「最高のウェッジ」は、どんな状況においても「正確」で「一貫性」があり、そしてスピンをキープできるもの。
「乾いた状況」でも「濡れた状況」であっても、必要となるのは常に性能を発揮できるウェッジというわけだ。
今回我々は、テスト施設で何ヶ月にも渡りウェッジテストを行った。テストしたショット数は15,960打におよぶ。そして、そのデータを分析し王者を決めた。ここではボギーではなくバーディを量産するのに役立つウェッジを紹介していく。
テスト方法 – 2023年「ウェッジ」ランキング
『2023年ウェッジテスト』では、20名のゴルファーが「乾いた状況」と「濡れた状況」に特化した状況も含めて、さまざまなコンディションから合計15,960ショットのテストを実施した。
また、テストに使用するゴルフボールはタイトリスト「ProV1」に統一し、弾道測定器はフォーサイトの「GCクワッド」を使用することでデータのブレを抑えた。
総合ランキングは、「正確性」、「一貫性」、そして「スピン」の集大成だ。ウェッジ部門では、「飛距離」や「寛容性」をという従来の指標よりも「一貫性」と「スピン」を優先しており、各項目を加算し総合得点を出している。
正確性
「正確性」は総合パフォーマンスでかなりの割合を占めている。「正確性」の測定基準は以下の通りだ。
・ストロークス・ゲインド
一貫性
ウェッジは、スコアメイクという点で役立つクラブだけにセッティングの中でも重要だ。ウェッジに必要なのは「寛容性」と「一貫性」。今回、「一貫性」においては以下2つの指標を採用した。
・キャリーの一貫性
・バラつきの範囲
スピン
ウェッジにおいて、スピンは間違いなく鍵となる。我々のスピンの指標は以下の通り
・フルスイングでのスピン
・50ヤードのスピン(乾いた状況)
・50ヤードのスピン(濡れた状況)
・乾いた状態と濡れた状態でのスピン保持率
水分は「一貫性」と「スピン」に影響する
「濡れた状況」でのテストを行うことで、どのモデルに「一貫性」があり、またないかが明らかとなった。これは重要なことであるが、時に見落とされがちだ。ウェッジに付着した水分は、次の2つの重要な測定要素に影響する。
・バックスピン
・打ち出し角
ウェッジが雨などによる「濡れた状態」で使用した場合、打ち出し角が高くなり、スピン量は減少する可能性が高いということが過去のテストでも分かっている。こうした結果は言うまでもなく、ウェッジのパフォーマンスと一貫性に大きな影響を与える。
テストしたモデルの中には3,000rpmを超えるスピン量を生み出すのに苦戦したウェッジや、2,500rpm未満のウェッジがいくつか見られた。その一方で、「濡れた状態」でも「90%以上のスピン量」をキープし、打ち出し角も最小限に抑えていたウェッジもあった。
次回ウェッジを購入する際は、こうした情報を頭に入れておくことが重要となる。
2023年「ウェッジ」ランキング スコア&順位
モデル名 | 総合スコア | 一貫性スコア | 正確性スコア | スピンスコア | ボール初速(m/s) |
---|---|---|---|---|---|
TaylorMade Milled Grind 4 | 97.44/1 位 | 96.5/2位 | 96.4/2位 | 90.8/6位 | 23.02/17位 |
COBRA Snakebite X | 94.77/2位 | 90.5/7位 | 95.8/4位 | 88.8/10位 | 22.89/19位 |
TaylorMade Hi-Toe 3 | 94.04/3位 | 91.2/6位 | 96.3/3位 | 85.7/13位 | 23.07/13位 |
Cleveland CBX Full Face 2 | 92.60/4位 | 88.4/8位 | 88.7/8位 | 96.3/2位 | 23.42/4位 |
Cleveland RTX6 ZipCore | 92.50/5位 | 87.9/9位 | 91.0/5位 | 92.7/4位 | 23.24/10位 |
Callaway CB | 92.07/6位 | 82.1/14位 | 98.4/1位 | 83.1/15位 | 23.29/7位 |
Mizuno S23 | 91.94/7位 | 92.8/4位 | 90.5/6位 | 88.8/9位 | 22.89/20位 |
Sub 70 TAIII | 89.65/8位 | 97.8/1位 | 84.7/13位 | 89.1/8位 | 23.29/8位 |
Tour Edge Exotics Wingman | 89.65/9位 | 86.0/11位 | 89.0/7位 | 89.8/7位 | 23.02/14位 |
PING Glide 4.0 | 89.58/10 位 | 93.4/3位 | 81.8/14位 | 96.7/1位 | 23.02/15位 |
Edison 2.0 | 88.54/11 位 | 85.6/12位 | 85.9/11位 | 92.2/5位 | 23.20/11位 |
COBRA Snakebite | 87.66/12 位 | 91.8/5位 | 80.9/16位 | 94.2/3位 | 22.84/21位 |
NEXGEN Forged | 85.94/13 位 | 82.0/15位 | 88.7/9位 | 83.3/14位 | 23.42/3位 |
Bettinardi HLX 5.0 | 82.40/14 位 | 87.6/10位 | 78.2/18位 | 87.8/11位 | 23.38/5位 |
Vega Golf Alcor Tour | 81.97/15 位 | 79.9/18位 | 86.9/10位 | 77.4/19位 | 23.02/16位 |
