・「グレートビッグバーサ」はキャロウェイの新しい超プレミアムシリーズ
・中ヘッドスピードのゴルファーに向けデザインされたテクノロジー満載の軽量モデル
・メーカー希望小売価格はフェアウェイウッドが499ドル、ハイブリッドが449ドル
・発売は11月11日
もはやゴルフクラブにシーズンオフがあると言えるのだろうか?あるかも知れないが、完全オフというのはなさそうだ。
キャロウェイは、何らかの理由で暦年の後半に“主流派ではないゴルファー”をターゲットにしたクラブを発売することを常としてる。
それが今回の場合は、採用した素材が設定価格を上回る「超プレミアム」シリーズの「グレートビッグバーサ」だ。キャロウェイは、この「グレートビッグバーサ」が「EPIC STAR(エピックスター)」から生まれたとしているが、何かの後継モデルではなく、完全に“新しいシリーズ”だという。
最初に目に留まるのはさりげないセージグリーンのカラーだが、今回の新作はお馴染みのネーミングをつけて外観をアップデートした以上のモデルと言えそうだ。
ポイントはウエイト
感謝祭のシーズンが迫ってくると、軽量化や、今回のようにウエイトの再配分のメリットが話題となるモデルを発表することが多い。今回の「グレートビッグバーサ」シリーズも、ターゲットとなるゴルファーが軽量クラブを速く振ることを前提に考えられている。
必要な余剰重量の確保は、ドライバー開発の方がフェアウェイウッドやハイブリッドよりも厄介だ。単純に言うと、通常のドライバーは、フェアウェイウッドやハイブリッドよりも大きく(460cc)、重量は軽い(±205g)。
一般的にフェアウェイウッドの純正ヘッドの重量はドライバーよりも10〜15g重く、ハイブリッドはロフトによるがフェアウェイウッドよりも40〜60gほど重くなる。
しかし体積となると、フェアウェイウッドは150〜175㎤で、ハイブリッドはもちろんそれよりも小さい。要は、フェアウェイウッドやハイブリッドだと、結局のところ余剰重量が不足するどころか超過するというわけだ。
それとは別に、各メーカーはいかなる構造でも、スチールよりも軽量で硬いという理由からカーボンやチタンを採用している。
そしてタングステンは、スチールより約2.5倍、アルミニウムなら7.5倍も密度が高いので、これにより、特定の部位にウエイトを集中させて、MOI(寛容性)や重心などの性能に影響を与えることができるのだ。
キャロウェイ「グレートビッグバーサ」フェアウェイウッド
「グレートビッグバーサ」ドライバー同様、「グレートビッグバーサ」フェアウェイウッド(そしてハイブリッド)は、ヘッドスピードが遅いゴルファーをターゲットにした軽量クラブだ。
キャロウェイでは、昨年の「EPIC STAR 」ハイブリッドがそのカテゴリーで実現したことを、「グレートビッグバーサ」においてはフェアウェイウッドで実現できると考えている。
つまり、チタンと2タイプのカーボンファイバーの組み合わせにより、全体の地面への設置面積が増え、「これまでで最もパワフルなフェアウェイウッド」を生み出したということだ。
プレスリリースの特徴とメリットのメニューはこんな感じだ。
『アジャスタブルホーゼル』、『トライアクシャル・カーボンクラウン』、『鍛造カーボンファイバー』、『AIカップフェース』、そして『バットウイングテクノロジー』の『JAILBREAK(ジェイルブレイク)』。
まるで過去数世代に渡るキャロウェイの主要テクノロジーのフルコースのよう。
軽量ウエイト素材を採用しているということは、合計のヘッド重量の53%が余剰重量ということ。キャロウェイによれば、これにより「寛容性」が非常に高くなり、「スチールでは不可能な超低重心(位置)」が実現するという。
さらに、内部にある50gのタングステンと15gのソールプレートからも、このクラブの重量特性が分かる。明言されているわけではないが、全体のデザインはややドローバイアスになっているのだろう。
