イーブンロール「ミッドロック」-重要ポイント
・イーブンロール「Midlock(ミッドロック)」は“アームロックをしやすくしたパター”
・ミッドロックにはUSGAで許可された最も深い「ピストルグリップ」が搭載
・小売価格は 419ドルで、2021年3月より発売される
「イーブンロール」というブランド、または「ミッドロック」パターの性能に馴染みのないゴルファーは、「スイート・フェーステクノロジー」に関するビデオをまずご覧頂きたい。
イーブンロールの「スイート・フェーステクノロジー」は、業界に新しい基準を打ち立てた。MyGolfSpyの「MostWanted」パターテストを例にとってみよう。
パターの75%以上が何らかの「フェーステクノロジー」を持っている。安定したボールの転がりをもたらすミーリングパターンの「フェースインサート」や、順回転をもたらす「溝」など、多くのメーカーが新しい業界標準を取り入れようとしている。そうしないと、取り残されてしまうからだ。
同社はアームロック愛好家のために、「ミッドロック」にも「フェーステクノロジー」を取り入れた。より良いパターを作るというのは彼らの信念でもあるが、彼らが改良したのはフェーステクノロジーだけではない。
なぜ、「アームロック」パターが存在するのか?
そこには3つの理由がある。
・手首の動きを抑える。
・フェースアングルをコントロールする。
・一貫性とリズムを向上させる。
上記のポイントを抑えれば、パッティングストロークがより安定し、理論的には毎回同じ方法でパターヘッドを動かすことができる。また、いわゆるアームロックパターで難しいのは、長いパッティングでの距離コントロールを安定させることだ。
なぜ、イーブンロールの「ミッドロック」なのか?
大型ゴルフショップで「アームロック」パターを試打したことはあるだろうか?その際、履いているショートパンツが横にずれるような感じはなかっただろうか?私にはそう感じた。
大部分のゴルファーが33~35インチのパターを好むため、「アームロック」パターがぎこちなく感じることは珍しいことではない。
しかし、「ミッドロック」の独自の設計をみて、その印象が変わるかもしれない。特許を取得したこのグリップは、通常のパターを手にしているような感覚をもたらすという。
グリップがそれほど大きな影響を与えるとは信じがたいが、彼らはそう主張する。それを「アームロックより使いやすいパター」と呼ぶ。
イーブンロール「ミッドロック」は何が違うのか?
通常の「アームロック」パターのグリップは上から下までストレートかフラットなため、前腕と一体でグリップをリードするためには「かなりきつめのフォワードプレス(いわゆるハンドファースト)」を入れる必要があるため、ゴルファーはぎこちなく感じる。
ところが、同社の「ミッドロック」パターは「アームロック」をより簡単に使いやすく仕上げた。
何をしたかというと、「アームロック」の設計をまったく異なる視点から見たとでも言おうか。このパターは、従来のパターによるセットアップに必要な長さよりも「6インチ長く」設計されている。
この余分な6インチのピストル型グリップは、手のひらより上部に当たる。したがって、普段34インチのパターを使用している人は、「40インチ」の「ミッドロック」を使うのが“ちょうど良い”ということになる。
「ミッドロック」のグリップには、USGAルール内で「最も幅の広いピストル型グリップ」が搭載されている。
グリップを“横向き”に配置、それによって「幅の広いピストル」部分が、シャフトを前腕から“離す“ことで、「普通のフォワードプレス(ハンドファースト)」と同程度といえるロフト減(9度のロフトが4度まで立つ)を実現している。
また、「ミッドロック」のグリップは、肘まで伸びる従来の「アームロックパター」とは異なり、前腕の途中にくるように配置されていることもポイントだ。
ほとんどのアームロックパターでは、ボールを左足つま先(レフティの方は右足)からより遠い位置に配置しなければならないが、これは“自然な”位置ではない。
「ミッドロックグリップ」は、多くの人が慣れている“34インチのパターを握っているような”感覚がウリなのだ。
「ミッドロック」パターのテクノロジー
イーブンロールを成功に導いたのは「フェーステクノロジー」という1つの機能だ。もっというと、「スイート・フェーステクノロジー」のことだ。
特許を取得したデザインにより、ミスヒットをしても芯をストライクした時と同じ距離に転がすことができる。以下の図がその機能について詳しく説明している。
しかし、「スイートフェース」の「グルーブ」はどのようにしてボールをオフライン(左右に外れる)ではなく真っ直ぐにパットさせるのか?答えは非常に簡単だ。
ゼロ分散–「スイートフェース」の「グルーブ」は、中央を広く、ヒールとトゥに向かって徐々に狭くするという溝の幅に変化を持たせた設計で、ヒールとトゥから中央に向かって緻密に設計されたV字型がボールをターゲットラインに徐々に向け直す。
均一な転がり–中心から離れるほど「グルーブ」を狭くすることで、(グルーブ間の)間隔が次第に広くなる。
接触面が増えるということはより多くのエネルギー伝達が行われることを意味し、「スイートスポット」を外した時に失われたエネルギーをとり戻す。したがって、芯を打っても芯から外れても同じ距離に転がる。
「グルーブ」が大きすぎると、「グルーブ」がないフェースと同じようなコンタクトになってしまう。逆に小さすぎても機能しない。
効果的に機能させるには、適切な幅で正しく配置する必要がある。それは私たちの「Most Wanted」パターテストで何度も証明されている。
「ミッドロック」はどのように機能するのか?
