「最高のウェッジ」は、どんな状況においても「正確」で「一貫性」があり、そしてスピンをキープできるもの。

「乾いた状況」でも「濡れた状況」であっても、必要となるのは常に性能を発揮できるウェッジというわけだ。

今回我々は、テスト施設で何ヶ月にも渡りウェッジテストを行った。テストしたショット数は15,960打におよぶ。そしてそのデータを分析し、王者を決めた。ここではボギーではなくバーディを量産するのに役立つウェッジを紹介していく。


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テスト方法 – 2023年「ウェッジ」ランキング

『2023年ウェッジテスト』では、20名のゴルファーが、「乾いた状況」と「濡れた状況」に特化した状況も含めて、さまざまなコンディションから合計15,960ショットのテストを実施した。

またテストに使用するゴルフボールは、タイトリスト「ProV1」に統一し、弾道測定器はフォーサイトの「GCクワッド」を使用することで、データのブレを抑えた。

総合ランキングは、「正確性」、「一貫性」、そして「スピン」の集大成だ。ウェッジ部門では、「飛距離」や「寛容性」をという従来の指標よりも「一貫性」と「スピン」を優先しており、各項目を加算し総合得点を出している。


正確性


「正確性」は総合パフォーマンスでかなりの割合を占めている。「正確性」の測定基準は以下の通りだ。

・ストロークス・ゲインド


一貫性


ウェッジは、スコアメイクという点で役立つクラブだけにセッティングの中でも重要だ。ウェッジに必要なのは「寛容性」と「一貫性」。今回、「一貫性」においては以下2つの指標を採用した。


・キャリーの一貫性

・バラつきの範囲


スピン


ウェッジにおいて、スピンは間違いなく鍵となる。我々のスピンの指標は以下の通り


・フルスイングでのスピン

・50ヤードのスピン(乾いた状況)

・50ヤードのスピン(濡れた状況)

・乾いた状態と濡れた状態でのスピン保持率


水分は「一貫性」と「スピン」に影響する


「濡れた状況」でのテストを行うことで、どのモデルに「一貫性」があり、またないかが明らかとなった。これは重要なことであるが、時に見落とされがちだ。ウェッジに付着した水分は、次の2つの重要な測定要素に影響する。


・バックスピン

・打ち出し角


ウェッジが雨などによる「濡れた状態」で使用した場合、打ち出し角が高くなり、スピン量は減少する可能性が高いということが、過去のテストでも分かっている。こうした結果は、言うまでもなくウェッジのパフォーマンスと一貫性に大きな影響を与える。

テストしたモデルの中には、3,000rpmを超えるスピン量を生み出すのに苦戦したウェッジや2,500rpm未満のウェッジがいくつか見られた。その一方で、「濡れた状態」でも「90%以上のスピン量」をキープし、打ち出し角も最小限に抑えていたウェッジもあった。

