2021年9月、ショットスコープ社の協力の元、MyGolfSpy読者にパーフォーマンス追跡ウォッチ「V3 GPS」を試す機会が得られた。
そもそも、「ゴルフが上手くなりたいゴルファー」と「上手くなるために努力したい」ゴルファーには、大きな隔たりがある。
どちらであっても、推測よりも実際に知る方が手っ取り早い。総じてゴルファーは自分の能力を過大評価し、都合よく間違いを許す傾向がある。プロでさえ実際よりも遠くにボールを打ったと思っており、ジャック・ニクラウスは「私は心の中ではパットを外したことはない。」と言っている。
初めてスコア80を切ろうとしているときも、ハンディキャップ一桁の壁を破ろうとしているときも、自分が得意な部分と改善すべき部分に立ち向かうことが重要だ。
このような事実を踏まえた上で、一年を通して追跡する3人のメンバーを選んだ。「Shot Scope(ショットスコープ)」を使った数か月のパフォーマンスの追跡から、彼らが改善すべき点が明らかになった。
最初は各プレーヤーの主な「目標」と主要な「改善領域」に焦点を当てている。シーズンを通して何度か記録を確認し、彼らの進捗状況を確認する予定だ。
MGSテスター1– グレッグ・ガーナー氏
グレッグはハンディキャップ3の上級ゴルファー。ご想像のとおり、彼のプレーには突出した欠陥がなく、バランスが取れている。そのため、ここではグレッグが一貫して良いスコアを出せるように細かな点に焦点を当てていきたい。
「ショットスコープ」のデータベース内のスクラッチゴルファーとグレッグのストロークを比較すると、その差はたった1.89ショットだ。グレッグの強みはティーショットだが、最も改善の余地が残されているのは彼の「パッティング」と「アプローチ」だということがわかる。
グレッグのアプローチプレーを見てみると、100〜150ヤードのショットで最も損をしていて(-0.50)、続いて50〜100ヤードの短いアプローチショット(-0.20)が続く。
Approaches by Distance:アプローチの距離別ストロークス・ゲインド
Strokes Gained:ストロークス・ゲインド
SG Total vs HCP:ハンデ0に対するストロークス・ゲインド
Tee Shots:ティーショット
Approach:アプローチ
Short Game:ショートゲーム
Putting:パッティング
Front 9:フロント9
Back 9:バック9
しかし、グレッグが最も注目しなければならないのは“グリーン上”だ。現在、平均して14.5ホールごとに3パットを1回出している。比較のために、スクラッチゴルファーは平均して39.2ホールごとに3パット1回の割合。グレッグはスクラッチゴルファーのほぼ3倍の頻度で3パットをしていることになる。
「ストロークス・ゲインド」を使用してグレッグのパッティングを分析すると、最も取り組む必要があるのは「ロングパット」であることが分かる。ショットスコープの従来の統計と併せて見ると、彼が30フィート(約9.1m)からパッティングした場合、2ストローク目のパット平均が6フィート(1.8m)であることを示している。
つまり、30フィート(約9.1m)以上からのコントロールを改善すれば、より一貫した2パットを出すことができ、3パットの頻度が減ることになる。
Avg. Proximity to hole:プロキシミティ・トゥ・ホール(カップまでの平均距離)
Putting by Distance:パッティングの距離別ストロークス・ゲインド
グレッグ氏の今年のゴール
・3パットは1ラウンド1回まで
・パーオン率60%を目指す
MGS テスター2 – ジェレミー氏
二人目のテスターであるジェレミーは、オンタリオ州のコースが閉まっていたため2021年は限られた回数(数回の9ホールラウンドと2回の18ホール)しかプレーできなかった。(データを最大限に活用するには、通常10ラウンドが必要。)それでも、収集したデータを分析すると、ジェレミーが今年取り組むべき領域が見えてきた。
ジェレミーのハンディキャップは約12だが、彼が記録したラウンドはスクラッチゴルファーに近いものがあった。本来ならば正確な評価をするにはより多くのデータが必要だ。
とはいえ、彼の平均スコアは+2.53だったため、比較対象としてスクラッチハンディキャップを使用した。
Par3 by Hole Distance:パー3距離別ストロークス・ゲインド