Kirkland Signature Gen 2 | 79.30/16 位 | 81.7/16位 | 81.1/15位 | 78.8/17位 | 23.47/2位 |
Proto Concept CB Forged | 77.21/17 位 | 83.4/13位 | 72.4/20位 | 86.7/12位 | 23.29/9位 |
Adams Idea | 74.57/18 位 | 69.9/20位 | 76.9/19位 | 81.2/16位 | 23.60/1位 |
Takomo Golf Skyforger 001 | 73.69/19 位 | 65.1/21位 | 85.0/12位 | 68.7/20位 | 23.15/12位 |
Vega VWX | 71.70/20位 | 80.8/17位 | 79.8/17位 | 61.7/21位 | 22.93/18位 |
Indi Golf FLX | 69.13/21位 | 77.3/19位 | 67.6/21位 | 77.6/18位 | 23.33/6位 |
2023年「ベストウェッジ」
1、テーラーメイド「MG4」ウェッジ
特徴
テーラーメイド「ミルドグラインド4(「MG4」)」ウェッジは、従来のモデルの伝統を継承しており、ゴルファーに美しさとコースでの優れたパフォーマンスを提供している。「濡れた状況」でもより安定したスピンを実現するようにデザインされており、これまで以上のソールオプションがラインナップされていることも特徴だ。 ウェッジテストでは常に際立ち、圧倒的な存在感を示し続けている。ずば抜けた「正確性」と「一貫性」、さらに「濡れた状況」でのパフォーマンスも良かった。「MG4」ウェッジは、全体としての機能とデザインに優れたウェッジと言える。
高評価
一貫したパフォーマンス。トップレベルの「正確性」。「濡れた状況」での確かなパフォーマンス。
低評価
錆びやすい。
テスターの感想
テーラーメイド「MG4」ウェッジは、グリーン周りでの優れたスピン性能でボールがピタッと止まることで知られている。高性能なレーザー処理技術が施された『スピン・トレッド・テクノロジー』とローフェースが特徴で、摩擦力アップとスピン性能向上を実現している。
また、溝と溝の間にレーザー処理を深く施す次世代の工学技術により、水分を排出する経路が作られウェットなコンディションであっても安定したパフォーマンスを約束する。我々のテスターはこのモデルの「打音」と「打感」も高評価。さらに「購入の可能性」でもトップに輝いている。
MyGolfSpyテストでの重要ポイント
「MG4」ウェッジは、言うまでもなく2023年の「ベストウェッジ」だ。繰り返しになるが、「正確性」と「一貫性」でトップ、さらにインパクト時の「心地よい打音」と「打感」でもテスターのお気に入りとなった。また、見た目的にキャディーバッグの中でも映えるこのモデルに、これ以上何を望めば良いのか?というくらい申し分のない仕上がりになっている。
要するに、最高性能のウェッジを求めているなら、真っ先にこの「MG4」ウェッジを検討すべきだということだ。ロフト角も様々でバウンス角も複数のバリエーションが用意され、グラインドの選択肢(以下で詳しく紹介)も豊富。テスターによる投票では、「最も購入の可能性があるウェッジ」としてもトップの座を獲得した。
デザインと見た目
テーラーメイド「MG4」ウェッジのデザインと見た目に関しては、頭に入れておくべき注目ポイントがいくつかある。
ローフェースとクローム仕上げ
「MD4」ウェッジの最も注目すべき特徴の一つが、ローフェースとクローム仕上げだ。ローフェースにすることで優れた「スピン性能」と「コントロール性」が実現し、クローム仕上げにすることで洗練されたモダンな見た目になる。
洗練された形状
「MD4」ウェッジの形状は、さらなるパフォーマンス向上と魅力的な見た目にするために改良されている。トップラインは、アドレスでスッキリとした見た目にするため薄肉化されており、ヘッド全体の形状は芝の抜けと「打感」の向上を改善するために若干変更されている。
テクノロジーとパフォーマンス
テーラーメイド「MG4」ウェッジは、テクノロジーとパフォーマンスという点でみなさんのショートゲームを改善する機能を十分に搭載している。では、このウェッジが突出する要因となっている主な特徴を見ていこう。
スピン・トレッド・テクノロジー
「MG4」ウェッジにおける突出した特徴の一つが、『スピン・トレッド・テクノロジー』だ。このテクノロジーにより、スピンとハーフショットなどでのコントロール性が最大化し、またグリーン周りで正確なショットを実現することができる。『スピン・トレッド・グルーブ』は、溝と溝の間に45度の深くシャープな溝を施しており、ボールに十分なグリップ力をもたらすようになっている。
ミルドグラインドソール
このシリーズの代名詞でもある『ミルドグラインドソール』は、「MG4」ウェッジにあるもう一つの特筆すべき特徴だ。このソールデザインにより、抜けが最適化され、あらゆるライでパフォーマンスが安定する。またソールには「CNC精密加工」が施されており、各ウェッジのバウンス角とグラインドは一貫した仕上がりになっている。
重心
重心は、ウェッジのパフォーマンスにおいて大切な要素となっているが、この「MG4」ウェッジは最適な重心を考えデザインされている。安定した弾道とスピン量を実現する重心配置になっており、グリーン周りでのショットをコントロールし易くしている。
8620カーボンスチール
「MG4」ウェッジは、「8620カーボンスチール」が採用されており、「ソフトな打感」と、ショットの十分なフィードバックが得られるようになっている。またこの素材は耐久性があり“錆”にも強く、「濡れた状況」でプレーするゴルファーには素晴らしい選択肢と言えるだろう。
