ほとんどのゴルファーは、ロングアイアンの代わりとしてユーティリティ(ハイブリッド)を使っている。その理由は一般論だが、ユーティリティの方が従来のロングアイアンよりも「寛容性」が高くて簡単に打てるからだ。
また打ち出しが高くなるように設計されており、安定性も高い。つまり、ややグリーンまでの距離がある場面でよりナイスオンの確率が高まるってわけだ。
では、ユーティリティを1本か2本入れることでゴルフがより楽しくなりスコアアップするのだろうか?というわけで、『2023年 ベストユーティリティ』をチェックして行こう!
『2023年 ベストユーティリティ』総合ランキング
2023年ベスト「ユーティリティ」ランキング
モデル名 | 総合スコア | 飛距離(ヤード) | 正確性(%) | 寛容性 | ボール初速 (m/s) | フェアウェイ キープ率(%) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
PING G430 | 97.50/1位 | 206.9/2位 | 98.0/1位 | 97.0/2位 | 57.39/1位 | 88.4/1位 | |
Sub 70 949x | 91.32/2位 | 206.5/3位 | 89.9/5位 | 90.3/10位 | 56.80/12位 | 78.2/18位 | |
COBRA KING Tec | 91.00/3位 | 204.8/7位 | 91.6/3位 | 90.8/9位 | 56.50/17位 | 81.3/12位 | |
Wilson Dynapower | 89.71/4位 | 204.0/11位 | 92.6/2位 | 86.3/11位 | 56.68/13位 | 86.8/3位 | |
Titleist TSR3 | 87.48/5位 | 202.2/16位 | 88.8/7位 | 90.9/8位 | 56.81/10位 | 87.2/2位 | |
Titleist TSR2 | 87.16/6位 | 204.8/6位 | 86.5/9位 | 85.9/12位 | 57.13/5位 | 82.0/9位 | |
Tour Edge Exotics C723 | 87.08/7位 | 202.8/14位 | 85.9/10位 | 93.4/5位 | 56.10/21位 | 79.5/16位 | |
COBRA AeroJet | 86.90/8位 | 205.6/4位 | 81.5/18位 | 92.5/6位 | 57.13/4位 | 75.5/21位 | |
Adams Idea | 86.69/9位 | 202.0/17位 | 85.4/12位 | 95.3/3位 | 56.50/18位 | 79.8/14位 | |
TaylorMade Stealth 2 Plus | 86.51/10位 | 204.3/10位 | 89.9/6位 | 78.3/17位 | 56.86/9位 | 83.5/6位 | |
PXG 0311 XF Gen6 | 86.36/11位 | 201.0/19位 | 85.2/13位 | 97.7/1位 | 56.14/20位 | 86.5/4位 | |
NEXGEN NS210 | 85.68/12位 | 202.4/15位 | 90.2/4位 | 86.0/16位 | 56.81/11位 | 85.4/5位 | |
TaylorMade Stealth 2 | 85.35/13位 | 207.3/1位 | 85.6/11位 | 72.7/20位 | 57.00/7位 | 79.8/15位 | |
Mizuno ST-Z 230 | 84.34/14位 | 203.3/12位 | 84.5/14位 | 83.6/14位 | 57.04/6位 | 80.1/13位 | |
Srixon ZX Mk II | 83.03/15位 | 203.0/13位 | 88.4/8位 | 71.6/21位 | 56.37/19位 | 82.7/7位 | |
Callaway Big Bertha ‘23 | 82.85 /16位 | 204.5/8位 | 84.0/15位 | 75.3/18位 | 56.60/16位 | 81.6/10位 | |
TaylorMade Stealth 2 HD | 82.35/17位 | 201.4/18位 | 82.9/16位 | 85.0/13位 | 56.90/8位 | 81.3/11位 | |
Titleist TSR1 | 80.16/18位 | 200.3/21位 | 75.9/20位 | 93.8/4位 | 56.68/14位 | 78.7/17位 | |
Callaway Paradym X | 79.94/19位 | 205.3/5位 | 78.2/19位 | 72.8/19位 | 57.26/2位 | 76.6/19位 | |
Tour Edge Exotics E723 | 79.23/20位 | 200.6/20位 | 74.7/21位 | 91.7/7位 | 56.63/15位 | 75.8/20位 | |
Callaway Paradym | 79.18/21位 | 204.4/9位 | 82.3/17位 | 64.3/22位 | 57.17/3位 | 82.7/8位 | |
COBRA AeroJet One Length | 72.80/22位 | 197.7/22位 | 71.8/22位 | 81.6/15位 | 54.31/22位 | 75.7/22位 |
『2023年 ベストユーティリティ』の集計方法
この総合ランキングは、「正確性」、「寛容性」、そして「飛距離」の集大成。各項目を加算し、総合得点を出している。一般的にユーティリティはグリーンを狙う場面で使われていることから、テスターにもグリーンを狙ってもらうようにした。というわけで今回は、「飛距離」と「寛容性」よりも「正確性」を優先させている。
正確性
「正確性」は総合スコアのかなりの割合を占めている。「正確性」の測定基準は以下の通りだ。
・ストロークス・ゲインド
「正確性」とは?