次回ウェッジを購入する際は、こうした情報を頭に入れておくことが重要となる。


2023年「ウェッジ」ランキング スコア&順位

モデル名総合スコア一貫性スコア正確性スコアスピンスコアボール初速(m/s)
TaylorMade Milled Grind 497.44/1 位96.5/2位96.4/2位90.8/6位23.02/17位
COBRA Snakebite X94.77/2位90.5/7位95.8/4位88.8/10位22.89/19位
TaylorMade Hi-Toe 394.04/3位91.2/6位96.3/3位85.7/13位23.07/13位
Cleveland CBX Full Face 292.60/4位88.4/8位88.7/8位96.3/2位23.42/4位
Cleveland RTX6 ZipCore92.50/5位87.9/9位91.0/5位92.7/4位23.24/10位
Callaway CB92.07/6位82.1/14位98.4/1位83.1/15位23.29/7位
Mizuno S2391.94/7位92.8/4位90.5/6位88.8/9位22.89/20位
Sub 70 TAIII89.65/8位97.8/1位84.7/13位89.1/8位23.29/8位
Tour Edge Exotics Wingman89.65/9位86.0/11位89.0/7位89.8/7位23.02/14位
PING Glide 4.089.58/10 位93.4/3位81.8/14位96.7/1位23.02/15位
Edison 2.088.54/11 位85.6/12位85.9/11位92.2/5位23.20/11位
COBRA Snakebite87.66/12 位91.8/5位80.9/16位94.2/3位22.84/21位
NEXGEN Forged85.94/13 位82.0/15位88.7/9位83.3/14位23.42/3位
Bettinardi HLX 5.082.40/14 位87.6/10位78.2/18位87.8/11位23.38/5位
Vega Golf Alcor Tour81.97/15 位79.9/18位86.9/10位77.4/19位23.02/16位
Kirkland Signature Gen 279.30/16 位81.7/16位81.1/15位78.8/17位23.47/2位
Proto Concept CB Forged77.21/17 位83.4/13位72.4/20位86.7/12位23.29/9位
Adams Idea74.57/18 位69.9/20位76.9/19位81.2/16位23.60/1位
Takomo Golf Skyforger 00173.69/19 位65.1/21位85.0/12位68.7/20位23.15/12位
Vega VWX71.70/20位80.8/17位79.8/17位61.7/21位22.93/18位
Indi Golf FLX69.13/21位77.3/19位67.6/21位77.6/18位23.33/6位

2023年「ベストウェッジ」11位~21位


11、エジソン「2.0」ウェッジ

特徴


エジソン「2.0」ウェッジは11位となりトップ10入りを逃したが、「スピン性能」では優れたパフォーマンスを見せ、「スピン部門」5位という結果を残した。エジソン「2.0」の独自のデザインは、オフセンターヒット時のスピンロスを軽減するため、わずかなミスヒットでも驚くほどのスピン量を実現する。50ヤードからの「濡れた状況」においても、このウェッジは突出しておりスピンも十分にキープできる。また各ロフトは、パフォーマンスを最適化するための独自の『プログレッシブグルーブパターン』を備え、幅広で深い溝により、フルスイングやラフからのショットでも必要なコントロールが可能となっている。


高評価


エジソン「2.0」ウェッジにおける一番の特徴は「スピン性能」でフルスイングでも、「乾いた状況」と「濡れた状況」の50ヤードからのショットでも安定した「スピン」を提供する。「濡れた状況」におけるスピン保持は必須だが、これに対してエジソン「2.0」ウェッジは素晴らしい性能を発揮している。


低評価


エジソン「2.0」ウェッジは、「正確性」と「一貫性」においては平凡な結果となった。また「見た目」や「打感」、「打音」などの主観的要素においても、テスターは平均以下の評価を下している。


 

おすすめ層

エジソン「2.0」ウェッジは、「低弾道」、「スピンの向上」、そしてさらなる「一貫性」のあるウェッジショットを望むゴルファーに適している。


適している人:

・あらゆる状況で安定したスピン量を実現できるウェッジを望んでいる人

・グラインドとバウンス角の選択肢をシンプルにしたい人。エジソン「2.0」は特許取得済みの『ケーラーソール』を採用している。

・複数購入したい人。エジソンでは複数購入での値引きを提供している。

・ロフト角の選択肢が豊富なウェッジを好む人


適していない人:

・ウェッジに199.95ドルも払いたくない人

・グラインドとバウンス角の選択肢が限られた施策を好まない人


12、「SNAKEBITE(スネークバイト)」ウェッジ

特徴


コブラ「SNAKEBITE」ウェッジは、総合12位となった。「SNAKEBITE」ウェッジは、「超精密CNCミルド」が施された溝、『スネークバイトグルーブ』が高スピン性能を生み出し、またロフト角別の溝設計が、より安定した弾道を実現する。今回、特に50ヤードからのショットは前作より飛躍的に優れていた。


高評価


コブラ「SNAKEBITE」は、「一貫性」と「スピン性能」でトップ5入りと非常に優れた性能を発揮しており、これらのパフォーマンス指標においてはベストウェッジの一つと言える。


 

低評価


コブラ「SNAKEBITE」の「正確性」は21モデル中の16位と平均以下で、「スピン」と「一貫性」の性能を考えると残念な結果となっている。このモデルを検討しているなら、専門家のフィッティングを受けることは必須だ。


