・ピンが「ChipR(チッパー)」を発表

・「ChipR」は、40ヤード以内のお助けクラブとして開発された

・小売価格はスチールシャフトが195ドル、カーボンシャフトは210ドル

メジャートーナメントが近づくと、各メーカーから、恰好のプロモーションの舞台とばかりに、コース特有のコンディションに対応した特殊なクラブがリリースされるとは珍しいことではない。例えば、これまでにも全英オープンで「ドライビングアイアン」が誕生している。

とはいえ、今週(7/14~17)のセントアンドリュースでは、ピンの「ChipR(チッパー)」が“使われることはない”に一票を投じたい。

もし私が間違っていれば(そうあって欲しい)、この「チッパー」は、これまで想像もできないほどの絶大な信頼を即座に獲得することになるはずだ。

はっきり言って、ピンは“クラブ開発の代名詞”と言える非常に真面目なメーカーだ。しかし、彼らは今回「チッパー」…失礼、「ChipR」をリリースした。

生憎、今日はエイプリルフールではないので、みなさんにこの事実を受け入れる時間を作りたいと思う。


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ピン「ChipR(チッパー)」 - ゴルフクラブのホワイトベルト?

ゴルフ用品業界には、タブーとされていることがある。「白いベルト」、「アイアンカバー」、そして「チッパー」だ。

シリアスゴルファーで持っている人はいないだろうし、持つこともないだろ?

統一感という意味で、ホワイトベルトはマジでイケてる。また、正直コースではオススメはしないが、アイアンカバーは旅行中のクラブを守ってくれるし、グリーン周りが下手なゴルファーにとって、「ChipR」は間違いなく“魔法の杖”といえる。

実際「ChipR」の恩恵を受けるゴルファーの割合は、「ChipR」を試そうというゴルファーの割合よりも、圧倒的に多いのではないかと思う。

ところで、チッピングでイップスになったことはあるだろうか?中には、たとえ30回トライしても40ヤードからの寄せで、3メートル以内に寄せられない人を知っているという人もいるかもしれない。

もし、奇抜なクラブであることは分かっていても、グリーン周りで大幅にストロークを縮められる番手があるとしたら?一度は試してみたいと思わないかな?

※イップス:スポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のこと。

参考までに伝えておくと、“40ヤード以内”というのはピンが言っている距離だが、これがもし“50ヤード以内”ということになれば、試してみるべきだと思う。もうチッパーを使っているというなら、当然使うべきだ。


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ピン「ChipR」のスペック

はっきり言っておくが、ピンの「ChipR」はスペックがはっきりしている本物のゴルフクラブだ。

「ChipR」は「431スチール」の鋳造ヘッド。おまけに、ピンの疎水性「ハイドロパール2.0」仕上げを採用し、濡れた状態でもスピンをキープするようになっている。また、ロフト角は38.5度(ほぼ9番アイアンと同じ)で長さは35インチ、スタンダードのライ角は70度だ。

純正シャフトはピンの「Z-115」ウェッジシャフトだが、カーボンシャフトのオプション(「PING ALTA CB Slate」)も装着可能となっている。そして純正グリップは、「Dyna-wedge Lite」で標準グリップよりも4分の3インチ長くなっている。

上記の段落で注意して欲しいのは「純正」という言葉。これは応相談ということで、他のピンのクラブ同様、「ChipR」はあなたのスペックに合うようにすることも可能だ。

私のように、フィットする「ChipR」のスペックがわからない場合、ピンではフィッティングを受けてもらうことを歓迎している。

チッパーにカスタムフィッティング。ヤバいよね?


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スコアアップにつながるか?

チッパーをバカにするのは簡単だ。ここでは冗談も言っているが、実際のところピンの「ChipR」は、白いベルトとは違い、沢山のゴルファーにとってメリットになる可能性を秘めているし、基本的にゴルファーにメリットがあるということは、“ゴルフがより楽しくなる”ということを意味する。

先週末のゴルフがつまらなかった男として言うと、これは良いことのようにも聞こえるわけだ。しかも、これは多くのゴルフメーカーが喜んで取るようなリスクでもない。さすがピンだ。

確かにクリーブランドもトライしたことはある(「ニブロック」を覚えているか?)。ピンにも前例がある。しかしタイトリストにはないし、兄弟ブランドのアダムスにはあるかも知れないが、テーラーメイドも間違いなくないだろう。


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ピン「ChipR」- どの番手を外すのか

ピン「ChipR」をセッティングに入れる上での唯一の悩みは、何かを抜かなければならないということだ。私にとって、これはしんどい。一番ロフト角のあるウェッジか?

9番アイアンの代わりに「ChipR」を入れるか?これでフルスイングしたらどうなるのか?

USGAに対して、15番目のクラブがチッパーなら15本までキャディーバッグに入れてOKというローカルルールの概要を説明することならできるかも知れない。

ルール変更はさておき、もし寄せに苦戦しているのなら、答えは明確ではないかと私は思う。どんな番手でチッピングしても、惨めな結果になっているなら、答えは簡単。

もっと言えば、グリーン周りが苦手だと思っていないゴルファーの多くも、「ChipR」で圧倒的に良い結果を出すはずだし、私もその一人かも知れない。

これは検証すべきことだろう。


価格と発売時期

ピン「CHipR」のメーカー希望小売価格は、スチールシャフト195ドルとカーボンシャフト210ドルで、現在発売中。