今、オリジナルの「カークランドシグネチャー」の4ピースボールをいくらなら買うだろうか?
皆さんが好きな巨大卸売店のボールが1ダース27.51ドル程度で手に入るという話が浮上している。
元々は15ドルだったので高くはなるが、ボール市場における従来型の販路の中ではお値打ちだ。
誤解のないように言うと、これは皆さんが考えているボールのことを言っている訳ではない。
オリジナルのカークランドとそっくりのPearl Pro Xのこと。「カークランドと同じ」を証明する十分な類似点がある。
パールゴルフとは?
Snell、Vice、OnCore、あるいはCutと比べても、パールゴルフは直販ボールとして無名だ。
そのブランドストーリーはViceとそっくりで、ウェブサイトをよくチェックすると、他のドイツブランドとのマーケティング上の類似点があることに気づく。
「他の」とお伝えしたのは、Viceのようにパールゴルフも(米国にオフィスはあるが)ドイツを本拠としているからだ。
パールは、他の直販ボールブランドのようにアジアの工場からボールを調達しており、我々が調べたところだと、その中にはPure Soft Xのような中国製(恐らくSMパーカー製)もあれば、Pearl Pro Xを代表とする韓国製のボールがある。
パールゴルフによれば、Pro Xはキャストウレタンカバーが特徴だという。
以前にもお伝えしたが、数社がキャストウレタンカバーの製造が可能であり、キャストウレタンに韓国と来れば、その答えは間違いなくナッソーとなる。
そして、ここからが面白いところだ。
同じカバー?同じディンプル?
ナッソーはオリジナルの「カークランドシグネチャー」4ピースボールを製造していた工場で、オリジナルのカークランド、Pearl Pro X共にディンプルが360個と言うのは、非常に興味深いところだ。
ディンプルパターンはメーカーや工場ごとに特有で、360個は珍しいディンプル数だ。
話を膨らませて、オリジナルのカークランドとPearl Pro Xのカバーを比べてみると、否定しようがない一貫性が見て取れるだろう。
写真では見にくいかも知れないが、一番特徴が出ているのは、星型で印をつけたところ。星型の真ん中が小さいディンプルになっている6つのディンプルパターンだ。
プリントのクオリティはパールゴルフの方が良いが、それ以外、カバーのデザインは一致しているように見える。
中身も同じ?
オリジナルのカークランド4ピースボールは、最もカットしたボールと言えるだろう。カラーパターンは独特で、現状では我々の多くに馴染みがある。
USGAの適合ボールリストにある構造の説明は、メーカー(あるいはもっと正確に言うと売り手)が望むほどの差はなく、共通の構造を一番表すものとして4ピース3カバーが記載。
基本的に、ラージコア、2つの薄いマントル、あるいは外側のレイヤー、そしてカバーで構成されている。
両ボールともに4ピース3カバーを採用しているだけでなく、カラー(外側から緑、赤、黄)とインナーレイヤー3つの厚さも同じだ。
また余談として、同じ箱の中に、ここまで見てきたオリジナルのカークランドやPearl Pro Xと色やレイヤーの径が異なるボールがあるという悲しい現実もあった。
ここまでの類似点は不可思議で、我々の見解では、偶然としては似ている点が多すぎる。
最後にコアの構造が同じに見える。これは数百個のボールをカットしたから分かることだが、素材や化学成分、加熱時間と温度などはボールや工場によって変わるため、コアの構造などもそれくらい変わる。
例えば、原材料は基本的に同じでもテーラーメイド、キャロウェイ、タイトリスト、そしてブリヂストンのコアの構造は、大きく違うのだ。
たとえ色が変わっても同じことが工場のボールでも当てはまり、例えばフォーモスト製のボールの構造は大部分で同じ。
構造は、どの工場で生産されたかの手掛かりとなるだけでなく、ボールの同一性を示すものでもある。
今回の場合、オリジナルの「カークランドシグネチャー」4ピースとPearl Pro Xの構造も同一だ。
Pearl Pro Xは「カークランドシグネチャー」なのか?
100%同じボールであるとは言えない。
確証を得るにはコンプレッションや硬さテストをする必要があるが、同一のカバー、同一のカラーリング、同一の構造であることを考えると、価格が十分に安価(1ダース31.99ドル、3ダース以上で1ダース27.51ドル)なら、「カークランドシグネチャー」ファンには十分だろう。
もちろん、最後はご自身の判断に任せるが、Pearl Pro Xが「カークランドシグネチャー」に見えるなら、きっとそれは「カークランドシグネチャー」なんだと思う。
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