総合1位
2位
3位
飛距離1位
正確性1位
寛容性1位
総合1位
PING「iクロスオーバー」
 1位
 2位
 1位
 3位
2位
タイトリスト「T200」
 2位
 3位
 2位
 11位
3位
キャロウェイ「Apex UT」
 3位
 12位
 5位
 1位
飛距離1位
タイトリスト「U505」
 7位
 1位
 7位
 16位
正確性1位
iクロスオーバー
 1位
 2位
 1位
 3位
寛容性1位
キャロウェイ「Apex UT」
 3位
 12位
 5位
 1位

「ユーティリティアイアン」は、市場において最もニッチなゴルフクラブだ。中〜高ヘッドスピードの上級者や優れたボールストライカーをターゲットにしている。


2024年『ユーティリティアイアンテスト』は、最も注目されている大手ブランドのモデルから小規模ブランドまで16モデルがラインナップ。


今回は合計100時間以上を費やし、皆さんのような熱心なゴルファー20名のテスターからデータを集め分析。「正確性」、「飛距離」、「寛容性」の指標を考慮し、最も優れた「ユーティリティアイアン」を決定した。

新しいクラブを購入する際、またフィッティング前の追加情報を求めている方にも、このテスト結果は役立つものとなるはずだ。

では2024年「ユーティリティアイアン」を紹介しよう。


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最も優れたユーティリティアイアン

アイアン型のユーティリティを「ドライビングアイアン」と呼ぼうが、「ユーティリティアイアン」と呼ぼうが、こうしたギアは市場ではニッチなクラブに分類される。

モデルによっては、フェアウェイウッドの代わりとして使われたり、両サイドが狭いホールのティーショット用としても使用されている。今までユーティリティアイアンを試したことがなくても、これがスコアを変える1本になる可能性はある。ただし、万人向けではない。

また、我々はテスターたちのインプレッションも載せているが、これはランキングの順位には影響がない。新しいゴルフクラブを買う際には、常に私見よりもパフォーマンスを優先すべき。我々の10年以上に及ぶ『ゴルフクラブテスト』の実績が物語るように、一般的な感想や意見が現実と合致するとは限らないと自信を持って言えるからだ。

以下でベストユーティリティアイアン「総合」をお届けする。


2024年ベストユーティリティアイアン「総合」トップ


「総合」1位 /「正確性」1位 /「飛距離」2位:PING「iCrossover(iクロスオーバー)」


ポイント

PING「iCrossover」は、2024年の最も優れたユーティリティアイアンだ。このモデルは、昨年も「正確性」、「飛距離」、「寛容性」でテスターたちを圧巻。今回もその状況は変わっておらず、とんでもなく良い。PING「iCrossover」は、依然としてこの3つのカテゴリーでベスト3にランクインしている。ユーティリティアイアンの使用を真剣に考えているなら、まずはPING「iCrossover」を検討すべきだろう。


おすすめ層

総合的な性能を求める人:PING「iCrossover」は「正確性」1位、「飛距離」2位、「寛容性」では3位となっており、市場において最も優れたユーティリティアイアンだ。ユーティリティアイアンは、誰にでも向いているわけではないが、試してみたいと思うなら、PING「iCrossover」はその候補のトップにするべきだろう。「iCrossover」は、アジャスタブル(調整)機能がある数少ないクラブの一つであり、これによりさらにパフォーマンスを高めることができるはずだ。

インプレッションを大切にしている人:PING「iCrossover」はとにかく性能が良い。一方で、PINGはインプレッションに当たり外れがある。しかし「iCrossover」は、どうやらこれに当てはまらないようだ。今回のテスターたちは、このモデルの「打感」、「打音」、「見た目」で高評価をつけており、さらに「購入の可能性」では最高評価をつけている。


不向きな人

ユーティリティアイアンが不要な人:はっきり言うと、ユーティリティアイアンはほとんどのゴルファーには向いていない。ニッチなゴルフクラブなのだ。またパフォーマンスとインプレッションにおいて、PING「iCrossover」にマイナスポイントはない。故に今回トップとなったのもごもっともだ。しかし、セッティングに組み込むところがないなら入れる必要はないだろう。


