2021年キャロウェイ「Xフォージド」の特色
・キャロウェイは、「XフォージドCB」シリーズで2つの新製品を発売。
・「XフォージドCB」アイアンは、PGAツアープレーヤーを念頭に置いて設計されたテクノロジー主導のアイアン。
・「XフォージドUT」は、より高い打ち出し角と寛容性の高さで「CB」を補完するユーティリティアイアン。
・小売価格は、「XフォージドCB」アイアンが200ドル、「XフォージドUT」が250ドル。
キャロウェイの新しい「XフォージドCB」アイアン(および「XフォージドUT」)の出発点は、このカテゴリーでこれまであまり語られることのなかった技術革新をもたらすことだった。
再現性とコントロール性、打感を犠牲にすることなく、というよりもそれらを更に高めるものを、ということなのだろう。
もちろんその試みはキャロウェイだけのものではない。ミズノの「MP20 HMB」やテーラーメイドの「P770」も同じタイプのアイアンだ。
キャロウェイが上級者向けアイアンのカテゴリーに位置づけている「XフォージドCB」は、確かにあらゆる面で正真正銘のツアーアイアンだ。
完全にプロ向けではないものの、飛距離性能よりも扱いやすさを重視していると示唆するに十分なテクノロジーが見受けられる。
キャロウェイ「XフォージドCB」〜真のツアーアイアン
「XフォージドCB」の形状はこのカテゴリーに期待される通りのものだ。
ブレード長は短く、ソールは狭く、トップラインは薄い。
設計に関するあらゆる点で上級者に訴求するよう考えられている。そこには扱いやすさに重点を置くことも含まれる。
比較的低い寛容性(アベレージ向けアイアンではないという意味で)と重心をシャフト軸近くに置くことになる“短めのブレード長”の採用といえばなんとなく理解できるだろう。
これはツアーアイアンを形容する一般的な表現だが、ゲームの「芸術性」が「難解な数学」と「分析」という揺るぎない“真実”によって冷たく踏みにじられるように、エリートプレーヤーの言語は、2つのポイント(例えばボールとフラッグ)間を最短で最も効率的かつ最少スコアで上がれる距離は、ほとんど常に「直線」であるという現実を反映して、適応するものなのかどうか疑問に思うのも無理はない。
つまり、「ショットの軌道」はセールスポイントとしては弱くなるかもしれないということだ。
いつもより早く脱線してしまった。先に進もう。
少なからず、このカテゴリーにおける革新性の出現はその形状が障害物となっているが、他社と同じくキャロウェイも限られた面積を最大限に活用しようとしている。
『ツアーチューンド・フェース』
そのためキャロウェイは、鍛造1025マイルドカーボンスチールボディと17-4『ツアーチューンド・フェースプレート』を組み合わせた。
ボールを打つ部分に鍛造を用いるかどうかの議論はひとまず置いて、フェースプレートに焦点を当てることにしよう。
性能面からいうと、このプレートは「1ピース構造」と、ボール初速重視の「フェースカップ」の間に位置している。
キャロウェイのスーパーコンピュータは、上級者に対し、再現性を犠牲にすることなくボールスピードをほんの少し増やす“何か”を創り出すタスクを与えられていた。
エッジの構造の助けもありスイートエリアが拡大。この設計によりフェース全体で一定のスピン量が得られる(キャロウェイがいうところの「スピン・ロバストネス(スピンの安定性)」)。
キャロウェイ「XフォージドCB」の構造
キャロウェイは中空アイアンにはなにかを充填すべきという思想の持ち主だ。
そのため、「XフォージドCB」はヘッド内部のトゥ側に「MIMタングステンウエイト」を配している。番手によって9gから14gのウエイトが用いられているのだ。
トゥ側にウエイトを置く主要目的は、重心を下げ、かつヒールから遠ざけることで、ホーゼルのウエイトを相殺することだ。
結果的に低重心かつほぼ中央重心となっている。
ウレタンマイクロスフェア 〜キャロウェイのキャビティ充填剤
キャロウェイにとってお馴染みになりつつある「ウレタンマイクロスフィア」を充填することにより、打感が向上している。
今日の話の要点はこれだ。あらゆる充填剤メーカーが注入したり詰め込んだりする素材には、なにかしら「スピード」に関する言及があるものだが、実際のところ彼らが求めているのは、振動を抑え、打感を向上させることだけなのだ。
タングステンキャビティウエイト
「XフォージドCB」のバックキャビティには、スイングウエイトを調整できるタングステンウエイトが搭載されている。標準ウエイトプレートは17g。12gと22gも用意されている。