おすすめ層


コブラ「SNAKEBITE」ウェッジは、様々なショットが可能となる『プログレッシブ・ノッチデザイン』が特徴で、これによりグリーン周りでの「スピン性能」と「寛容性」を求めるゴルファーに合っていると言える。


適している人:

・特に「濡れた状況」において前作モデルよりも飛躍的に向上したウェッジが欲しい人

・ほとんどの場面において抜群の「一貫性」と「スピン性能」を実現するウェッジが必要な人

・グリーン周りで様々なショットをする人


適していない人:

・コブラ「SNAKEBITE X」のようなフルフェースデザインが嫌いな人

・このモデルは「正確性」が平均以下なので、「正確性」を求める人


13、NEXGEN「FORGED」(ネクスジェン フォージド)ウェッジ

特徴


NEXGEN FORGEDウェッジは、総合13位となった。「ネクスジェンフォージド」ウェッジはロフトごとに求められる性能を追求するため、バックフェースの肉厚を変化させる「番手別WDデザイン」を採用。トウ側上部は薄く、ソールに近くなるほど肉厚に設計となっており、やや低目の重心設計はフルショットで確実な飛距離性能を生み出す。また、『チェッカープレート レーザーミーリング』という独自のミーリング(削り出し)デザインを施したことにより、ラフや「濡れた状況」などの悪いライからでも「スピン性能」を大きく向上する。また、機能別ソールデザインは、「フルショット」「バンカーショット」「多彩なショット」と各ロフト角にひとつのソールデザインを採用し、「寛容性」と「飛距離のコントロール性」を実現している。


高評価


ネクスジェンフォージドウェッジは、フルスイングと50ヤードからのショットの「正確性」で9位にランクインしている。また市場には高額ウェッジが数多くあるが、このネクスジェンフォージドウェッジは、最もお財布に易しい魅力的なウェッジのひとつになっている。


低評価


ネクスジェンフォージドウェッジは、「一貫性」と「スピン性能」が平均以下であり、パフォーマンス面で懸念がある。また「見た目」、「打感」、「打音」も、テスターの評価は平均以下となっている。


おすすめ層


ネクスジェンフォージドウェッジは、安定した結果をもたらす高性能ウェッジを求めるゴルファーに向いている。またシャフト選択もあり、価格的にも手に入れやすい。さらに、このモデルの易しさは価格だけでなく、一般的なアマチュアゴルファーでも、どのソールが自分に最適なのかを迷うことなく選べる考えられたソールデザインとなっている。


適している人:

・「正確性」が売りのウェッジが欲しい人

・リーズナブルな価格で他のブランドを試したい人


適していない人:

・ロフト角とバウンス角の選択肢の多さを求める人。このモデルは選択肢が限られている。

・レフティモデルがないので、左打ちの人。


14、ベティナルディ「HLX 5.0」ウェッジ

特徴


ベティナルディ「HLX 5.0」ウェッジは、総合14位となった。ベティナルディの新ウェッジシリーズ 「HLX5.0」は、ヘッド素材に「ソフトカーボンスチール」を採用しフォージド製法により「ソフトな打感」を生み出す。また、ソールグラインドは2種類を備え、伝統的なソールの「Cグラインド」はシンプルなスクエアフェースでのショットに最適で、ハイバウンスソールの「RJグラインド」は、あらゆる状況でのショットを可能にし、操作性の良いウェッジとなっている。テスターからは「打音」、「打感」、そして「見た目」でベストウェッジとされたが、総合的には平均以下という結果。また「一貫性」と「スピン」には優れていたものの、「正確性」では最下位に近いランクとなっている。ベティナルディ「HLX 5.0」ウェッジについては下記でチェックして欲しい。


高評価


ベティナルディ「HLX 5.0」ウェッジは「一貫性」10位と「スピン性能」で11位と平均以上の結果を出した。主観的要素である「打音」、「打感」、そして「見た目」の高評価に加え、これら2つのスコア指標を見るとパフォーマンス的にメリットがあることが想定できる。


