・キャロウェイが「パラダイム」ドライバーシリーズを発表

・新モデルは革新的な「360°カーボンシャーシ」が特徴

・キャロウェイによると「パラダイム」ドライバーシリーズは狙った距離が打ててバラツキを抑える

・メーカー希望小売価格は600ドル(約77,000円)。発売は2月24日(先行発売は1月13日スタート)


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2023年キャロウェイ新製品発表イベントのティザーは、ご存じの通り“パフォーマンスを360°変える” 新しい「パラダイム」ドライバーのことだ。考えすぎなければ、人を惹きつける、あるいは、ワクワクする言葉だ。

想像できるかな?

“パラダイムシフト(常識や価値観の劇的変化)”はキャロウェイにとって新しいことではない。「エピック」はパラダイムシフトだと言われた。「エピック・フラッシュ」はさらにそのパラダイムを変えてくれた。

つまり、今回の「パラダイム」という新シリーズの発表で、我々が元々持っている“パラダイム”が変わるのは3度目だと思うが、今回キャロウェイは “paradigm”という英語の綴りすら変えてしまったようだ。

キャロウェイの主力モデル「エピック」シリーズに新鮮味がなくなってしまったと思っているのは私一人ではないはずだ。

「JAILBREAK(ジェイルブレイク)」・・・「AI」・・・グリーンのデザイン・・・もうお腹一杯だ。


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しかし、市場は私ほど否定的ではない。「エピック」、「ローグ」…どれでもOK。確かにまだまだ売れているけど、私にはキャロウェイの「AI」テクノロジーが無限ループに陥っているように感じ始めていた。私からすれば、キャロウェイっぽくないモデル、つまり、完全に新しいクラブを見る方が随分と新鮮に思えてしまうのだ。

1月なのに「エピック」や「ローグ」の話をしていないことそれ自体が“パラダイムシフト”と言えるのかも知れないけどね。


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確かに、「パラダイム」ドライバーは普通じゃないが、興味深いのは、昨年のテーラーメイド「ステルス」のように、キャロウェイは過去に例のないものを提案し、真のパフォーマンス優位の可能性をもたらしてくれるということだ。

では、市場においてキャロウェイ「パラダイム」ドライバーと他のモデルは何が違うのか?深掘りしていこう。


キャロウェイ「パラダイム」ドライバー - 「360°カーボンシャーシ」

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キャロウェイが言っている“パフォーマンスを360°変える”という表現は、「パラダイム」ドライバーのボディ、あるいはシャーシ(枠組み・フレーム)に起因している。

しかし、従来の考え方からすると、「パラダイム」は“シャーシのないドライバー”と言えるのかもしれない。これは、キャロウェイの新主力ドライバーの中央部の構造に関係がある。

「グレートビッグバーサ」シリーズがローンチされた時と同様に、キャロウェイは2つの異なるタイプのカーボンファイバーを使用し「パラダイム」ドライバーのボディを形成した。

「パラダイム」のクラウンは「3軸の」カーボンファイバー製。この素材は、キャロウェイのここ数世代のドライバーのクラウンにも採用されてきたものと同じだ。

正確に言うと、3軸カーボンファイバーはキャロウェイ独自のものだが、他社がカーボンクラウンで使っているものとそう大差はない。基本的に3軸カーボンはシート素材なので、クラウンや微妙にカーブが必要な部分に使うには適しているが、より複雑な形状にできないという限界もある。


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そこで登場したのが、「フォージドコンポジット」素材だ。基本的にこの素材は、細かく刻んだカーボンファイバーの「断片」を接着したもので、キャロウェイはこの素材をドライバーのクラウンに採用した。

「3軸カーボン」とは違って、「フォージドコンポジット」素材ははるかに複雑な形状に成形することができる。キャロウェイは、このフォージドコンポジット素材を用いて、シート繊維では出来なかったことを実現したわけだ。

つまりキャロウェイは、「パラダイム」ドライバーで、フォージドコンポジット素材を使い、普通だったらチタンのシャーシ(骨組み)になってしまうものをカーボンで完全に成形したということになる。

