キャロウェイ PM グラインドウェッジが、ピンEye 2ウェッジにヒントを得たものか、単なる模倣か、解釈は人それぞれだろう。
私は「進化したもの」と見ている。実用性には議論の余地があるが、ピンEye 2ウェッジよりも極端なデザインであることは確かだ。
キャロウェイの表現を借りれば、「新しいウェッジカテゴリーを生み出した」と言えるかもしれない。
キャロウェイが最初のPM グラインドを発表した後、すぐにツアーエッジが独自のバージョンを発表したことに驚きはなかった。ゴルフ用品業界ではよくあることだからだ。
ツアーエッジRally wedgeのセールスポイントは99ドルという価格設定だった。その後テーラーメイドがHi-Toe(ハイ・トゥ)を発表するまでにはしばらく時間がかかったが、Hi-ToeがPM グラインドに影響を受けていることは間違いない。
ゴルフクラブのブランドが最も嫌うのは、自社のスタッフが競合他社のクラブを使うことだ。テーラーメイドのスタッフのバッグにキャロウェイのウェッジが入っているのは受け入れがたい。
2019 PMグラインドウェッジ
競争が激化するにつれ、キャロウェイは進化を余儀なくされた。伝説のウェッジデザイナー、ロジャー・クリーブランドとフィル・ミケルソンのコラボレーションで、PMグラインドウェッジの最新モデルが2019年にリリースされる。
キャロウェイによれば、この新モデルの焦点はミケルソンが考える「すべてのゴルファーのニーズを満たす3つのショット」を簡単に打てるようにすることにあるという。
3つのショットとは:
・ノックダウン: 低い弾道、高スピン
・ヒット&チェック: 1~2回バウンドして止まるショートピッチ
・フロップ:高弾道、スティープなランディング、シャープに止まるショットだが、これはミケルソンよりずっと前から存在していた。マーケティングの専門家の意見は気にせず、自分なりの解釈をして欲しい。
先へ進もう…
これら3つのショットのパフォーマンスを向上させることを目指し、キャロウェイは目標達成のためにいくつかの設計変更を行った。
オフセットGROOVE-IN-GROOVEテクノロジー
昨年のマックダディ4で、キャロウェイは「マイクロポジティブリッジ」を発表した。
これはキャロウェイ独自のものではなく、ほとんどのメーカーが同様の技術を持っている。なぜキャロウェイがこの技術をGROOVE-IN-GROOVE(グルーブイングルーブ、溝と溝の間の溝)と呼ぶのかはお分かりだろう。
キャロウェイはPM グランドのマイクログルーブの角度を20°弱めた。弱まったグルーブは、ウェッジのフェースが開いたときにスピンを増やす。もしPM グラインドを使うときは、フェースを開いて打つといい。
キャロウェイによると、この「オフセットグルーブイングルーブ」によって、ロブショットで12%以上スピンが増えるという。ただしこれはロボットテスト、つまり完全なドライコンディションでの数値だ。実際のコースでどうなるかはわからない。
拡大したオフセットと高いトゥ
まずはトゥについて説明しよう。キャロウェイはトゥを高くした。
私はそれがPM グラインドの特徴だと思う。これを実現するために、キャロウェイはソールから少し重量を取り除いた。
その結果さらに重心が高くなり、よりフラットでスピンの多い弾道が可能となる。またトゥを大きくすることで、フェースのスイートスポットが広がり(オリジナルと同様、グルーブはフェースのほぼ100%をカバー)、深い芝からのロブショットが簡単になる。
オフセットに関しては、私は複雑な気持ちだ。技術的な観点では、ボールを後に下げて手を前にして構えることが容易になる。ノックダウンはもちろん、ヒット&チェックを打つのにも適しているということだ。
問題は、オリジナルのPM グラインドですでにオフセットが採用されていることだ。 実際に測定したのではなく目視だけだったが、細長いトゥ部分のオフセットが増したように見えた。私はこの新しい設計を問題視している。
これは私の個人的な見解で、ツアープロが同じウェッジを使用することになれば考え直すかもしれない。オフセットの拡大をネガティブに捉える人もいるだろうし、逆にセールスポイントになる可能性もある。
C-グラインド ソール
2019 PMグラインドには、C-グラインドではなく以前のU-グラインドソールを採用している。
他のウェッジグラインドと同じで使う人によって効果が変わるが、C-グラインドの特徴はその万能さにある。どのようなライからでも、しっかりしたコンタクトが得られる。おそらくこれが人気の理由だろう。
新モデルはアグレッシブなソール形状が特徴だ。典型的なウェッジより丸みを帯びているので、好き嫌いが大きく分かれるデザインだろう。ボールの下にリーディングエッジをセットできるので、私は気に入っている。難しいライからでも自信を持って打てるからだ。
キャロウェイは、PMグラインドウェッジがフロップショットに適しているという。
それを裏付けるデータはあまりないが、私は彼らと同じ意見だ。オリジナルバージョンで広範囲に渡ってレビューをしたことがあるが、実際にあらゆるライからの打ち上げが驚くほど簡単だった。
しかし、キャロウェイのメディア資料で明らかに欠けているのは、フルショットでのパフォーマンスに関する見解だ。
テーラーメイドと違って、キャロウェイはPM グラインドをギャップウェッジで提供していないからかもしれない。一番小さいロフトが54°であることを考えると、納得がいく。
オリジナルのPMグラインドの弱点はフルショットのパフォーマンスだったが、それは今回も同じだ。
優れているのはフェースコントロールが必要なショット、意図的にフェースのセンターを外したショットでのパフォーマンスだ。
これにギャップウェッジを使う人はまれで、多くの人はサンドウェッジを使うだろう。ロブウェッジでフルショットを打つことはあまりないはずだ。PMグラインドは、グリーン周りでのさまざまなショットに最適なクラブということだ。
このことを考えると、PMグラインドが新しいタイプのウェッジであるというキャロウェイの主張を認めざるを得ない。
私は、これは「ショートゲームのドライビングアイアン」だと思う。万人向けかどうかは疑問だが、他のウェッジにはできないことができると思えば価値はあるだろう。
2019キャロウェイPM グラインドウェッジのロフトは、54°、56°、58°、60°、64°だ。使う場面はそう屋内と思うが、64°でグリーン周りを楽しむのも悪くない。
標準シャフトはKBS Hi-Rev 2.0で、標準グリップはラムキンのUTXだ。 すべてのロフトに右用と左用が用意されている。仕上げは、Platinum Chrome(写真参照)とTour Greyが選べる。
小売価格は159.99ドルで、2019年2月15日に発売される。
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