・PXGが「Battle Ready(バトルレディ)」シリーズに新作パター3モデルを追加

・3モデルは、全てフルミルド構造と複数のホーゼル(ネック形状)が特徴

・メーカー希望小売価格は325ドルで、pxg.comで発売中


PXGが独立記念日の週末に合わせて新作パターを発表した。幅広いラインナップの「Battle Ready(バトルレディ)」シリーズに3モデルを追加。まずは、クラシカルなPXGのパターデザインのアップデート版「Dagger+(ダガープラス)」、そして「Hercules(ヘラクレス)」、「Raptor(ラプター)」という新マレットパターの2モデルが登場。

これらの新パターは、PXG「Battle Ready」のテクノロジーと真っ黒なビジュアルが特徴となっている。

では、これらの新作3モデルがどのように「Battle Ready」シリーズにフィットするのか見ていこう。


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「この『Battle Ready』の新作モデルは、完全に最適化された『安定性』、『寛容性』、そして『一貫性』の三拍子が揃っている」 -ボブ・パーソンズPXG創設者兼CEO


PXG「Battle Ready」- 「DAGGER+(ダガープラス)」


「DAGGER+」は、伝統的なデザインに“今”を取り入れた、軍用武器の小さな剣にちなんで名付けられたブレードタイプのパターだ。

PXG初期のパターシリーズに登場した「DAGGER+」は、ヒールシャフト、センターシャフトという2つの固定されたホーゼルがあり、完璧なコントロール性を実現するために新たに生まれ変わったパターといえる。


昨今、「ブレード」パターの定義が広義に渡っていることに不満を持つ人でも、「DAGGER+」なら“ブレード”と呼んでも許してくれるだろう。この小ぶりなパターは、ブレードの精神を体現しており、研いだら危険なものになりそうだ。この「DAGGER」デザインは、当初からPXGパターシリーズに採用されている。

「DAGGER+」は、前作の「DAGGER」の要素をベースに再構築され、PXGの「Battle Ready」テクノロジーを搭載しレベルアップしている。「DAGGER+」はもちろんその他の新作パターには、“転がりが向上する”『ピラミッドフェースパターン』、『複合素材構造(タングステンとステンレススチール)』、『可変式ウエイト』を採用。

念のために伝えておくと、「Battle Ready」のソールウエイトは、PXG初期の小さなスクリュータイプのウエイトではなく、自宅で簡単に調整できる大きめのウエイトになっている。

余談だが、私は最近取り外し可能なウエイトを外そうとして、新しいスコッティキャメロン「Phantom X(ファントムX)」のソールに傷をつけてしまった・・・。

気を取り直して。「DAGGER+」のもう一つの特徴は、口うるさい少数派には歓迎されるであろうセンターシャフトのオプションだ。ホーゼル(ネック形状)タイプは「Battle Ready」パターシリーズの中核をなすもので、トゥハング(トゥの傾き度合)や見た目のデザインは、ユーザーのニーズに応えるものとなっている。


PXG「Battle Ready」- 「HERCULES(ヘラクレス)」


軍用輸送機から名付けられた中型マレットの「HERCULES(ヘラクレス)」は、「RAPTOR(ラプター)」よりも軽量で、安定性の向上とカスタマイズが可能になるよう、ソールに2つの『タングステンインサート』と2つの『調整可能ウエイト』を搭載。ボールを挟める「ソフトバラスト」と「ロングフランジサイトライン」により直感的なアラインメントを実現する。


「HERCULES」については、リリース時の情報を何度か読み返す必要があった。なぜなら、「ヘラクレス」というネーミングから、分厚い感じのものではなく中型マレットであることが何だか奇妙に思えたからだ。

「HERCULES」はPXGの新作マレットデザインで、その他の同社マレットシリーズとは少々異なる。PXG「Battle Ready」パターのほとんどが、『調整ウエイト』を4つ搭載している一方で、「HERCULES」はたった2つ。

そしてこのパターにおいては、タングステンの量が多くなっており、ベースのMOI(慣性モーメント)が高いということを主張している。

まず、「HERCULES」を見るとピンの「Oslo(オスロ)」を思い出す。「Oslo」のように「HERCULES」も両サイドにある傾斜が特徴で、全体的な見た目が凹んだようなデザインになっている。

センターにある長いサイトラインで視覚的にボール捉え、ターゲットに転がすことが可能。

だが、もっと明確にターゲットに対して正確に狙えるモデルをお探しなら、PXGの「2011」パターシリーズをチェックすること。あるいは、もう一つの新しい「Battle Ready」マレットパターである「RAPTOR(ラプター)」を見てみると良いだろう。





