2023年を代表するPING「G430 MAX」とテーラーメイド「ステルス2」フェアウェイウッドを比較。
テーラーメイドはクリアランスでお得に手にできるチャンスが近づいているが、その実力をもう一度チェックしておいて損はないはずだ。
この2つのモデルのどちらが優れているのかは、27モデルの性能テストを実施した『2023年フェアウェイウッドテスト』において既に結果が出ているので、まずはその結果をご覧いただこう。
このテスト結果は、20名のテスターを起用し、合計8,100ショットを測定して得たデータによるものだ。この結果を『2023年フェアウェイウッドランキング』の27モデルで見てみると、PING「G430 MAX」は総合10位、テーラーメイド「ステルス2」は5位となっている。
そして、その他各項目の順位がこちら。
PING「G430 MAX」VS テーラーメイド「ステルス2」フェアウェイウッド
モデル名 | 総合スコア | 飛距離 (ヤード) | 正確性 (%) | 寛容性 | ボール初速 (m/s) | フェアウェイ キープ率(%) |
---|---|---|---|---|---|---|
PING G430 MAX | 87.65/10位 | 221.5/15位 | 87.6/9位 | 88.1/6位 | 60.57/21位 | 77.8/7位 |
TAYLORMADE STEALTH 2 | 93.17/5位 | 229.9/1位 | 81.7/18位 | 84.8/14位 | 61.24/3位 | 76.1/12位 |
やはり傾向は「ドライバー」と「ユーティリティ」と同じだが、どうやら「フェアウェイウッド部門」ではテーラーメイドに軍配が上がったようだ。
では、この2つのモデルの特徴を見てみよう。まずはPINGから。
PING「G430 MAX」フェアウェイウッド
特徴
PING「G430 MAX」は、ゴルフを次なるレベルへと引き上げるためにデザインされており、精密な工学技術と先進テクノロジーが融合した画期的なクラブといえる。また、「2041βチタンフェース」、「811チタンボディ」、80gの「タングステンソールプレート」など革新的な複合構造を採用し、低・深重心化を実現。「G430 MAX」は「寛容性」が高く、直進性の高いブレない弾道と飛距離アップを提供する。
高評価
PING「G430 MAX」は、「正確性」と「寛容性」をゴルファーにもたらす。それぞれ27モデル中の9位、6位と上位クラスにランクインしており、多くのゴルファーが使いこなせるクラブと言えるだろう。また、「見た目」、「打感」、「打音」、「購入の可能性」という主観的要素の全てにおいて高評価を受けている。
低評価
PING「G430 MAX」の弱点は、15位と平均よりもやや下回る結果となった「飛距離」。だが、今回「G430」でPINGは飛距離に関するいくつもの欠点の解決に取り組んでいる。同社曰く、“G430の飛距離に関する進化は過去のPINGのモデルでは見たことがない”と言うほどだそうだ。確かに、PINGが宣伝文句として積極的に「ボール初速」をアピールしているのは、とても興味深く、想定外でもあった。PINGを長く愛用しているゴルファーなら、今回のシリーズが前作とは異なっていることを嬉しく思うはずだ。
おすすめ層
PING「G430 MAX」フェアウェイウッドは全ゴルファーが対象となっており、ロフト角の選択肢も幅広い。これは幅広い層のゴルファーが使えるオールラウンドなフェアウェイウッドであることを意味している。また打ち出しを簡単にし、スピンを軽減するために低重心化されており、キャリーがさらに伸びる。PINGならではの「寛容性」をキープしつつ、素晴らしいボール初速を生み出すというわけだ。また『カーボンフライ・ラップ・テクノロジー』により、インパクト時の「打音」と「打感」が向上している他、低重心によるボール初速アップも実現している。
では続いて、テーラーメイド。
テーラーメイド「ステルス2」フェアウェイウッド
特徴
テーラーメイド「ステルス2」は、ツアープロ達からのフィードバックに基づき大幅な改良が施されており、市場でベストなフェアウェイウッドの1つとなっている。「ステルス2」シリーズの発売における“指針”は、“ボール初速を犠牲にすることなく、多用性と操作性を向上させる”こと。これを叶えたのが「ステルス2」「ステルス2 Plus」、「ステルス2 HD」とそれぞれ異なる3モデル。『Vスチールソール』、『貫通型スピードポケット』、『アドバンスド・レーザーアライメント』、『3Dカーボンクラウン』、そしてツイストフェースには『インバーテッド・コーン・テクノロジー』という最先端テクノロジーがそれぞれに搭載されている。
「ステルス 2」フェアウェイウッドは、特にヒール/トゥ部分でわずかに高さが低くなっており、クラウンは少々フラット。芝の抜けを改善し、「寛容性」を高く、低重心を維持するのに役立つのが『Vスチールソール』だ。
「ステルス2」は、ボール初速に妥協することなく、「寛容性」が高く「操作性」に優れているという点で、3モデルの中でもっともバランスが取れている。コースであなたのゴルフをレベルアップするためにデザインされている。