3軸とフォージドが組み合わさると、100%カーボンファイバーの筒のようなものが出来上がるってわけだ。

これを補強する別の構造物もなければ、チタンの骨組みもなし、ただ2つのカーボンが結合しているだけ。

「キャロウェイは『ステルス』を逆さにしたのか!?」って最初は思ったくらいだ。


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キャロウェイ「パラダイム」ドライバーが「360°カーボンシャーシ」になったわけ

ウエイトを中央に配置することが望ましくないということは、ゴルフクラブ設計の基本だ。チタンシャーシであろうとも、クラブヘッドセンターの構造、サポート、音を軽減させるリブ構造、それから…そうそう「グラビティコア」だって、余計な重量ってことになる。

こうした構造は本質的に悪いというわけじゃない。よりメリットが得られるクラブヘッド周辺部に配置できるウエイトを制限するのであって、パフォーマンスをそこまで落とすわけではないからだ。

その意味を知るため、数年前まで遡ってみよう。


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コブラの「RADSPEED」が発売された時、「回転半径」が話題の一つになった。

「回転半径」の言葉通りの定義にこだわる必要はないが、ゴルフクラブのマーケティング的に言えば、「クラブの中央から可能な限りウエイトを取り出し周辺に配分する」というのが、コブラのこのコンセプト。

実際にはどういうことかと言うと、ゴルフクラブの中心から、有用な“塊”が固定されているポイントまでの距離を長くするということを表している。

その“塊”が、重ければ重いほど越したことはないってわけ。

ドライバーのデザイン戦略上、これは揺るがないことだ。


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中央に配置された“塊”は何の役にも立たないけど、ゴルフクラブ設計においては、クラブの真ん中から大量のウエイトを取り出して、クラブのギリギリ前後と周辺に移動させることができれば、低スピン、MOI(そして「寛容性」)の向上、そして大まかに言うと、弾道とスピンについてほぼ自由自在にできるという、あらゆる選択肢を手にすることができる。

キャロウェイの「360°カーボンシャーシ」がチタンより「44%軽い」ということに注目するのも、これが理由だ。

確かに、ヘッドの全てのパーツを一つにまとめ保持するためには、それなりの複雑な構造と、目をつぶらざるをえない重量が必要になるが、本来であればヘッドの中央部分にそういったサポート構造がない方が良いというわけだ。

キャロウェイ曰く、このデザインならトレードオフなく良いパフォーマンスを実現できるという。

まあ確かにそうかも知れないが、私の経験ではトレードオフは必ず存在すると思うけどね。

とは言え、キャロウェイの中空カーボンチューブは過去にないものだし、現時点ではドライバー(少なくともキャロウェイが創るドライバー)の製造方法を決定づける可能性を秘めたものの一つであるようには見える。


キャロウェイ「パラダイム」ドライバー – AIとJAILBREAK

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パラダイムシフトの一部は、出発点に戻ることはないが、近いところには帰着することもざらにある。キャロウェイは、自社のクラブ設計の可能性を強化するために「AI(人工知能)」を採用することを話題にした最初のメーカーであり、今でもゴルフ業界におけるAI技術と機械学習を牽引していると考えている。

だからこそ、キャロウェイが伝える全ての物語には「AI」が登場することが予測できるし、「AI」を駆使したデザインの継続的な進化も想定できるのだ。

「パラダイム」ドライバーに関して言うと、キャロウェイでお馴染みの『JAILBREAL(ジェイルブレイク)』テクノロジーが、バーの状態から『スピードフレーム』に進化し、より中央に配置されたV字型の構造になった。カヌーのパドルのように見えると言われれば、それも納得してしまう。

そして、目的とテクノロジーが進化するに従って具体的な『JAILBREAK』の最適化にも変化が起こるが、このテクノロジーの目指すなゴールに、変わりはない。


新しい「JAILBREAK(ジェイルブレイク)」

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改めてになるが、『JAILBREAK』にはクラウンとソールをしっかり固定する役割がある。

