・スコッティ・キャメロンから新作「Champions Choice(チャンピオンズチョイス)」限定パターシリーズがリリース
・『トレリウムフェース』と『ボタンバックキャビティ』搭載
・8月6日発売、価格は600ドル(※日本発売は9月10日から)
本日、パター界の“プリンス”、スコッティ・キャメロンから新作「Champions Choice(チャンピオンズチョイス)」シリーズが発表された。この限定商品には、キャメロンの「Special Select(スペシャルセレクト)」シリーズから3つの傑作モデル、「Newport(ニューポート)」、「Newport 2(ニューポート2)」、「Flowback 5.5 (フローバック5.5)」がラインナップされている。
これらのモデルは全てカスタムの雰囲気を備えているが、それが一番の要素ではない。ではこのパターの何が“ホット”なのか?
「トレリウムフェース」と「ボタンバック」
全てのスコッティ・キャメロンのデザインの中で、私の一番のお気に入りは「Button Back(ボタンバック)」シリーズだ。かつては、初代トレリウムパターが大のお気に入りだった。『トレリウムインサート』の打感が大好きで、「Newport」の「ロングネック」は伝説のヘッドスタイルだと思っている。
私の「Tel3 Newport LN(Tel3 ニューポート ロングネック)」は、まるで数ヶ月間雨ざらしにしたような状態だが、それでも私のパターコレクションの中ではひときわ輝いている。
では、「Button Back(ボタンバック)」バージョンの価値とは何なのか?簡潔に言うと、「費やした時間」だ。スコッティは、最新の「Button Back」のために機械加工プロセスを完成させ、インサート内の「トレリウム」と「ポリマー」の調整に時間をかけた。そうして、21世紀版ミーリングが施されたトレリウムが完成した。まさにウィン-ウィンの組み合わせではないか。
どの「Champion」?
見たことがない人もいるかもしれないが、ブルックス・ケプカは「Button Back Cameron(ボタンバックキャメロン)」パターでメジャー勝利を勝ち取っている。彼のキャメロンパターは「T10 Newport 2 Button Back(T10 ニューポート2ボタンバック)」のプロトタイプ。
アマチュアゴルファーとしては通常、ツアープロ仕様のクラブをバッグに入れたいとは思わない。とは言え、テレビなどでケプカのパターが注目される度に、欲しくなってしまう。
「Champions Choice(チャンピオンズチョイス)」が発売されたことで、もはや“お飾り”のパターは必要なくなった。確かに、今回リリースされる「Newport 2」は、ケプカのパターとまったく同じルックスではないが、近年見た中では一番近いかもしれない。
さらに、「Newport 2」が好みではない場合、「Newport」か「Flowback5.5」から選ぶこともできる。これら3モデルは共通して『トレリウムフェース』とバックフェースの『ボタン』を特徴としている。
「トレリウム」とは?
「トレリウムパター」のオリジナルシリーズが発売された1997年以降に生まれた人もいるかもしれないので説明すると、「銅」はパター素材としてすでに確立されていたが、キャメロン氏はインサートに純銅とは異なる特性を持つ素材を求めていた。
“銅(カッパー)”のように見えるが、「トレリウム」は実際12種類の金属からなる「銅合金」。デザインを完成させるのは、インサートの背後に搭載される「エラストマー」の層であり、打感を柔らかくする。
初期のモデルでは、この「エラストマー」は隠されていたが、後のバージョン「トレリウム2」シリーズでは、銅インサート周りの“白い境界線”として可視化され、このシリーズを象徴するデザインとなった。
2001年の「トレリウム2」シリーズ以降、『トレリウムインサート』は生産ラインから姿を消した。そこから、限定商品でのみトレリウムを見かけるようになった。これらの中でも注目を浴びたのが、初代トレリウムパター(1997年)の10周年と22周年を記念する「T10」と「T22」パター、そして2008年の「Button Back Newport(ボタンバックニューポート)」だ。
2008年の「ボタンバック」は初めて見たデザインで、私のパターコレクションの中でも素晴らしいパターだ。また、ケプカのパターに一番似ているデザインでもある。怪我により引退を余儀なくされる前にアンソニー・キムが「Button Back」を使っていたという記憶もある。