お気に入りになるか、失敗に終わるか?
両極端な反応がでるのは、従来33インチや34インチのパターを使用してきたゴルファーが多いからだ。私は「アームロック」をいじくり回してきたが、決して慣れることがなかったし、いつも腕に金属棒が付いているような気がしていた。
おかしな話だとは思わないか?パターと腕を一体化するのが「アームロック」のメリットなのに。私はすぐにでもこの不快さから解放されたかったので、「アームロック」の性能を信じる忍耐がなかった。これがどのように機能するかはもはやどうでもよかったのだ。
しかし、ツアープロが「アームロックパター」でうまくプレーしているのを目にする。それは、彼らがあらゆる技術を使いこなし、慣れるのに多大な時間を費やしているからであって、ほとんどのアマチュアは調整する時間がない。
そこで、イーブンロールの評判が正しいかを判断するために、実際に私が「ミッドロック」を使ってみることにした。
ロングパット:「ミッドロック」を使用すると、従来の「アームロック」のように腕とパターが一体化する感じがした。しかし、「ミッドロック」の方が従来の「アームロックパター」よりも快適に感じる。さらに、ストローク中は手が静かになっていることに気づいた。私の場合、手先だけでストロークする傾向があるので嬉しい改善だ。
ミドルパット:私はいつも決めたライン通りにパッティングするのが苦手だった。基本的に、「アームロック」パターはこれを助けてくれる。予想通り、「ミッドロック」もその通りだった。ミスヒットした時も、ボールはしっかり前に押し出され、「ギミーパット(オーケーパット)」のところで止まった。これまでのところ、十分なパッティングだ。
ショートパット: 最も違いを感じたのが、このショートパットだ。自分のストロークがよりコンパクトになり、自信を持ってショートパットを打てるようになった。プレッシャーの中では、できるだけ自信を持ってストロークしたいためこれは私には嬉しい結果だった。
この新パターは、「フェースインサート」を特徴としていた以前のモデルとは異なり、「100%ミルド(削り出し)」に改良された。これにより私好みの柔らかい打感が実現する。
また、記事の前半で簡単に触れたエネルギー損失とも関係がある。何の事かよく分からないという人は、最後まで読んでいただきたい。
イーブンロールに馴染みがない人だと、たとえば、イーブンロールのパターはスコッティ・キャメロンほど遠くには転がらないことに気づくだろう(センターヒットの場合)。劇的な違いではないが、明らかに気付くレベルだ。
これは、特許を取得したグルーブによるもので、センターヒットの際にエネルギーロスがあるからだ。そのため、最初のパッティングに不足感を感じるかもしれない。そこで少し強めのストロークをお薦めする。
簡単な話だが、長期的にみれば役に立つのでこのテクノロジーとじっくり向き合っていただきたい。
最終考察
もしあなたが本当に“自分に合った”パターを探しているなら、このパターは少し違う。「ミッドロック」はストロークの「変動を排除」し、パターフェースが「ねじれない」ようにする。この点ではうまくいくし、それは素晴らしいことだ。
「ミッドロック」が一番役に立つのは、「セットアップ」だ。私の感触としては「ミッドロック」の方が従来の「アームロック」より違和感がなかった。
このパターは「アームロック」が持つ全てのメリットを備えながら、「ボールの位置」と「構えやすさ」の点で従来の34インチのパターのように感じることができる。
「ミッドロック」を持つことで、パットだけに集中することができる。時間をかけて練習していただきたい。そうすれば、ボールはカップに一直線に転がるかもしれない!
さて、「ミッドロック」パターに期待が持てそうだろうか?
「ミッドロック」パターモデル
イーブンロール「ミッドロック」は、2021年3月に419ドルで発売される。
「ER11V MOI Mallet」のルックスが好みではなかった?ご心配なく。「ミッドロック」には、「ER2V」、「ER5V」、「ER8V」が揃う。
また、カスタムショップで提供する4種類のドロップインホーゼルから、自分のストロークに合ったモデルを選ぶこともできる。
「V」が何を意味するのか興味がある場合は、クリスが投稿した「Vシリーズ」の記事をご覧いただくことをお薦めする。クリスがゲリン・ライフ氏と一緒に座っているこのビデオも必見だ。
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