・キャロウェイ「ROUGE ST」フェアウェイウッドは“コウモリの翼”のような『JAILBREAK(ジェイルブレイク)』デザインを活用

・「ROUGE ST MAX」、「ST MAX D」、「ST MAX LS」の3モデル

・価格は349.99ドル


ゴルファーによっては、キャロウェイ「ROUGE ST」フェアウェイウッドの方が、「ROUGE ST」ドライバーのテクノロジーよりも魅力的だと感じるだろう。

過去のフェアウェイウッドを見てみると、2021年の「Epic Speed(エピックスピード)」と「Epic Max(エピックマックス)」、そして2018年の「ROGUE(ローグ)」は、同モデルのドライバー性能にほぼ似通って作られている。

だが、「ROGUE ST」フェアウェイウッドについては、「ROUGE ST」ドライバーとは全く異なっていることがわかると思う。性能の違いは、根本的にパフォーマンスを変えるのか?これは非常に難しい問いかもしれない。

この事についてキャロウェイは、「ROGUE ST」フェアウェイウッドの性能は明らかに他社のフェアウェイウッドをリードしていると主張している。そして注目すべきは、キャロウェイは他メーカー同様、既存の他社のクラブと自社の新作をテストした上で述べているということだ。

幸にして2022年『Most Wantedテスト(各モデルの性能テスト)』は進行中。

結果がどうでるか?乞うご期待というわけだ。


他には分からない

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他の2022年「ST(スピードチューン)」シリーズ同様、キャロウェイはある一つの性能を軸に展開している。それは「スピード(初速)」だ。

だからといってキャロウェイがMOI(寛容性)や適正な打ち出し条件、打音・打感の重要性を蔑ろにしているというわけじゃない。単にゴルファーの大半がボールを遠くに飛ばせないという理由からだ。キャディーバックにセッティングされているどのクラブでも。

よってキャロウェイは、ボール初速を向上させてオフセンターヒット時のパフォーマンスを引き上げることができれば、一般的な試打会や基本的なフィッティング環境において、多くのゴルファーがその恩恵を明確に受けることができると考えている。それこそが、キャロウェイの望みなのだ。


テクノロジー

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新しい『JAILBREAK ST(ジェイルブレイクST)』構造の目的は、他のモデルと変わらないが、その見た目は全く異なる。実際、これが本来の言葉の意味である「JAILBREAK(脱獄)」を示していたならば、誰も『JAILBREAK(脱獄)』をマーケティング用語として受け入れないだろう。

だが実際にはその言葉の意味とはかけ離れていて、例えるなら“コウモリの翼”のような形状。想像を絶するスピード(初速)の限界を超えるためのテクノロジーの“一翼”を担う、“檻”もなければドギついグリーンの柱もない。

とはいえ、キャロウェイはこの新しい『JAILBREAK』が、これまでの「二本の柱」を採用していたときよりも効果的だと主張する。この点について、キャロウェイのシニアバイスプレジデントのアラン・ホックネル氏は「『JAILBREAK』はおそらく少し邪魔をしていたかも知れない」と打ち明けた。

これは私の解釈だが、つまりこういう事だ。『JAILBREAK』の本来の目的は、フェースのたわみを反発に妨げられることなく垂直方向の剛生を高めることだが、フェアウェイウッドの全体のフェース面積が小さいことを考えると、前作のデザインは、ボール初速を最大化するのではなく、むしろ制限する要因になっていたということだろう。

画像を見ればわかるように、2つの『JAILBREAK』(1つはヒール、もう1つはトゥの端に配置)がフェース、ソール、そしてクラウンに、フェースのたわみを妨げることなく結合している。これにより、より重量が周辺に分散され、ヘッドの動的安定性が向上するようになっている。





重量

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重量に関して、キャロウェイでは「ROGUE ST」ドライバー同様に最大約29gの『タングステン・スピードカートリッジ』を採用。ゴルファーは、目に見えるテクノロジーに共感する傾向があり、それはキャロウェイが意識している部分でもある。

さらに、直接パフォーマンスに影響するところ。重量を前方に配置することで低重心、浅重心となり、それによりボール初速が向上し、低スピンながら打ち出しを高くすることが可能となる。

ちょっと補足すると、どのクラブでも重量の周辺配分は、重心の位置と動きに大きな影響を与える。そして重心位置は、ボール初速、打ち出し角、スピン量といった打ち出し条件に直接影響する。

低・浅重心によるもう1つのメリットは、フェアウェイウッドでは一般的な薄い当たりやフェース下部での当たりをカバーする。ボールとフェースのインパクト位置がスイートスポットよりも下になると、打ち出しが低く、スピン量が多くなる傾向があり、これは飛距離ロス(キャリーと合計)につながる。

理論的には、低・浅重心は、最適な打ち出し条件をキープすることに役立つ。これはボール初速にとっては良いことだが、MOI(寛容性)には不利に働く。そのため、キャロウェイはクラブ後方にかなりの重量を配置し、寛容性も維持しているのだ。


『ROGUE ST AIフェース』

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キャロウェイと『AIフェース』テクノロジーについては既にご存知のはず。そうでないなら、以下を読んで欲しい。