水分コントロール
「MG4」ウェッジは、優れた水分コントロールが実現できるようにデザインされている。グリップは湿気を吸収するようになっており、雨が降っている状況でもクラブをしっかりと握ることが可能だ。
バウンス角とグラインドのオプション
ウェッジにおいて、「バウンス角」と「グラインド」のラインナップは、コースでのパフォーマンスに影響を与える重要なファクターだ。そして、テーラーメイド「MG4」ウェッジは、異なるゴルファーのニーズと好みに合うように様々な選択肢が用意されている。
スタンダードバウンス(SB)
「スタンダードバウンス(SB)」は、最も汎用性が高く多くのゴルファーに適している。適度なバウンス角で『Cグラインドソール』を採用しており、様々な芝の状況に対応。この「SB」はクローム、ロー仕上げ両方で選択可能だ。
ローバウンス(LB)
「ローバウンス(LB)」は、入射角がシャロー(鈍角)なゴルファーに最適だ。また、幅が狭いソールと低いリーディングエッジによりグリーン周りの多様性を実現しており、硬いライで使えるようにデザインされている。バウンス角が小さく、『Vグラインドソール』を採用していることから、ショットメイクの選択肢が多くなることが特徴。この「LB」はクローム、ロー仕上げ両方で選択可能だ。
ハイバウンス(HB)
「ハイバウンス(HB)」は、入射角がスティープ(鋭角)なゴルファーに最適だ。また、ライが柔らかいときに使いやすくバンカーからの脱出を簡単にしてくれるようデザインされている。大きなバウンス角と『Wグラインドソール』により、「寛容性」と「安定性」が向上。この「HB 」もクローム、ロー仕上げ両方で選択可能だ。
タイガー・ウッズグラインド(TWグラインド)
タイガー・ウッズグラインド(TWグラインド)は、タイガー・ウッズ仕様にカスタマイズされたオプションだ。ソールのグラインドは独特で、最大限の多様性とショットメイクの選択肢がある。この「TW」はロー仕上げのみ選択できる。
ソールグラインド
「MG4」は、みなさんの特定のニーズに合わせてウェッジをさらにカスタマイズするために、ソールグラインドを幅広くラインナップ。『Vグラインド』、『Cグラインド』、『Wグラインド』は、異なる芝の状況やプレースタイルに合うようにバウンス角も異なる。
<ソールグラインド バウンス角>
Vグラインド ローバウンス
Cグラインド スタンダードバウンス
Wグラインド ハイバウンス
シャフトとホーゼル
ウェッジでは、シャフトとホーゼルのデザインがパフォーマンスに大きな影響を与える。テーラーメイド「MG4」ウェッジも例外ではなく、コース上での自信とコントロール性をもたらしてくれる機能を備えている。
純正シャフト
「MG4」ウェッジは純正シャフトとしてトゥルーテンパー「Dynamic Gold EX TOUR ISSUE 115g(ダイナミックゴールド EX ツアーイシュー)」を装着。このシャフトは「一貫性」と「安定性」が知られており、ソリッドな「打感」を実現する他、ショットのバラつきも小さい。また弾道は中〜高でスピンもかかるので、最適弾道を実現しグリーンでボールを止めるパワーも備えている。
ホーゼルデザイン
「MG4」ウェッジのホーゼルは、重心位置を最適化し「打感」が向上するようにデザインされている。ホーゼルが前モデルより短くなっており、重心はクラブフェースのセンター寄りにシフト。これにより「打感」が安定し、オフセンターヒット時のコントロール性能が増すようだ。
またホーゼルはテーパーデザインになっており、クラブ全体の「見た目」と「打感」が改善されている。これによりプレミアムなクラブを手にしていると感じられ、アドレスで自信もより深まる。
全体として「MG4」ウェッジのシャフトとホーゼルのデザインはよく考えられており、みなさんもコースで最高のパフォーマンスを発揮することが可能。このウェッジは、高品質の純正シャフトと最適化されたホーゼルを備えていることから、ゴルフの向上に必要なパフォーマンスを実現することは間違いないだろう。
「MG3」との比較
ウェッジのアップグレードを検討中なら、テーラーメイド「MG4」ウェッジが前作の「MG3」と比べてどうなのか気になるはず。そこで、ここでは十分な情報を理解した上で決断できるように両者の主たる相違点を紹介しよう。
デザインとテクノロジー
「MG3」と「MG4」は、どちらも「スピン」と「コントロール性」を向上させるためにミルド(削り出された)されたフェースと溝を特徴としている。しかし「MG4」の方が、シャープで深いグルーブ(溝)のデザインになっており、テーラーメイドによると「スピン」と「一貫性」が高まっているとのこと。また「MG4」はトップラインがやや厚く、よりコンパクトな形状になっており、こちらを好むゴルファーもいるはずだ。
一方、「MG3」は、特にハーフショットなどのスピンとコントロール性を向上させるためにデザインされた「レイズドマイクロリブ」搭載の“ローフェース”が特徴。またヘッドがやや大きく、より伝統的な形状になっており、こちらを好むゴルファーもいるだろう。
パフォーマンス
パフォーマンス面において、「MG3」と「MG4」はどちらもグリーン周りの「スピン」と「コントロール性」において高評価を得ている。しかし、プレーヤーによっては「MG4」の方が、スピンがより安定しセンターヒット時の「ソフトな打感」を感じるはず。一方、「MG3」は、やや弾道が高めでより万能なウェッジを求めるプレーヤーに適しているようだ。
価格とスペック
テーラーメイド「MG4」ウェッジの価格は180ドル(約27,000円)で、ロフト角は46度から60度まで7つのグラインドでラインナップ。既に2023年9月8日に発売されており一部店舗やネットで購入することが可能だ。
