・スコッティ・キャメロンが限定版「MONOBLOK (モノブロック)」マレットパター2モデルをリリース

・各モデルとも「GOLO(ゴーロー)」にインスパイアされており、『303ステンレススチール』の1ブロックから削り出されている

・発売は10月7日からで小売価格は650ドル


「GOLO(ゴーロー)」からのインスパイア

スコッティ・キャメロンが、「MONOBLOK 6 (モノブロック6)」と「MONOBLOK 6.5(モノブロック6.5)」の限定パターをリリースし、普段なら新商品リリースのない時期を活気づかせてくれている。

「限定版」の発表はいつだって興味深いが、デザインもマーケティング戦略も今回は特にそう感じる。限定版のキャメロンパターには、通常販売されないそれなりの理由がある。通常販売されるパターとは違うものでなければならないのだ。

しかし、今回魅力的に感じたのは、スコッティ・キャメロンがいつものデザインに焦点を当てているところだ。

今回は、新しいことと変わっていないことが含まれている。新しいこととしては、「モノブロック」のリリースにより生まれた、「ゴーロー」にインスパイアされた新デザイン。通常モデルの「GOLO(ゴーロー)」が発売されたのは2016年だったから、これは楽しみだ。

「モノブロック6」と「モノブロック6.5」のヘッド形状は、「ゴーロー」パターをご存知の方なら見慣れていると思うが、サイズが新しくなっており、デザインもやや手が加えられている。

限定パターといえば、誰だって新形状、新テクノロジー、新カラー、そして新ヘッドカバーはマストだと思うだろう。コレクターが新しい限定パターに650ドルも出す気になるのは、こうしたことが理由だからだ。

ではなぜ、「モノブロック」パターはキャメロンが全パターに施していることを基に名付けられ、そして販売されるのだろうか?


スコッティ・キャメロン「MONOBLOK (モノブロック)」限定パター


2012年に私たちが「ゴーロー」の形状を導入して以来、小ぶりなマレットを使うツアープレーヤーは、このパターを好んで使用している。それから10年、2022年のジョン・ディア・クラシックでJ.T.ポストンが「ゴーロー5」を使い勝利。

「モノブロック6」と「モノブロック6.5」は、「5」と「7」の中間サイズを要望されて作り上げたパターで、おなじみの形状に、アドレス時の「スッとした曲線」と「地面に溶け込むような心地よさ」を持たせた、新しいサイズのデザインになっている。‐ スコッティ・キャメロン


業界内の最高の名言

パターの秀逸さを表現することにおいて、スコッティ・キャメロンの右に出るものはいない。マジで一番だ。

彼のパターの説明を書いているのが、スコッティ本人なのかはたまたスタッフの一人なのかは知らないが、誰であれ、まさに彼らは“パターの詩人”と言える。これまでのキャメロンパターを巡ってみると、名作がいくつかあることが分かるはずだ。中でも私のお気に入りは、今はなき「H18ホリデー」パターの名言だ。


スポーツカーのデザインに情熱を注ぐスコッティ・キャメロンが、テクノロジーと美しさを融合させたサーキットの雰囲気をまとった挑発的な限定版を発表、それが「H18スクエアバック」。


今にも走り出しそう。最高だよね。「“スッとした曲線”と”地面に溶け込むような“見た目」という表現を見たとき、私はキャメロン師匠に改めて頭が下がる気持ちになったよ。


「MONOBLOK(モノブロック)」パターは100%削り出し

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今回の新作でちょっと驚いたのは100%削り出しの部分だ。「MONOBLOK(モノブロック)」というネーミングは、新作2モデルが1つの金属の塊から削り出しているということに由来している。

「完全削り出し(ミルド)」というのは、確かにパター販売においてセールスポイントになるし、メーカーは幾度も強調している。


「モノブロック6」と「モノブロック6.5」パターは、補完素材を融合することに定評があるスコッティ・キャメロンの独自の手法を採用することで、求めるパフォーマンス特性を実現。各モデルには、「303ステンレススチール」パターヘッドに、「アルミニウムソールプレート6061」を採用、航空機製造レベルの精密さでミ―リングされており、より高いMOI(慣性モーメント)、最適重量配分、優れたバランスと優れた「打感」を可能にした。