フェースがたわむことを可能にしつつも、そのたわみによるエネルギーロスを最小化することを目的にしているのだ。そしてこれが、キャロウェイのドライバーが、毎年、我々の『Most Wantedテスト』で最高スピードを確実に記録している大きな要素となっている。

そして今回の『JAILBREAK』の注目点は33%の軽量化にある。これはかなりのウエイトセーブになるが、これは明らかに『JAILBREAK』」によって追加された重量が軽量化されたということ。

これはほぼ間違いなくプラスに働くことではあるが、それでもある種のトレードオフと言わざるを得ない。

また『JAILBREAK』の形状がV字型であることと、その配置を見ると、『JAILBREAK』が独自にあるのではなく、AIを搭載した大きなフェースデザインシステムの一部になっていることが分かる。

キャロウェイのエンジニアたちが、AIに新たなパラメーターを与えるとフェースデザインも変化する。だから『JAILBREAK』システム全体が変わるのも当然というわけだ。


新たに最適化されたパラダイム

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一見すると、キャロウェイはドライバーとそこにある「AI」テクノロジーの刷新のたびに、さまざまなパフォーマンス領域を最適化しようとしているように思える。

初代「エピック」では、センターフェースの初速(ミスヒットについては言及しない)に重点を置いていた。そして「エピック・フラッシュ」ではオフセンターの初速をより重視した。

そしてパラダイムシフトが再び起こるように、新しい「パラダイム」ではパフォーマンスの注目点を、“バラツキを抑えて飛距離を伸ばすこと”に置いている。

つまりキャロウェイは、初速を落とすことなく「正確性」と「一貫性」を向上させようと考えているわけだ。そして、それは「360°カーボンケージ」によって可能になったMOIの向上によってもたらされている。


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左からキャロウェイ「パラダイム」、「パラダイム◆◆◆」、「パラダイムX」ドライバー。


残りは、AI主導で微調整された「パラダイム」ドライバーのフェース部品同志の繋がりだ。今回は、プレーヤータイプに合わせて打ち出し条件を最適化できるように、フェースのたわみ具合が刷新されている。

「パラダイムX」を使うプレーヤーは、根本的に「パラダイム◆◆◆」を使う可能性が高いゴルファーのニーズとは異なるので、3モデルはそれぞれ独自のフェースデザインが採用されているというわけだ。

まとめると、「パラダイム」ドライバーシリーズは、完全にそうなっているかは後のお楽しみだが、初速を犠牲にすることなく、安定した打ち出し、安定したスピン、そして突き詰めるとバラツキを抑えたショットを実現するようだ。


「パラダイム」ドライバー – 3モデル

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キャロウェイは、「パラダイム」ドライバーシリーズにおいてモデル数を従来の4モデルから3モデルに縮小している。

「X」などがつかない通常の「パラダイム」は「MAX」と「MAX LS」にあたる。確かに、「MAX LS」(我々が考えるキャロウェイドライバーシリーズの“スター”)がなくなったり、2つを一つにしてその片方になることには神経質になるが、新年だし、新たなパラダイムと思えば…だよね?

キャロウェイでは、スタンダードの「パラダイム」が最も幅広い層にマッチすると考えており、だからこそ15gの「APW(アジャスタブル・ペリメーター・ウエイト)」が搭載されている。

ゴルファーが理解すべきは、「ウエイト」の目的は弾道を「変える」ことでは無く「調整」であるということ。つまり、「ウエイト」には、それを交換したとてドライバーの性能を劇的に変えるほどのインパクトはないということ。


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とはいえ、「パラダイム」は真の“2モデルの一体化”とは言えないまでも、2つのウエイト位置で12ヤードのショットの違いがあり、多用性がないというわけではない。「オプティフィット」ホーゼルをアップライトにすれば、もう3ヤードくらいは飛距離も伸びるだろう。

