ゴルフ用品には、『Most Wantedテスト(MyGolfSpy独自のランキング)』や『バイヤーズガイド』では大きく取り上げていないが、魅力あるギアがたくさん存在する。これらの“隠れた名品”にどんな性能や機能が隠されているのか、読者の皆さんなら興味があるだろう。
そこで、「We Tried it(トライ)」と称してこれらの商品を取り上げ、広告通りの性能が備わっているのか検証してみることにした。
トライした商品は?
今回取り上げるのは、ナイキ「エア・マックス 90 G」。これは、ナイキの人気カジュアルスニーカー「エア・マックス 90」のゴルフバージョンだ。どちらかと言うと、そのカジュアルさとゴルフ用シューズの性能の良い所取りをした「ハイブリッド」なゴルフシューズと言える。
テストしたのは?
コナー・リンデマン−スニーカーマニアでコレクター。エンジョイゴルファー。
ナイキ「エア・マックス90」の歴史
名前からお分かりの通り、「エア・マックス 90」は1990年にデビューした。その前身である「エア・マックス 1」は、今では多くのナイキデザインに採用される衝撃吸収システム『ビジブルエア』を搭載した最初のナイキシューズとして登場。
発売当初、「エア・マックス90」は「エア・マックス 3」と名付けられたが、2000年代初頭になって初めてこのシューズが新たなアイデンティティを獲得した。
そのタイムレスなデザインもさることながら、履き心地とルックスを兼ね備えた「エア・マックスクッション」をゴルフ用に少し改良して登場させたのが「エア・マックス 90 G」だ。
ナイキ「エア・マックス 90 G」デザインの特徴
・懐かしさを感じるデザイン— 「エア・マックス 90 G」は、初代「エア・マックス 90」のクラシックで清潔感のあるルックスを引き継いでいる
・エア・マックスクッション— ヒール部分に搭載される『ビジブルマックスエア』が、クッション性と衝撃から足を守る
・スパイクレス・トラクション(グリップ力) — 「スパイクレス・トラクション」は、「エア・マックス 90」の「ワッフルソール」パターンからインスピレーションを得ている
また、1年間の防水保証が付いており価格は130ドル。
初代との違いは?
一見すると、この「エア・マックス 90 G」は、初代のカジュアルスニーカーと何も変わらない。一からデザインしたというより、得意の創造性で「OG(初代)」のシルエットに少し変更を加えたという感じだ。
その微妙な“違い”とは?
最大の違いは「ソール」にある。ソールのスパイクレストラクション(グリップ力)は際立っているが、奇抜というわけではない。そしてもう1つの大きな違いは、「素材」だ。
スエードやレザー、キャンバスを使った「エア・マックス 90 G」は今回登場しない。「90G」は主に「TPU(熱可塑性ポリウレタン)」を重ねたメッシュ仕様で、初代の方は配色によっては高級な素材を使用している。
性能よりスタイル
実際、同社が「パフォーマンス(性能)」 よりも「スタイル」に重点を置いたことは明らか。自称スニーカーマニアであり、「エア・マックス 90 OG」を何足か所有している私には、この時代を超えたデザインがとても魅力的に映る。
さらに、『ビジブルエア』も心をくすぐる。
パフォーマンスは別として(これについては後ほど説明)、この靴が格好良いことは確かだ。失礼かも知れないが、「エア・マックス 90 G」を毎日の仕事に履いていき、その後すぐにコースに向かっている。
ゴルフらしさに欠けることは分かっているが、とても控えめなため意外と馴染みが良い。これは私の体験談に過ぎないのだが。
「快適さ」は?
ところで、「エア・マックス 90 G」は、「ルックス」と「履き心地」の両方を兼ね備えている?これまでの私たちのレビューを見たことがあるなら、答えはイエスだと期待するだろう。
もちろん、これらの要素を同時に叶えられるという意見には賛成だが、「エア・マックス 90 G」の快適性を問われればイエスとは言えない。
「快適さ」とはかなり主観的なものだ。マットレスと同じように。しっかりとしたクッションを好む人もいれば、柔らかいものを好む人もいる。私は後者で、アディダスの「Code Chaos 22(コードカオス)」のような履き心地が好みだ。
硬めのクッションが好きな人でも、「エア・マックス 90 G」は硬くて反応が感じられないだろう。それに、サイドから見える「エアユニット」は足を踏み入れた時の快適さにはほとんど影響しないし、他のミッドソールの部分は、 リッキー・ファウラーの「フォージド MB」ブレードよりも寛容性の低い軽量フォームで作られている。
カートに乗る人は、まだ耐えられる。歩いてラウンドする人は、ハーフが終わった後に痛みで後悔しないように、他のゴルフシューズを探した方が良いだろう。
トラクション(グリップ力)
そこまで期待しなければ、「トラクション(グリップ力)」は想像より優れていた。スパイクレス、特にカジュアルさを維持しようとするゴルフシューズは、従来のスパイクシューズと同じパフォーマンスを期待することはできない。
それでも、「エア・マックス 90 G」は、私が普段ラウンドするアリゾナの乾いたコンディションでも、十分な「トラクション」を提供してくれる。
私は特にヘッドスピードが速い方ではないが、パワーのある人はいつもよりもスリップやスピンアウトしてしまうかもしれない。それでも、「トラクション」としては十分に機能するし、楽しむとしてラウンドするには問題ない。
カジュアルさをまとったゴルフシューズ
結論として、「エア・マックス 90 G」は実用的なゴルフシューズなのか?一言で言うと、実用的でしかない。もしナイキのような企業がカジュアルシューズから逆行すれば、上手くいかないことが多い。そのため一般向けのゴルフシューズではなく、伝統を維持することで勝負しようとしているのだ。
このような商品にはニッチ市場が存在するため、決して無駄な試みではないはず。しかし、ブランドが目の肥えたゴルファーの心を掴むには、まず基本をしっかりと固める必要があるだろう。
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