく、メーカー在庫(ストック)のアイアンを使用。各セットの「ショートアイアン」、「ミドルアイアン」、「ロングアイアン」を一本ずつテストする。今回のテストに調整機能付きのアイアンはないが、テスターに合うアイアンを使うようにした。弾道を改善できるように別の標準シャフトを装着した複数のセットを送付してきたメーカーがいたことも付け加えておく。


Q:アイアンセットの対象カテゴリーはどのように決めるのか?

A:開発者が認めるくらいのアイアンテストをするために、ヘッドデザイン(形状、ソール幅など)に加えて「長さ」や「ロフト角」で分類。テスト群の中での「違い」を出来る限り最小化するようにしている。カテゴリーが重複してしまうようなアイアンがある時は、メーカー発表のカテゴリーに沿うようにしている。


Q:どのように2020年のベスト「初級者向けアイアン」を決めたのか?

A:順位決定においては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使って主要データを収集した。異常値を除いた後、独自の手法を用いて各テスターとクラブごとの「ストロークス・ゲインド」値を計算。フィールドの平均と比較して最高の「ストロークス・ゲインド」となったアイアンがベストアイアンとなる。


Q:「最も飛ぶアイアン」はどのように決めるのか?

A:「最も飛ぶアイアン」の決定方法は、総合順位の決め方と似ている。飛距離で重要なのは「合計ヤード」。フィールドの平均と比較して「ロングアイアン」と「ミドルアイアン」で「合計ヤード」が最も大きかったアイアンをトップとした。


Q:「最もやさしいアイアン」はどのように決めるのか?

A:「やさしさ」については実用的な手法を用いた。ベストショットの「ストロークス・ゲインド」値が、一番悪かったショットの「ストロークス・ゲインド」の数値に近い(平均に比べて)ものを「一番やさしい」アイアンとした。


Q:見た目、打音、打感などの主観的なフィードバックには議論があるが、こした要素をどれくらい順位に影響するのか?

A:全く反映されない。我々のランキングは、ローンチモニターのデータと測定できるパフォーマンスの数値だけで決定される。


MYGOLFSPY

MYGOLFSPY

数多くのテスターと最新の計測企画を用いてテストを行い、ゴルフ用品の本当の価値と実力をデータによって明らかにする記事を提供するアメリカのゴルフメディアサイト。大手ゴルフ用品メーカーからの広告を一切もらうことがない為、中立的な立場でデータを示す事ができる数少ないメディアである。最近では、コストコのKirklandボールがタイトリストPro V1よりも優れているという記事を発表して、全米のコストコで大人気商品となり長期間欠品を招いた事件は全米ゴルフ業界に衝撃を与えた。





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