ヘッド形状を見てみると、スタンダードの「パラダイム」は「ローグ」ほどヘッドの前後が長くない。前後の長さを短くできるのは「360°カーボンシャーシ」のメリットの一つで、USGA規制の限界までボディを伸ばすことなくMOI(慣性モーメント)を向上させるのはこのため。

つまり、スタンダードの「パラダイム」は3モデルの中で一番「寛容性」が高いモデルということだ。

なお、キャロウェイ「パラダイム」ドライバーのロフト角は9度、10.5度、12度がラインナップされている。


キャロウェイ「パラダイムX」ドライバー

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スタンダードの「パラダイム」とやや重なるが、「パラダイムX」は、ターゲットによっては「ローグMAX」か「ローグドロー」の代わりになるモデルだ。

キャロウェイは、多くのゴルファーがドローバイアスのドライバーからメリットを得ている一方、はっきりと「ドロー」と名がついているクラブを誰もが買いたがっているわけでない、というフィードバックを受けモデル名に「ドロー」をつけることをやめた。

またご想像の通り、モデルの構成を見ると「パラダイムX」は3モデルの中で一番ヘッドサイズが大きくなっている他、ドローバイアスが強くなっており、それぞれのロフトで打ち出しも高くなっているようだ。

そして他の2モデルとは異なり、この「パラダイムX」には『可変式ウエイト』がなく、はっきり伝えておくと、「パラダイムX」は「ある種の寛容性」(=安定して打ち出しが高くスライスしない)を必要とするゴルファーに向けてデザインされているものの、MOIにおいてはスタンダードモデルほど「寛容性」が高くないと言える。

キャロウェイ「パラダイムX」ドライバーのロフト角は9度、10.5度、12度がラインナップしている。


キャロウェイ「パラダイム◆◆◆(トリプルダイアモンド)」ドライバー

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過去の「◆◆◆(トリプルダイアモンド)」は低スピンで、“ツアー限定”を表していたが、今回の「パラダイム◆◆◆」ドライバーは、半分は“その通り”と言えるが半分はそうではなさそうだ。

「パラダイム◆◆◆」ドライバーは、シリーズの中で一番の低スピンを実現するが、キャロウェイによると、この「パラダイム◆◆◆」は、PGAツアーで使用される予定のものとほぼ同じとのこと。アマチュア向けに手加減した“◆◆◆ライト”(単なる「◆◆」?)ではないという。

とはいえ、レフティ用を除くと現在USGAの適合リストには「◆◆◆(トリプルダイアモンド)」のパラダイムドライバー3モデル(◆◆◆Sを含む)と、スタンダードのパラダイムドライバー3モデルが掲載されており、更なるツアー専用のオプションが今後出てくると考えても良さそうだ。

そしてここまでのことからも分かる通り、「パラダイム◆◆◆」は、「パラダイム」ドライバー3モデルの中で一番コンパクト。他2モデルの度合いは違えどドローバイアスがかかっているが、この「パラダイム◆◆◆」はバイアスがなくニュートラルな弾道を実現するようにデザインされている。

また出荷時は、低スピンのフラットな弾道を想定して重め(14g)のウエイトがフロントサイドに搭載されている。この14gのウエイトを後部につけて、2gのウエイトを前側にすると、MOIがやや向上し弾道が高くなってスピン量が250rpmほど増える。

キャロウェイ「パラダイム◆◆◆」ドライバーのロフト角は9度、10.5度がラインナップされている。


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キャロウェイ「パラダイム」ドライバー – スタッフプレーヤーのデータ

ツアーでの「パラダイム」のパフォーマンスを評価するのは時期尚早だが、ここでキャロウェイの契約プロがテストで実感した改良点を簡単に紹介する。

・ジョン・ラームが1.79m/sの初速アップに成功し合計6ヤード飛距離アップ

・ザンダー・シャウフェレは、1.79m/sの初速アップと4ヤード飛距離アップ

・ローズ・ジャンは、1.34m/sのボール初速アップと7ヤード飛距離アップ

このボール初速の数値は、キャロウェイのメインテーマが「一貫性」と「バラツキ」を抑えるという事実だけなら不思議なことだが、これに加えて初速アップもするというなら、それはそれで悪くないだろう。