低評価


ベティナルディ「HLX 5.0」ウェッジ最大の弱点は「正確性」で、18位とほぼ最下位に近い結果となった。


おすすめ層


ベティナルディ「HLX 5.0」は、ツアーレベルのパフォーマンスを求め、卓越した「打感」と魅力的な「見た目」を備えたウェッジを望むゴルファーのためにデザインされている。


適している人:

・パフォーマンス以上に「打音」、「打感」、「見た目」を重要視する人

・予算に制限のない人

・「スピン性能」と「一貫性」においてメリットがあるウェッジを求める人


適していない人:

・「HLX 5.0」ウェッジは「正確性」に欠けるため、「正確性」を大切にしている人には適していない

・予算に限界がある人


15、ベガゴルフ「ALCOR TOUR」ウェッジ

特徴


ベガゴルフ「ALCOR TOUR」ウェッジは、総合15位となった。「アルコアツアー」ウェッジは複数の素材を組合せた「マルチマテリアル構造」で、ベガゴルフで最も多用性のある、扱いやすいウェッジに仕上がっている。また交換可能な超軽量チタンソールは、適切なロフト角とバウンス角 (ロー、ミッド、ハイ) を選択することで、年間を通してプレーするグラウンドとして適応する。「正確性」では平均以上のスコアだったが、残念ながら「スピン」と「一貫性」に関しては期待外れの成績だった。




高評価


ベガゴルフ「アルコアツアー」ウェッジは、「正確性」10位にランクインし、ポジティブな性能を備えている。ウェッジに「正確性」があるということは、良いスコアを安定して出す上で非常に大切なことだ。


低評価


「アルコアツアー」ウェッジは「スピン性能」19位と「一貫性」18位で最下位に近い結果となった。また「濡れた状況」でのパフォーマンスも良くなかった。


おすすめ層


ベガゴルフ「ALCOR TOUR」ウェッジは、あらゆるスキルのゴルファーに柔軟性と多様性をもたらす。


適している人:

・「正確性」が高いウェッジを望む人

・ベガゴルフに興味があるものの、「VMX」より「アルコアツアー」の方が総合的に良いと考えている人


適していない人:

・「アルコアツアー」は総合パフォーマンスが平均以下なので、総合的な性能に着目している人



その他のトップパフォーマンス

PING Glide 4.0
「スピン性能」1位
「濡れた状況でのベストウェッジ」1位
Sub 70 TAIII
「一貫性」1位
「お買い得商品」1位
Callaway CB
「正確性」1位
ベティナルディ HLX 5.0
「打感」第1位
「見た目」1位
テーラーメイド ミルドグラインド 4
「購入の可能性」1位


2023年「ウェッジ」ランキング データ

 モデル名ボール初速
(m/s)
ショット範囲
(平方ヤード)
トータル飛距離
(ヤード)
キャリー
(ヤード)
スピン量
( RPM )
打ち出し角
(度)
高さ  
(m)
落下角度
(度)
中央からの
距離(ヤード)
TaylorMade Milled Grind 423.0299.648.748.16451.031.52.8640.11.4
COBRA Snakebite X22.8994.248.748.16556.931.52.8740.51.2
TaylorMade Hi-Toe 323.0687.649.548.56474.730.82.7739.71.5
Cleveland CBX Full Face 223.42102.950.750.06229.431.32.9040.01.7
Cleveland RTX6 ZipCore23.2499.050.449.56185.931.62.9340.31.5
Callaway CB23.29112.450.549.46459.331.02.8739.81.4
Mizuno S2322.8993.548,548.26587.431.92.9340.31.4
Sub 70 TAIII23.2989.549.849.36630.330.92.8339.91.4
Tour Edge Exotics Wingman23.0299.649.548.76424.931.32.8339.91.7
PING Glide 4.023.0281.349.248.46282.132.12.9040.31.7
Edison 2.023.20100.949.949.36109.731.82.8340.51.6
COBRA Snakebite22.8461.848.848.16492.431.42.8340.21.6
NEXGEN Forged23.42102.850.649.56738.530.62.8039.61.7
Bettinardi HLX 5.023.3899.650.449.76639.830.52.8039.41.6
Vega Golf Alcor Tour23.0299.649.348.36698.231.02.8039.91.8
Kirkland Signature Gen 223.47114.451.050.06452.530.82.8339.51.5
Proto Concept CB Forged23.29131.150.149.36096.331.22.8340.02.0
Adams Idea23.60109.451.150.36235.730.02.8038.51.3
Takomo Golf Skyforger 00123.1583.649.748.96422.230.82.7739.51.4
Vega VWX22.9399.649.348.46920.030.72.8339.91.7
Indi Golf FLX23.33121.950.449.66493.930.92.9039.92.0