テスターの主観的フィードバック

・「買って違うシャフトをつけると思う。「打音」は自分的にはちょっと高め」

・「セクシーで『打感』は最高、しかも飛ぶ」

・「比較的に真っ直ぐ飛ぶし、自分のスイングにも良く合っているので、心地よく振れる。全てを満たしているし、この分野では優れたクラブだと思う」


専門家の見立て

PING「iCrossover」は間違いなく最高傑作だ。また、アジャスタブル(調整)機能を持つ数少ないユーティリティアイアンの一つとなっている。ユーティリティアイアンに調整機能があるということは革新的なこと。調整できるということで、ドライバーやフェアウェイウッド、ユーティリティ(ハイブリッド)のように、自分に合うよう最適化することもできるというわけだ。これにより、パフォーマンスを発揮しやすくなるし、最低でも向上させることができるだろう。


「総合」2位 /「正確性」2位:タイトリスト「T200」


ポイント

「T-200」は、タイトリストのベストユーティリティアイアンだ。ティーショットでの「正確性」と「飛び」の両方を備えており、こうした性能は、ほとんどのゴルファーにとって好ましいことだろう。ヘッドの内部について言うと、今回のモデルと「上級者向け飛び系」の対抗馬に大きな違いはなく、ユーティリティアイアンとして特化した作りになっていることが想定される。「寛容性」のスコアが平均以下であることがこのモデルの弱みの一つだが、それ以外の点では、市場で最高のユーティリティアイアンの一つとなっている。是非チェックして欲しい。


おすすめ層

ティーショットからの「正確性」が欲しい人:このタイプのほとんどのゴルファーはティーショット用としてセッティングにユーティリティアイアンを入れている。つまり、「正確性」が最優先事項だ。タイトリスト「T200」は、ユーティリティアイアンの「正確性」で総合2位。『ユーティリティアイアンテスト』では、ストレートショットだったのかプレイアブルショットだったのかは算出していないが、「正確性」が高いところを見ると、楽に2打目が打てるクラブであることが分かる。

「飛距離」を望む人:ユーティリティアイアンにおいて、「飛距離」は大切なパフォーマンス特性だ。我々のテストは全て、「正確性」を重視しているが他モデルよりも飛ぶユーティリティアイアンは検討すべきだろう。タイトリスト「T-200」は「飛距離」で3位にランクインしている。


不向きな人

「一貫性」を重要視している人:ショット毎で見ると、タイトリスト「T-200」は他のユーティリティアイアンの「一貫性」に及ばない。我々のテストによると、確かに「正確性」と「飛距離」を満たしているが、「ボール初速」、「キャリー」、「スピン量」、「バラツキ」を分析するとブレがある。試打する際はこの点に注意すること。パフォーマンスを最適化する一番より方法は、専門家のフィッティングを受けることだろう。


テスターの主観的フィードバック

・「自分のヘッドスピードとニーズからすれば、全ての条件を満たしているし、『飛距離』も出ている。間違いなく最終候補リストの中に入るね」

・「このクローム仕上げは好みじゃないけど、今使っているものよりも良いと思う数少ないユーティリティアイアンの一つだ」

・「良いユーティリティアイアンだけど、2番より3番を買うと思う」


専門家の見立て

ユーティリティアイアンを検討しているゴルファーのほとんどが、ユーティリティやロングアイアン、そしてフェアウェイウッドよりもさらなる「一貫性」をもたらす可能性があることから、このクラブを使いたがると思う。タイトリスト「T-200」は、市場でベストなユーティリティアイアンの一つ。「正確性」と「飛距離」のバランスが優れており、他に勝るものはないはずだ。


「総合」3位 /「寛容性」1位:キャロウェイ「Apex UT」


ポイント

キャロウェイ「Apex UT」が総合3位にランクイン。「正確性」5位「飛距離」12位、そして「寛容性」では1位と最も「寛容性」に優れたユーティリティアイアンとなっている。「Apex UT」は、我々が言う「寛容性」とは、テスト時のショットの「一貫性」の差を見ている。「ボール初速」「飛距離」「スピン量」「打点のバラつき」の差や分散の度合いに注目しているのだ。つまり、テスト全体を通して前述した各指標の標準偏差を評価している。テストを通してキャロウェイ「Apex UT」は、最高の寛容性 (一貫性) をもたらしてくれた。