高評価
「ステルス2」は、「飛距離」1位の最も飛ぶフェアウェイウッドとなった。また、「打感」1位と「購入の可能性」1位と最高評価を受けている。「飛距離」重視のゴルファーにはまさにうってつけのモデルだ。
低評価
「飛距離」ではトップだが、「寛容性」14位は平均をやや下回り、「正確性」18位とそれ以上に悪い結果となった。故にこのモデルを検討するならば、必ずフィッティングを受けることをおススメする。
おすすめ層
テーラーメイド「ステルス2」フェアウェイウッドは、「寛容性」と扱いやすさ、そしてボール初速の向上を実現する多彩性に富んだフェアウェイウッドを求めるゴルファーのためにデザインされており、プロからアマチュアまで異なるスキルやヘッドスピードのゴルファーを対象に設計されたクラブとなっている。
比較のまとめ
上記のデータ以外は、クラブの設計上やどのようなテクノロジーが搭載されているか、またそこから考えられるおすすめ層の説明が主となっている。だが、こうしたデータを元にすると、ここにはいくつかの矛盾が生じる。
それは、まずテーラーメイド「ステルス2」フェアウェイウッドの「寛容性」と「扱いやすさ」。確かに『3Dカーボンクラウン』を採用し、クラウンの軽量化によってさらなる低・深重心化を図ることで、寛容性が高くなるよう設計されたということは分かる。
それだけでなく、モデル別、ロフト別に最適化したフェースデザイン『アドバンスドICTフェース』は、より大きなスイートエリアを生み出す。
しかし、やはりデータを見ればテーラーメイドは「飛距離」で勝負しているということだろう。今回「ステルス2」が総合5位に押し上げたのも、「飛距離」と「ボール初速」が主な要因で、「寛容性」は平均以下「正確性」は平均を大きく下回っている。何よりも飛ぶクラブは魅力的で、「飛距離」が購入の決め手となることはもちろんのこと、今や飛ばなければ売れない。
テーラーメイドは2022年のツアーでドライバー使用率のトップにはならなかったが、シーズンの約80%でフェアウェイウッドの使用率でトップだった。
だがそれは、ツアーでの話だ。皆さんが最も難しいとされているフェアウェイウッドが易しさに欠けていては、更に使う頻度は少なくなり、結果的に、2打目にはユーティリティを使用することになるだろう。だがそうなると、その間を埋めるクラブが必要となり、よりクラブ選択が難しくなる。
もちろん、これも技量があれば問題はない話だ。
テーラーメイド「ステルス2」の「ドライバー」「フェアウェイウッド」「ユーティリティ」の全ては、ある程度の技量のある「飛距離」を重視したゴルファー向け。飛ばしたいゴルファーには、これ以上ない選択肢となる。
これだけの「飛距離」は魅力的だが、ある程度の易しさも必要とするならば、「ステルス2」は選択肢の最上位からは外した方がよいだろう。
一方のPING「G430」フェアウェイウッドは、安定性こそあるが、優れたパフォーマンスを発揮しているドライバーと同じような結果を残せていないのが現状だ。
「飛距離」に特化したテーラーメイドとは真逆で、PINGの課題である「飛距離」に関して、この「G430」でいくつもの欠点の解決に取り組んだものの、結果的に「飛距離」は平均以下、「ボール初速」は大きく平均を下回る結果となった。
ここで“激飛”というPINGのキャッチコピーにも矛盾が生じるわけだ。
しかしPINGには、その穴を埋められるだけの「安定性」がある。「正確性」「寛容性」そして「フェアウェイキープ率」が上位。難しいフェアウェイウッドを扱うのに、この3つの要素が優れているのは大きい。
PING「G430」フェアウェイウッドの形状はやや面長で“トゥバイアス”になっている。この目的は、フェースの芯にインパクトする頻度を高めることにある。インパクトに近い部分に重心を近づけ、『VFT(可変厚)フェース』によりストレスを分散させバランスをとる。PINGは、“クラブの振り方を変えろ”ではなく、クラブの構造でボール初速があなたにマッチするようにしているのだ。
PINGの『スピンシステンシー』テクノロジーは、フェースの大部分でパフォーマンスを安定させている。最も一般的なトップ気味のミスショットであっても。「G430 MAX」は幅広いゴルファーに適している。
たとえフェアウェイウッドの飛距離が他のモデルよりは劣るとしても、フェアウェイをキープさえできれば、優れた性能であるとお墨付きのPING「G430」ユーティリティがそれをカバーしてくれる。
安定性に優れたクラブは、先の計算がしやすい。つまり着実にスコアメイクできるクラブというわけだ。
「飛距離」を取るか、もしくは、易しく打ち上げそして「安定性」のあるモデルを取るか。
難しいフェアウェイウッドをどう扱うのかはあなた次第。さあ、あなたならどちらを選択する?
参考までに
両モデルとも「ドライバー」「ユーティリティ」同様、中古市場での回転率が良く入れば売れる商品のようだ。やはりセットで揃えたいという流れも大きいのだろう。中古価格は下記を参考にすると良いだろう。
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