またスタンダードオプションに加え、カスタムプログラムも充実。このプログラムでは、ウェッジをあなた独自のものにするための15色のペイント、文字とロゴ、カスタム仕上げから選択することが可能となっている。
<日本での発売および価格>
・「Dynamic Gold EX TOUR ISSUE(S200)」¥29,700 (税込)
・「N.S.PRO® MODUS3 TOUR 105 (S)」¥29,700 (税込)
・「N.S.PRO® 950GH NEO (S)」¥29,700 (税込)
現在発売中。
2、コブラ「SNAKEBITE X(スネークバイトX)」ウェッジ
特徴
コブラ「SNAKEBITE X」ウェッジが総合2位を獲得。注目度の低かったウェッジが素晴らしい性能を見せた。「超精密CNCミルド」が施された溝、『スネークバイトグルーブ』が高スピン性能を生み出す。またロフト角別の溝設計が、より安定した弾道を実現する。
高評価
「正確性」を優先するなら、コブラ「SNAKEBITE X」は市場の中で最も正確なウェッジのひとつと言える。また「一貫性」と「キャリー」、「スピン性能」にも優れており、「濡れた状況」でもスピン保持率が良く、優れたセールスポイントになっている。
低評価
テスターから「打音」、「打感」、「見た目」の評価はイマイチだった。
テスターの感想
「SNAKEBITE X」ウェッジは、やや丸みを帯びたリーディングエッジにより芝の抜けが良く、より安定した正確なショットが打てる。また『CNCミルド』された浅い溝の設計を採用しており、スピンの最大化とグリーン上でボールを止める能力が向上。さらに『プログレッシブ・スピンテクノロジー』により、ショットごとの弾道が最適化されておりグリーン周りやグリーン近くで求める結果を実現することができる。
3、テーラーメイド「HI-TOE 3(ハイ・トウ3)」ウェッジ
特徴
テーラーメイド「HI-TOE 3」ウェッジが総合3位となった。「HI-TOE 3」ウェッジは、パフォーマンスの全てを「スピン」、「汎用性」、「飛距離のコントロール」の3つに集約している。独自のソール形状とグラインド、そしてハイ・トウと「フルスコアライン」は、一般的な形状のモデルに比べ見た目はイマイチだが、さらなる汎用性をもたらしてくれる。精度の高いショットを実現するため「ハイ・トウ デザイン」を採用し、「MG3」でも採用された『レイズドマイクロリブ』を搭載。メインの溝の間にあるバー状の突起『マイクログルーブ』により、グリーン周りの短いアプローチでもスピン量が増し「濡れた状況」でもスピンをキープする。バンカーだろうが深く粘るラフだろうが、どんな場面でも適したショットが打てる。
高評価
テーラーメイド「HI-TOE 3」ウェッジは、「正確性」3位、「一貫性」6位となっており、これらが総合3位となった要因だ。またテスターから「打音」と「打感」魅力的だったと高評価を得ている。
低評価
「HI-TOE 3」ウェッジの「見た目」は、やはりテスターには魅力的ではなかったようだ。しかし、「ハイ・トウ」をセッティングに入れる最たる理由は、結局のところ汎用性の高さにある。ショートゲームではかなり理想的とも言える「HI-TOE 3」ウェッジの魅力を見た目で諦めるかは、あなた次第と言ったところだろう。
テスターの感想
テーラーメイド「HI-TOE 3」ウェッジは、ショートゲームにおける「コントロール性」、「打ち出し」、「スピン」、そして「打感」が向上するようにデザインされている。この「HI-TOE 3」は、ショートゲームで卓越したパフォーマンスを発揮するテーラーメイドの人気シリーズ「HI-TOE」のモデルで、低弾道で素晴らしいスピン量を実現しており、グリーン周りで優れた「コントロール性」と「正確性」をゴルファーにもたらしてくれる。
4、クリーブランド「CBX フルフェース2」ウェッジ
特徴
クリーブランド「CBX フルフェース2」が総合4位となった。このモデルの一番の長所は2位になった「スピン性能」だ。「乾いた状況」と「濡れた状況」の両方における「フルスイング」と「50ヤードからのショット」において、安定したスピン保持率をキープできる。また「一貫性」と「正確性」で8位にランクイン。テスターから「打感」でも高評価を得ている。
高評価
クリーブランド「CBX フルフェース2」の強みの一つが「スピン性能」だ。ゴルファーは様々なプレー状況でスピンの「一貫性」を求めるものだが、このモデルはまさにピッタリ。また「キャリー」と「バラつきの範囲」においても正確で安定感がある。
低評価
「CBX フルフェース2」のフルフェースのデザインと外観が好みでないと、テスターの反応はイマイチだった。
テスターの感想
クリーブランド「CBX フルフェース2」ウェッジは、「CBX」ウェッジシリーズの最新版。ミスヒットでも安定したボール初速と飛距離のコントロールを実現する『ZipCore(ジップコア)』、あらゆる状況で優れたスピンコントロール性能を発揮する『HydraZip(ハイドラジップ)』フェースと、高スピンを生み出す溝『UltiZip(アルティジップ)』テクノロジーが特徴で、「濡れた状況」でのパフォーマンスが改善する他、スピンが向上する。また前作よりもフェースが大型化しており、トウも高めに設定。ソールもワイドでキャビティも大きく、「寛容性」のパフォーマンスも増している。
5、クリーブランド「RTX6 ZIPCORE (RTX6 ジップコア)」ウェッジ
特徴