「正確性」は、各クラブのプレーヤーのショットが、そのプレーヤーのスキルレベルから予想されるものよりも上回っているか下回っているかを表す。プレーヤーのスキルで変わる変数を除外することで、「正確性」を見れば、クラブがプレーヤーの全体的なスコアをどのくらい向上させるのかが分かる。
寛容性
「寛容性」は安定性の尺度となる。そのため、我々の「寛容性」の測定基準は、最も安定した結果を残すクラブを見つけることを目的としている。注:「安定性」とは必ずしも安定して良いというわけではない。「寛容性」の測定基準は以下の通りだ。
・ボール初速の安定性
・スピンの安定性
・キャリーの安定性
・バラつきの範囲
どのように「寛容性」を測定するのか?
「寛容性」は、クラブフェースのセンターやセンターを外したショットがどのくらいクラブで修正されるのかを表す。「寛容性」の評価が高いと、クラブはスイングがブレた場合でも、一貫したパフォーマンスをキープするのに適していると言える。
飛距離
間違いなく、「飛距離」はほとんどのゴルファーにとってクラブ選びの決定打となっている。我々の「飛距離」の指標は下記の通りシンプルだ。
・キャリーの飛距離
・トータル飛距離
どのように「飛距離」を測定するのか?
トータル飛距離とキャリーの飛距離を考慮し、我々の「飛距離」スコアは、最終的にクラブで達成した合計ヤードを指標にしている。
PING「G430」ユーティリティ~『2023年 ベストユーティリティ』~
特徴
2023年のベストユーティリティに輝いたのはPING「G430」ユーティリティだ。「G430」ユーティリティは、あらゆるレベルのゴルファーに対して最大「飛距離」と「正確性」を実現するためにデザインされたハイパフォーマンスクラブ。インパクトで大きなたわみを生む「高強度マレージングフェース」が特徴。さらに、後部に配置したタングステンにより低・深重心になっており打ち出しが高く、「寛容性」も向上している。またクラブヘッドの空力設計により抵抗が軽減されヘッドスピードがアップする一方、「アジャスタブルホーゼル」によりどのようなスイングにも合うようにロフト角とライ角を調整することも可能。
高評価
PING「G430」ユーティリティは「正確性」でトップ、「寛容性」と「飛距離」は2位だった。加えて「打感」で1位になった他、他の主観的フィードバックでも上位につけた。つまりパフォーマンスが高く、ゴルファーへの魅力度も非常に高い。パフォーマンスという点では、考えるまでもなくPING「G430」ユーティリティというわけだ。
低評価
パフォーマンスにおいて、PING「G430」ユーティリティに弱点はない。しかし主観的な面では、「打感」、「打音」、「見た目」という点で好みではないというテスターがいた。
獲得した賞
2023年ベスト「ユーティリティ」、「正確性」1位
おすすめ層
PING「G430」ユーティリティは、卓越したパフォーマンスを備えており、ユーティリティを使いたい、あるいは使う予定の全ゴルファーの第一候補と言える。また、「アジャスタブルホーゼル」によりパフォーマンスのメリットを最適化することも可能だ。
総合2位 ‐ SUB 70「949X」ユーティリティ
特徴
SUB 70「949X」ユーティリティは2023年ベストユーティリティで総合2位となった。2022年のテストでは総合1位となり、今年もそのパフォーマンスにふさわしい素晴らしい結果を残した。SUB 70「949X」ユーティリティは、ゴルファーのパフォーマンスを向上させるテクノロジーが特徴。この高性能クラブは、ほとんどのユーティリティでの過度なドローや弾道調整に苦労している上級者に対応するために設計された。フェースが開きやすくなるやや先がとがったトゥを採用したユニークなデザインで、左へのミスを軽減。また、クラブのソールは芝の抵抗が最小限になるような形状をしており、クラブのコントロール性が向上している。またカスタマイズも可能で、好みのウエイト、グリップ、シャフトに調整することが可能だ。
高評価
パフォーマンスは重要だが、SUB 70「949X」ユーティリティはその課題に取り組んでいる。テストでは、2年連続でベストユーティリティに入り、「飛距離」3位と「正確性」5位、さらに「寛容性」は10位(23モデル中)と申し分ない。バランスの取れた素晴らしいモデルだと言える。
低評価
