ハイブリッドについていくつか質問がある。
・あなたはハイブリッドを持っている?
・持っている本数は?
・どのモデル?
・ハイブリッドを買い替えた時期はいつ?
・ハイブリッドについて、自分に合っているか悩んだことはある?
今こそ、現在使用中のハイブリッドについて真剣に考える時期なのかも知れない。
最終的に皆さんがタイトリストのTS2、TS3ハイブリッドを買わないことになったとしても、ゴルファーがこの一番無関心のクラブカテゴリーについて少しでも熟考することができるなら、これは私の中で最高のハイブリッドの記事になるだろう。
はっきり言って大した話ではないのだが、できることなら皆さんに何か感じてもらえればと思う。
タイトリスト TSハイブリッド
タイトリストの最新ハイブリッドについて、まず気になるのは名前が変わったことだろう。前回変わったのは二世代前だ。同社の設計理念は、ハイブリッドはスコアリングクラブであり、ウッドと異なる特徴を出すこと。
これにより商品名もウッドと分け、816、818と続いたが、不要な混乱が続いていた。
しかし、簡単な解決策があった。
TS2ハイブリッドがリリースされたが、基本的な理念は変わっていない。
ハイブリッドもスコアリングクラブのまま(同社が新アイアンとほぼ同時に発表したのはこれが理由)。
しかし、同社では分かりやすさと簡素化を考え、ハイブリッドのテクノロジーとウッドのテクノロジーを改めて結びつける決断を下した。
TSドライバーかTSフェアウェイウッドの所有者なら、TSハイブリッドがどのようなものなのかはだいたい想像がつくだろう。
タイトリストは、これまで同様、TS2とTS3というハイブリッド2モデルを発表した。
個人的には超コンパクトなTS4ハイブリッドがどんな見た目なのかが気になるが、発表済みのU500、U510ユーティリティがロングアイアンの代わりになると思われる。
そして、TSハイブリッドのテクノロジーは、少なからずその他のTSラインナップと一致している。
他のTS2シリーズと同様、TS2ハイブリッドは、スイングウェイト調整が可能なSureFitフラットウェイトを採用している一方、TS3ハイブリッドには、ドロー、ニュートラル、フェードの3ポジションに調整可能なマグネティックSureFit CGウェイトを搭載。
ともに同社のSURE FITホーゼルも採用されている。
またTS3はコンパクトと言えるが、実際のヘッドの大きさはTS2とTS3では然程大差はない。
しかしながら、両モデルの形状はだいぶ違っており、各モデルを大きく差別化する要因となっている。
TS2ハイブリッド
大まかに言うと、TS2はハイブリッドらしいクラブと言える。
フェースからトレーディングエッジまでが長く、2つのTSモデルの中では投影面積が大きい。
ヒールの後ろ側も816H1に比べシャープになっており、同じような大きさながら構えると少し小さく見える。
また(両モデル共通で)フェースが16%薄くなったことで慣性モーメントもやや増え、アクティブ リコイル チャネルがなくなったことにより、さらに重量を低く深い位置に配置した。
そして薄いフェースによりスピン量が減ることなく、ボールスピードが0.44m/s~0.67m/s、キャリーが2〜4ヤードほどアップ。
両モデルに言えることだが、ゴルファーが望む飛距離アップを実現しながらも、ハイブリッドに必要な操作性の良さは損なわいクラブとなった。
TS2はロフト角17°(右利きのみ)、19°、21°、23°、25°、27°がラインナップされている。
どんなロフトにも、例えば19°ならハイブリッドの3番など決まった番手の数字をつける必要はない。
最終的には、番手間のギャップを理解し、飛ばさなければならない距離が打てる適切なロフト角を見つければ良いのだ。
TS3ユーティリティメタル
「TS3は、913HDからインスピレーションを受けた」と語るのはタイトリストのメタルウッド開発ディレクターを務めるステファニー・ラットレル氏だ。
ツアーでも人気の形状で、今でもそれなりにプロたちが使用。トゥが高くスクエアになっているので、アドレスでよりアイアンのような見た目が特徴だ。
TS3は、この913HDに比べて高めの形状になっており、上下の慣性モーメントが向上している。
この利点は何だろうか?
ラットレル氏によると「慣性モーメントをキープしたり増やすことで、打ち出し角、スピン、安定性が向上する」とのこと。「これはハイブリッドにとって、ユーティリティ型アイアンやロングアイアンよりもメリットになる一つ」という。
TS3の差別化について、形状以外の重要なポイントはTSドライバーとフェアウェイウッド同様、3つのポジションに調整できるマグネティックSureFit CGウェイトを採用したことだ。
同社のゴルフクラブ・マーケティング・バイスプレジデントを務めるジョシュ・タルゲ氏によれば、TSは、「ドロー」にすると右に行きにくくなり、「フェード」のセッティングにすれば、ハイブリッドで「左から左」に飛んでしまうゴルファーにとって素晴らしいオプションになるとしている。
TS3のラインナップは、19°、21°、23°、25°。TS2ハイブリッドのように番手の数字よりも番手間ギャップを意識して欲しい。
あなたに合うのはどっち?
