ドライバーのフェースを削ったことがあるだろうか。
珍しく聞こえるかもしれないが、週末のプレイ中、ゴルフ仲間の誰かがすでにフェースを削ったドライバーを使用しているかもしれない。
もし誰もドライバーを削る事に興味がなければ、World’s Hottest Driversという会社は存在しないだろう。因みに、この会社は、Barbasol(アメリカの顔のシェービング会社)ではない。ドライバーのフェースを削る会社だ。
フェースを削るとどうなるか?
あなたが最後にこんな広告を目にしたのはいつだろう?
「このクラブを使えば、あなたの飛距離を10ヤード、20ヤード、もしくは30ヤード伸ばすことが可能です。」
おそらく、毎日どこかでこのようなメッセージを目にしているはずだ。どのメーカーも、自社のクラブを使えば、更にボールを高く、遠くに、真っ直ぐに飛ばすことができると謳うだろう。つまり、今まで打った中で、GX-7X-Metalはベストドライバーではないのか?
話題を変えて、本気で飛距離のことを考えるなら、少し別の選択肢を取ってみるのはどうだろうか。別の選択肢というのは、USGAが定める規定から完全に外れるということだ。
飛ばすために削る
World’s Hottest Drivers社は、CNCミル(切削加工を行う機器)を使用して、ドライバーのフェースを削り、COR(反発係数)やフェースのスプリング効果を高める技術を開発している。フェースを削ることによって、ボールスピードが上がり、スピン量が減り、勿論のこと更に飛ばすことも可能だ。
シェービング方法
USGAの規定では、ドライバーの最大COR(反発係数)は、0.83に設定されている。
World’s Hottest Drivers(WHD)社では、ドライバーのフェースを削り、CORを0.93まで上げることが可能になる。そのドライバーは、規定外にはなるが、週末仲間とプレーする際には注目の的になるだろう。
WHD社は、科学的知識に基づきこの工程を行っている。ゴルファーのスウィングスピードに合わせてフェースを削り、面が割れるリスクを最小限に抑えながら、最大の飛距離を引き出す。そして、スウィングが遅ければ遅いほど、面を薄くすることができる。
周知のとおりだが、MyGolfSpyはハンディキャップ目的やUSGAトーナメントで、規定外のクラブを使用することを認めているわけではないが、ゴルフは結局のところ、ゲームであり、週末にゴルフを楽みたいだけなら、試してみてもいいだろう。
テスト方法
- 1本は削ったフェース、もう1本は標準品の2本のテーラーメイドJetspeedでテストを行った。
- ロフトは9.5°に合わせた。
- 両タイプ共に同じシャフトを使用し、3回ショットを打つ度にクラブを交代した。
- 片方のJetspeedは、COR(反発係数)が0.880になるまで削り、ヘッドスピードはWHD社が勧める44〜49m/sに合わせた。
- テストに参加したゴルファー6人のハンディキャップレンジは0〜15、ドライバーのヘッドスピードは33〜56m/sであった(各2人ずつ、ヘッドスピードが遅い、普通、速い)。
- それぞれのテスターには、各クラブにつき12〜14打のショットを打ってもらった。
- ミスショットは、打数にカウントせず除外した。
- 残りの異常値については、中央絶対偏差(飛距離と中心からの距離)を利用して明確にし、最終平均値を算出する前に除外した。
- テスター全員に、ブリヂストンB330-RXのゴルフボールを使用してもらった。
- ボールデータは、Foresight GC2計測器を使い記録した。
THE DATA
※表左から、飛距離、精度、スピン、打ち出し角、ボールスピード
考察
上記データから分かるように、フェースを削ったドライバーは意図したとおりの結果となった。
フェイスを削ったドライバーを使った方が、標準品より平均1.7m/sボールスピードが速かった。通常、ボールスピードが速いほど飛距離が伸びるため、削ったJetspeedは、標準品より10ヤードほど遠く飛距離をのばした。ボールスピードと飛距離に加えて、削ったドライバーの精度は標準品と同じような角度でありながら、打ち出しは、低く、スピン量も少なかった。
データ内では明確に示していないが、削ったクラブのヘッドスピードが上がったのは、20g近く軽くなっていることに起因しているかもしれない。
最終コメント
私達は、いかなる状況でも、ハンディキャップ目的やトーナメントで規定外のクラブを使用することを容認しているわけではないが、今回のテストの結果は印象深いものがあった。もしメーカーがUSGAの規定をうまく回避できれば、新たな試みへの絶好の機会にもなるだろう。
フェイスを削ったドライバーの方が、ボールスピードが上がり、スピン量が減る。そして明らかに標準品よりも飛距離が伸びた。
ただ仲間と楽しみたい、もしくはあと少し飛距離を伸ばしたい程度であれば、ドライバーのフェースを削って打ってみるのも悪くないだろう。
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