主観的な指標の「見た目」、「打感」、「打音」においては平均以下という結果だった。
おすすめ層
ユーティリティをセッティングに加えることを検討しているなら、SUB 70「949X」ユーティリティは最有力候補となる。調整機能もあるが、これはおまけに過ぎない。何より「949X」ユーティリティは我々の最もお買い得な商品であり、189ドルという価格に勝るものはない。
総合3位 ‐ コブラ「KING TEC」ユーティリティ
特徴
コブラ「KING TEC」ユーティリティは、2023年のベストユーティリティで総合3位にランクイン。「KING TEC」ユーティリティは、2023年の「KING」シリーズの最新作だ。最新テクノロジーを搭載したこのユーティリティは、最大の「飛距離」「寛容性」そして「多用性」が実現できるよう設計されている。特徴は、クラブフェース全体でスピンを効率化する『H.O.Tフェース』と、『パワーシェルフェース』インサートにスイートエリアが拡大し、より速いボール初速とより高い打ち出しを実現する。
高評価
コブラ「KING TEC」ユーティリティは総合的に優れた性能を発揮している。「正確性」「飛距離」「寛容性」のランキングは全てトップクラスに位置しており、一貫性のあるユーティリティの一つであることから総合3位となった。さらに、主観的なフィードバックでも高い評価を得ている。
低評価
コブラ「KING TEC」ユーティリティには、ネガティブな指摘がほぼない。一番ランクが低かった「寛容性」でも9位、全ての分野において平均的に良いパフォーマンスを見せている。
おすすめ層
コブラ「KING TEC」ユーティリティは、多くのゴルファーに計り知れない魅力をもたらす可能性を秘めている。また「アジャスタブルホーゼル」を採用している他、「調整可能ウエイト」も搭載。毎度のことだが、専門家のフィッティングを受けるようにしよう。
総合4位 ‐ ウィルソン「DYNAPOWER(ダイナパワー)」ユーティリティ
特徴
ウィルソン「DYNAPOWER」ユーティリティは、2023年のベストユーティリティで総合4位となった。「DYNAPOWER」ユーティリティは、コース上のゴルファーのパフォーマンスを向上させる先進テクノロジーを搭載。ボール初速と「飛距離」をアップさせる『バリアブル・フェース・シックネス』デザイン(フェースの肉厚を部分的に変化させるテクノロジー)を採用しており、より安定した正確なショットが実現できる。またシャローフェースデザインと薄型ヘッドにより、あらゆるライから簡単に打つことができ、様々な状況で使い勝手が良い。
高評価
「正確性」こそ、ウィルソン「DYNAPOWER」ユーティリティが輝きを放った分野。「正確性」での2位は素晴らしく、それ以外にも「飛距離」と「寛容性」で平均以上のスコアを獲得。「打感」においても良い評価を受けている。
低評価
ウィルソン「DYNAPOWER」ユーティリティは「打音」、「見た目」、「購入の可能性」では平均以下。また「アジャスタブルホーゼル」がなく、敬遠するゴルファーもいる可能性がある。
おすすめ層
そのパフォーマンスから、ウィルソン「DYNAPOWER」ユーティリティは幅広いゴルファー層にフィットすると言える。素晴らしい「正確性」だけでなく、十分な「寛容性」と「飛距離」も実現。さらなるパフォーマンス向上を目指してフィッティングを受けても損はないだろう。
総合5位 ‐ タイトリスト「TSR3」ユーティリティ
特徴
タイトリスト「TSR3」ユーティリティは、2023年のベストユーティリティで総合5位となった。タイトリストから新作の「TSR3」ユーティリティがローンチされたのは最近のことだ。このクラブはプレーヤー目線で改良された形状を採用しており、短い芝でも長い芝でも抜けが良く操作性が向上。クラブの形状は前作をヒントにオフセットが小さくなっておりプレーヤーに自信を与えてくれる。また『SureFit CGトラックシステム』も改良されており、重心をより広い範囲で正確に配置できるようになった。さらに新しいボディデザインにより、慣性モーメントが高く安定しているため、難しいコンディションからのショットもブレにくく一貫した弾道が打てる。
高評価
タイトリスト「TSR3」ユーティリティのショットは正確で一貫性がある。「正確性」を優先するゴルファーなら、このユーティリティを試してみるべきだろう。また、「打感」、「見た目」、「打音」で上位につけている。このような主観的要素を重要視するゴルファーも、前向きに検討できるはずだ。
