オデッセイゴルフが11月1日に、「Ai-ONEパター」と「Ai-ONE MILLEDパター」をお披露目した。通常、こうした大きなリリースは、PGAショーがある1月に発表されるのだが…。

それはともかくとして、オデッセイが新しくリリースした2シリーズのパターを詳しく見ていこう。

今回の新作で注目なのは、発表時期ではなく、新しい「AIテクノロジー」を搭載していることだ。私はパターに関して誇張しがちなことがあるが、今回はちょっと違う。

今回オデッセイが、新しい「Ai-ONE」と「Ai-ONE MILLED」パターに採用したテクノロジーは、この10年において最も重要といえる。オデッセイがここまで進化を遂げて来たということは、彼らがかつてのようなパターを作る可能性はほぼ0ということだ。

大袈裟に聞こえるかもしれないが、それくらいスゴいと言うことを伝えたいんだ。


簡単なまとめ

・オデッセイが、AIを新しい「Ai-ONE」と「Ai-ONE MILLED」パターシリーズに搭載。

・それぞれのパターには、AI設計のフェースインサートを採用。

・新しいフェースデザインはスピードの一貫性を向上させ、標準的なミルドパターと比べてボールを「21%カップに近づける」。

・11月3日発売。希望小売価格は299.99ドル(Ai-ONE)・449.99ドル(Ai-ONE MILLED)。

日本での価格は、「Ai-ONE」 :¥ 41,580 から(税込)/「Ai-ONE MILLED 」:¥ 61,380 から(税込)。


オデッセイがパターの世界にAIを注入

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課題解決に「AI」を使うことは、ゴルフ業界だけでなくよくあることだ。実際、キャロウェイはAIをドライバーのフェーステクノロジーに数サイクルに渡り採用してきた。2019年の「エピックフラッシュ」に搭載したフェース構造の開発前にキャロウェイが15,000通りに及ぶフェース構造を試すことができたのも、この「AI」のおかげということを覚えている人もいるだろう。

「AI」がなければ、開発陣がそこまで多くのドライバーフェースを設計することなどできないはずだ。

そしてここにきて、オデッセイがパターデザインにAIテクノロジーを採用している。とはいえ、そのタスクは言うまでもなくChatGPTに「最高のパターを作って」と入力するほど優しいものではない。まずオデッセイが取り掛からなければならなかったことは、ゴルファーが「パットでどんなミスをし、ミスした時に何が起きるのか」を特定して、その課題の解決法を見つけることだった。


オデッセイのスパコンが必要だったのはヒューマンデータだった

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ChatGPTや他のAIツールを使ったことがある人なら、アウトプットが質問程度のものになるということはご存知だろう。オデッセイにとって、「どうしてツアープロはミスパットするのか?」という最初の疑問はそもそも何てことないものだけど、AIデザイナーに正しい情報を与えるという点では欠かせないものだった。

そして、その答えは、ツアープロが毎度のごとくスーパーショットを放っているのを見ている我々にとっては、ちょっと意外なものだった。というのも結局のところ、ツアープロがミスパットするのは、我々と同じくフェースのセンターを外しているからだということが分かった。ヒール側だろうがトゥ側だろうが、こうしたミスが初速に影響する。

そこでオデッセイでは、全データを分析しスピードコントロールこそがパッティングを成功に導く重要な指標であると判断したわけだ。

考えてみれば簡単なことだ。ゴルファーが2人いて、それぞれ約10mのパットを打つとする。因みに約10mはツアーにおけるホールまでのパッティングの平均距離。もし、プレーヤー1が約90cmに寄せると、ツアープロならここから99%の確率で決めることができる。一方、プレーヤー2が約1.8m残したとすると、ここから決められる確率は約70%。プレーヤー1には無関係だけど、プレーヤー2はここで3パットのリスクがあるというわけだ。

オデッセイによると、昨季、ツアープロは3パットで2,500万ドル以上をもらい損なったらしい。

パットのスピードをコントロールできて、ファーストパットのミスがカップに近づくものになれば、3パットの可能性は軽減されるし、なくなるかも知れない。そして、これを知ったオデッセイは、コンピューターに次の質問を投げかけた。


どうすればフェース全体の初速を一定にすることができるのか?