PXG「Battle Ready」- 「RAPTOR(ラプター)」


「RAPTOR」パターは、一眼でわかるサイトラインのストライプによりアライメントが容易になり、4つの調整ウエイトがヘッド重量とバイアスの調整を可能にしている。

このマレットタイプのパターは、後部の「タングステンインサート」が特徴となっており、クラブヘッドの深部に重量を配置していることで重心位置を最適化し、優れたストロークの安定性も実現している。

「RAPTOR」は、ソールから見ると他のPXGパターと同じように思えるだろう。このパターも他の「Battle Ready」同様、ソールに4つのウエイト、タングステン、またベトナム戦争時に第26海兵連隊として従軍したPXGオーナーのボブ・パーソンズ氏を示す「26スカル」デザインを採用している。

しかし、逆側をみると、すぐに他の「Battle Ready」とは全く違うことがわかる。


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「RAPTOR」は、アドレス時に目標に向きやすくなっている。と言うよりも、向けないことが不可能とでも言うべきか。この魅力的な大きなサイトラインを見て欲しい。

これで方向性が定まらないなら、もうエイミングすることは止めたほうがいい。このアライメント機能をさらに際立たせる唯一の方法は、レーザーを発射させるくらいしかない。

簡単なことではないかもしれないが、この大きなサイトラインを無視できれば、「RAPTOR」の興味深いボディのラインを探っていくことができる。

このパターからは、他のモデルの幻影を感じないか・・・。ピンの「Ketsch(ケッチ)」を感じるし、昔のオデッセイの「2ボール」のボディにも思える。またイーブンロール「ER11V」っぽさもあるし、テーラーメイドの「Spider GT Rollback(スパイダーGTロールバック)」感も醸し出している。


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“パターの中にパターを見る”ということは、私が時折やってしまう癖だが、思うに、このパターは「PARTOR(ラプター)※1」よりも「ロールシャッハ※2」というネーミングの方が良いのかもしれない。

なんて冗談はさて置き、とにかく「RAPTOR」には、融合という魅力的でどこか似ているような独特な感じがする。試してみたいパターの一つであることは間違いない。

※1「PARTOR(ラプター)」:アメリカで開発されたステルス戦闘機、F-22の愛称。

※2「ロールシャッハ」:ロールシャッハ・テスト。思考過程やその障害を推定する性格検査の一つ。紙の上にインクを落とし、それを2つ折りにして広げることにより作成されたほぼ左右対称の図を見せて何を想像するかを述べてもらい、その言語表現を分析すること。


広がったグリップの選択肢

※動画内:

GRIP OPTIONS: グリップオプション

7 OPTIONS: 7つの選択肢

SMALLER:Traditional,more feel 細め:伝統的で、よりフィーリングが得られる

LARGER : More stable,comfortable larger hands 太め:より安定し、手が大きい人にフィットする

TRADITIONAL:Tapered from top to bottom to provide stability and feel 伝統的:グリップエンドから先端に向かってテーパーしており安定性と打感を提供

STRAIGHT : Maintaining a seable stroke with minimal hand rotation ストレート:手のローテーションを最小限に抑えた安定したストロークをキープ


「Battle Ready」シリーズのラインナップで私が高く評価しているのは、グリップの選択肢が増えたことだ。今回からPXG「SuperStroke」グリップがラインナップ。25ドルの追加料金がかかるが、特に2つの「SINK FIT」オプションのどちらかよりも「SuperStroke」のいずれかの方が良いパッティングができるという人にとっては、適正な料金だと思う。


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PXG「Battle Ready」パター:ゴルフ界で最も多様性に富んだパターシリーズなのか?

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PXG「Battle Ready」パターシリーズは、今日の市場で最も多様性に富んだパターモデルだ。同社の5つのブレード、7つのマレットという数は、オデッセイやスコッティキャメロンのようなビッグネームにも引けを取らない。

ホーゼル(ネック形状)のオプションも含めると、PXGは他のどのメーカーよりもストック品を取り揃えていることになる。

確かに、ネットでカスタムオーダーできるパターを“ストック品”と呼ぶのは言い過ぎかも知れないが、全てのホーゼル(ネック)オプションは全て同価格なので、ストック品と呼ぶことに私は抵抗がない。好きなホーゼル(ネック形状)を選んでも価格は325ドルのまま。フルミルドのパターとしては、良心的な価格だろう。


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「HERCULES」のクランクネックが良いなら、そうすれば良い。PXGなら追加料金がかからず対応可能。これは他のパターメーカーではできないことだ。

もしスコッティキャメロン「Phantom X 5.5」をクランクネックにしたければ、あなたがジャスティン・トーマス本人である必要がある。いずれにしても、あなたのお好みのパターはどれだろうか?私なら「RAPTOR」を選ぶだろう。

そして、PXG「Battle Ready」パターシリーズが今年、頂点に立ったことをお忘れなく。「Battle Ready Bat Attack」は2022年『Most Wanted』のベストマレットパターに輝いている。

詳細は、pxg.comまで。