低評価
正直、「TSR3」ユーティリティの「飛距離」が他モデルと比べて平均以下だったことには驚いた。一部のゴルファーにとって、これはショックなはずだ。
おすすめ層
タイトリスト「TSR3」ユーティリティは、デザイン的にローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーに合っている。しかし「正確性」と「寛容性」の性能は、ハイハンディキャップのゴルファーにも魅力的なはずだ。タイトリスト「TSR3」を検討しているなら、パフォーマンスを最適化するためにフィッティングを受けた方が良いだろう。
2023年 ベスト「ユーティリティ」ランキング データ
2023年ベスト「ユーティリティ」ランキング データ
モデル名 | ボール初速 (m/s) | ショット範囲 (平方ヤード) | トータル飛距離 (ヤード) | キャリー (ヤード) | スピン量 ( RPM ) | 打ち出し角 (度) | 高さ (m) | 落下角度 (度) | 中央からの 距離(ヤード) | フェアウェイ キープ率(%) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
PING G430 | 57.39 | 1579.7 | 206.9 | 195.9 | 3357.6 | 13.5 | 7.16 | 36.4 | 11.0 | 88.4 | |
Sub 70 949x | 56.77 | 1748.3 | 206.5 | 190.5 | 3177.8 | 12.7 | 6.77 | 35.2 | 12.5 | 78.2 | |
COBRA KING Tec | 56.50 | 1843.0 | 204.8 | 194.0 | 3405.3 | 14.0 | 7.59 | 37.6 | 11.8 | 81.3 | |
Wilson Dynapower | 56.68 | 1825.5 | 204.0 | 191.6 | 3409.5 | 13.6 | 7.44 | 37.7 | 11.2 | 86.8 | |
Titleist TSR3 | 56.81 | 1623.0 | 202.2 | 190.4 | 3526.5 | 14.1 | 7.65 | 37.7 | 11.7 | 87.2 | |
Titleist TSR2 | 57.13 | 1836.6 | 204.8 | 195.7 | 3574.3 | 14.0 | 7.86 | 38.3 | 12.3 | 82.0 | |
Tour Edge Exotics C723 | 56.10 | 1567.9 | 202.8 | 188.5 | 3467,0 | 13.7 | 7.07 | 37.3 | 12.6 | 79.5 | |
COBRA AeroJet | 57.13 | 1804.1 | 205.6 | 193.7 | 3112.9 | 12.8 | 6.64 | 34.9 | 13.9 | 75.7 | |
Adams Idea | 56.50 | 1799.4 | 202.0 | 191.6 | 3588.8 | 14.7 | 8.08 | 39.6 | 12.6 | 79.8 | |
TaylorMade Stealth 2 Plus | 56.86 | 2069.1 | 204.3 | 194.6 | 3313.8 | 13.3 | 7.10 | 36.0 | 11.4 | 83.5 | |
PXG 0311 XF Gen6 | 56.14 | 1381.9 | 201.0 | 189.9 | 3609.4 | 14.2 | 7.77 | 38.7 | 11.7 | 85.6 | |
NEXGEN NS210 | 56.81 | 1825.5 | 202.4 | 191.1 | 3635.9 | 14.8 | 8.26 | 39.3 | 11.1 | 85.4 | |
TaylorMade Stealth 2 | 56.99 | 2278.0 | 207.3 | 196.7 | 3241.7 | 13.7 | 7.68 | 37.6 | 12.6 | 79.8 | |