2023年「ウェッジランキング」 1位~10位の発表はこちら!


16、カークランド「SIGNATURE GEN 2(シグネチャーGEN 2)」ウェッジ

特徴


カークランド「シグネチャー GEN 2」ウェッジは、総合16位となった。パフォーマンスにおいて、このモデルは「正確性」、「一貫性」、「スピン性能」で平均以下という結果に。現状では価格という点で素晴らしい選択肢となっており、ゴルファーにとってはそれが魅力となるはずだ。


高機能


価格は3本セットで1本程度となっており、予算が限られているならこれ以上のものはないだろう。


低評価


「正確性」、「一貫性」、「スピン」は平均以下。「濡れた状況」でのスピン保持のパフォーマンスは最下位に近く注意が必要だ。


おすすめ層


カークランド「シグネチャー GEN 2」ウェッジは、あらゆるゴルファーにとって非常にお手頃価格でお財布に優しいモデルだ。


適している人:

・最高の“費用対効果”を求める人。このモデルは3本セット(GW、SW、LW)で販売されている。

・エンジョイゴルファー


適していない人:

・ウェッジの性能にこだわる人。カークランド「シグネチャー GEN 2」ウェッジはテストで下位に沈んでいる。


17、プロトコンセプト「FORGED CB」ウェッジ

特徴


プロトコンセプト「FORGED CB」ウェッジは、総合17位となった。「FORGED CB」ウェッジは新開発の「フェース・ドット・ミーリング」を採用し、厳しいライや悪天候下でも安定したスピンを生み出す。また、寛容性を高めるキャビティバックデザインと新設計のソール形状がミスを防ぎ、打点の安定をもたらしてくれる。






高評価


プロトコンセプト「FORGED CB」ウェッジは、フルスイングと50ヤードのショットにおける「スピン性能」で12位となった。さらに、「濡れた状況」における50ヤードからの距離で、優れた性能を発揮したウェッジの1つとなっている。


低評価


プロトコンセプト「FORGED CB」ウェッジ最大の弱点が、20位とほぼ最下位になった「正確性」だ。もしこのウェッジを検討しているなら、専門家のフィッティングを受けることは必須。また主観的フィードバックも期待ほどではなかった。


おすすめ層


プロトコンセプト「FORGED CB」ウェッジは、優れたクラフトマンシップと多彩性を兼ね備えており、ショートゲームを向上させたいゴルファーにとっては信頼のおけるウェッジと言える。


適している人:

・あらゆる状況において適度な「スピン性能」を発揮するウェッジを望む人。


適していない人:

・コスパが良いウェッジを求めている人

・このモデルは選択肢が限られているので、ロフトやバウンスのオプションを必要とする人


18、アダムス「IDEA」ウェッジ

特徴


アダムス「IDEA」ウェッジは、総合18位となった。純正はロフト角54度で易しく、「IDEA」ウェッジのキャビティバックデザインは、初心者やハイハンディのゴルファーには魅力的だろう。また市場にあるウェッジの中でより安価な部類に入る。


 

高評価

アダムス「IDEA」ウェッジは、そのパフォーマンスにも関わらず市場にある他のウェッジに比べて魅力的な価格になっている。また他モデルよりも「寛容性」が高いウェッジとも言える。


