以前の記事でもお伝えしたが、2019年はドライバーにとって最高の年になるだろう。すでに2019年モデルを発売しているタイトリスト、ウィルソン、スリクソンに加えて、キャロウェイ、テーラーメイド、ピン、PXG、コブラもこれから新モデルを発表する予定だ(しかもコブラは唯一、まったく新しいドライバーを発表する)。
この流れはメジャーブランドに留まらない。ツアーエッジには399ドルのExoticsドライバーがあり、ミズノも間もなくST190を発表する。(深く掘り下げると)リンクスも新ドライバーを準備している。そして今日、ブリヂストンもこれらに続いた。
Tour B J819ドライバーが来年のベストセラーになると思う人はいないだろうが、同社にはゴルフボール以外にも熱狂的なファンが存在する。わずか数か月前に企業体制の大幅な見直しを行ったブリヂストンだが、新ドライバーには、同社の方向性を示すヒントが隠されているかもしれない。
USGAの適合リストに載って間もないので詳細は不明だが、少なくとも2種類のロフト角(9.5°/10.5°)で販売されるようだ。
クラウンには、Boost Power Technology(ブーストパワーテクノロジー)とHoneycomb Rigidity Technology(ハニカム剛性テクノロジー)という文字が記されている。ブーストパワーテクノロジーは、ボールスピードの保持に関係があると思われる。ハニカム剛性テクノロジーは、場所によってクラウンの厚みを変える技術と考えて間違いないだろう。
ソールに特徴があるが、フィンのように見える波型の模様は空気力学の原理を応用したものかもしれないし、ただの飾りかもしれない。ホーゼルが調節可能でないことは、819が「お値打ち価格」のクラブである可能性を示している。また、8gのウェイトがヒール寄りに設置されており、ドローバイアスのドライバーであることをアピールしている。
クラブの名前の付け方はさておき、「Tour」を冠したブリヂストンのドライバーをテストするのは久しぶりだ。よって、「ブリヂストン=中級者向け」と決めてかかるのはやめておこう。
このドライバーは、トゥがかなり上を向いており、ドローバイアスでスピン量が多い。この特徴が意図的なものなのか、それとも単に日本市場向けに設計された製品だからなのかを見極めるのは難しい。
明らかなのは、ブリヂストンはすでにクラブカテゴリーではニッチなブランドであり、その最新ドライバーはマーケットにいるニッチ層に向けられていることだ。
不確かな情報を元に推測し過ぎるのは危険なので、「J819の外観を見る限り、そのトレンドは継続している」とだけ言っておこう。
ブリヂストンの次なる一手
ブリヂストンのゴルフブランドとしての次なる一手について、明確なビジョンは示されていないが、最近就任したCEOのダン・マーフィー氏は、会社の方向性を変えようとしているようだ。
前CEO時代に一度は断念したボールフィッティングに改めて注力している。タイガー・ウッズ、ブライソン・デシャンボー、レクシー・トンプソン、マット・クーチャー、ブラント・スネデカーが2018年に勝利を収め、多くのツアーでTour Bシリーズのボールが評価されたことを考えると、それをやらない理由はないだろう。
ブリヂストンの強みは常にボールであるが、キャロウェイとテーラーメイドの後塵を拝する(理由は不明)ドライバーカテゴリーにおいても、その実力をアピールする準備を整えたようだ。
この新モデルが上手くいくかどうかは、まだ分からない。ブリヂストンはもうコアゴルファーから相手にされなくなったとか、また今年初めのボックスセットの発売でかなりの損失を出したという話もある。
ブリヂストンは「パックセット」と名付けたが、それはどう見てもボックスセットだった。必要以上に悪く言うつもりはないが、ボックスセットはそのブランドを語るものなのに、クラブはどれも冴えなかった。
それもあってか、詳細はまだ発表されていないが、J819はボックスセットではなく単品で販売されることになりそうだ。これは、会社が正しい方向に進んでいる兆候かもしれない。
新しい情報が入り次第、紹介しよう。
更新情報 - 発売は韓国市場のみ
本記事の公開後、ブリヂストンは、J819を韓国市場でのみ販売することを発表した。来年はアメリカでも発売されるかもしれない。
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