Mizuno ST-Z 230 | 57.03 | 1876.1 | 203.3 | 193.1 | 3601.7 | 14.2 | 7.92 | 38.8 | 12.6 | 80.1 | |
Srixon ZX Mk II | 56.37 | 2098.0 | 203.0 | 190.2 | 3407.2 | 14.5 | 7.65 | 38.1 | 11.7 | 82.7 | |
Callaway Big Bertha ‘23 | 56.59 | 1825.5 | 204.5 | 190.8 | 3292.6 | 13.8 | 7.35 | 37.3 | 12.4 | 81.6 | |
TaylorMade Stealth 2 HD | 56.90 | 1928.8 | 201.4 | 191.7 | 3846.4 | 14.7 | 8.29 | 40.5 | 12.6 | 81.3 | |
Titleist TSR1 | 56.68 | 1806.3 | 200.3 | 189.1 | 3867.5 | 14.5 | 8.32 | 40.2 | 13.7 | 78.7 | |
Callaway Paradym X | 57.26 | 2239.8 | 205.3 | 192.8 | 3181.7 | 12.6 | 6.89 | 35.4 | 13.7 | 76.6 | |
Tour Edge Exotics E723 | 56.63 | 1825.5 | 200.6 | 186.7 | 3399.2 | 11.8 | 6.55 | 35.5 | 14.2 | 75.8 | |
Callaway Paradym | 57.17 | 2179.1 | 204.4 | 193.8 | 3442.3 | 13.4 | 7.47 | 37.9 | 12.7 | 82.7 | |
COBRA AeroJet One Length | 54.31 | 1994.7 | 197.7 | 180.0 | 2982.5 | 12.3 | 5.46 | 32.1 | 13.7 | 75.7 |
総合6位 ‐ ツアーエッジ「EXOTICS C723」ユーティリティ
特徴
ツアーエッジ「EXOTICS C723」ユーティリティが、2023年のベストユーティリティの総合7位となった。これまでも「EXOTICS」ユーティリティはテストで高評価だったが、このモデルも同様、易しくて正確性が高いユーティリティと言える。「EXOTICS C723」ユーティリティは、上級者に向けてデザインされた高性能クラブだ。『ライザーソール』と『ダイヤモンド フェース VFT』テクノロジーにより、低スピンで高打ち出しのショットを実現する他、芝の抵抗を軽減しミスヒット時のボール初速を最大にする。『ライザーソール』テクノロジーは、ソールレールと超低重心と前重心を実現する追加のウエイトが含まれる一方、『ダイヤモンド フェース VFTテクノロジー』は小さなトランポリンとしての機能を果たす41個のダイヤモンド形状をしたフェース背部の『バリアブル・フェース・シックネス』(フェースの厚さが変化するダイヤモンド シェイプで構成)を特徴としている。
高評価
「寛容性」5位と「正確性」10位は、ツアーエッジ「EXOTICS C723」ユーティリティの長所と言ってよい。ツアーエッジ「EXOTICS」は常にダークホースで目立った存在ではないが、年々、ユーティリティ部門で最も安定したクラブとして数えられる存在になっている。
低評価
残念ながら「寛容性」と「正確性」の裏には「飛距離」という弱点がある。「EXOTICS C723」ユーティリティは「飛距離」14位と平均よりやや下に位置する。また、テスターからは「打音」、「見た目」、「打感」の評価も良くなかった。
おすすめ層
ツアーエッジ「EXOTICS C723」ユーティリティは、ローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーが対象だ。一方でこのモデルの「寛容性」と「正確性」のレベルを考えると、大部分のゴルファーが使いこなせるはず。もし「EXOTICS C723」ユーティリティを検討しているなら、専門家のフィッティングを受けた方が良いだろう。
総合7位 ‐ コブラ「AEROJET(エアロジェット)」ユーティリティ
特徴