クリーブランド「RTX6 ZIPCORE」は、総合5位となった。毎年、クリーブランドは市場で「一貫性」に秀でたウェッジを生み出しているが、このモデルもその好例。「RTX6 ZIPCORE」は、「正確性」、「一貫性」、「スピン」という3つの全スコア指標で優れたパフォーマンスを発揮しており、各分野でトップ10入りを果たしている。「濡れた状況」でのパフォーマンスも重要であり、この「RTX6 ZIPCORE」は間違いなく最高のパフォーマンスを発揮するウェッジの一つだ。また、テスターから「打音」、「打感」、「見た目」においても高評価を得ている。
高評価
クリーブランド「RTX6 ZIPCORE」は、全てのスコア指標で平均以上のパフォーマンスを見せ、また「濡れた状況」においても優れたパフォーマンスを発揮した。もし新作ウェッジを求めているなら、クリーブランド「RTX6 ZIPCORE」を購入候補リストのトップにしておくべきだろう。
低評価
「RTX6 ZIPCORE」にネガティブ要素があるとすれば、それは「一貫性」だろう。とはいえ、他モデルに比べれば悪くもないので、そこまで深く考える必要はない。
テスターの感想
クリーブランド「RTX6 ZIPCORE」ウェッジは、コース上のあらゆるライから最大限のスピン性能を発揮するようにデザインされた高性能クラブだ。オフセンターヒット時の「寛容性」と「安定性」を向上させるためウエイトを再配分した大きめの『ZipCore』を搭載。また、特にぬかるんだライからのスピンが向上する高精度のグルーブ(溝)設計の『UltiZip(アルティジップ)』テクノロジーなど、あらゆる状況化において最高のパフォーマンスを発揮する。
その他のトップパフォーマンス
6、キャロウェイ「CB」ウェッジ
特徴
キャロウェイ「CB」ウェッジは、惜しくもトップ5を逃し総合6位となった。やさしさを最優先に設計された大きめのヘッド形状とキャビティ構造が特徴。さらに伝統的なウェッジの感触を再現するために、同社のアイアンで採用している『ウレタン・マイクロスフィア』テクノロジーをこの「CB」ウェッジに採用し、打感の良さを追求している。さらに「トライレベル・ソール」デザインによって滑らかに削られているリーディングエッジが、ハイバウンスと相まって滑る板のような役割を果たし、抜けも良く、ダフリによるミスを軽減し、さらに「寛容性」がアップしている。
高評価
「CB」ウェッジが「正確性」部門のトップを獲得したのは、このデザインの特徴ならではのこと。「100ヤード以内」からの「正確性」を求めているなら、このウェッジは非常に優れた選択肢となるはずだ。また、テスターたちはこのモデルの「打感」を高く評価している。
低評価
「CB」ウェッジは、「一貫性」と「スピン」が期待外れとなっており、これが最終的に全体のパフォーマンスに影響した。
おすすめ層
キャロウェイ「CB」ウェッジは、中~高ハンディキャップのゴルファー向けで、ショートゲームのパフォーマンスを向上させたいゴルファーに易しさと自信をもたらしてくれる。
適している人:
・とにかく「正確性」が最優先。このモデルは「正確性」1位とこの分野ではズバ抜けていること間違いなし。
・中~高ハンディキャップのゴルファー。
適していない人:
・キャビティバックで厚みのあるウェッジが嫌いな人
・「スピン」と「一貫性」に安心感のあるウェッジを求めている人
7、ミズノ「S23」ウェッジ
特徴
ミズノ「S23」ウェッジは、総合7位となった。「S23」ウェッジは、ウェッジ専用のテクノロジーを搭載した初・中級者向けデザイン。ロフト別の『ハイドロフローマイクログルーブ』はタイヤの溝パターンと同じ働きをする。水分やゴミをフェースから排除することで、ボールをしっかりコンタクトできるようになり、より安定したスピンと打ち出しを実現。また多くのウェッジがヒール寄りの重心位置にするところを、ミズノは「S23」ウェッジの重心位置をフェースの「センター寄り」に配置している。インパクト位置と重心位置が近くなると、オフセンターヒットによるフェースの向きのブレが小さくなる。さらにボールとフェースの接触時間がわずかだが長くなることから、結果として、特にハーフショットなどにおいてよりスピンがかかるようになる。3つの全スコア指標で好成績。「一貫性」では総合4位となっており、ウェッジにとって大切な要素であるキャリーとバラつきにフォーカスしたウェッジと言える。またこのモデルは「スピン」と「正確性」でも平均以上のスコアを記録した。
高評価
ミズノ「S23」ウェッジは、「正確性」、「一貫性」、「スピン」という3つの全スコア指標で好成績を収めた。ウェッジにとって大切な要素であるキャリーとバラつきにフォーカスしたウェッジと言える。またテスターから「見た目」、「打感」、「打音」で高い評価を受けている。
低評価
ミズノ「S23」ウェッジに期待外れな点はないが、その「デザイン」と「見た目」は上級者たちには魅力的ではない可能性がある。
おすすめ層
ミズノ「S23」ウェッジは、他の上位モデルと比べてやや低価格で、グリーン上での「スピン」や「コントロール」を優先するゴルファーに適している。
適している人:
・「正確性」、「一貫性」、「スピン性能」に優れたウェッジを求めている人。
・あらゆる状況で信頼できる性能を求めている人
・パフォーマンスと主観的魅力を備えたウェッジが好きな人
適していない人:
・ウェッジに多様性を求める人。ミズノ「S23」ウェッジはバウンス角とグラインドの選択肢が限られている。
・伝統的でブレードタイプのウェッジを求める人。このモデルはミズノの易しいタイプのウェッジとなっている。
8、SUB 70「TA III」ウェッジ
特徴
SUB 70「TA III」ウェッジが、総合8位にランクイン。「一貫性」で「ベストウェッジ」に君臨したことは、素晴らしい功績だ。これは、キャリーとバラつきの範囲が安定していたことを意味する。またこのモデルは、総合的なパフォーマンスにより「ベストバリュー(お買い得商品)」にもなった。これは要チェックだ!
