・コブラゴルフは、「KING 3D(キング3D)」と「KING Vintage(キングヴィンテージ)」パターに新たなネック形状と新モデルを追加

・既存の「KING 3D」パターのブラックバージョンも登場

・現在発売中


コブラゴルフは「KING 3D」と「KING Vintage」パターシリーズを拡張する。もちろん、この一文をパターメーカーの「お約束」として聞き流してもいい。実際ほとんどの場合は聞き流しても問題はない。

長年にわたり、私はオデッセイ、ベティナルディ、スコッティ・キャメロン、テーラーメイド、その他多数のパターメーカーについて同じ見解を述べてきた。しかし、コブラゴルフの場合は少し違うようだ。

何故かって?歴史的に見てコブラゴルフは「パターメーカー」ではないからだ。


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確かに、過去にコブラのパターは存在した。しかし、コブラはこれまで「パターラインナップ」と呼べるようなものを一貫して生産したことはないし、ましてやシリーズ化や展開に至ったこともない。

コブラのカタログを我らが“歴史家”ジョン・バーバが調べてみても、パターの品揃えは全くと言っていいほど見当たらない。私が覚えているコブラのパターは、コブラゴルフのボックスセットに入っていたブレードとマレットだけだ。

この事実だけでもコブラの新たなパターがどれほどの期待を抱かせることか。「KING 3D」と「KING Vintage」パターシリーズは、ボックスセットを完成させるために放り込まれるようなパターではない。これらのパターは、コースで、そして市場で競争するために作られているのだ。


コブラのパターテクノロジー:3Dプリント

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コブラによる「3Dプリント」の製造工程への組み込みについては、これまでにも何度か取り上げてきた。

コブラの3Dプリントの歩みは、ある技術が最初にどのように使用され、新たに実用的な知識を習得した後、その使用法が時間の経過とともにどのように変化するかについての興味深い話。新しい情報を得たら、計画を変更しても構わないのだ。

パターにおいては、2021年の「KING 3D」パターで、「アルミニウム」への3Dプリントから「ナイロン」プリントに移行したことが大きな変化だった。

初代限定版「Supersport 3Dブレード」は、コアにアルミニウム格子をプリントしていたが、その後の生産モデルでは、アルミニウムがナイロンに置き換えられた。

なぜ「ナイロン」に切り替えたのか?パターではお馴染みだが、つまりは重量の話になる。「ナイロン」は「アルミニウム」よりも軽いため、パターの中央部分を軽くすると、ヘッドの相対的重量をエッジまでスライドさせられる。

この重量シフトは、「MOI(慣性モーメント)」の最重要指標を改善し、ストローク中のパターをより安定させることになる。

ナイロンへの3Dプリントは、コブラが求めるアルミニウム同様の安定性をもたらし、重量特性を改善した。概して、コブラのデザイナーたちは、従来の技術では不可能だったパターを作ることができるのだ。

これはつまり、我々がより多くのパターを選べるようになるということを意味する。コブラのおかげで、ゴルファーはパターを「キャスト(鋳造)」、「ミリング(切削加工)」、または「プリント」から選べるようになった。


コブラのパターテクノロジー:SIKフェース

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もう一つの主要テクノロジーは、SIKゴルフの『DLTテクノロジー(段階的ロフト角)』フェースだ。SIKの『DLTフェース』は4つの異なるロフトゾーンを備えている。フェース上部のロフト角は4度で、フェース下部で1度になるよう段階的に調整されている。

これにより、インパクトの角度に関係なく、ボールは安定して1.5度前後で打ち出されることになる。

上昇、下降、水平の各ストロークにおいて、フェースのそれぞれ異なるロフトエリアにインパクトし、それら様々なフェースロフトが望ましい1.5度の打ち出しを可能にする。インパクト角が一定でなくても、『SIKフェース』があれば転がりは一定になるはずだ。


2022年コブラ「KING 3D BLACK」パター

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2つのパターシリーズのうち、2022年で最も変化が見られないのは「KING 3D」パターシリーズだ。大まかに言えば、3つのコアモデル、「Grandsport(グランドスポーツ)」「Agera(アゲーラ)」「Supernova(スーパーノヴァ)」でそれぞれが「ブラック仕上げ」で提供されるということ。

おそらく、年が経つにつれてカラーオプションも増えていくだろう。最近発表された「Palm Tree Crew Agera(パームツリークルーアゲーラ)」は、コブラがいくつかのカラーバリエーションを用意していることを示唆しているのかもしれない。


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「Agera」と「Supernova」では新しいネック形状オプションも登場する。「Agera-30」と「Supernova-30」はスラントネック、「Supernova-20」はより長いフローネックを採用している。