コブラ「AEROJET」ユーティリティは、2023年のベストユーティリティで総合8位となった。「AEROJET」ユーティリティは、グリーンを狙うやや距離のあるショットで「寛容性」をもたらすようデザインされた多彩性に富んだモデルだ。ボール初速向上を実現する『パワーブリッジ・ウェイティング』、高打ち出しをもたらす『パワーシェルフェース』、そして効果的な初速とスピンを生み出す『H.O.T フェース』テクノロジーが特徴となっている。
高評価
「飛距離」4位、「寛容性」6位と、この2つがコブラ「AEROJET」ユーティリティの強みであり、魅力となっている。
低評価
「AEROJET」ユーティリティの弱点は「正確性」だ。18位となった「正確性」が総合順位に影響した。また「打音」、「打感」、「見た目」という主観的要素でも平凡な結果となった。
おすすめ層
コブラ「AEROJET」ユーティリティは、“飛んで易しいクラブ”となっており多くのゴルファーに魅力的で素晴らしいメリットをもたらしてくれる。しかし「正確性」には欠けるため、ショットに精密性を求めるゴルファーには魅力的に感じないだろう。もしセッティングにこのクラブを検討しているなら、「正確性」が少しでも発揮できるように専門家のフィッティングを受けると良いだろう。
総合8位 ‐ アダムス「IDEA」ユーティリティ
特徴
アダムス「IDEA」ユーティリティは、2023年のベストユーティリティで総合9位となった。このクラブは、あらゆるレベルのゴルファーのゴルフを向上するために設計された万能タイプ。ボール初速アップと高打ち出しを実現する『カットスルー・ソールスロット』が特徴で、クラウン部の『ベロシティスロット』によりフェースの柔軟性と「寛容性」が高まる。また低・深重心で高弾道のショットが打てる他、ロフト角の選択肢も多くプレーヤーのあらゆるニーズに適応させることも可能になっている。また洗練されたデザインとマットブラックの仕上げにより、モダンでスタイリッシュな見た目になっていることも特徴だ。
高評価
「寛容性」3位と最も安定感のあるベストユーティリティの1つとなった「IDEA」ユーティリティは、「正確性」で12位になったことから、総合9位という結果になった。この「寛容性」の結果は、ショットが一貫して安定することを示している。
低評価
アダムス「IDEA」ユーティリティの弱点は、「飛距離」と主観的要素の2つだ。「飛距離」においては23モデル中の17位。主観的要素では「打音」、「打感」、そして「見た目」での評価が悪かった。
おすすめ層
アダムス「IDEA」ユーティリティは、卓越した「寛容性」と「一貫性」をもたらす。また設計上、ドローが打ちやすくなっていることも特徴。「寛容性」と「一貫性」、そして「正確性」を重要視するゴルファーならこのユーティリティがおすすめだ。
総合9位 ‐ テーラーメイド「ステルス2 プラス」レスキュー
特徴
テーラーメイド「ステルス2 プラス」レスキューは、2023年のベストユーティリティ総合10位となった。「ステルス2 プラス」レスキューは、「操作性」、「扱いやすさ」、そして「寛容性」を求める上級者のために設計された技術的進化を遂げたゴルフクラブだ。上級者好みのコンパクトなデザインに加え、軽量化とさらなる安定性、そして低重心を実現する大きめのクラウンが特徴。クラウンにより生まれた余剰重量は、上級者のパフォーマンスを最適化するために異なる方法で活用されている。また柔軟性に富んだフェースと複合カーボンを採用していることも特徴だ。
高評価
テーラーメイド「ステルス2 プラス」レスキューは、3モデルある「ステルス2」レスキューの中で、このモデルが一番安定していることが今回明らかになった。「正確性」と「飛距離」でも好順位でそれぞれ6位、10位という結果から、多くの可能性を示した。また調整可能な「アジャスタブルホーゼル」を搭載している。
低評価
テーラーメイド「ステルス2 プラス」レスキューは、他モデルと比較し「打音」、「打感」、あるいは「見た目」という主観的要素で上位につけられなかった。また、「寛容性」にも劣っておりこのパフォーマンス指標では18位という結果だった。
おすすめ層
テーラーメイド「ステルス2 プラス」レスキューは上級者向けのギアで、より洗練されたプレーヤー目線の形状になっている。「正確性」に優れ、「飛距離」のポテンシャルもあるが、「寛容性」はイマイチ。スキルのあるローハンディからミッドハンディキャップのゴルファーならこのユーティリティをうまく使いこなせるだろう。