おすすめ層

「寛容性」が必要な人:「寛容性」とはどのように定義すれば良いのか?それ以上に、寛容性が高いユーティリティアイアンの見分け方はあるのだろうか?我々のテストでは、クラブが「何度も同じようなショットを生み出せるか?」を「寛容性」の評価(定義)と考えている。「「ボール初速」、「飛距離」、「スピン量」、「バラツキ」がどのくらい同じになるかを「寛容性」としており、キャロウェイ「Apex UT」は「寛容性」でトップとなっている。

「寛容性」をより求める人:キャロウェイ「Apex UT」は、他のユーティリティアイアンに比べて易しくて一貫性がある。しかし、「正確性」では総合5位となっている。「バラツキ」と「正確性」はある程度関連しているが、「バラツキ」は小さくなることもあれば、同時に不正確になることもある。キャロウェイ「Apex UT」は「寛容性」が高く、「正確性」で上位にランクインしていることから、このユーティリティアイアンがバランスのとれたパフォーマンスをもたらしていることが分かる。


不向きな人

「飛距離」を重要視している人:「飛距離」は我々の評価項目の一つに過ぎず、「トータル飛距離」よりも「正確性」を考慮すべきだろう。我々のテストによると、キャロウェイ「Apex UT」は「正確性」と「寛容性」をもたらすが、残念ながら、このモデルは他モデルに比べ「飛距離」が平均以下。だからといって、このモデルの購入検討をやめるべきではないが、「飛距離」がどうしても欲しいならば他のモデルを検討すべきだろう。


テスターの主観的フィードバック

・「外観と形状が良いね、伝統的な『見た目』をしている」

・「良いね。すぐに使うと思う」

・「左へのミスが多少あるけど、全体的なパフォーマンスはまずまず。別のシャフトを挿して明日バッグに入れると思う」


専門家の見立て

キャロウェイ「Apex UT」は期待を裏切らない。「寛容性」におけるベストユーティリティアイアンであり、毎ショット一貫している。また、テスターたちもこのクラブを高評価。何人かは、このユーティリティアイアンを使うとも言っている。欠点の一つは「飛距離」で、このせいでこのモデルを躊躇する人もいるかも知れない。


ベストユーティリティアイアン:「正確性」

ユーティリティアイアンで最も重要なのは「正確性」だ。フェアウェイキープは、スコアメイクに重要であり、さらにプレーがしやすくなるシナリオを生み出すことができる。結局のところ、セッティングにユーティリティアイアンを入れる場合は、(主に)ティーショット用として使うことになるはずだ。

以下は「正確性」においてベストなユーティリティアイアンだ。


・1位PING「iCrossover」

・2位タイトリスト「T-200」

・3位スリクソン「ZX Mk II ユーティリティ」


ベストユーティリティアイアン:「飛距離」

皆さんの注目はやはり「飛距離」だろう。ユーティリティアイアンは、セッティングの中でも上の番手に特化して作られていることから「飛距離」が持ち味だ。ほとんどのユーティリティアイアンは、ティーショットか距離が必要なグリーンを狙うショットが活躍の場となっているのだ。

以下は「飛距離」においてベストなユーティリティアイアンだ。


・1位タイトリスト「U505」

・2位PING「iCrossover」

・3位タイトリスト「T-200」


「飛距離」1位:タイトリスト「U505」

 

ポイント

タイトリスト「U505」のパフォーマンスには当たり外れがある。2024年の『ユーティリティアイアンテスト』では「飛距離」でトップになったが、その設計が起因しているのか「寛容性」では下位に位置しており、衝撃を受けた。もし「飛距離」を最優先にするなら、このユーティリティアイアンを検討する価値はある。しかし、専門家のフィッティングを受けて、総合的に最適なパフォーマンスをもたらすようにして欲しい。