インサートについては十分だろう。次に新作「Champions Choice」の各モデルを見てみよう。
スコッティ・キャメロン「Champions Choice Newport」
先ほどケプカの「Newport 2」について触れたばかりだが、個人的には「Newport」の形状が気に入っている。「Newport」と「Newport2」の違いについて詳しく説明する必要はないだろう。
このトピックは、「Anser(アンサー)」と「Anser 2(アンサー2)」の違いと同じくらい議論されている。個人的には、「Newport」の“バンパー”部分がカーブした、よりコンパクトなルックスが好みだ。
今回の「Newport」は、現在の303ステンレス製「Special Select Newport(スペシャル セレクト ニューポート)」に似ている。トップラインは少しフラットで、サイトラインが施され、ソールに可変式の「タングステンウェイト」が付いている。先ほど述べたように、モダンな要素を取り入れて「トレリウム」と掛け合わせ、両者の良いところを生かしている。
スコッティ・キャメロン「Champions Choice Newport 2」
実際に、フェースのトゥ側に「B.K.」のイニシャルが刻印されているわけではないが、ブルックス・ケプカにインスパイアされたデザインだ。普通に考えて、全米オープンで2連覇したら注目せずにはいられないだろう。赤、白、青のデザイン以外の唯一の違いは、このパターのサイトラインが黒であるのに対し、ケプカは白を好むということ。
「Newport」と同様に、「Newport 2」はモダンなデザイン要素と伝統的な『トレリウムインサート』の組み合わせを特徴としている。薄いトップラインの少し角張ったブレードをお探しの場合は、こちらのモデルをお薦めする。
スコッティ・キャメロン「Champions Choice Flowback 5.5」
あなたが親の立場なら、子育てには子供の興味を逸らすスキルが必要であることはご存知だろう。通りがかりのドーナッツショップを見つけないように、赤信号を指指すといった具合に。
なぜこの話を取り上げたかと言うと、「Champions Choice Flowback 5.5(チャンピオンズチョイス フローバック5.5)」といえばオデッセイとジョン・ラームがこれに似たモデル開発に取り組むだろうから。ラームはアーク(弧を描く)ストロークをしやすいフローネックの「Flowback」に似たマレットを愛用している。
「Flowback 5.5」には、現在の「Special Select」バージョンに見られる『アルミニウムソールプレート』が搭載されており、このシリーズ中で最も「マルチマテリアル(複数素材をつかった)」なパターと言える。当然のことながら、このパターヘッドは、近年流行している“ブレードのようなストロークが可能なマレットパター”にぴったり当てはまる。
「Champions Choice」ルックス
「Champions Choice」を締めくくるのは、赤、白、青のカラーテーマだ。意図的かどうかは分からないが、オリンピックを彷彿とさせる。おそらく、JT(ジャスティン・トーマス )は近くスコッティに愛国的なペイントを施すだろう。とにかく、ソールのグラフィックがフェースにまで描かれているのが良い。非常に個性的なルックスだ。
リーズナブルな価格
「Champion Choice」に関して最も驚くべきことは、これらのパターの小売価格がわずか600ドルであること。そう、わずか600ドルだ。通常の「Special Select Newport2」は399ドルだ。
つまり、もう少し足せば、『トレリウムフェース』と『バックボタン』搭載の“限定版”を手に入れることができるのだ。私は何度となく、価格が900ドルではなく600ドルだと確認せずにはいられなかった。
もちろん、ゴルフクラブに600ドル払うことは簡単ではないが、今回は他の限定商品が高いためそこまで高く感じない。あの時買っておけば良かったと後悔した2008年「Button Back」は、今では3桁ではなく4桁の(プレミア付き)パターになってしまった。肝心なのは、欲しいと思ったら今すぐ購入すること。待てば待つほど、価格は上がるだろう。
これらの限定パターは8月6日(※日本発売は9月10日)に正式に発売されるが、ゴルフショップに予約できるかどうかを確認することをお勧めする。どれほどの限定なのかわからないが、売り切れ間違いなしだ。
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