誰だって、スリーパットは打ちたくない(でも実際はやってしまうが)。
スリーパットはせっかくのラウンドを台無しにもするが、努力次第で回避することもできる。PGAツアープロのブライアン・ガイのようなプレーヤーは、1,188ホール中、何と14回しかスリーパットを出さない!ブライアンは正真正銘のプロだ。しかし、どうやってプロのブライアンとアマチュア(ここでは"ジョー"と呼ぼう)を比べたらいいのだろう?PGAツアープロと、腕前も様々なアマチュアゴルファーのスリーパット率の差を縮める方法を明らかにするために、今回、MyGolfSpyは、プロ VS アマチュア "ジョー" のスリーパット比較を行った。もちろん、これを読めばあなたのスコアも良くなるだろう。
まず始めに、パットのデータを集める必要がある。従来の方法でもいいのだが、最近の高度な統計データは、実際のプレーで活かすことができるものに進化している。ここで、アーコス(Arccos)というシステムが活躍する。賞も獲得したこのプラットフォームが自動的にショットを記録し、スコア改善に導くパットの傾向を明らかにしながら、グリーンでのパットを1打づつ分析する。
トーナメント毎に毎日350ショット(毎年10,000回!)もの記録を付け続けるボランティアやフルタイムで働くスタッフ達によって進化したPGAツアーシステム、ショットリンク(ShotLink)のおかげで、世界のトッププロのベストショットからワーストショットまで簡単に診断できるようになり、またそのショットをアーコス(Arccos)内のビッグデータと比較することもできる。
ツアープロ VS 平均的なアマチュア "ジョー"
今期PGAツアーでスリーパット回避率が最も高かったのは、ブライアン・ガイだ。前述のとおり、彼は66ラウンド(1,188ホール)中、14回しかスリーパットを出さなかった。1.18%というスリーパット率は、驚く程低い。今期ツアーで2%以下だったのは、わずか16名だ。この16名の中に、スティーブ・ストリッカ―や、ジョーダン・スピース、ルーク・ドナルド、あまり聞かないだろうが、エリン・エルやマーティン・カイマーといったプロが名前を連ねている。
ワーストは、ブー・ウィークリー選手だ。彼は69ラウンド中64回ものスリーパットを記録し、賞金ランキングは202位である。ウィークリーの叩き出した数字はツアーでは最後尾かもしれないが、アマチュアゴルファーの週末ラウンドであればトップクラスだ。アーコスシステムのお陰で、非常に正確にデータを診断することができるようになった。グリップに埋め込まれた超軽量のセンサーと無料アプリを使えば、大量のアマチュアデータを集めることもできる。今では、115か国、約100万回のラウンド中に記録された7500万回以上のパットの情報が共有されている。
平均スリーパット率
ハンディキャップが1~5のゴルファーの平均のスリーパット率は9.44%であることが分かった。当然のことながら、ハンディキャップが6~10で11.71%、11~15では14.51%、さらに15以上になると19.58%と、スリーパット率は直線的に上がっていく。
これらのデータを別の視点で、ハンディキャップの層に分けて、各ラウンド毎のスリーパットの回数の平均値を見る方法もある。各ラウンドで、ハンディキャップ15以上では平均3.2回、ハンディキャップ1~5では平均1.6回と、ちょうど2倍の数字を示した。
詳細分析
スリーパット率が高くても、距離を考慮せずパット数だけを計測していたら、不完全で不確実な洞察しか得られない。ハンデが大きいほど、カップから離れた場所からのパットになる傾向がある。結果として、従来のスリーパット率の統計は、アプローチとパッティングの強さを統合させたものだった。しかし最新の分析機器であるアーコス(Arccos)は、この二つを分けて考え、各プレーヤーのゲームのそれぞれの側面において、より良い測定法を提案してくれる。
アーコス(Arccos)は、従来の統計学を高度な測定法に重ね合わせて、異なるハンディキャップのアマチュアグループとプロの比較を可能にしている。6.1~7.6m(20~25フィート)と7.6m(25フィート)以上(PGAツアーに見られる2大グループ)からのスリーパット率に注目すると、に興味深い数字が見られる。6.1~7.6mからのパットで、ハンデが1~5のグループのスリーパット率が9.3%、6~10のグループでは15.08%まで上がり、11~15のグループでは16.20%になる。
このレンジは、アマチュアであればスリーパットしてしまうのに十分な距離だが、プロはいとも簡単にパットを沈める。2016年シーズンでは、6.1~7.6mからのパットで1年を通して1度もスリーパットをしなかったプロは26名いて、ツアー全体のスリーパット率の平均は2.36%であった。最も数字が悪かったのはスティーブ・ウィートクロフトだが、彼でさえ(この距離からのパットで)95回中スリーパットは6回だけだった(6.32%)。
7.6m以上からでは、彼らはプロとしての腕を見せる。昨年のプロの平均スリーパット率は9.46%だったのに対し、ハンデ1~5グループでは平均19.61%、6~10グループでは25.59%、そして11~15のグループでは26.90%を示した(2016年、アダム ハドウィンは、スリーパットなしで314ホール回った。アマチュアなら前半9ホールの間にスリーパットしてしまう人もいるというのに!)
アーコス(Arccos)は、ツアー分析の強みでより深く掘り下げて測定することができる。ラウンド毎に、ストロークゲインド(Stroke Gained)測定法をさらに高性能にしたものを使用して、ゲームにおける5つの重要な要素(ドライビング・アプローチ・チッピング・サンド・パッティング)を分析する。そして、各状況が異なる値を有するという事実を考慮に入れることによって、各要素に個々のハンディキャップを割り当てる。例えば、パットのハンディキャップは、それぞれのスリーパットを異なる方法で計測する。40フィート(約12m)からのパットでは、スリーパットも予想できるが、10フィート(約3m)なら違うはずだ。
この測定ツールによって、上手いアマチュア選手は平均して、パターも上手いということがはっきりした。PGAツアーでも同じことが言える。週の終わりにスコアボードの上位にいる選手は、パットのストロークゲインド(Stroke Gained)のランクも高いのだ。
スリーパットを回避するのは難しいし、完全にスコアカード殺しにもなる。しかし、パフォーマンス改善の点では、「知識は力なり」だ。もしアーコスを使っているなら、ぜひ自分の統計、特に自分のパッティングハンディキャップを見て、練習計画を見直してほしい。PGAツアープロと自分のスリーパット率の差を縮めることで、ベストスコアを出すことも可能だろう。
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