おすすめ層

「飛距離」を求める人:ゴルファーが新しいクラブを購入する際は、いつでも「飛距離」が決め手になる。飛ばなくて良いなんて言う人はいないだろう。タイトリスト「U505」は、2024年『Most Wantedユーティリティアイアン』において、僅差で「飛距離」ベストのタイトルを獲得。「U505」は見た目以上に飛ぶが、これは全ユーティリティアイアンの中で一番ヘッドが大きく、扱いやすさをより重視したデザインになっているためだ。データはその飛びを改めて示している。というわけで、「飛距離」を求めているならタイトリスト「U505」をチェックしよう。


不向きな人

「寛容性」が必要な人:この見た目だとタイトリスト「U505」には「寛容性」があるように思え、ゴルファーはアドレス時に自信が持てる。再設計されたシャーシにより、大型化しているからだ。ところがこのモデルは、「寛容性」を分析してみるとショットごとのパフォーマンスに欠けている。「ボール初速」、「飛距離」、「スピン量」、「バラツキ」の指標がよろしくない。なんと「寛容性」は、16モデル中の最下位となっている。


テスターの主観的フィードバック

・「好みよりどっしりしているが、パフォーマンスはソリッド」

・「一貫しているように見えるしデザインが自信を与えてくれる」

・「『打感』はよろしくないが、ボール初速は確かに速い」


専門家の見立て

タイトリスト「U505」が「飛距離」でトップとなっている要因の一つは、「ボール初速」の数値にある。テストでは、PING「iCrossover」を僅差で上回り、最高のボール初速を記録した。これは、質量がかなり大きい「U505」のデザインによるもの。またこのモデルは「見た目」では自信を与えてくれる。タイトリスト曰く、この「U505」はユーティリティのようなパフォーマンスをもたらすという。セッティングの中にユーティリティを入れるべきなのに、ユーティリティが嫌いという理由で使っていないというゴルファー向けのユーティリティアイアンでもある。「正確性」7位、「飛距離」1位のこのモデルだが、「寛容性」だけが欠点と言える。


ベストユーティリティアイアン:「寛容性」

ゴルフ業界において、「寛容性」は漠然とした言葉だ。馴染みはあるが定義されることはほぼない。もしあなたが、安定したパフォーマンスを発揮するユーティリティアイアンが欲しいか?と聞かれたら、その答えは当然“イエス”だろう。すべてのショットが毎回同じような結果になるクラブを望んでいるはずだからだ。「ボール初速」の差は小さく、「キャリー」の差は最小限か?「バラツキ」の範囲は小さいか?「スピン量」は安定しているか?など、我々の各『ユーティリティアイアンテスト』では、「寛容性」に関するこれらの項目を数値で分析している。

以下は「寛容性」においてベストなユーティリティアイアンだ。


・1位キャロウェイ「Apex UT」

・2位Caley Golf「01X Utility」

・3位PING「iCrossover」


「寛容性」2位:CALEY GOLF「01X」

 

ポイント

CALEY GOLF「01X」が「寛容性」で2位となった。昨年のこの部門のテストでも非常に優れたパフォーマンスを発揮し、「寛容性」でベストなユーティリティアイアンの一つとなっている。CALEY GOLFは新ブランドで、未知のクラブを試すことには心配もつきまとう。ところが、このユーティリティアイアンは「寛容性」と「一貫性」をもたらしてくれる。しかも価格も手頃だ。


おすすめ層

「寛容性」が欲しい人:何をもってユーティリティアイアンは易しいのか?また「寛容性」はどのように測るのか?我々のテストでは、ユーティリティアイアンが「何度も同じようなショットを生み出せるか?」を「寛容性」の評価としている。CALEY GOLF「01X」は「寛容性」の指標である「ボール初速」、「飛距離」、「スピン量」、「バラツキ」で2番目に優れたモデルとなっている。

「正確性」重視の人:CALEY GOLF「01X」は易しいだけでなく、「正確性」をもたらす。安定したショットを実現するクラブがあればスコアアップする確率は更に高まる。「01X」の性能と「正確性」を組み合わせると、さらに信頼性アップが期待できる。特にティーショットにおいて「バラツキ」を抑えることは、重要なことだからだ。