ハイブリッドが数モデル発売されると、基本的には易しさか操作性で選ぶことになる。
TSシリーズには多少の違いがある(TS2の方が寛容性があり、TS3はより操作性がある)が、どちらを選ぶかは、どのようにハイブリッドを打つかによるだろう。
ハイブリッドをフェアウェイウッドのように払うように打っている(そして大型ヘッドを好む)なら、TS2がオススメ。
ハイブリッドをアイアンのように打ち(打ち込む)、アイアンのような見た目が好みなら、TS3の方が合うだろう。
タイトリストによれば、TS2は寛容性があり高弾道で距離も出るタイプで、TS3はアイアンのような操作性があり中弾道で打ちたい距離が打てるという。要するに、ともに素晴らしいハイブリッドで、どちらかはあなたにマッチするということに行き着く。
番手間ギャップを意識
タイトリストに限らずハイブリッドをリリースしているメーカーにとっての課題は、ゴルフクラブをコロコロ変える人たちでさえ、ハイブリッドを定期的に新しくする気がないことだ。ドライバーを年1、アイアンを2〜3年に1回変え、ウェッジの溝にもこだわりを見せているのに、ハイブリッドだけはなぜかそのままというゴルファーがいる。
タルゲ氏はコースを訪れると、だいたいゴルファーのバッグをチェックするようだが、多くのゴルファーは新しいハイブリッドを入れることを重要だと思っていないという。「今のところアダムスが多い」とも言っていた。
アダムスだ。
アダムスが青と赤が特徴のクラブを発売した後からようやく知られるようなったことを考えると、すごいことだ。
そのクラブは2015年初頭のデビューで、タルゲ氏は「よく見かけるのは、IDEA 2のようなクラブだ」と古いモデルが目につくという。
ラットレル氏もこう続ける。
「アイアンは、この4〜5年で非常に進化したし、ゴルファーのバッグを見ると、バッグに入っているハイブリッドは古いものばかりだ」と。「そしてゴルファーは、ハイブリッドをより新しいモデルにしなければならないクラブと意識していない。だが、アイアンはストロングロフト化し飛距離は伸びている。もはやハイブリッドは、ギャップを埋めるものとして満足するクラブになっていないのだ」。
アイアンだけではない。ドライバーもフェアウェイウッドも飛距離は伸びている。つまり、他のクラブは飛距離アップしているのに、ハイブリッドの飛距離はそのままというわけだ。ではどうするべきか?
言う必要もないだろうが、もしフェアウェイウッドやアイアンを変えたのにハイブリッドを変えていないなら、セット間で飛距離の問題が起きるだろう。
番手間のギャップを意識しよう、ということだ。
誰もがハイブリッドを欲しがっているわけではない、ということは理解している。
皆さんの中には、理由はどうあれハイブリッドが打てないと単に思っているゴルファーもいるだろう。
タイトリストもそれで良いと思っている。「我々は15年に渡って素晴らしいハイブリッドを生み出してきた。しかし、ハイブリッドが打てないというのなら、他を試した方が良いと思う」とはタルゲ氏の言葉だ。
その「他」とは最近発表されたU500、U510ユーティリティアイアンのことだろう。ユーティリティの使用数は、プロゴルファーがロングアイアンに変わるものとして利用していることでアップしている(ハイブリッド使用数には打撃)。
タイトリストは、ツアーでユーティリティの使用率が上がることで、ゴルファーにハイブリッドをフィッティングする機会が多くなることを願っているようだ。
ゴルファーはプロが使っているものを欲しがる傾向にあるため、フィッティングイベントで多くの人がユーティリティアイアンを試すようになるはず(自分は違うが)。
ユーティリティアイアンを打てる人もいるだろうが、フィッターが長い時間をかけてハイブリッドも試すようすすめることで、ハイブリッドも打てるようになるだろう。
「プレーヤーの大部分は、ハイブリッドを持った方がより良い結果になる」とラットレル氏。
とにかく両方試して、どちらの方が合うかを見つけて欲しい。
標準シャフト(グリップ)、価格、発売時期
TSハイブリッドシリーズの標準シャフトは以下の通り。
・KUROKAGE Dual Core Black–高弾道/中スピン(50グラム<レディース>、60グラム<標準>、70グラム<カスタム>)
・TENSEI AV Series Blue–中高弾道/中スピン(70グラム<標準>、80グラム<カスタム>)
・HZRDUS Smoke Black 80–低中弾道/低・中スピン(80グラム<標準>、90グラム<カスタム>)
EvenFLow White–低弾道/低スピン(90グラム<標準>、100グラム<カスタム>)
スティールシャフトを含めた.370チップのシャフトはカスタム対応で追加料金なし。
標準グリップはゴルフプライドのTour Velvet 360(グレーペイント入り)。
TSハイブリッドのメーカー希望小売価格は279ドル。グローバルでの発売日は8月30日。
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