初速のバラつきがミスパットの主要因であることが分かると、オデッセイの開発陣はAIを用いてフェース全体の初速のバラつきを最小限に抑えるフェースを開発した。そしてそこには、「打音」と「打感」の良さがなくては、誰も使ってくれないということも意識していた。

こうして生まれたのが「Ai-ONE」と「Ai-ONE MILLED」パターに搭載された新しいインサートだ。これらは素材こそ異なるが、どちらもオフセンターヒットによる初速のバラつきを抑えるようになっている。


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コレ系の話は、フェースの「溝」について語られる際に聞いたことがあるかも知れない。確かにそうだよね。多くの「溝」は、これと同じ意図でデザインされているのだから。ところが、この新しい「Ai-ONE」フェースは、重要な部分でいくつか違う。

まず、「Ai-ONE」フェースは、フェースセンターの初速が落ちない。「溝」のデザインには、フェース面の初速の均衡化を図るため、エッジ側の初速をアップさせてセンターの初速を落としているものもあるが、フェースセンターのフィーリングが悪いパターを受け入れない人もいるからだ。

もう一つの興味深い相違点は、多くの溝のデザインがフェースの横方向の初速を標準化しているのに対して、「Ai-ONE」フェースは、横と縦方向の初速の変動に対応しているということ。フェースのどこに当たっても、「Ai-ONE」フェースなら普通のミルドパターに比べてよりパットの初速が安定するようになっている。


オデッセイ「Ai-ONE」インサート

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ではまず、ツアープロ数名のバッグに既に入っているオデッセイ「Ai-ONE」から。ツアー通算4勝で今年のマスターズで優勝したジョン・ラームは、ライダーカップで「Ai-ONE Rossie(ロッシー)」に変更した。

そう、ツアーでトップにいるプロが、ビッグイベント前に「Ai-ONE」に乗り換えたというわけ。何故かって?オデッセイの開発陣が、昨季、3パットでラームが250万ドル損したって説明したからだよ。これは仮定の話だが、ラームが飛距離コントロールを21%(オデッセイが開発中にチェックした平均値)向上させた場合、3パットの確率は減ってラームの「ストロークス・ゲインド・パッティング」は跳ね上がるらしい。

ライダーカップでのラームの驚くべきパッティングはみんなも知っているはず。噂では、あわやイーグルだったパットも実際はミスヒットだったらしい。ともかく「Ai-ONE」インサートが活躍したってことだ。

この「Ai-ONE」シリーズはインサートが2層になっている。裏側はアルミで、AI設計の複雑な形状が特徴。

一方、「アルミインサート」の表側は「ホワイトホット」のウレタンポリマーでコーティングされている。まさに両方の良いとこ取りをしたってこと。AI設計の「アルミインサート」による性能向上と「ホワイトホット」のパフォーマンスと「打感」を手にできるというわけだ。


オデッセイ「Ai-ONE」パターシリーズ

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オデッセイの「Ai-ONE」パターシリーズは4モデルあり、「Ai-ONE SEVEN」のネックオプション2つも含めると5モデルとなる。そして、それぞれに新しい「Ai-ONEポリマー/アルミ」インサート、「ストロークラボ90」シャフト、ブルーPVD仕上げ、脱着式のウエイト、そしてオデッセイのグリップが採用されている。


オデッセイ「Ai-ONE #1」パター

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オデッセイ「Ai-ONE #1」は、クラシカルなアンサーデザインになっていることが特徴。シリーズのモデルの中で、この「Ai-ONE #1」は最も伝統的なデザインを採用している。ある意味、「『Ai-ONE』とは何か?」をテストするには最も興味深いモデルと言えるだろう。

オデッセイのパターでも、他ブランドのパターでも、多くのゴルファーがこのデザインのパターを使用しているが、その理由は使い心地が良いということと、デザインも機能しているから。今回の「Ai-ONE」インサートなら、他のインサートを採用しているミルドパターや他モデルに比べ、さらにこのクラシカルなデザインの方が良いと感じるだろう。



オデッセイ「Ai-ONE DOUBLE WIDE(ダブルワイド)」パター

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このオデッセイ「Ai-ONE DOUBLE WIDE」は、同シリーズにもう一つあるブレードパターだ。ぼってりしたブレードでありながらトゥヒールバランスになっているので、ブレードであることには変わりない。

「DOUBLE WIDE(ダブルワイド)」の人気が高まったのは、初代の「Stroke Lab(ストロークラボ)」シリーズが登場してから。オデッセイでは、ワイドなブレードをその前からリリースしてきたが、「DOUBLE WIDE」というネーミングはそのシリーズから採用されていると思う。

