HONMAの新しい「TW767」ウッドとアイアンが登場。このゴルフクラブは、ゴルファーにとっての重要なポイントを思い出させてくれる。

HONMAは北米市場での知名度は低いが、同社のドライバー、アイアン、ウェッジは、これまでの我々の「性能テスト」においてもそこそこの結果を出してきた。しかし、HONMAは北米市場を“未だわかっていない”日本のメーカーの典型と言えるかもしれない。

現在、HONMAは高級路線の「ベレス」シリーズに巨額の投資を行っているが、新しい「ツアーワールド767」ウッドとアイアンは、もっと幅広いゴルファー向けの製品。

HONMAの実績を考えれば、彼らの製品は市場でもっと評価されてしかるべきだと思うが…。

では、新しいHONMA「TW767」ウッドとアイアンについて押さえておきたい5つのポイントについて見ていこう。


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

1、さらなる10Kドライバー2モデル

我々の把握するところでは、新しいHONMA「TW 767」と「767 MAX」ドライバーの登場により、市場に出回っている10K ドライバーの数は、PING、PXG、テーラーメイド、そして意外や意外のツアーエッジに加わり6モデルとなった。

詳しい人なら知っていると思うが、「10K」とはUSGAが5,900 g-cm2に制限している左右(ヒール・トウ)のMOI(慣性モーメント) と、規制されていない上下のMOIを組み合わせた数値だ。

「TW 767」と「767 MAX」ドライバーはいずれもヘッド体積460ccで、『カーボンロールテクノロジー』と呼ぶ技術を採用している。つまり、クラウンからソールまでのボディ全体は継ぎ目のない一体成型のカーボンで構成され、チタンフレームが『β系チタン』フェースの支柱として機能する。

HONMAによると、新しい2つのモデルは、前モデルに比べて左右のMOI が約12%アップし、『β系チタン』フェースは11%強度が増したという。


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

さらに、両ドライバーの後部には20.5gの反転可能なウエイトを搭載。これが重心位置をより低く、より後方に配置されることでMOI確保に大きく寄与している。興味深いのは、この「リアウエイト」は、最近のドライバーでは一般的となっている3ポジションではなく、2ポジションである点だ。

ウエイトを反転させてヒール/トウいずれかの重量を増やすことで、ドライバーのドロー/フェードバイアスを高められるよう設計されている。

「TW767 MAX」は明らかにドローバイアスだが、標準の「TW 767」はほぼニュートラルだ。「MAX」のロフト角は9度、10.5度と12度、標準の「TW 767」は9度と10.5度。いずれもHONMAのウェブサイトにて650ドルで先行販売中。出荷は12月1日となる。


※日本での発売は11月29日で現在予約受付中!

◆T//WORLD TW767 MAX DRIVER(ツアーワールドTW767 MAXドライバー) / ¥ 102,300 ~ ¥ 135,300(税込)

◆T//WORLD TW767 DRIVER(ツアーワールドTW767ドライバー)/ ¥ 102,300 ~ ¥ 135,300(税込)

詳細はHONMAホームページより!


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

2、低スピンドライバーもある

「10K」に興味がないゴルファーにもHONMAは対応している。「TW767 LS」は典型的な低スピンドライバーだ。ヘッド体積は450ccでスピンを減らしてボール初速を上げるため、より前方に重心を置いている。

ソールウエイトは2つ。2つの15gウエイト(「767」と「767 MAX」のウエイトに類似)は後方にあり、1.5 gのソールウエイトはフェースのすぐ後ろに配置されている。

HONMA「TW767 LS」は、『カーボンロールテクノロジー』を採用しているが、合計MOIは「10K」には及ばない。HONMAはこのドライバーの標準の左右MOIが4,300であることのみ公表している。


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

新シリーズでは、HONMA独自の「Vizard」シャフトが標準装備。「Vizard」シャフトは日本の酒田市にあるHONMAの工場で“匠”(名工)によって手作業で巻かれている。標準シャフトは「Vizard EZ-C」で、中調子でチップとバットが比較的柔らかい、高打ち出し、中スピンが特徴。

その他「Vizard」シャフトは3種ある。バット部が硬く、中先調子の「EZ-A」、高打ち出し低スピンの「EZ-P」、中打ち出し低スピン「EZ-Z」。いずれもカスタムオーダーで入手可能だ。


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

HONMA「TW767 LS」はオンラインで購入可能。出荷は12月1日。小売価格は700ドルだ。


※日本での発売は11月29日で現在予約受付中!