不向きな人

「飛距離」を求める人:CALEY GOLF「01X」は、市場において飛ばないユーティリティアイアンの部類に入る。他モデルよりも明らかに飛ばないので、飛びが大切なら他のモデルを試打した方が良いかも知れない。「正確性」や「寛容性」、そして総合的な扱いやすさを無視してまで「飛距離」を求めるか?それを決めるのはあなた次第だ。


テスターの主観的フィードバック

・「このブランドのことすら知らなかったが、このモデルのパフォーマンスは嬉しい驚きだ」

・「美しさという点では、一番良いというわけでもない」

・「パフォーマンスにはすごく驚いた。でも私にとっては魅力的ではない」


専門家の見立て

我々MY GOLF SPYの生き甲斐といえば、弱者や取り上げられないゴルフクラブが良いパフォーマンスを発揮するのを見ることだ。CALEY GOLF「01X」は「寛容性」と「正確性」の融合が素晴らしく、ユーティリティアイアンを使うゴルファーには魅力的なはず。さらに、このモデルはコスパも良い。より多くのゴルファーの手に届くブランドになることを願うばかりだ。


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ユーティリティアイアンの選び方

このテストの目的は、ゴルファーがクラブの性能を知った上でクラブを購入できるよう手助けをすることだ。テスターたちの打ってみた感想も大切だが、優先すべきは常にパフォーマンスだ。だが、新しいユーティリティアイアンを購入する際、パフォーマンス以外にも考慮すべきことがある。



カギとなる部位

ゴルフ初心者は、アイアンの各パーツを理解しておくと良い。アイアンは、クラブヘッド、シャフト、グリップといういくつかのパーツで構成されている。

クラブヘッドは実際にボールを打つ部分。ホーゼルは、ヘッドとシャフトを繋いでいる部分。シャフトの長さは様々で、一般的にはスチールやカーボンで作られている。グリップは個々に選ぶことができ、いつでも変えることができる。さらに、カスタムしたい場合は、独自のフェルール(ソケット)をつけることも可能だ。


コスト

価格はいつでも購買決定に影響する。ユーティリティアイアンは、ユーティリティよりもやや安価で、ほとんどは230ドルから280ドル。反面、もっとお手頃価格で手に入るユーティリティアイアンもいくつかあり、中には200ドル以下というモデルもある。


シャフト選択

最適なパフォーマンスを実現するには、各自のゴルフに適したシャフトを選択することが重要。適切なシャフトは、「打ち出し条件」と全体的な「正確性」にプラスの影響をもたらすからだ。ユーティリティアイアンはニッチなクラブではあるが、適切にフィッティングされたユーティリティアイアンで得られるパフォーマンスもある。

また、現在はユーティリティアイアンのシャフトは基本的にカーボンだが、まだスチールも健在。キャロウェイ「Apex UT」は今年のテストで唯一のスチールシャフト装着のユーティリティアイアンだった。


 

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テスト方法

2024年『Most Wantedテスト』完了までに要した時間は100時間。2024年は、全テスターが16モデルの異なるユーティリティアイアンをテストした。

MyGolfSpyのテストプログラムでは、大切な以下の4要素に支えられている。

「フォーサイトGCクワッド」

高性能な弾道計測機でおなじみのフォーサイトは、カメラベースの弾道測定の代表格だ。「GCクワッド」は、ショット毎に信頼の置けるデータを生成してくれる。

言葉でこの凄さを言い表せないが、今回のテストにおいて、我々の「GCクワッド」は17,000以上のショットデータを取り込んだ。

タイトリスト「Pro V1」ゴルフボール

タイトリスト「Pro V1」は、『Most Wantedテスト』御用達ボールだ。「Pro V1」は市場で最も人気があるだけじゃない。

MyGolfSpyの三世代のテスト(ロボットと「Ball Lab」両方) では、パフォーマンスと品質の両方が突出していることが示されている。

インドアゴルフ店の「SIGPROプレミアム」

インドアゴルフが世界を席巻している。我々のテストは全て、バージニア州ヨークタウンの本社屋内で行われている。テストのたびに、スクリーンはかなりのダメージを受けるので、この負荷に対応するために高品質で耐久性のあるインパクトスクリーンが必要だが、「SIGPRO Premium」は我々の想像を超えている。