とにかく、この「Ai-ONE DOUBLE WIDE」はダブルワイドでゴルファーが好む全てを備えている他、従来のミルドパターよりも21%もカップに近づけられることから、今回のシリーズの目的は備えていると言える。



オデッセイ「Ai-ONE ROSSIE S(ロッシーS)」パター

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このオデッセイ「Ai-ONE ラームシー S」ではなく、「Ai-ONE ROSSIE S」はクラシカルなラウンドマレットになっていることが特徴。“クラシカル”と言い続けているが、この「Ai-ONE」シリーズの全ヘッドは、ツアーで実証済みのクラシカルなオデッセイデザインになっている。

確かに、この「Ai-ONE ROSSIE S」は、ラームが使っていることで最近有名になったが、初代「ROSSIE(ロッシー)」が登場したのは、ラームが生まれたころだ。オデッセイには、「Ai-ONE」インサートでパフォーマンスが向上し、優れたパターがさらに優れたものになるという絶大な影響力を誇る勝ち組のパターヘッドデザインを持ち合わせているのだ。



オデッセイ「AI-ONE #7」「AI-ONE #7 CH」パター

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クラシカルな「牙」形状のパターに対するオデッセイ流の答えが、「Ai-ONE #7」だ。違うな、オデッセイの「#7」がクラシカルな牙形状というべきか。このモデルは「#7」の大型版で、スラントネックとクランクネックをラインナップしている。

ラームの「Ai-ONE ROSSIE S」の変更が大きな話題になっているが、他のオデッセイ契約プロも同様にモデルチェンジしている。例えばパターを変えたことがないはずのサム・バーンズが、テスト直後に「Ai-ONE #7」に変更したのだ。

これって、別にオデッセイがツアープロに変更を求めてお金払ったわけではない。実際ツアープロの“多く”は、オデッセイからの見返りなしでオデッセイのパターを使用している。彼らのほとんどが望んでいるのは、十分にあるお金ではなく優勝なのだから。「Ai-ONE」シリーズに乗り換えているのも、それが理由ってわけだ。



オデッセイ「Ai-ONE MILLED(ミルド)」パター

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オデッセイの「Ai-ONE MILLED」は、スパコンによる「Ai-ONE」インサートと精密ミルドパター構造を組み合わせたパターシリーズで、ミルドパター市場のシェアを大幅に取り込もうというオデッセイの新たな試みといえる。

オデッセイは、ツアー優勝回数や小売での販売などパター部門の大部分で圧倒しているが、ミルドパターの販売額は独占状態と言えない。同ブランドでは、精密ミルドとパフォーマンスを向上させる「Ai-ONEインサート」を組み合わせることで、ミルドパター部門において、他のパターとこの「Ai-ONE MILLED」パターを差別化しようと考えているわけだ。


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この「Ai-ONE MILLED」パターのインサートは「6-4チタン」が採用されている。各モデルの最後が「T」になっているのもそれが理由。ノンミルド版と違って、このモデルはインサート裏側のバリアブルな(厚みが変化している)形状が見える窓を備えていないことも特徴となっている。

とはいえ、「Ai-ONE」のテクノロジーは備えている。インサートのフェース面はカッコ良いミーリング(削り出し)の模様を見ることができ、裏側はコンピューターにより生成された複雑な形状をしていることが特徴だ。こちらも、オフセンターヒット時のボール初速を向上させるためにインサートがあることに違いはない。

巷にある多くのミルドパターは見た目が全てで、少なくとも補助的なパッティングテクノロジーを重要視していない。一方、この「Ai-ONE MILLED」パターは、ミルドパターの見た目とパットをより決められるインサートを備えている。果たしてオデッセイのミルドパター市場におけるシェアはこれで広がるのか?

では、オデッセイ「Ai-ONE MILLED」7モデルをチェックしていこう。


オデッセイ「Ai-ONE MILLED ONE T」パター

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「Ai-ONE MILLED ONE T」は、「デールヘッド(クラシック)」タイプでトゥヒールウエイトデザイン。リアのバンパー部分とヘッドのリアコーナーが丸みを帯びている。こうすることで、アドレス時に前方に目線を導くことが可能になるのだ。

またトップエッジにサイトラインがあることも特徴。こうすることで目線をパターのボール側にすることが可能になり、ターゲッティングしやすくなる。個人的には、キャビティ部分にサイトラインがあるよりも、オデッセイがこうした要素を組み合わせている方が好きだ。