昨年、キャロウェイは、「Rogue ST(ローグST)」フェアウェイウッドで『スピードフレーム』に変わり改良された『バットウイング構造』を採用したが、今回の「グレートビッグバーサ」では、各ロフト固有のAIデザイン「チタンカップフェース」との合わせ技として「バットウイング」が搭載されている。
キャロウェイ「グレートビッグバーサ」ハイブリッド
同じ素材でも仕上がりがちょっと違う。それが「グレートビッグバーサ」ハイブリッドのポイントとなる。今回のフェアウェイウッドとハイブリッドは、共に同じテクノロジーを採用しているが、それぞれで使用されている素材の正確な量は異なる。
ハイブリッドでは、「ボール初速の向上」と「高打ち出し」を実現するために78gのタングステンを内部に配置している。さらにチタン構造の結果として22gの余剰重量が生まれており、これで合計100gのウエイトが各モデルに再配置されている。
一方、キャロウェイが『バットウイングテクノロジー』の『JAILBREAK(ジェイルブレイク)』をハイブリッドに搭載するのは初めてだが、最も変更された点は形状にある。
これまでのモデル(「スーパーハイブリッド」以外)は、四角い形が特徴で、特にトゥ部分でそれが顕著に見られた。上級者にとって、四角いフェースは、小ぶりなアイアン寄りのハイブリッドとマッチするからだ。
逆に、丸みを帯びたフェアウェイウッドのような形状の方が、この「グレートビッグバーサ」ハイブリッドの購入層にマッチするはずだ。また、一番ロフトがある「グレートビッグバーサ」ハイブリッドは、8Hでロフト角32度となっている。
しかし、『アジャスタブルホーゼル』が装着されているため、ロフト角を34度まで寝かせることが可能。何となくだが、来年の今頃にはプレミアム系のハイブリッドアイアンのフルセットが発表されるのではないかとも思う。マジでそうなるのも悪くないよね。
私見
私は「グレートビッグバーサ」に飛びつくような層ではない。とはいえ、今回の新製品は魅力的だし、キャロウェイがかなり力を入れてくるのは間違いないだろう。
現状では、この超プレミアムシリーズは2年ごとにアップデートし、ネーミングは「グレートビッグバーサ」のままではないだろうか。
やや気になるのは、キャロウェイの名のついたクラブが、高級な会員制のゴルフ場で“マセラティ”や“ポルシェ”と並んでもおかしくない存在になれるのかということ。
言い換えると、ヒュンダイのジェネシスG90やBMWの7シリーズに9万ドルも使える人は、あるところまで来たら、価格は関係ないからだ。
問題なのは、主要メーカーが、富裕層ゴルファーの心に響く魅力的なシリーズを継続的に作り続けることができるのか?ということなのだろう。
みなさんはどう思う?
スペック・価格・発売時期
ドライバー同様、「グレートビッグバーサ」の純正シャフトはUST「Helium Nanocore(ヘリウムナノコア)」で重量と硬さも豊富に揃っている。
純正グリップは、Winn「Dri-Tac Lite」だ。
キャロウェイ「グレートビッグバーサ」ハイブリッドのロフト角は18度、20度、23度、26度、29度そして32度がラインナップ。29度と32度は右打ちのみとなっている。
一方、キャロウェイ「グレートビッグバーサ」フェアウェイウッドは15度、18度、21度、そして24度がラインナップしており、21度と24度は右打ちのみだ。
また同社の『アジャスタブルホーゼル(ロフト角・ライ角を調整する可変スリーブ)』によりロフト角を1度立てたり、2度まで増やすことが可能で、これは全フェアウェイウッドとハイブリッドに搭載されている。
メーカー希望小売価格は、フェアウェイウッドが499ドル、ハイブリッドは449ドル。発売日は11月11日となっている。
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