高評価
SUB 70「TA III」は、「一貫性」と「ベストバリュー」で1位になったことで、ゴルファーにとっては優れたウェッジであることを証明した。またこのモデルは、これら2つの賞に加え、特に「濡れた状況」での「スピン性能」に優れていた。
低評価
SUB 70「TA III」は「正確性」で平均以下のパフォーマンスとなっている。故に、あなたのゴルフスイングに適したスペックにするためにも専門家のフィッティングを受けるべきだろう。
おすすめ層
全体的にSUB 70「TA III」は、ショートゲームを向上させたいゴルファーに応える高性能ウェッジだ。
適している人:
・素晴らしい価格帯の高性能ウェッジを求めている人
・安定したキャリーとバラつきの範囲で「一貫性」の高い「ベストゴルフウェッジ」を求めている人
・「濡れた状況」でスピン性能をキープするウェッジを望んでいる人
適していない人:
・グラインドオプションが豊富なウェッジを求めている人
・ウェッジに安定した「正確性」が必須な人。SUB 70「TA III」は「正確性」のパフォーマンスで平均をやや下回る。
9、ツアーエッジ「EXOTICS WINGMAN(エキゾティック ウィングマン)」ウェッジ
特徴
ツアーエッジ「EXOTICS WINGMAN」ウェッジは、総合9位となった。このモデルは「正確性」、「一貫性」、「スピン」という3つの全スコア指標で優れた性能を発揮。特筆すべき分野はないが、バランスの良いウェッジということなら、この「EXOTICS WINGMAN」ウェッジはまさにそれに当たる。
高性能
ツアーエッジ「EXOTICS WINGMAN」ウェッジは「スピン」と「正確性」で総合7位となっており、テストでトップ10に食い込む要因となった。このウェッジは掘り出し物なので試す価値はあるだろう。
低評価
「EXOTICS WINGMAN」ウェッジはパフォーマンスという点は及第点だが、テスターたちは「見た目」、「打音」、「打感」に対しては低評価を下している。
おすすめ層
ツアーエッジ「EXOTICS WINGMAN」ウェッジは、あらゆるレベルのプレーヤーに、パフォーマンス、「打感」、「操作性」、「一貫性」をもたらすことを目的としている。
適している人:
・「正確性」、「一貫性」、「スピン」で平均以上のパフォーマンスを発揮するウェッジを求めている人。
・グラインド、バウンス角、ロフト角の選択肢が複数あるウェッジを望む人。
適していない人:
・ウェッジの「見た目」の美しさを好む人。
10、PING「GLIDE 4.0」ウェッジ
特徴
PING「GLIDE 4.0」ウェッジが、総合10位にランクインした。「濡れた状況」と「スピン」の分野で再度トップに君臨。「GLIDE 4.0」ウェッジは、水分を弾く超疎水性の高い『ハイドロパール 2.0』仕上げと、溝の間隔と角度を番手別に設計することで「濡れた状態」やラフからでも安定したスピン量を実現する。ヘッド素材には、「軟鉄8620カーボンスチール」を採用し、それを補強するためにより大きくてソフトな『エラストマーCTP(樹脂)』インサートを適切な位置に配置することで、心地よい打感と打音でソリッドなショットを打ったように感じることができる。「GLIDE 4.0」ウェッジは4つのグラインド(薄いソールの「T」、通常ソール「S」、ワイドソール「W」、ピンの「Eye 2」ソールを復活させた「E」)を展開しているが、ヘッド形状とともにこのグラインド自体が相当異なるのも特徴だ。
高評価
PING「GLIDE 4.0」ウェッジは「スピン性能」と「一貫性」に優れている。ウェッジにとってショットの再現性が高いことは大切だが、この「GLIDE 4.0」がまさにそれ。さらにこのモデルは、ウェットなコンディションでもスピンロスがなく、これは特筆すべきことだろう。また、テスターから「見た目」で高評価を得ている。
低評価
残念ながら「正確性」がPING「GLIDE 4.0」ウェッジの欠点と言える。「正確性」のスコアは平均以下。もしこのモデルを検討しているなら、最適パフォーマンスを確実にするためにも専門家のフィッティングを受けることを強くおすすめする。
おすすめ層
全体的にPING「GLIDE 4.0」ウェッジは、ショートゲームの全要素でハイレベルのパフォーマンスを求めるゴルファーに適している。このウェッジは、例年通り「濡れた状況」における「ベストウェッジ」の一つであることは明らかだ。
適している人:
・「一貫性」と「スピン」に優れたウェッジが欲しい人
・濡れたり湿ったりしている状況を含め、あらゆるコンディションで「スピン性能」に優れたウェッジが欲しい人
・高性能だけど高額ではないクラブを望む人
適していない人:
・このウェッジは「正確性」が欠点なので、ウェッジに正確さがない人
・ロフト角とバウンス角で豊富な選択肢を求める人。PINGは自社クラブ(の選択肢)をシンプルにしているため。
2023年「ウェッジ」ランキング データ