コンピューターは、人間よりもはるかに速く反復することが可能であり、それゆえ複雑な課題も扱う能力に長けている。コンピューターに優先順位のリストや必要条件を与えれば最適なフェース形状を生み出すことができる。

非常に単純ではあるが、コンピューターは正確だ。新作では、キャロウェイはフェースの様々な箇所でボール初速、打ち出し角、スピン量が最適化するように設計している。

つまり、フェースデザインは、スピン量を減らしたり増やしたりする一方で、オフセンターヒット時のボール初速が、望むものとなるように設計されている。

例えば、フェースセンターより上でインパクトした時は、打ち出し角が高くなり過ぎ、スピン量も最適値より少なくなる。フェースセンターより下でヒットすると、その逆に打ち出しが低くなり、スピン量が最適値よりも多くなるからだ。

インパクト箇所に関係なくクラブが同じ打ち出し条件となるはずがない。とはいえ、キャロウェイではAIフェースを最適化することが正しい方向に進む第一歩であると考えているようだ。

キャロウェイは、『C300フェースカップ』にて拘り、『C300マレージング鋼』素材を、競合の小型フェースインサートと異なりフェースカップ全体に採用している。ソールからトップラインに至るまでフェースで覆うことで、『AI最適化ソフトウェア』が『C300』をさらに活用できるデザインとなっている。


3つのモデル

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「ROGUE ST」のリリースに隠されたものがあるのなら、それはキャロウェイがモデル数を気にしていないということだ。ドライバー4つとフェアウェイウッド3つ、ハイブリッド4つで合計11モデル。

製品の差別化は、最終的に消費者にとって良いことと言う人もいるだろう。または、地域の大型量販店で陳列棚を確保するためには素晴らしい戦略だと言う人もいるかもしれない。どんな理由であれ、11種類だ。

キャロウェイ「ROGUE ST MAX」は市場のど真ん中に向けたモデルで、3モデルの中では最も売れ筋となるだろう。中級者向けフェアウェイウッドに見えないが、一般的な中級者向けの特性(高MOI、ニュートラルな弾道、中〜高打ち出し)を備えている。

「ROGUE ST MAX D」フェアウェイウッドは、キャロウェイとしては初のドローバイアスモデルだ。ただし、ドローバイアスといっても、さらに重量をヒール側に完全に配置するということではない。

「ST MAX D」は、ドローに適した重量配置をヘッド内部で行なっており、ロフト角も大きめで(3番で16度)、ややフェースがクローズだ。またライ角もややアップライト。こうした特性が相まったことで、スライスを減らしたり、よりドロー弾道を求めるゴルファーにとっては十分にメリットがあるはずだ。


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「ROGUE MAX LS」は、「ROGUE ST」シリーズの中でもっとも小ぶりで低スピンタイプのモデルだ。前作の「Sub Zero(サブゼロ)」のようなタイプと考えてもらいたい。特徴はややフェースが厚く、ソールの中央部分が高くデザインされていること。

「ROGUE ST MAX」が市場のど真ん中に向けたモデル(初・中級者)なら、「ROGUE MAX LS」は理想的なパフォーマンスを達成するためにスピン量を減らしたい上級者に向けたクラブと言える。ソールに追加された「スクリューウェイト」にも注目してもらいたいが、これには目的が2つある。

まず、低スピンになるように重心を前方に設定するためだ。しかしそれより重要なのは、求められる特定のバランスや総重量になるよう調整できることにある。

なお、キャロウェイ「ROGUE ST MAX」フェアウェイウッドは全モデルとも調整機能は搭載されていない。とはいえ、キャロウェイでは「MAX」と「MAX LS」の両モデルで「3HL(あるいは自分的には4番ウッド)」をラインナップしている。

良くも悪くも、フェアウェイウッドは同シリーズのドライバーのリリースに便乗するような傾向がある。これは評価とは関係なく、キャロウェイが最も気にしている売上実績が現実となるはずだ。

「ROGUE ST」ドライバーの記事でも言及したように、万が一、テーラーメイドの「STEALTH」ドライバーの話がゴルファーに共感されるようなら、「ROGUE ST」シリーズ全体にとっては悪影響になる可能性もあるだろう。


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スペック、価格および発売時期

キャロウェイ「ROGUE ST MAX」のロフト角は、18、16.5、18、20、21、24、27度。20、24、27度は右利き用のみがある。

「ROGUE ST MAX D」のロフト角は、16、19、22度。全てのロフトが右利き用、左利き用をラインナップしている。

「ROGUE ST LS」のロフト角は、13.5、15、16.5、18度。13.5、16.5度は右利き用のみだ。

純正シャフトはProject X (プロジェクトX)「Cypher Black(サイファーブラック)」(軽量/女性用:40/50g)、三菱「Tensei AV Blue (テンセイAVブルー)」(50、60、70g)および三菱「Tensei AV White (テンセイAVホワイト)」(60、70、80g)となっている。

純正グリップはゴルフプライド「Tour Velvet 360(ツアーベルベット360)」とWINN(ウィン)「Dri-Tac 2.0(ドライタック 2.0)」(女性用)。

キャロウェイ「ROGUE ST」フェアウェイウッドの小売価格は349.99ドル。

先行販売開始は1月21日。販売日は2月18日。