ただし、これはユーザーが交換できるようには作られておらず、工場での作業になる。とはいえきっと誰かがカスタム用オプションを出してくるとは思うが…たぶん大胆な紫色かなんかで。
キャロウェイがこの手のスイングウエイトチューニングを提供する唯一のブランドでないことは言うまでもないが、正直に言って、どのメーカーも、重心がヒール側に寄ってしまう「チップウエイト」に頼ることなく、簡単にスイングウエイトの調整を可能にする常識的なアプローチを選んで、技術革新への傾倒を控えるべきだと思う。
名誉のために言うが、キャロウェイは「XフォージドCB」の「マイクロスフェア」によるボール初速の向上は謳っていない。打感こそがこの物語の全てなのだ。
上から下まで、というかトゥからヒールまで、世界最高のプレーヤーのために設計されており、従って上級者に訴求するパッケージだ。寛容性を全く備えていないわけではないが、ショットメイクにおけるコントロール性重視の設計になっている。
キャロウェイ「XフォージドCB」〜ターゲットは誰か
キャロウェイのアラン・ホックネル氏は、「XフォージドCB」には驚くほどの寛容性があると言うが、ゴルフ用品の世界では全てのことが相対的なものだ。
キャロウェイの新作「APEX MB」よりも寛容性が高いかといえばイエス。しかし標準の「APEX」と比べたらどうか?その寛容性には程遠い。
したがって、ターゲット層は、より好ましい形状のためには多少の寛容性を損なうことをいとわないツアープレーヤーに上級者、シングルハンデのプレーヤーとなる。
キャロウェイ「XフォージドCB」のスペック、価格とシャフト選択肢
キャロウェイの新作「APEX MB」よりも1度ロフトが立っているが、「XフォージドCB」のロフト角は正しく表現するなら現代風ではあるがストロングすぎではない。
これは低重心(そしてその結果としてのダイナミックロフトの増加)であることによりもたらされている。
結論:33度の7番アイアンと45度のPWはこのカテゴリーにおいては完全に合理的な数字である。
純正シャフトは「Project X IO」スチールと三菱「MMT」カーボン。
純正グリップはGolf Prideの「Z Grip」。
キャロウェイ「XフォージドCB」の小売価格は1本200ドル。つまり7本セットで1,400ドル。
キャロウェイ「XフォージドUT」
名前を見てわかる通り、「CB」にインスパイアされた「XフォージドUT」は、新しいアイアンとのペアリングを想定して設計されている。使われている技術の多くも同じ。
中空ボディ構造に「MIMタングステン」、「キャビティタングステン」に「ウレタンマイクロスフェア」。それぞれはどうかって?
お察しの通り。全部入っている。
簡単に説明すると、「XフォージドCB」アイアンと比較して、「XフォージドUT」は全体的に少し大きめで、寛容性が少し高く、扱いやすい。特筆すべきは高い打ち出し角と柔らかなランディングだ。
「XフォージドUT」〜AI FLASHフェースカップ
「XフォージドUT」では、AIが設計したFlashフェースカップの利点をフルに活用することができる。
高い「スピン・ロバストネス(スピンの安定性)」に加え、ボール初速を重視しているが、低重心化することで高い打ち出し角とグリーン上で止まる球をもたらす。
スピードに気をつけろ
よりスピードを重視した設計に加えて、「XフォージドUT」の長さは同等の「XフォージドCB」ロングアイアンよりも1/2インチ長くなっていることを心に留めておいてほしい。
つまり、ソールに同じ数字が刻まれているアイアンよりも飛距離が出るということだ。
大きな番手において番手間のロフト角の差を広げることは、特にアベレージゴルファーにはお勧めだが、ここは注意しておきたいところだ。
フェアウェイウッド、ハイブリッド、ユーティリティおよびロングアイアンの間では、分かりにくくなる可能性があるので、ここでロフト角の間隔を念のためチェックして欲しい。
キャロウェイ「XフォージドUT」のスペック、価格とシャフト選択肢
キャロウェイ「XフォージドUT」は、18度と21度、24度のラインナップ。
純正のスチールシャフトは、ユーティリティのために特別に設計された「プロジェクトX U」。キャロウェイは「PX U」の独占パートナーであることに言及しておいたほうがいいだろう。
純正カーボンシャフトは「Project X Smoke Blacky HY」。アグレッシブなスインガーをターゲットにしており、低い打ち出し角に低いスピン量をもたらす。
キャロウェイ「XフォージドUT」の小売価格は250ドル。10月29日に販売開始。
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