オデッセイ「Ai-ONE MILLED TWO T」パター

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「Ai-ONE MILLED TWO T」は、話題になりそうなパターだ。見た目だけじゃない。「Ai-ONE」パターの「ウレタン・アルミインサート」から、「Ai-ONE MILLED」の「ミルドチタンインサート」に変えると、インパクトで違ったフィーリングが得られる。

「Ai-ONE MILLED」インサートは、インパクトで金属的な打感をもたらしてくれる。フルミルドのパターにありがちなフィーリングに似ているが、全く同じではなく、ミルドフェースのような打感になっている。また、ディープミルドフェースよりもソフトで、フライミルドフェースよりも硬いフィーリングになっていることが特徴。



オデッセイ「Ai-ONE MLLED THREE T(ミルドスリーT)」パター

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トゥーロンデザインのオデッセイパターをご存知の方にとって、この「Ai-ONE MILLED THREE T」はトゥーロン「ATLANTA(アトランタ)」に思えるかも。スラントネックの素晴らしい見た目をしたコンパクトマレットで、ややトゥハング(トゥの傾き)になっており、ブレードのようなフィーリングが得られることが特徴だ。

また対称的なヘッドになっており、「#9」の代わりを探している方は試してみても良いけど、トゥハングが不十分と感じるかも。個人的には、真の「#9」がオデッセイのパターシリーズにいつ復活するのか気になるところだ。



オデッセイ「Ai-ONE MILLED SIX T(ミルドシックスT)」パター

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「Ai-ONE MILLED SIX T」はオデッセイの「新型ヘッド」を採用している。トゥーロン「Memphis(メンフィス)」に少し似ているが、ややコンパクトな仕上がりになっていることが特徴だ。とはいえ、「Memphis」を使っていた人にとっては一番試したくなるモデルになると思う。

また、このモデルのダブルベンドシャフトと丸型形状は、小ぶりなマレットを使っているゴルファーにも馴染みやすく感じるはず。また、フロントエッジ部分の微妙な「T」の形により、エイミング(正しい方向に狙いを定める)しやすくなっている。



オデッセイ「Ai-ONE MILLED SEVEN T」

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「Ai-ONE #7」よりも小ぶりなのが、この「Ai-ONE MILLED SEVEN T」だ。「Ai-ONE #7」と同じ形状をしているが、それよりも20%ほど小さくなっていることが特徴になっている。

また、このモデルは「クランクネック」と「ダブルベンド」モデルがラインナップ。スラントネックが欲しい人は、ノンミルドの「Ai-ONE」の方を選ぶのがおすすめだ。もしかすると、将来的にスラントネックの「Ai-ONE MILLED SEVEN T」が発売されるかも知れないし、「Ai-ONE」のガレージモデルとして登場するかも知れない。



オデッセイ「Ai-ONE MILLED EIGHT T(ミルドエイトT)」パター

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トゥーロンデザインの「Daytona Beach(デイトナビーチ)」が、「Ai-ONE MILLED」シリーズで「Ai-ONE MILLED EIGHT T」となって登場。このモデルは今回の丸型マレットの中で最大ヘッドになっており、「Memphis(メンフィス)」と「Indianapolis(インディアナポリス)」の間の子のように見える。

また構えてみると、ウエイトが後方にあるようにも見えるが、この「Ai-ONE MILLED EIGHT T」の『アジャスタブル(調整)ウエイト』は、他の「Ai-ONE」パターと同じように前方に配置されている。ウエイトの配置が前方にあることで、重心も前方にシフトされ、ボールの転がりが向上するというわけだ。



オデッセイ「Ai-ONE MILLED ELEVEN T(ミルドイレブンT)」パター

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大型で四角いヘッドを探しているなら、「Ai-ONE MILLED ELEVEN T」の右に出るモデルはない。確かに正方形ではないが、パターを構えた時の中央の四角形が非常に目立つようになっている。

このいい感じのアライメントラインを見て欲しい。これでこの「Ai-ONE MILLED ELEVEN T」をターゲットに向けて構えられないなら、眼科に行くべきだと思うくらい非常にわかりやすい。当然、ストロークする必要はあるが、このレンガのようなデザインのアライメントシステムのお陰で、あなたのパッティングの心配事から「正しくエイミングする」ということは消し去ってくれるはずだ。



オデッセイ「Ai-ONE」、「Ai-ONE MILLED」パターについて思うこと

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オデッセイの「Ai-ONE」、「Ai-ONE MILLED」パターシリーズは、パターデザインにおける偉大なる革新か?と言われれば、多分そうだろう。一方で、AIから生み出されるものは、コンピューターに入力される質問と同じレベルにしかならないが、オデッセイが適切な問いとして、「スピードコントロール」に焦点を当てたことは正しい選択だったのだろうか?