最終的にこれらのネックデザインは、マレットにトゥハング(トゥの傾き度合い)を加味し、よりブレードに近い軌道をもたらすことになる。

これらの新しいネック形状により、コブラのマレットはオデッセイやテーラーメイドのスラントネックマレットと直接競合することが可能になる。





ボーナスギャラリー:コブラ「KING 3D BLACK AGERA-30」

幸いこの小さな宝石を少し早く入手できたので、ここでいくつかの写真を共有しておこう。ブラック仕上げが素晴らしいというのが第一印象。初代「KING 3D」モデルのシルバーとブラックの外観はあまり好みではなかったが、今回のブラック仕上げはとても気に入っている。

サイズは変わらないのに、このブラック仕上げによってシルバーモデルの「Agera」よりも小さく見えるような気がする。

我が家のガレージグリーンで転がした感じでは、今週末に「Agera-30」をキャディバッグに入れるのが待ちきれない。バランスが取れていて使い慣れた感覚だ。『SIKフェース』で転がりがよくなるかどうか乞うご期待というところ。このパターの性能についてはまた続報をお届けする。


2022年コブラ「KING VINTAGE」パター

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2022 年の「KING Vintage」シリーズは、もう少し大幅に拡張されている。その中のひとつ「KING Stingray(キング スティングレー)」には追加のネック形状オプションがある。

「Stingray-20」ではクランクネックを採用している。確かに、パター市場にはクランクネックのマレットがいくつか存在するが、決して多くはない。いくつかのヘッドでセンターシャフトが出てきてもよさそうな頃合いなのに、残念ながらまだ見当たらない。2023年にはセンターシャフトが登場することになるかもしれない。


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2022年の「KING Vintage」シリーズでは、2つの新しいヘッド形状が追加された。1つ目は新しい「Widesport(ワイドスポーツ)」。ダブルベンドシャフトを備えたクラシックなワイドブレードデザインだ。

パラダイムを激しく揺るがすものではなく、この手のデザインを好む多くの人々に歓迎される形状となっている。これで「Vintage」ラインナップから3種類のブレードパターが選択できるようになった。


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2つ目の新しいパター、「Cuda」はより興味深いモデルだ。このマレットにはかなりのこだわりが見られる。アドレス時、3本のアライメントラインが、まるでピンの「Ketsch(ケッチ)」のような感覚をもたらす。V字型のフロントエッジがパターの中心に視線を集め、「Cuda(クーダ)」のユニークな外観を演出している。


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ソールのデザインには驚かされた。パターの後端は中空で、『可変ウエイト』が予想以上に前方に位置している。他の多くのコブラパターがウエイトを後方の角に配しているので、「Cuda」もそれに倣うだろうと考えていたのだ。


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全体として、「Cuda」とスラントネックの「Cuda-40」は、前方とエッジに重量がかかるよう作られている。ウエイトポジションはオデッセイの新しい「Tri-Hot 5K」やテーラーメイドの「FCG Spider」ほど極端ではないが、方向性は同じだ。

とにかく、パターのデザインに驚くことはめったにないので、5月に「Cuda」が店頭に並び次第すぐに転がすのが楽しみでしかたない。


コブラゴルフはパターメーカーである

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要約すると、今回のリリースはいくつかの新しいネック形状、ブラック仕上げのオプション、および2つの新しいヘッド形状で構成されている。既存の「KING 3D」および「KING Vintage」ラインナップを大幅に更新するものではないが、もしこれを取るに足らないものと見なしているならば、大局を見逃していることになる。

コブラゴルフは自社のパターシリーズを更新したのではなく、パターシリーズそのものを更新したのだ。コブラのパター作りへのこだわり、そして独自のパター製造技術に対する取り組みには大きな意味があるのだ。

コブラゴルフが「パター部門」に進出した今、他社は恐れおののくべきだろう。パター部門に進出してわずか2年で彼らは『Most Wanted』の「ブレード部門」を制覇しているのだ。

ヘッド、ネック、仕上げのオプションにより、消費者は20以上ものコブラパターから選択できるようになった。コブラには、ゴルフショップのパターコーナーで視覚的な存在感を示すのに十分な製品がある。

彼らのパターのユニークな形状は顧客を引き付け、実際に転がしてみたい気持ちにさせることだろう。

コブラのパターを一度手にしたら、それをバッグに入れるまでそれほど時間はかからないかもしれない。

「KING 3D」(349ドル)、「KING Vintage」(249ドル)ともに、5月から小売店およびcobragolf.comオンラインショップで販売されている。