低評価


「正確性」、「一貫性」、そして「スピン」のパフォーマンスがイマイチ。それぞれ19位、20位、16位に終わっている。


おすすめ層


アダムス「IDEA」ウェッジは、ショートゲームをレベルアップさせるために必要な信頼性と精密性を備えており、セッティングに追加するには優れた選択肢と言える。対象ゴルファーはミッドハンディからハイハンディキャップのゴルファーで初心者にも対応。またロフト角は、54度と58度のみラインナップしている。


適している人:

・初心者かハイハンディキャップのゴルファー

・ウェッジをシンプルに使いたくて、たくさんのロフト角とバウンス角の選択肢で悩みたくない人

・予算内でウェッジを買いたい人


適していない人:

・高性能ウェッジを求めている人

・伝統的でスマートな形状のウェッジが好きな人

・「濡れた状況」でのパフォーマンスも重要視する人


19、タコモゴルフ「SKYFORGER 001」ウェッジ

特徴


タコモゴルフ「SKYFORGER 001」ウェッジは、総合19位だった。市場にあるウェッジの中で恐らくネーミングはベストに入るだろうが、「正確性」は平均スコアを若干上回っているものの、全体的なパフォーマンスは期待外れで、「一貫性」と「スピン」は共に最下位に近い。良心的な価格だが、特にウェットな状況では注意が必要なウェッジだ。






高評価


タコモゴルフ「SKYFORGER 001」ウェッジは「正確性」で平均スコアを若干上回っている。この分野の重みが一番大きいだけに、手にするメリットはある。また「見た目」も高評価。99ドルなのでゴルファーにも魅力的に映るはずだ。


低評価


「SKYFORGER 001」ウェッジは「一貫性」と「スピン」は共に最下位に近い成績だった。特に水分がある状況での「スピン」が弱点。このウェッジは湿気に弱く、「濡れた状況」だとスピン保持率が50%以上も減ってしまう。


おすすめ層


タコモゴルフ「SKYFORGER 001」ウェッジは、99ドルという価格になっており、ウェッジにお金を費やしたくないゴルファーにはとてつもない価値を持つだろう。


適している人:

・目を見張るほど良心的な価格のウェッジを求めている人

・新進気鋭の直販メーカーのクラブが欲しい人


適していない人:

・「濡れた状況」でスピンをキープしないため、そのような状況でプレーする人

・ロフト角とバウンス角の選択肢が限られるため、ウェッジに選択肢が不要な人


20、ベガゴルフ「VWX」ウェッジ

特徴


ベガゴルフ「VWX」ウェッジは、総合20位だった。3つのスコア指標全てで期待外れ。一番の弱点は「スピン」で、特に「濡れた状況」で顕著になる。スピン量が3,000rpm以下のウェッジなど見たことがあるだろうか? このウェッジは水分のある状況だと、大抵そのくらいの数値になる。


高評価


「VWX」ウェッジは、「乾いた状況」だと「一貫性」と「正確性」がまずまず。とはいえ特筆する程ではない。


低評価


「VWX」ウェッジは、50ヤードからの「濡れた状況」で最低の成績だった。水分がある状況ではスピン保持率が60%以上減る結果となっている。


 

おすすめ層


「VWX」ウェッジは、高級素材と優れたクラフトマンシップを採用することで安定したパフォーマンスと耐久性をもたらしており、ショートゲームのスキルを向上させたいシリアスなゴルファーには人気のチョイスと言える。


適している人:

・「乾いた状況」でスピンが必要な人。ベガゴルフ「VWX」は総合的にはスピン量が多いウェッジの一つになっている。

・新ブランドを試したい人


適していない人:

・「濡れた状況」やぬかるんだ場面でプレーする人。ベガゴルフ「VWX」は現状、「濡れた状況」では最悪のウェッジで、水分がある状況ではスピン保持率が60%以上減る。

・あらゆる状況で確かなスピン量をもたらすウェッジが欲しい人


21、Indi GOLF「FLX」ウェッジ

 

特徴


Indi GOLF「FLX」ウェッジは、総合21位に終わった。残念なことだが、このウェッジは3つのスコア指標全てでパフォーマンスの数値が悪かった。今年のテストで試した数モデルより「一貫性」と「スピン性能」が優れていたが、「正確性」は最下位となった。