◆T//WORLD TW767 LS DRIVER(ツアーワールドTW767 LSドライバー)/ ¥ 115,500 ~ ¥ 148,500(税込)

詳細はHONMAホームページより!


3、フェアウェイウッドと“ユーティリティ”ウッド

HONMAの新しい「TW767」フェアウェイウッドシリーズには、固定ホーゼルの4モデルが用意されている。標準の15度、18度、21度の3番、5番、7番ウッドに加え、“ハイローンチ”の頭文字をとって3HLと呼ばれる16.5度のモデルだ。

4つのモデルはすべて大きくシャローな形状で、後部に13gの「タングステンウエイト」を搭載しており、高打ち出しが期待できる。

3番ウッドと3HLウッドには、重心をさらに低くするカーボンクラウンと、ボール初速を高めるHONMA独自の「高強度マレージング鋼カップフェース」が採用されている。5番ウッドと7番ウッドには、標準の「高強度マレージング鋼ロールフェース」が採用されている。


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

また「TW767」フェアウェイウッドは、ドライバーと同じ標準シャフトのラインナップを採用している。


※日本での発売は11月29日で現在予約受付中!

◆T//WORLD TW767 FAIRWAYWOOD (ツアーワールドTW767フェアウェイウッド)/ ¥ 58,300 ~ ¥ 91,300(税込)詳細はHONMAホームページより!


どういうわけか、HONMAはユーティリティを「ユーティリティウッド」と呼んでいる。「TW767」シリーズには3番から6番の4つのモデルに、ロフト角18度から27度まで3度刻みで用意されている。

フェアウェイウッドと同様に、ロフト角の少ない番手(3番と4番)のユーティリティには「マレージング鋼のカップフェース』が採用されているが、5番と6番“ユーティリティウッド”には標準の「ロールフェース」が採用されている。

“ユーティリティウッド“の標準シャフトは「Vizard EX-C」、ハイブリッド専用の「EX-TH」はオプション扱いだ。


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

フェアウェイウッドの小売価格は350ドル、ユーティリティウッドの小売価格は325ドル。


※日本での発売は11月29日で現在予約受付中!

◆T//WORLD TW767 UTILITY (ツアーワールドTW767ユーティリティ)¥ 47,300 ~ ¥ 84,700(税込)

詳細はHONMAホームページより!


4、上級者向け「TW767」新アイアン2機種

HONMAのアイアンは常に、独特で型破りといってもいいレベルだ。今回の目玉は、クラシックな上級者向けキャビティバックアイアン「TW767 Tour V」だ。「Tour V」はコンパクトな一体成型の軟鉄鍛造モデルで、日本製の「1020カーボンスチール」に相当する「S20Cスチール」を採用している。

HONMAによると、新モデルは「匠型」のソール形状で芝の抜けが向上し、スイートエリア後方の質量を持たせることでマッスルバックのような打感を実現しているという。

ロフト角は7番アイアンで32度と、上級者向けキャビティバックとしてはストロングだ。標準シャフトは日本シャフト「Modus Tour 115」で(カスタムオーダーで多くのオプションがある)、5番〜PWセットの小売価格は1,050ドルとなっている。


※日本での発売は11月29日で現在予約受付中!

◆T//WORLD TOUR V IRON (ツアーワールドツアーVアイアン)単品#4 / 6本組#5~PW / ¥ 27,500 ~ ¥ 429,000(税込)

詳細はHONMAホームページより!


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

「TW767 Vx」アイアンは型破りなアイアンと言えるだろう。「Tour V」同様、「Vx」はS20C鍛造キャビティバックだが、「Tour V」よりもストロングロフトで、より“飛距離重視”の「上級者向け」となる。5番〜8番アイアンは、トウ側に「タングステンウエイト」が搭載されており、インパクト時にフェースが開いた状態をキープする。

一方、9番アイアン〜GWは、タングステンウエイトなしのシングルピースの鍛造となる。標準のセッティングもまた型破りだ。標準セットは6番〜PWで875ドル、4番と5番アイアン、GWはオプションで各175ドル。標準シャフトは日本シャフト「Modus Tour 105」だ。


◆T//WORLD Vx IRON (ツアーワールドVxアイアン)単品#5・A・#4 / 5本組#6~PW / ¥ 27,500 ~ ¥ 357,500(税込)

詳細はHONMAホームページより!


