革新的な進化をあなたは見たいだろうか…?
ピンの「グライド2.0ステルス」ウェッジは、2018年初頭に発売されるやいなや評判を呼び、同年の『MOST WANTED ウェッジ』の1位に輝いた。
「2.0ステルス」モデルは、2017年初頭に発売された初代の「グライド2.0」の完全アップグレード版というよりは、ちょっとした修正を加えた改良版といった位置づけだった。
しかし定義がなんであろうと、素晴らしい製品であったことは間違いないが、その「グライド2.0ステルス」も1年半で終了する。
あなたなら、再販を期待するだろうか?
ゴルファーのためにも、失敗は許されない。
ピンは、より低い打ち出し角、より多いスピン量、より良いフィーリングのウェッジを作るために革命を起こしたという。
確かに、初代の「グライド2.0」と比べると、新しい「グライド3.0」は革新的といえる。
ただし、それはあくまで「2.0ステルス」の存在がなければの話だ。「2.0ステルス」と比べた場合、進化よりアップグレードの呼び名がふさわしいだろう。
滑るソールのストライド
ピンのプレスリリースによるとグライド3.0は会心の作品だという。
なにが新しくなったのか早速見てみよう。
まず、カラーはブラックではない。「2.0ステルス」はQPQ仕上げ(ステルスなだけに目立たぬよう)だったが、新しい「グライド3.0」は初代の「2.0」と同じく、疎水性の高い「ハイドロパールクローム仕上げ」を採用している。
また、フェースも初代の「2.0」と同じ「431ステンレススチール」だ。
ちなみにステルスモデルは「8620カーボンスチール」だった。打感に影響があるのではと思う人もいるだろうが、そこはちゃんと考えられているそうなのでご安心を。
また、「2.0」では4種類のソール形状から選ぶことができた。シンソール(ローバウンス)、スタンダードソール(ミッドバウンス)、ワイドソール(ハイバウンス)そしていわゆるEYEソールだ。
EYEソールは昔ながらのピン・スタイルのソール形状で、ロフト角は54度から60度まで、バウンス角は8度で、バンカーで威力を発揮するウェッジだ。
新しい「3.0」もほぼ同じ布陣だが、「EYEソール」の呼び名は「EYE2」に変わった。ピンのクラシックモデル、40年前の「EYE2」アイアンのハイトゥ形状を継承しており、やはりバンカーショットに最適なデザインだ。
ピンの特許製法、ホイールカット溝も健在。また究極のスピン性能を誇る「2.0ステルス」同様、リーディングエッジ近くに1本の溝が追加された。
打感について
「グライド2.0」と「グライド2.0ステルス」の最も大きな違いは素材だった。
「2.0」は「431ステンレススチール」、「ステルス」は「8620カーボンスチール」。「ステルス」は見た目も打感も高評価で、かたや初代の「2.0」については打感に疑問符をつけるゴルファーが多かった。
「グライド3.0」も「431ステンレス」を採用したが、今回ピンは「i210」アイアンをお手本に、打感を改善している。
「グライド3.0」はより大きくより柔らかいカスタムチューニングポート『(CTP)エラストマー』をキャビティに採用している。
新しいインサートによりフェースを覆う部分を増やし、ソフトでありながらソリッドな打感を実現した。
さらに、この新しいキャビティと大きくなった『CTP』のおかげで外周部の重量配分が増え、重心位置を上げることで、より低い打ち出し角とコントロール性能をもたらすことになった。
もうひとつ大きな違いは総重量だ。「グライド3.0」は前作に比べて15gも軽い。
それは純正グリップと純正シャフトの重量減によるものが大きい。
ピンの「DYLAWEDGE LITE」グリップは従来のグリップより0.75インチ長いのに6g軽く、また日本シャフト製の「Z-Z115」シャフトは5g軽い。
バランスポイントが低くなるため、より低い打ち出し角とコントロール性能を手に入れた。
結論。価格とシャフトオプション、入手法
「ステルス2.0」が選択肢に入っていないなら、それもアリだ。新しい「グライド3.0」は2年半前に登場した「グライド2.0」と比べれば大きく進化している。
ただ「ステルス」の出来がよすぎたせいで驚きを感じないだけなのだ。
新しい「グライド3.0」は先行予約およびピン公認フィッターによるカスタムフィッティングが可能。
前述の通り、純正グリップは「DYLAWEDGE LITE」(3サイズ展開)、純正シャフトは日本シャフト製の「Z-Z115」。純正カーボンシャフトはピンの「アルタCBレッド」。
他に「ダイナミックゴールド」、「ダイナミックゴールド105」、「ダイナミックゴールド120」、「プロジェクトX LZ」、「トゥルーテンパー XP95」、NSプロの「モーダスツアー105」および「KBSツアー」等、追加料金なしで選べるシャフトオプションもある。
実は前作とは価格面でも違いがある。スチールで160ドル、カーボンで180ドルのメーカー希望小売価格は、「2.0」モデルに比べて2000円高くなっている。
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