モデル名 | ボール初速 (m/s) | ショット範囲 (平方ヤード) | トータル飛距離 (ヤード) | キャリー (ヤード) | スピン量 ( RPM ) | 打ち出し角 (度) | 高さ (m) | 落下角度 (度) | 中央からの 距離(ヤード) |
|
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TaylorMade Milled Grind 4 | 23.02 | 99.6 | 48.7 | 48.1 | 6451.0 | 31.5 | 2.86 | 40.1 | 1.4 | |
COBRA Snakebite X | 22.89 | 94.2 | 48.7 | 48.1 | 6556.9 | 31.5 | 2.87 | 40.5 | 1.2 | |
TaylorMade Hi-Toe 3 | 23.06 | 87.6 | 49.5 | 48.5 | 6474.7 | 30.8 | 2.77 | 39.7 | 1.5 | |
Cleveland CBX Full Face 2 | 23.42 | 102.9 | 50.7 | 50.0 | 6229.4 | 31.3 | 2.90 | 40.0 | 1.7 | |
Cleveland RTX6 ZipCore | 23.24 | 99.0 | 50.4 | 49.5 | 6185.9 | 31.6 | 2.93 | 40.3 | 1.5 | |
Callaway CB | 23.29 | 112.4 | 50.5 | 49.4 | 6459.3 | 31.0 | 2.87 | 39.8 | 1.4 | |
Mizuno S23 | 22.89 | 93.5 | 48,5 | 48.2 | 6587.4 | 31.9 | 2.93 | 40.3 | 1.4 | |
Sub 70 TAIII | 23.29 | 89.5 | 49.8 | 49.3 | 6630.3 | 30.9 | 2.83 | 39.9 | 1.4 | |
Tour Edge Exotics Wingman | 23.02 | 99.6 | 49.5 | 48.7 | 6424.9 | 31.3 | 2.83 | 39.9 | 1.7 | |
PING Glide 4.0 | 23.02 | 81.3 | 49.2 | 48.4 | 6282.1 | 32.1 | 2.90 | 40.3 | 1.7 | |
Edison 2.0 | 23.20 | 100.9 | 49.9 | 49.3 | 6109.7 | 31.8 | 2.83 | 40.5 | 1.6 | |
COBRA Snakebite | 22.84 | 61.8 | 48.8 | 48.1 | 6492.4 | 31.4 | 2.83 | 40.2 | 1.6 | |
NEXGEN Forged | 23.42 | 102.8 | 50.6 | 49.5 | 6738.5 | 30.6 | 2.80 | 39.6 | 1.7 | |
Bettinardi HLX 5.0 | 23.38 | 99.6 | 50.4 | 49.7 | 6639.8 | 30.5 | 2.80 | 39.4 | 1.6 | |
Vega Golf Alcor Tour | 23.02 | 99.6 | 49.3 | 48.3 | 6698.2 | 31.0 | 2.80 | 39.9 | 1.8 | |
Kirkland Signature Gen 2 | 23.47 | 114.4 | 51.0 | 50.0 | 6452.5 | 30.8 | 2.83 | 39.5 | 1.5 | |
Proto Concept CB Forged | 23.29 | 131.1 | 50.1 | 49.3 | 6096.3 | 31.2 | 2.83 | 40.0 | 2.0 | |
Adams Idea | 23.60 | 109.4 | 51.1 | 50.3 | 6235.7 | 30.0 | 2.80 | 38.5 | 1.3 | |
Takomo Golf Skyforger 001 | 23.15 | 83.6 | 49.7 | 48.9 | 6422.2 | 30.8 | 2.77 | 39.5 | 1.4 | |
Vega VWX | 22.93 | 99.6 | 49.3 | 48.4 | 6920.0 | 30.7 | 2.83 | 39.9 | 1.7 | |
Indi Golf FLX | 23.33 | 121.9 | 50.4 | 49.6 | 6493.9 | 30.9 | 2.90 | 39.9 | 2.0 |
<2023年「ウェッジランキング」 11位~21位の発表はこちら!>
ウェッジ購入で考慮すべきこと
新しいウェッジを購入するときはパフォーマンスを優先するべきだが、購入を決める前には考慮することが他にもある。
どのバウンスのウェッジにするべきか?