高評価


Indi GOLF「FLX」ウェッジのパフォーマンスで良い点はほぼないが、フルスイング時には、他の多くのウェッジ同様にポジティブな性能を見せている。


低評価


「FLX」ウェッジの弱点が「正確性」だ。フルスイングと50ヤードからのショットでは、安定性に欠ける。もしこのウェッジを検討しているならフィッティングを受けることを強くおすすめする。


おすすめ層


Indi GOLF「FLX」ウェッジは、プロと同じ様なスピンを実現できるようにデザインされている。このウェッジはショートゲームにおける「スピン性能」と「コントロール性」を優先するあらゆるレベルのゴルファーに適していると言えるだろう。


適している人:

・デザインを通じて「寛容性」をもたらすフルフェースのウェッジが欲しい人

・「乾いた状況」でもスピンが良くかかるウェッジを望む人

・“隠れた”ゴルフメーカーをサポートしたい人


適していない人:

・このウェッジは今回のテストで最下位だったため、確かなパフォーマンスを優先する人


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ウェッジ購入で考慮すべきこと

新しいウェッジを購入するときはパフォーマンスを優先するべきだが、購入を決める前には考慮することが他にもある。


どのバウンスのウェッジにするべきか?


ウェッジのバウンス角の選択は複雑ではあるが大切だ。ここでは簡単に説明したいと思う。もし地面が柔らかい状況や通常のコンディションでプレーする場合は、「ハイバウンス」か「ミッドバウンス」のウェッジが最適。固めから中程度のコンディションなら、「ローバウンス」か「ミッドバウンス」のウェッジが良いだろう。どれにすれば良いか分からなければ、ラウンド中や練習中にどのくらいのディボット(ショットにより削られたターフ)になるのか分析して欲しい。ディボットが深ければ「ミッドバウンスからハイバウンス」がおすすめ。ディボットが浅ければ、「ローバウンス」か「ミッドバウンス」が良い。それでも分からなければ、専門家のフィッティングを受けるか、「ミッドバウンス」のウェッジを選ぶと良いだろう。


ウェッジのギャップ


ギャップウェッジやアプローチウェッジ以降の殆どが「専用ウェッジ(アイアンセット付属ではないウェッジ)」だ。これまではウェッジの番手間ロフトの差は4度から6度というのがスタンダード。これにより番手の飛距離差が最適となる。もしギャップウェッジやアプローチウェッジが含まれるアイアンセットを持っているなら、特に自身の飛距離に注意することが肝要。こうした専用ウェッジは、従来のウェッジよりも飛距離が出る可能性があるからだ。


コスト


今年のテストで対象となったウェッジの平均価格は174ドル(約26,000円)。これは「ベガゴルフ」や「プロトコンセプト」のように300ドル(約45,000円)を超えるウェッジがあることが要因だ。その他モデルは、特にタコモゴルフ、アダムス「IDEA」、そして最もお買い得な商品となったSub70「TAIII」など基本的にお手頃価格となっている。


あなたにとって最適なウェッジを選ぶ方法


専門家のフィッティングを受ける


自身にとってベストなウェッジを決める最善の方法はプロのフィッティングを受けることだ。理想は屋外でフィッティングを受けること。専門家のフィッティングを受けられなければ、このガイドを参考にして試打リストを絞り込むと良いだろう。


自分のゴルフを分析する


自分でフィッティングするなら、番手間ギャップを適切にするためにご自身のゴルフを分析すべきだろう。その上で、バウンスとグラインドを正しく選択するために、入射角、ディボット(削れた芝)の大きさ、普段プレーする状況を理解しよう。


状況を考慮する


地面が「柔らかい状況」でプレーする場合、「ハイバウンス」のウェッジの方が使い勝手が良い。一方、「硬い状況」でのプレーなら「ローバウンス」がおすすめだ。一般的に「ミッドバウンス」を選ぶことは安全策ではあるが、ウェッジセット全体で様々なバウンスオプションを入れることで、あらゆるコース状況に対応する多彩性を持つことができる。