キャロウェイ「パラダイム」ドライバー – 当初の懸念

ざっくり言うと、「パラダイム」は、この数年のキャロウェイドライバーの中で一番ゴルファーを引きつける(そしてワクワクさせる)ギアだ。恐らく初代「エピック」以来だろう。とはいえ、ひとたび発売されてゴルファーの手に渡った際には、チェックしておきたいことがいくつかある。

耐久性 – お伝えしたように、新しいボディの構造は従来のサポートを欠いている。キャロウェイが飛距離とバラツキを最適化したのと同じくらい、ミスショットも起こるだろうし、そうなるとゴルファーの中にはドライバーを叩きつける人もいるだろう。(参考まで:自分は叩きつけるというより投げる方だ)

もちろん、そういった想定される状況もテスト済みのはず。全てチェックしているだろうが、現実の世界では想定外のことも起こるものなのだ。

私の勘では、キャロウェイは100%カーボンボディの“バージョン1(プロトタイプ)”をオーバーエンジニアリング(過剰性能)にすることで、想定外の事態を回避しようとしているのだと思う。

仮にこの製品化された「パラダイム」が持ち堪えられれば、将来のモデルではさらなる軽量化を積極的に進めていくはずだ。


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打音/打感 – 最近のキャロウェイは音に当たり外れがある。一方、理想的(良い音であっても)な音は、パフォーマンスや他の機能と引き換え(トレードオフ)になってしまうことも事実だ。そして、これらの例は毎年、どのカテゴリーにも存在する。思い浮かぶ最近の例は、PING(ピン)のドライバーと評判が悪かったコブラ「F6+」で、革新的なカーボントラックが悲惨な音を出していた。

我々が「悪い音」と解釈する嫌な周波や振動を軽減する最も一般的な方法は、通常クラブの真ん中にあるサウンドリブを採用することだ。

基本的にカーボンファイバーには打音に関する課題があり、音を軽減するのに役立つチタンもないことから、「パラダイム」シリーズの打音がどのように受け入れられるかが気になる。

ブルー基調のカラーデザイン –キャロウェイ「パラダイム」ドライバー(全3モデル)のクラウンがブルー、あるいはダークティールであることは、気になるというより見たまんま。光の条件によっては、アドレスの写真に写っている状態よりも青々しい。

率直に言って、それが問題になるとは思わないが、誰もがこのカラーを気に入るわけではなく、人によってはこのカラーリングのせいで買わないということもあるだろう。ブルーにしたことは、大胆ではあるがリスクもある。

ちなみに伝えておくと、MyGolfSpyのスタッフでこのカラーリングに対してネガティブだった者はいなかった。


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純正シャフト

「パラダイム」ドライバーには純正シャフトが4つある。

・アルディラ「Ascent PL Blue(アセントPLブルー)」は高弾道(とスピン)を求めるゴルファーの軽量バージョン

・プロジェクトX「HZRDUS Silver(ハザーダス シルバー)」は中弾道、中スピンのオプションとなる

・プロジェクトX「HZRDUS Black(ハザーダス ブラック)」は中/低弾道、中/低スピンオプション

・ディアマナ「Kai’Li White(カイリホワイト)」は、多くのゴルファーにとっても低弾道、低スピンのオプションとなるはずだ

特におかしいと思うものもなければ、特にワクワクするものもない、というのが私の感想。大抵の場合、純正ラインナップといえば、そんなもんだろう。

純正グリップはゴルフプライド「Tour Velvet(ツアーベルベット)」だ。


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左からキャロウェイ「パラダイム」、「パラダイム◆◆◆」、「パラダイムX」ドライバー。


キャロウェイ「パラダイム」の発売時期と価格

キャロウェイ「パラダイム」ドライバーシリーズの先行発売は1月13日にスタート。小売での発売は2月24日。

3モデルのメーカー希望小売価格は599.99ドル(約80,000円)。