ウェッジのバウンス角の選択は複雑ではあるが大切だ。ここでは簡単に説明したいと思う。もし地面が柔らかい状況や通常のコンディションでプレーする場合は、「ハイバウンス」か「ミッドバウンス」のウェッジが最適。固めから中程度のコンディションなら、「ローバウンス」か「ミッドバウンス」のウェッジが良いだろう。どれにすれば良いか分からなければ、ラウンド中や練習中にどのくらいのディボット(ショットにより削られたターフ)になるのか分析して欲しい。ディボットが深ければ「ミッドバウンスからハイバウンス」がおすすめ。ディボットが浅ければ、「ローバウンス」か「ミッドバウンス」が良い。それでも分からなければ、専門家のフィッティングを受けるか、「ミッドバウンス」のウェッジを選ぶと良いだろう。
ウェッジのギャップ
ギャップウェッジやアプローチウェッジ以降の殆どが「専用ウェッジ(アイアンセット付属ではないウェッジ)」だ。これまではウェッジの番手間ロフトの差は4度から6度というのがスタンダード。これにより番手の飛距離差が最適となる。もしギャップウェッジやアプローチウェッジが含まれるアイアンセットを持っているなら、特に自身の飛距離に注意することが肝要。こうした専用ウェッジは、従来のウェッジよりも飛距離が出る可能性があるからだ。
コスト
今年のテストで対象となったウェッジの平均価格は174ドル(約26,000円)。これは「ベガゴルフ」や「プロトコンセプト」のように300ドル(約45,000円)を超えるウェッジがあることが要因だ。その他モデルは、特にタコモゴルフ、アダムス「IDEA」、そして最もお買い得な商品となったSub70「TAIII」など基本的にお手頃価格となっている。
あなたにとって最適なウェッジを選ぶ方法
専門家のフィッティングを受ける
自身にとってベストなウェッジを決める最善の方法は、プロのフィッティングを受けることだ。理想は屋外でフィッティングを受けること。専門家のフィッティングを受けられなければ、このガイドを参考にして試打リストを絞り込むと良いだろう。
自分のゴルフを分析する
自分でフィッティングするなら、番手間ギャップを適切にするためにご自身のゴルフを分析すべきだろう。その上で、バウンスとグラインドを正しく選択するために、入射角、ディボット(削れた芝)の大きさ、普段プレーする状況を理解しよう。
状況を考慮する
地面が「柔らかい状況」でプレーする場合、「ハイバウンス」のウェッジの方が使い勝手が良い。一方、「硬い状況」でのプレーなら「ローバウンス」がおすすめだ。一般的に「ミッドバウンス」を選ぶことは安全策ではあるが、ウェッジセット全体で様々なバウンスオプションを入れることで、あらゆるコース状況に対応する多彩性を持つことができる。
データを活用する
ゴルファーは、何よりもウェッジのスピン性能を考えがちだが、我々はいつだってそれ以外の要素にも目を向けるように勧めている。一番スピンがかかるウェッジが、あなたにとってベストなウェッジということはないのだ。
そして多くの有益なデータが得られる「弾道測定器」を活用してみよう。打ち出し角やスピン量のような指標を比べる際は、必ず標準偏差(弾道測定器のスクリーン上で、これらの数値は大きな数字の下に表示される小さな数値)をチェックして欲しい。こうした数値が一貫性を表す。また、バラつきを示す楕円(小さな円)もチェックしてみよう。
ウェッジでは、「一貫性」の重要度を過小評価してはいけない。ウェッジは「濡れた状況」でも「乾いた状況」でも同じようなパフォーマンスを発揮するのが理想。試打のプロセスで「濡れた状況」も入れているのはそのためだ。
新しいウェッジの購入時期
ウェッジは、ゴルフコースで直面する様々な要素から損傷を受ける。タイトリストで実施されたテストによれば、「75ラウンド」程度で「溝の摩耗」がパフォーマンスに影響を与えるようだ。
従って、自身のゴルフをしっかりチェックし、ウェッジを定期的に買い替えた方が良い。ツアープロなら年に数回ということになるはず。我々ならそこまでの頻度にならないだろうが、プレー回数が多いプレーヤーなら毎年ウェッジを交換することを検討すべきだろう。
またウェッジのテクノロジー進化は革新的というわけではないので、「溝」を新品のようにしておくことは「安定性をキープする」最も簡単な策の一つと言える。
Q&A
ウェッジを各テスターにフィットさせる方法は?
テストでは「フィット・フロム・ストック」というフィッティングプロセスを活用している。各テスターは、メーカー在庫(ストック)で追加料金でのオプションなしのウェッジを使用。エジソン「2.0」ウェッジ(純正で55度)とアダムスゴルフ「IDEA」ウェッジ(純正で54度)を除き、今回テストしたウェッジは、ロフト角が「56度」となっている。また可能な場合は、シャフトの硬さをテスターに合わせるように変更している。弾道を改善できるように異なる標準シャフトが装着された複数のウェッジを送ってくれたメーカーもあった。
2023年ベストウェッジ決定方法は?
順位を決めるにあたっては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使って主要データを収集。ウェッジテストでは、「100点満点の点数方式」を採用しており、ポイントは「正確性」、「一貫性」、そして「スピン」という各パフォーマンスに基づいて付与される。
「最もスピンがかかる」ウェッジはどのように決めるのか?
「最もスピンがかかる」ウェッジを決めるために、フルショット時のスピン量だけでなく、ハーフショットや濡れた状態でのハーフショットなども考慮。また、全ての条件でどの程度スピン量に「一貫性」があるかも検証している。
ちなみに地面に水を撒くことで「濡れた状態」にしている。また、ショット前にはボールに水分を吹きかけており、ショットとショットの間では、地面とボールだけに水分があるようにクラブは「乾いた状態」にしている。
「最も正確性のある」ウェッジはどのように決めるのか?
「最も正確性のある」ウェッジは、ストロークス・ゲインドに基づいて決定する。ストロークス・ゲンイドは、今回の対象クラブやウェッジが他モデルに対して相対的にどのようなパフォーマンスを残したのかを示すものだと考えて欲しい。今回はフルショットだけではなく、「乾いた状況」と「濡れた状況」での50ヤードのショットも考慮した。
「最も一貫性のある」ウェッジはどのように決めるのか?
最も一貫性のある」ウェッジは、全テストを通じて「キャリー」と「トータル飛距離」の値の標準偏差に基づいて決められる。今回は、「距離が最も安定しているウェッジ」を見つけることが目的となっている。
見た目、打音、打感などの主観的なフィードバックが議論になるが、それらはどれくらい順位に影響するのか?
全く反映されない。この順位は弾道測定器のデータと測定できるパフォーマンスの数値のみで決定される。