総合10位 ‐ PXG「0311 XF GEN6」ユーティリティ
特徴
PXG「0311 XF GEN6」ユーティリティは、2023年のベストユーティリティで総合11位。 「0311 XF GEN6」は、パフォーマンスとカスタマイズ性を向上させる様々な機能を備えた技術的進化を遂げているユーティリティだ。交換可能な「ソールウエイト」を搭載しており、好みのスピンとバイアスの設定が可能な他、ヘッド全体の重量も調整可能となっている。また『高精度ウェイティングシステム』を採用することで、インパクト時の「打感」と「打音」を最適化するための洗練された内部形状と、剛性と安定性の高い構造を実現している。さらに『高強度カーボンファイバークラウン』により、重量を節約し、最適重心位置と高MOIも可能にしている。
高評価
PXG「0311 XF GEN6」は、「寛容性」でベストスコアをマークし、そのポテンシャルを発揮した。これは安定した結果をもたらすことを意味しており、「ボール初速」、「スピン量」、「キャリー」、そして打球の「バラツキ」において、一貫した数字を残している。また「打音」、「打感」、そして「見た目」も上位につけており、魅力的なユーティリティといえる。また「寛容性」だけでなく、「正確性」のポテンシャルも備えており平均以上のスコアを記録している。
低評価
PXG「0311 XF GEN6」ユーティリティの弱点は「飛距離」だ。「飛距離」においては総合20位で、これでは敬遠するゴルファーもいるはず。しかしユーティリティにおいて「飛距離」が全てではないことは肝に銘じて欲しい。
獲得した賞
「寛容性」1位
おすすめ層
PXG「0311 XF GEN6」ユーティリティは、2023年のユーティリティで最も「寛容性」が高く、多くのゴルファー、特にさらなる「安定性」を求めるミッドハンディからハイハンディキャップのゴルファーにとって魅力的な選択肢となる。
<2023年「ユーティリティ」ランキング 11位~22位の発表はこちら!>
『2023年 ベストユーティリティ』の購入で検討すべきこと
パフォーマンスは、新しいユーティリティを買う時に一番に優先されることだろうが、購入を決める前に考慮すべき点が他にもいくつかある。
シャフト選択
シャフト選択は、どんなゴルフクラブを買う時でも重要視される。ユーティリティで圧倒的な使用率を誇るのはカーボンシャフトだが、どのカーボンシャフトも同じというわけではない。スチールシャフト同様、個々でパフォーマンスの特徴は異なっており、高さやスピンを向上させるものもあれば、その逆も然りだ。また選択したユーティリティに最適なシャフトを選ぶことも大切となる。ユーティリティを検討する際は、自分のニーズを決めるためにも専門家のフィッティングを受けた方が良いだろう。
「正確性」、「飛距離」、それとも「寛容性」?
当然のことながら「飛距離」に興味がないゴルファーなどいない。クラブを購入する際の決め手として、「飛距離」は重要な要素となる。ユーティリティは、特に距離が必要な第2打などで安定性を欠くゴルファーを助けるために生まれた。「正確性」、「飛距離」、「寛容性」など自分のニーズに合うユーティリティを見つけることが最終的なゴールとはなるが、最優先にすべきは「正確性」だろう。
コスト
今年のテストで試したユーティリティの平均価格は268.47ドル(約38,000円)。中には299.99ドル以上(約42,000円)するものもあるが、昨年トップでベストバリュー(最もお買い得な商品)にもなった189ドル(約26,000円)のSub 70「989x」など平均以下のユーティリティも存在する。
テスト方法
『2023年 ベストユーティリティ』を決める上で、我々は20名のテスターを起用し、合計6,900ショットを測定。テスターたちには、各モデルを15ショットずつ試打してもらった。
またテストに使用するゴルフボールは、タイトリスト「ProV1」に統一。弾道測定器はフォーサイトの「GCクワッド」を使用することで、データのブレを抑えている。
『2023年 ベストユーティリティ』 – FAQ
新しいユーティリティを購入するにあたって
Q:「ユーティリティ」を買い替える頻度はどのくらいか?