「The Indoor Golf Shop」の「SIGPRO Premium」のソフトマット

我々のゴルフクラブテストは業界最高だ。ゆえに、試打用マットとして最高のゴルフシミュレーションを採用している。この「SIGPRO」ソフトマットは、正確で再現性の高い結果をもたらすと当時にテスターたちをインパクトの衝撃から守ってくれる。

ユーティリティアイアンにおけるテスターは20名。ユーティリティアイアンはニッチなクラブで、万人向けではない。このクラブの対象は、中〜高ヘッドスピードの上級者や優れたボールストライカー。そのため我々のテスターたちもこれにハマる属性になっている。ユーティリティアイアンは、ミスの代償も大きいので、ショットが不安定なら注意した方がよいだろう。


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2024年ベストユーティリティアイアン 採点方法

このテストの最大の目標は、市場でベストなユーティリティに関する知識を皆さんとゴルファー、そして消費者に提供することだ。そのためには、この行程を通じて集めたデータを入念かつ詳細に分析することが不可欠だ。

我々の採点するカテゴリーは変わっておらず以下で確認できるが、各カテゴリーに対してより広範に及ぶ新たなアプローチを採用している。

全体的なスコアは、『MyGolfSpyスコア』として表示している。

テストは以下3つのカテゴリーで構成されている。


正確性

飛距離

寛容性


これら3つの大カテゴリーで「正確性」がやや優先されるように重みづけされている。


正確性

「正確性」はゲームチェンジャーだ。ショットがグリーンに乗るか狙ったところに寄るとスコアメイクしやすくなる。「正確性」のカテゴリーでは、下記の具体的指標を分析している。


ストロークス・ゲインド


飛距離

ユーティリティアイアンは「飛距離」の可能性を秘めており、特に、ウッド以外で一番飛ぶ番手として使われる。我々の「飛距離」テストでは、以下2つの具体的指標を分析している。

キャリーの飛距離

合計ヤード


寛容性

我々が定める「寛容性」とは、ユーティリティアイアンが安定したショットの結果を生み出す度合いとしている。「寛容性」の分野では、以下4つの具体的指標を評価している。

キャリー – 所定のユーティリティアイアンの最長と最短キャリーの差。

ボール初速 – 所定のユーティリティアイアンの一番速いボール初速と一番遅いボール初速の差。

 

スピン量 – 所定のユーティリティアイアンの一番多いスピン量と一番少ないバックスピン量の差。

バラツキ – バラツキは以前、ショット範囲と表現しており、一連のショットの楕円分布の測定数値 (ヤード/平方) を指す。


MyGolfSpyスコア算出方法

スコアは上記の主要指標から算出され、各スコアカテゴリーでは特定の重み付けがされている。我々にとって最も重要なのは「正確性」であり、それが「飛距離」や「寛容性」よりも優先される理由となっている。

フェアウェイキープ率が少ないと、特にアマチュアはスコアが悪くなる場合がある。ラフに代償が伴うには理由があるのだ。これが、ユーティリティアイアンのパフォーマンスを評価する上で「正確性」が大事な理由。みなさんもフェアウェイか比較的フェアウェイの近くに打ち、2打目が打てるショットにしたいだろう。

そして総合スコアは、「正確性」、「飛距離」、「寛容性」という3つの採点分野から算出される。


 

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2024年「ユーティリティアイアン」- 総合順位

モデル名総合正確性飛距離寛容性
PING iCrossover1位1位2位3位
Titleist T-2002位2位3位11位
Callaway Apex UT3位5位12位1位
Caley Golf 01X Utility4位4位15位2位
Srixon ZX Mk II Utility5位3位7位10位
Sub 70 699 Pro V2 Utility6位6位6位8位
Titleist U5057位7位1位16位
TaylorMade P-UDI8位8位4位9位
Takomo 101U9位9位13位4位
Sub 70 699 V2 Utility10位10位8位7位
COBRA KING Tec Utility11位11位9位13位
Wilson Staff Model RB12位12位5位12位
Mizuno Pro Fli-Hi13位13位14位6位
TaylorMade P-DHY14位15位10位5位
PXG 0317X15位14位11位15位
COBRA KING Tec Utility One Length16位16位16位14位

2024年ベストユーティリティアイアンQ&A