限定販売なのにちょっと不思議なのは、スコッティ・キャメロンパターが1つの金属のブロックから削り出されていることだろう。これはキャメロンパターの大きな特徴で、「完全削り出し」というデザインはボブ・ベティナルディがキャメロンのためにパターを削り出していた1990年台まで遡る。新しいのではなく、変わらないということだ。

ここに着目することで、キャメロンは、“削り出しパターのパイオニアは自分たちだ”と消費者に認識して欲しいと考えているのだろう。あれから随分経ったが、キャメロンは未だにミーリングのトップであり、CNC加工のリーダーであり、削りの帝王であることに変わりない。


当然ながら最高のミーリング

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私がミーリングを切り口にしているのは、スコッティ・キャメロンをディスっているわけではなく、意外だからだ。実際、「モノブロック」パターのミーリングにおいて素晴らしい。特にマルチドットのキャビティには惹かれる。この最高の美しさは、キャメロンの「テリリウム」パターにあったクラシックのホワイトドットを彷彿とさせる。

キャメロンの精度の高いミーリング技術は、指摘する必要もなくよく知られている。今回のモデルの購入を検討している人も、これが100%削り出しということは言われなくてもわかっているだろう。パターの詳細とスコッティ・キャメロンという名前自体が、既にそれを物語っているのだから。

では、ここからは「モノブロック」の2モデルをチェックしていこう。


「MONOBLOK 6(モノブロック6)」

「モノブロック6」は、以前の「ゴーロー」パターをベースにした丸みを帯びたコンパクトマレット形状で、「ゴーロー5」と「ゴーロー7」の中間サイズ、ネックはミッドベントでフェースバランスに近いセッティングが特徴。

「303ステンレススチール」のブロックから削り出したこの「モノブロック6」は、「6061エアクラフトアルミニウム」の一体型ソールプレートを装着。ボディとシームレスに融合しており、ソリッドなステンレススチールがフェースと周辺に配分されているため、MOI、バランス、フィーリングが向上している。

ソリッドフェース、ミステッド・ステンレススチール仕上げ、調整可能な「パフォーマンス・バランスド・ステンレススチール・ソールウエイト」を採用。「ピストレロ・プラスグリップ」が装着され、「モノブロック」ヘッドカバーが付属している限定販売モデルとなっている。


「MONOBLOK 6.5(モノブロック6.5)」

「モノブロック6」と同サイズの「モノブロック6.5」は、トゥ側がアーク(開閉)するストロークを好むプレーヤーのために「ジェットネック」を採用したデザイン。一体型ソールプレートにより、異なるネックでも同サイズ、形状、総重量をキープしている。

「6061エアクラフトアルミニウム」を採用し、クリアな陽極酸化処理を施したソリッドなステンレススチールが、MOI、バランス、フィーリングを向上させるため最適配分されている。

限定版の「モノブロック6.5」は、ソリッドフェース、ミステッド・ステンレススチール仕上げ、調整可能な「パフォーマンス・バランスド・ステンレススチール・ソールウエイト」を採用し、「ピストレロ・プラスグリップ」が装着され、「モノブロック」ヘッドカバーが付属。また、少量だがこの「モノブロック6.5」には左利き用もある。


最後に:スコッティ・キャメロンの限定版「MONOBLOK(モノブロック)」パター

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削り出しの特質をアピールするのは明らかに奇妙だったが、今回リリースされたのは、素晴らしい限定版のパターだ。外見の美しさは唯一無二。

「モノブロック6」と「モノブロック6.5」のヘッドサイズは、「ゴーロー5」と「ゴーロー7」のヘッドの中間に位置する。

とはいえ「ゴーロー6」の復刻版ではない。「ゴーロー6」は大文字のBの形をしていたことは覚えているだろう。つまり、「モノブロック6」は、「ゴーロー6」の焼き直しじゃないってこと。ニューパターなのだ。

キャメロンパターにとって削り出しという製法は「当たり前」のことかも知れないが、「ありきたり」というわけではない。削り出しのキャビティと丸みのあるトップエッジは秀逸。このパターは、少なくとも、キャビティにある3つのレッドドット以上の何かを感じさせる。

これに似たデザインが2023年にお目見えするかは分からない。「モノブロック」と前回の「Jet Set(ジェットセット)」限定パターは、何かを匂わす存在なのかも。とにかく来年の春を待つとしよう。

スコッティ・キャメロンの限定版「MONOBLOK(モノブロック)」パターは、タイトリストのゴルフショップで10月7日から全世界で発売される。