A:革新的技術が毎年のように続く稀なケースもあるが、一般的にメーカーがクラブの性能を向上させるには3〜5年かかる。USGA(全米ゴルフ協会)がメーカーに対してクラブ規制を厳しくしたことから、大きな技術革新にはさらに時間がかかる可能性がある。我々がおすすめするユーティリティの買い替え時期は、今使っているユーティリティよりも明らかに性能が優れたものが見つかったときだ。もちろん、単に新作が出たから欲しいというなら、それも問題はないだろう。
Q:どのように自分のプレースタイルに適している「ユーティリティ」を見つければ良いか?
A:適切なユーティリティを選ぶことは難しいものだが、まずは自分のプレースタイルを見つめることから始めた方が良い。まずは自分のゴルフで、ユーティリティに何を求めているのかを把握すること。ロングアイアンでグリーンを狙うことが多いなら、「短いパー4のティーショット」や「パー5のセカンドショットでグリーンを狙える」ユーティリティが良いかも知れない。大切なことは、「あなたが求めていることをフィッターに伝える」ことだ。そうすることで、フィッターがスコアメイクできる最適なクラブを勧めてくれるだろう。
Q:シャフトは重要か?
A:もちろん重要だ。スピン量や打ち出し角が変わることは滅多にないが、シャフトを変えることでショットの精度や、ボールのバラつき、そして全体的な安定性の向上が実現する。我々は常に資格のあるフィッターのフィッティングを受けるように勧めている。もし、それができないなら、様々なシャフトの特性を理解し、それぞれのシャフト性能があなたのゴルフにとってメリットがあるのか、もしくは悪影響を及ぼすのかを理解することに時間を費やして欲しい。
Q:ユーティリティを試打する時は、何に注目すべきだろうか?
A:ゴルファーは飛距離以外に目を向けない傾向があると思うが、「(計測機の)細かい数字」や、「丸で囲まれた数字」にも注目すべきだろう。「飛距離」と「ボール初速」などの数値を比べる際も、必ず「標準偏差(計測機のモニター上では、これらの数値は大きな数字の下に表示される)」をチェックすること。数字が小さいほど「安定性」に優れているが、これはコース上だと1~2ヤード飛距離が伸びることでもある。同様に(楕円で囲まれた)バラつきも確認して欲しい。「安定性」を過小評価してはいけないのだ。
『2023 ベストユーティリティ』を決めるにあたり
Q:どのように『2023 ベストユーティリティ』を決めたのか?
A:ランキングを決定するにあたっては、フォーサイトの「GCクワッド」弾道計測機を使ってパフォーマンスデータを収集している。そして、総合ランキングを決めるためには、平均値だけを重視しているわけではない。「正確性」、「寛容性」、「飛距離」という3つの主要指標を元に決定している。
Q:「最も飛ぶ」ユーティリティように決めるのか?
A:「最も飛ぶ」ユーティリティは、単に平均データを見るのではなく、テスター全体を通じた平均のトータル飛距離とそのデータの統計的信頼性を考慮して決める。
Q:「最もやさしい」ユーティリティはどのように決めるのか?
A:「最もやさしい」ユーティリティ、以下の指標に注目して決定している。
・初速の安定性
・スピン量の安定性
・キャリーの安定性
・ボールのバラつき度合い
Q:どのようにテストモデルとなっている「ユーティリティ」を各テスターにフィットさせるのか?
A:テストでは「フィット・フロム・ストック」というフィッティングプロセスを活用する。使用する「ユーティリティ」は、カスタムフィットされた製品ではなく、メーカー在庫(ストック)にあるプロパー商品で、ロフト角は17度から19.5度までだ。このカテゴリーには多くないが、昨今は『アジャスタブル機能(調整機能)』が流行っている。『可変ウエイト』や『調整可能ホーゼル』が搭載されたクラブをテストするときは、それぞれのクラブが各テスターに可能な限り最適化するようにしている。弾道を改善できるように異なる標準シャフトが装着された複数のセットを送ってくれたメーカーがいたことも付け加えておく。
Q:見た目、打音、打感などの主観的なフィードバックが議論になるが、それらはどれくらい順位に影響するのか?
A:全く反映されない。この順位はローンチモニターのデータと測定できるパフォーマンスの数値のみで決定される。