Clubs:クラブ
P-Ave:パフォーマンス平均
Average:平均
Longest:最長
Par5 by Hole Distance:パー5距離別ストロークス・ゲインド
ジェレミーのストロークス・ゲインドと“ホールタイプ”を見ると、「短めのパー5」と「150〜200ヤードのパー3」で改善の余地があることがわかった。
ジェレミーのティーショットは平均300ヤードの飛距離がある。ミドルアイアンかロングアイアンで、楽々2打でグリーンに乗せることができるため、短いパー5で良いスコアを出しやすいだろう。
Proximity by Club:クラブ別プロキシミティ・トゥ・ホール(カップまでの平均距離)
Green Success by Club:クラブごとのグリーン成功率
一方アプローチの統計では、8番または9番アイアンを使用した場合、グリーンオン成功率が大幅に低下することが明らかになっている。また、7番アイアンとPWと比較して、8番または9番アイアンを使用した場合にグリーンまでの残りの距離が2倍以上離れている。
このショートアイアンでの一貫性に欠けるパフォーマンスが、短いパー5と150-200ヤードのパー3でスコアを崩す原因となっている可能性が高い。
2021年のジェレミーから得られたデータは限られているため、これらの提案がすべてではない。今年ラウンドが追加されれば、データはより明確になるはずだ。今後が楽しみだ。
ジェレミーの今年の目標
・全体的には短いパー5と中距離のパー3のパフォーマンスを向上させる。
・7-PWを確認し、スペックの不一致(ロフト角、ライ角、クラブの長さ)を確認する。
MSGテスター3 – ジェリー氏
ジェリーはハンディキャップ30のゴルファー。しかし、「ショットスコープ」の統計では、スクラッチに対して+26.41と表示された。
「ショットスコープ」モバイルアプリで得たストロークス・ゲインドから、ハンディキャップ25のゴルファー(彼の次のターゲット)と比較するのが妥当だと考えられる。
この分析から、ジェリーがティーショットやグリーン周りによってボギーを叩くゴルファーに近いといえる。ところが、彼のティーショットとショートゲームだけを見ると、ハンディキャップ25グループよりも6打プラスになっている。
Putting:パッティング
Miss Shot:ミスショット
Longest Putt:最長パット
Lowest Putts:最小パット数
Average Holes Per 3 Putt:3パットする頻度
Ave Putts Per:平均パット数(ラウンド)
Average Putts:平均パット数
Putting by Distance:パッティング距離別ストロークス・ゲインド
Stroke Gained:ストロークス・ゲインド
SG Total vs 25HCP:ハンデ25に対するストロークス・ゲインド
しかし、「パッティング」はジェリーにとって重大な弱点のようだ。具体的には、「ショートパット」だ。ハンディキャップの高いジェリーのようなゴルファーにとって、ショートパットのミスで容易く3パットを増やしてしまう。
Make %:パット成功率
0-3 feet:0〜3フィート(0〜0.9m)
3-6 feet:3〜6フィート(0.9〜1.8m)
2021年彼は平均して3.8ホールごとに3パットしている。これは、1ラウンドに4つの3パットを出すより多い。距離の観点からみると、3〜6フィート(0.9〜1.8m)で苦労しているようだ。
彼には主にショートパットに焦点を当て、特に3〜6フィート(0.9〜1.8m)パットの成功率を50%に上げることを勧めた。
ジェリー氏の今年の目標
・「3〜6フィート(0.9〜1.8m)」のパット成功率を50%に増やす
・3パットの数を減らす(ラウンドごとに2つ)
スコアを改善したい場合、より客観的なデータが重要になる。データにより(コーチング、ドリル、新しい機器などの)どの部分に焦点を当て、改善し、評価する必要があるか正しい戦略を知ることができる。
あなたは、「パフォーマンス追跡システム」を活用しているだろうか?どんなブランドを使用しているか、さらにそれらを使い今年はどこを改善したいとお考えだろうか?
みなさんの声をぜひ聞かせて欲しい。
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