・キャロウェイ「エピックスーパーハイブリッド」はヘッドスピードがあまり速くないゴルファー向け
・チタンフェース&クラウン、『ジェイルブレイクAIベロシティブレード』などの技術を採用
・小売価格は399.99ドル
キャロウェイは、新しい「エピックスーパーハイブリッド」を "これまでに創った中で最も技術的に進歩したハイブリッド" と表している。
「技術的に劣るクラブだ!」って言っちゃうメーカーにはお目にかかったことがないので、話半分に聞いておくとして。
とはいえ、キャロウェイの「エピックスーパーハイブリッド」は、"ドライバーのDNAと技術を備えたハイブリッド" と呼ぶに相応しい多くの機能と利点を持ち合わせている。
キャロウェイ「エピックスーパーハイブリッド」
通常、キャロウェイは秋のリリースでは、新設計で勝負に出ることが多い。これは、市場のニッチな需要に対応する機会でもある。
キャロウェイが最初に手掛けた「スーパーハイブリッド」では「上級者」が求める特性に焦点を当てていた。しかし今回のターゲットは、飛距離を重視した大型のハイブリッドを求める、「中~低ヘッドスピードのゴルファー」のようだ。
テクノロジーの概要
「エピックスーパーハイブリッド」において、キャロウェイは "持てる最高のテクノロジーを結集" している。まず、チタン製のフェースとボディに3軸の「カーボンクラウン」を採用。
そこに、キャロウェイ最新の「ベロシティブレード構造」とMIM 製法(MIM:メタル・インジェクション・モールディングの略(金属射出成形)による「タングステンウエイト」を加えてほぼ完成。
軽量の「Optifit 3ホーゼル(調整機能)」により、前作の「スーパーハイブリッド」と同様の弾道と打ち出しを可能にしている。
チタンやカーボンを使用する主な目的は、これらの「素材」が強くて軽いからだ。フェースやクラウンの重量を減らせれば、開発者は、性能に直接影響を与える他の部分に重量を再配分することができる。
「エピックスーパーハイブリッド」では、およそ90グラムの余剰重量を生み出した。他の主力製品と同様に、「MIM製法」の「タングステンウエイト」を使用することで、より高密度の素材を周辺部とヒール/トゥ側に配置し、寛容性を高めている。
ベロシティブレード
初代の「エピックドライバー」と、その派手なグリーンの“2本の柱”『ジェイルブレイクテクノロジー』を覚えている人も多いだろう。2017年、我々はこれがキャロウェイの後継モデルの基礎テクノロジーになるだろうと示唆した。
それから4年が経ち、多少の微調整は施されているものの、『ジェイルブレイク』のコンセプトは未だ健在だ。最新の『ベロシティブレード構造』では、引き続きソールとクラウンをつなぐ“2本の柱”を使用し、垂直方向の「剛性」を高めている。
違いは、ブレードが広がり、フェースの中心に向かってより角度がついていること。これは、フェースの“最もたわみやすい部分”からブレードを遠ざけるためだ。
そう言われても理解しづらいと思う。ブレードは「剛性」を高めると同時に「柔軟性」も高める必要がある。そしてキャロウェイは、この最新のハイブリッドがまさにそれを実現していると主張しているのだ。
大型サイズ
キャロウェイ「エピックスーパーハイブリッド」は、決してコンパクトではない。むしろ「大きい」と主張する人もいるだろう。まるで“球根”のようだと。しかしこの大きな投影面積のおかげで重心位置をフェースから遠ざけることができる。
また、「MIM製法」の「タングステンウエイト」の採用とその配置により、「中・高打ち出し角」、「高MOI設計」を可能にしている。
こうしてキャロウェイは、用途が異なる2つのモデルを創り上げた。
「低ロフト」の16度、18度、21度モデルは、フェアウェイウッドの代替品として機能する。そのため、リーディングエッジにはキャンバー(反り角)がつき、クラウンは比較的対称になっている。また、トゥ部分はスクエアではなく“やや角度”がついている。
より「高ロフト(24度、27度)」のモデルは、アイアン寄りの印象だ。トゥはよりスクエアに、リーディングエッジはよりフラットになっている。微妙な違いだが意図はきっちり伝わる。
最終的に重要なのは性能だ。とはいえ「エピックスーパーハイブリッド」のサイズを見て、フェアウェイウッドとハイブリッドの境界線がさらに曖昧になったと感じる人もいるだろう。
もしゴルファーがキャロウェイのウッド系クラブにおける「エピックスーパーハイブリッド」の立ち位置を理解できなければ、399.99ドルという価格を正当化するだけのメリットがあるのかどうか悩むかもしれない。
総論
キャロウェイは「エピックスーパーハイブリッド」を“ハイブリッドの姿をしたドライバー”と位置づけている。キャロウェイがユーザー心理に訴えかけようとしている点はある程度評価できるし、かなりの部分で理にかなっていると思う。過去にリリースされた「エピックドライバー」から得られた「素材」や「技術」も活用している。
また、「エピックシリーズ」は、過去3回のドライバーランキングのうち2回トップを獲得している。これらの事実こそが「ハイブリッド」というカテゴリーで業界をリードする性能の裏付けである。
といっても、「エピックスーパーハイブリッド」が“ドライバーと同等の性能”を発揮することを期待してはならない。そんなこと言われるまでもなくわかっているよ、と思うかもしれない。
しかしメーカーは、ゴルファーが「チタンはマレージング鋼より加速する素材だ」と考えたとしても敢えて否定はしない。これはドライバーにも当てはまるが、ドライバーはもっとフェースが大きく、体積も460ccの限界にほぼ達している。
このようなニッチな製品が消費者にどのように受け止められるかを予測するのは難しい。しかし、キャロウェイ「エピックスーパーハイブリッド」がより良いスコアで上がるのに役立つのであれば、それで十分じゃないか?
そうだろう?
キャロウェイ「エピックスーパーハイブリッド」価格と純正シャフト
販売開始:9月9日(アメリカ)
小売価格:399.99ドル
ロフト:16度、18度、21度、24度、27度
純正シャフトはAEROTECH(エアロテック)「Steelfiber FC hybrid(スチールファイバー FC ハイブリッド)」
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