もし来年、ジョン・ラームが3パットを減らして、もう2,300万ドル稼いだとしたら、彼のこの質問に対する答えは多分イエスだろう。

そして、「Ai-ONE」パターにすぐ飛びつく層は、既存のオデッセイユーザーになるはず。ラームのように、使用中のオデッセイパターが自分に合っていることを知っているからだ。これに新たな「Ai-ONE」デザインが加われば、しっかりフィットしたパターは、ミスヒットも修正してくれる。こうなると、新モデルに変えない手はないよね?


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一方、オデッセイが新パターを売るのに最も難しい層も既存のオデッセイユーザーだ。自分に言わせると、これって毎年素晴らしいパターを作ることに対するペナルティのようなもの。その性能の高さゆえ、オデッセイパターを買った人はそのパターに固執するからだ。

オデッセイの契約プロでもそうでなくても、「Ai-ONE」パターを試すとすぐにスイッチしているのが現状だ。これと同じ現象が小売市場にも波及するのかどうか興味深いところではある。

そして「Ai-ONE」インサートの製造は、オデッセイにとって転換点を意味する。彼らの開発が本当に役立つインサートを生み出したのなら、AIが編み出したインサート以外に戻るなんてことはあり得ないはずだ。

「Ai-ONE」、「Ai-ONE MILLED」パターシリーズの詳細は、OdysseyGolf.comでチェックして欲しい。


「Ai-ONE」、「Ai-ONE MILLED」パターのQ&A

AIドライバーよりもAIパターの開発に時間がかかったのはなぜか?

皮肉を言うと「ドライバーは儲かるから」だ。でも実際は、パターの“質問”がややこしいことと関係しているからかも知れない。

ドライバーは、フェースのどこからでも遠くまで飛ばすことだけ考えれば良い。一方、前述したように、オデッセイはまずパットがなぜ外れるかを解明し、その問題に対応する必要があった。皮肉なことに「フェースのどこでも遠くまで転がす」ことは、パターでもそれほど的外れなことではないように思うけどね。


ブルーのカラーリングには触れなくて良いのか?

確かに…。注目は「Ai-ONE」インサートなのは間違いないが、ネイビーブルーのPVD仕上げも取り上げる価値はある。今回ブルーを採用した理由はいくつか考えられる。まず、ショップのパター売り場で目立つから。これは「Ai-ONE MILLED」パターだと、他のバターがシルバーばかりだから特にそうだろう。そして、このブルーカラーは、他のミルドパターにはない異なる補助的なテクノロジーがあるということも物語っている。

また、ブルーの色合いも面白くて、光の加減によってはブラックに見えたり、ディープブルーに見えることもある。

そして、仕上げの耐久性が気になる人のために、オデッセイにそのあたりも聞いてみた。今回の仕上げは、以前、日本限定のオデッセイ「Tri-Beam(トライ ビーム)」シリーズで採用したものと同じとのこと。このモデルは発売されてしばらく経つが、仕上げの耐久性に関するクレームはゼロということだ。


「Ai-ONE」の矯正テクノロジーは、どんなゴルファーがどんなパターを使っても同じ結果になるのか?

だとしたらヤバくないか?目についたパターを手にすればインサートが全てを補ってくれる!って、残念ながらそんなことはない。まずは自分のストロークにベストマッチするパターを選ぶことが第一歩。「Ai-ONE」インサートテクノロジーがそのマッチしたパターのミスヒットを改善してくれるのは、それからってことだ。


この「AI」商品が、話題だけのパターじゃないということはどうやったら分かるのか?

疑うことは悪いことではない。特にゴルフならそうだろう。昨日も、スイング5回(+100ドル)でスイングを直すというメールが来たばかりだ。当然、オデッセイはパターを売ることを生業にしているが、私はオデッセイブランドを支える人たちを何年も前から知っている。性能が良いパター作りに対する彼らの熱さも見てきている。

私のことが信じられないなら、ツアープロで考えて欲しい。彼らはこの世で最も実力のあるゴルファーだ。彼らの望みは勝利。ここまでジェイルバードをたくさん目にしたのも、それ以外に理由がないからでしょ?ツアーで成功しているプロ、特にラームやバーンズのようにパットが上手いプロは、新しいパターが今のものよりも優れている時だけ乗り換えるはずだ。