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

5、2つの新しい“マルチピース”アイアン

今回新たに登場したのは「TW767 Px」アイアンセットだ。「Tour Vx」は「上級者向け飛び系」のロフトを特徴としているが、「Px」こそがHONMAが「上級者向け飛び系」カテゴリーに本格参入するためのモデルとなる。大きめの形状とマルチピース構造により、「ボール初速」と「寛容性」の向上が実現した。

ボディは「S25Cスチール(1025カーボンスチールに相当)」で鍛造され、フェースは高強度スチール製。ロフト角は7番アイアンで30度と、「上級者向け飛び系」では一般的なものとなっている。

「初・中級者向け」の「TW767 Hx」は、マレージング鋼のフェースとウエイトビス、内部ウエイトを備えた中空ボディ構造だ。「寛容性」と「ボール初速」を重視して設計されており、ロフト角は7番アイアンで28度と、典型的な初・中級者向けアイアンとなっている。


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

「TW767 Px」と「TW767 Hx」アイアンセットの標準シャフトは、軽量の日本シャフト「N.S. Pro 950 Neo」となっており、価格は「TW767 Px」標準セットの6番〜PWで875ドル。5番アイアンとギャップウェッジは各175ドルだ。

「TW767 Hx」は6番〜PWまでのラインナップで、5本セットの価格は1,050ドル。5番アイアンとギャップウェッジは各210ドルとなっている。


◆T//WORLD Hx IRON (ツアーワールドHxアイアン)単品#5・A / 5本組#6~PW / ¥ 33,000 ~ ¥ 379,500(税込)

詳細はHONMAホームページより!

◆T//WORLD Px IRON (ツアーワールドPxアイアン)単品#5・A / 5本組#6~PW / ¥ 27,500 ~ ¥ 357,500(税込)

詳細はHONMAホームページより!


アイアン全ラインナップは現在予約注文可能。発送は12月1日。

※日本での発売は11月29日で現在予約受付中!


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

HONMA「TW767」アイアンとウッド系 : 総論

長年にわたる努力にもかかわらず、HONMAは北米市場を“理解する”にはまだまだほど遠い。同社は小売業に力を入れ、移動式フィッティングバンを配備し、今では正規小売店も立ち上げユーザーに直接販売もしている。

HONMAの製品は性能面では十分すぎるほどだが、米国市場は依然としてビッグ5の独壇場なのだ。

キャロウェイ、テーラーメイド、PING、タイトリスト、コブラは小売店で他社が入る余地をほとんど残しておらず、次いでPXG、ミズノ、スリクソン、ウィルソンなどのブランドがファンを獲得している。

そこにSUB70やホーガン、マクレガー、RAM、タコモなどの直販ブランドが加わることを考えると、当然次の疑問が湧いてくる。

HONMAのようなメーカーは一体どうしたらいいというのか?


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

現状、彼らにとって最善のアプローチは、彼らがずっと行なってきたことを続けるということ。同社は、その分野でほとんど競合のない高級価格帯の「ベレス」シリーズに注力しており、このカテゴリーでの強みを活かしている。

ゴールドとプラチナの装飾とカートバッグが付いた13本の「Five-Star Beres」セットは62,550ドルで販売されている。同じだけ稼ぐには「TW767」 のフルセットを少なくとも20セット販売する必要がある。

しかも、富裕層の顧客層さえ正しく“理解できれば”「Five-Star Beres」セットのほうがずっと売りやすいはず。

とはいえ「TW767」の価格設定にドン引きする人もいるかもしれないが、市場での競争を考えると、価格を下げても必ずしもHONMAがより多く販売できるわけではない。この時点で、ビジネスの常識が当てはまる。


ホンマ,honma,tw_767,ウッド,アイアン,ドライバー,フェアウェイウッド,ユーティリティ,ゴルフ,ゴルフクラブ

つまり、厚利少売の収益性は、いつなんどきでも薄利多売のそれに勝るということ。厚利少売のほうが労力もかからず、必要なリソースも少なくて済み、誇大妄想に陥ることもない。