データを活用する


ゴルファーは、何よりもウェッジのスピン性能を考えがちだが、我々はいつだってそれ以外の要素にも目を向けるように勧めている。一番スピンがかかるウェッジが、あなたにとってベストなウェッジということはないのだ。

そして多くの有益なデータが得られる「弾道測定器」を活用してみよう。打ち出し角やスピン量のような指標を比べる際は、必ず標準偏差(弾道測定器のスクリーン上で、これらの数値は大きな数字の下に表示される小さな数値)をチェックして欲しい。こうした数値が一貫性を表す。また、バラつきを示す楕円(小さな円)もチェックしてみよう。

ウェッジでは、「一貫性」の重要度を過小評価してはいけない。ウェッジは「濡れた状況」でも「乾いた状況」でも同じようなパフォーマンスを発揮するのが理想。試打のプロセスで「濡れた状況」も入れているのはそのためだ。


新しいウェッジの購入時期


ウェッジは、ゴルフコースで直面する様々な要素から損傷を受ける。タイトリストで実施されたテストによれば、「75ラウンド」程度で「溝の摩耗」がパフォーマンスに影響を与えるようだ。

従って、自身のゴルフをしっかりチェックし、ウェッジを定期的に買い替えた方が良い。ツアープロなら年に数回ということになるはず。我々ならそこまでの頻度にならないだろうが、プレー回数が多いプレーヤーなら毎年ウェッジを交換することを検討すべきだろう。

またウェッジのテクノロジー進化は革新的というわけではないので、「溝」を新品のようにしておくことは「安定性をキープする」最も簡単な策の一つと言える。


Q&A


ウェッジを各テスターにフィットさせる方法は?

テストでは「フィット・フロム・ストック」というフィッティングプロセスを活用している。各テスターは、メーカー在庫(ストック)で追加料金でのオプションなしのウェッジを使用。エジソン「2.0」ウェッジ(純正で55度)とアダムスゴルフ「IDEA」ウェッジ(純正で54度)を除き、今回テストしたウェッジは、ロフト角が「56度」となっている。また可能な場合は、シャフトの硬さをテスターに合わせるように変更している。弾道を改善できるように異なる標準シャフトが装着された複数のウェッジを送ってくれたメーカーもあった。


2023年ベストウェッジ決定方法は?

順位を決めるにあたっては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使って主要データを収集。ウェッジテストでは、「100点満点の点数方式」を採用しており、ポイントは「正確性」、「一貫性」、そして「スピン」という各パフォーマンスに基づいて付与される。


「最もスピンがかかる」ウェッジはどのように決めるのか?

「最もスピンがかかる」ウェッジを決めるために、フルショット時のスピン量だけでなく、ハーフショットや濡れた状態でのハーフショットなども考慮。また、全ての条件でどの程度スピン量に「一貫性」があるかも検証している。

ちなみに地面に水を撒くことで「濡れた状態」にしている。また、ショット前にはボールに水分を吹きかけており、ショットとショットの間では、地面とボールだけに水分があるようにクラブは「乾いた状態」にしている。


「最も正確性のある」ウェッジはどのように決めるのか?

「最も正確性のある」ウェッジは、ストロークス・ゲインドに基づいて決定する。ストロークス・ゲンイドは、今回の対象クラブやウェッジが他モデルに対して相対的にどのようなパフォーマンスを残したのかを示すものだと考えて欲しい。今回はフルショットだけではなく、「乾いた状況」と「濡れた状況」での50ヤードのショットも考慮した。


「最も一貫性のある」ウェッジはどのように決めるのか?

最も一貫性のある」ウェッジは、全テストを通じて「キャリー」と「トータル飛距離」の値の標準偏差に基づいて決められる。今回は、「距離が最も安定しているウェッジ」を見つけることが目的となっている。


見た目、打音、打感などの主観的なフィードバックが議論になるが、それらはどれくらい順位に影響するのか?

全く反映されない。この順位は弾道測定器のデータと測定できるパフォーマンスの数値のみで決定される。


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