・ミズノが新しい「S23」ウェッジを発表
・ウェッジ専用のテクノロジーを搭載した中級者向けデザイン
・小売価格は1本160ドル(アメリカ)
・発売は23年2月23日(アメリカ)
※日本では22年9月に発売されている。価格は¥24,200(税込)
ミズノ「S23」ウェッジは、みなさんが知らなかったであろう問題に対する答えだ。実際、ミズノはウェッジの新カテゴリーを創造したといえるだろうし、それに反対する証拠を見つけることも難しいだろう。
見た目の奇抜さはともかくとして、文字通り、そして比喩的にも重心位置を別の方向に向かわせた「Es21」ウェッジを思い出す。
つまり、重心位置がフェースのセンター方向になっているということ。
そして最終的にミズノ「S23」は、必ずしも中級者向けに見えない中級者向けウェッジと言えるのだ。
新スタイル
ほとんどのゴルファーは、当然ながら“平均的”だ。故にみんな、クラブは基本的に初・中級者部門に棲み分けされるのだが…、ウェッジとなると、一番当たり前の選択肢が理想的なものになるわけではないという問題が起こる。
解決策の一つが、セットに付属したウェッジを買うことだろう。ただし、こうしたウェッジは、基本的に“お揃いのサイズ違い”というデザイン哲学で構築されており、PWから先のあらゆるウェッジは「万能タイプ」で、主にバウンス角やグラインドのオプションなどウェッジ特有のテクノロジーと選択肢が少ない。
逆に、単品ウェッジは多くの初・中級者向けアイアンの重心位置とは違うヒール寄りの重心になっている。多くの場合、「平均的」アマチュアによるウェッジプレーのレベルの低さは、重心位置に連続性がないことが要因。
そして今日まで、多くの初・中級者向けウェッジには、「ザックリせずに…毎回バンカーから脱出する」という命題を実現するため、非常にワイドなフランジやさらなる周辺重量が採用されているのだ。
ミズノではそれに対する答えを見つけたという。
まず、ミズノが「S23」モデルで実現したのは、「JPX」初・中級者向けアイアンに基づく重心位置を持つ専用ウェッジを作るということ。さらに、多用性を向上させるために、各ロフトでバウンス/グラインドのオプションを組み合わせたのだ。
ミズノ「S23」デザイン
アドレスで見ると、「S23」ウェッジは「JPX」アイアンとホーゼル外径が同じで、ヒール部分が低くなっている。これは「JPX」アイアンとウェッジの視覚的な連続性を実現することが目的だ。
「S23」ウェッジのキャビティを見てみると、ヒール側のウエイトをトゥ側に再配置したため、ヒールポケットがある。これは物理学として単純なものであり、一部分からウエイトを取り除いて、別の部分にシフトさせることで、重心をよりフェースのセンターに向けて動かすことができるのだ。
重心位置がセンター寄りになったことで、インパクト時に当たり負けしなくなるという。言い換えると、インパクト位置と重心位置が近くなると、オフセンターヒットによる(開いたり閉じたりという)フェースの向きのブレが小さくなるということ。
さらにボールとフェースの接触時間がわずかだが長くなる。結果として、特にハーフショットなどにおいて、よりスピンがかかるようになるのだ。
ウェッジ専用テクノロジー
ウェッジを有効的にする主たるテクノロジーを封印して、ウェッジが何の役に立つのか?だよね、私にだって理解できない。そこで、ミズノは同社「T22」ウェッジの時と同様に、「S23」にロフト別の『ハイドロフローマイクログルーブ』と、こちらもロフト別の『クワッドカットグルーブ』テクノロジーを採用した。
この「マイクログルーブ」はタイヤの溝パターンと同じ働きをする。水やゴミをフェースから排除することで、ボールをしっかりコンタクトできるようになり、より安定したスピンと打ち出しを実現。
また、『Most Wantedテスト』の「ウェット(濡れた状態)ウェッジ部門」において、ミズノのウェッジは90%の「スピン保持率」を達成し、競合他社の大半を上回る結果を残したのだ。
フルショットでは、幅が狭くて深い溝が望ましい。ハーフショットでスピン量をキープすることが必要になるロフト角が寝たウェッジでは、ワイドで浅い溝が最適。これは今更なことだが、ほとんどのメーカーには、独自のロフト別のグルーブ(溝)テクノロジーがある。
ミズノと他メーカーとの違いは、おそらく「軟鉄ボロン鋼」を採用したことだろう。これにより強度が30%向上しており、さらに同社によると、エッジ(端)の半径をより精密にでき、耐久性も増すという。
バウンス角とグラインド
ミズノ「S23」ウェッジは、6つのバウンス/ロフト設定がある。46/08と51/09は、ティアドロップ型の見た目で「Sグラインド」はトレーリングエッジが真っ直ぐになっている。
このグラインドは、フルショットやピッチショットに最適だ。ロフト角56度以上になると、やや丸みを帯びた形状になっているものの、トゥ部分はティアドロップ型っぽくなっている。
ハイバウンスの56/12は「Sグラインド」でヒールが削られている一方、「Dグラインド」の56/10はヒールとトゥ部分がグラインドされているがセンターはバウンスが残されている。
58/08は56/10に似ているが、センター部分がややグラインドされており、「Xグラインド」(ヒールとトゥを大胆にグラインドしている)の60/06はバウンスが一番小さい。
価格と発売時期
ミズノ「S23」ウェッジは、「ホワイトサテンブラッシュ」と「カッパーコバルト」の2つの仕上げを採用。
小売価格は1本160ドルで発売は2023年2月23日からとなっている。(アメリカ)
日本での発売日および価格は
S23ウェッジ:ホワイトサテンブラッシュ仕上げ「Dynamic Gold HT(ダイナミックゴールドHT) スチールシャフト」¥24,200(税込)
S23ウェッジ:カッパーコバルト仕上げ「Dynamic Gold HT スチールシャフト」¥24,200(税込)
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