ショットスコープ「H4」「PRO LX」「PRO LX+」- 重要ポイント
・「H4」は、腕時計をしたくないゴルファー向けの弾道追跡機能付きショットスコープ
・「PRO LX +」は、「H4」と最新のレーザー距離計を組み合わせたコンボ
・価格は「H4」は149.99ドル、「PRO LX +」は349.99ドル。「PRO LX(距離計のみ)」は249.99ドル
・3月31日発売
2022年ショットスコープの新作「H4」と「PRO LX +」は、時計をしないゴルファーに最適なデバイスだ。
2017年に同社から手首に取り付けるタイプのデバイスが発売されたが、これらは携帯電話を持ち歩きたくないがショットの追跡をしたいゴルファーに選ばれてきた。しかし、同時に時計タイプを嫌うゴルファーへの選択肢がなかった。
「アーコス」以外にオプションがなかったのだ。
新「H4」ユニットや、「PRO LX +」レーザー距離計には、特に画期的なテクノロジーが搭載されているわけではない。しかし、どちらもスコットランドを拠点とする「ショットスコープ社」を代表する人気商品だ。
2022年ショットスコープ:3つの新商品
そう、新商品は3つある。見出しでは2つ紹介したが、実際には3種類の新商品が発売される。これには、ちょっとしたトリックがある。
同社が初代「V1」リストバンドを2016年に発売したとき、「ショット追跡システム」に変革が起こった。当時は、クラブをデバイス(「GameGolf」)にタグ付けするか、アーコスのように携帯電話をポケットに入れて持ち運ぶ必要があった。
「V1」では、リストバンド(ストラップ)に搭載された『RFID(電波によりRFタグのデータを非接触で読み書きするシステム)』がクラブの手元部分に付けたねじ込み式のタグ(グリップエンドに装着したウエイト)と自動的に通信することで、ショットを感知する仕組みだった。
言わば面倒なセットアップが不要で、「V1」リストバンドが全て行なってくれる優れものだった。
しかし、2つの問題があった。リストバンドはとても大きく、「GPS機能」も搭載されておらず、データ収集のみだったのだ。
「V1」は、同社にとってプロトタイプの前段階だった。1年後、やや小型化された「V2」ウォッチに「GPS機能」を追加。2020年には、現在もラインナップの主力となっているGPS /ショットトラッキング(追跡機能)搭載のスリム化された「V3」が発表された。
2022年のショットスコープは、前進というよりまるで昔に戻ったようだ。
まず、最初の新製品「H4」は、ベルトに留めたり、ポケットに入れたり、ゴルフバッグに掛けたりできる小型のGPS /追跡ユニット。そして2つ目の新製品は、改良されたレーザー距離計「PRO LX」。
3つ目の「PRO LX +」は、非常に面白い商品だ。まずは「H4」から始めよう。
ショットスコープ「H4」:2014年への回帰
ショットスコープの大きな革新は、「タグ付け」を取り除いたことだった。当時の「GameGolf」などはデータを収集するために、ベルトに取り付けられたプラスチック製ユニットのクラブセンサーを押さないと、データ収集ができなかった。もし忘れてしまったら、それまでだ。
「アーコス」は、バッテリー式のセンサーによるタグ付けは必要なかったが、ポケットに携帯を入れていなければならなかった。
一方ショットスコープの「H4」新作ユニットは、「GameGolf」時代への回帰が特徴だ。「タグ付け」が復活したのだ。
「ゴルフコースで時計を着けたくない人は多い。ごもっともだ。しかし、多くの人が私たちのシステムを使ってみたいと思っている。この商品は、彼らのようなゴルファーのためのプラットフォームだ。」と、元ヨーロピアンツアープロでショットスコープの最高コマーシャル責任者であるギャビン・ディア氏。
「H4」ユニットは「V3」ウォッチに近く、リストバンドがないだけで、サイズと機能も同じ。ただし、(「V3」では)ショット感知技術はウォッチに搭載されていたため、クラブとユニットをタグ付けする必要がある。
「これだけを聞くと一歩後退したように思うが、パフォーマンスデータの収集機能も持ち合わせる。」とディア氏。
GPS機能は同じだ。フロント/ミドル/バックの距離に加えて、ハザードまでのフロントとキャリーの距離を感知する。追跡機能を使うには、2014年版と同じようにクラブとユニットを「タグ付け」しなければならない。振動させてGPS上で使用しているクラブを確認させことができる。そして、スイングする。
「H4」ユニットは、頑丈なメタルクリップ仕様なのでベルトにしっかりと装着できる。「これに関しては、私は“メタル”にこだわった。他では代用できない。」とディア氏。
「GameGolf」や「アーコス」の商品を使っていて壊れてしまった人にはその良さがわかるだろう。
「H4」にはカラビナ(リング)も付いているので、ゴルフバッグに掛けることもできる。また、かなり強力なマグネットも搭載されている。
ショットスコープ「PRO LX」レーザー距離計
ショットスコープは、昨年手頃な価格の「ProL1」でレーザー距離計業界に参入した。『アダプティブ・スロープテクノロジー(傾斜補正機能)』搭載の「ProL1」は、199ドルという手頃な価格だったが、当時は他と似たり寄ったりだった。
だが、実際は「ProL1」は始まりに過ぎなかった。そして、それは「PRO LX」とその後の商品に続く。
表面的には、「PRO LX」は「ProL1」の進化版だ。引き続き『アダプティブ・スロープテクノロジー(傾斜補正機能)』、『ターゲットロックバイブレーション』、『赤/黒のグラフィック』が採用され、改良も加えられている。
倍率は7倍(ProL1は6倍)になり、レンズも改良、ターゲットを素早く捉える。また、とらえる範囲は900ヤード(「ProL1」より25ヤード広い)まで広がった。
注目は、フレームの眼球の下の「取り外し可能プレート」。同社は“プレート”と呼ぶが、これは別の磁石を覆うものなので、おそらくもっと別の機能が隠されているに違いない。
これが、トリックだ。
ショットスコープ「PRO LX+」:一人二役
「取り外し可能プレート」と「磁石」には、それぞれ役割がある。「H4 」GPS /ショットトラッカーと「PRO LX」レーザー距離計を合体させると、1つのユニットになる。そして、必要に応じて取り外すこともできる。
「これこそが、『H4』から生まれたアイデアだ。どうすれば2つを統合して、レーザー距離計に追跡機能を組み込むことができるのか?」とディア氏。
したがって、「PRO LX +」を購入すると、「レーザー距離計」と「H4」ユニットの両方を手に入れることになる。
通常のプレーでは、「H4」はレーザー距離計本体に取り付けられる。GPSを使ってグリーンのフロント/ミドル/バックまでの距離や、ハザードまでの距離を計測したり、レーザー機能でターゲットを捉える。次に、クラブをGPSに「タグ付け」し、レーザーを下に置いてショットを打つ。
「グリーン近くでショットの追跡が行えるように、レーザーから切り離す技術が必要だとわかっていた。しかし、それらを一緒に収容できれば、ロングショットの追跡が可能になる。ゴルファーの必要性に応じて、非常に多くのオプションが使えるようになる。」ディア氏。
ここでいくつか疑問が浮かぶ。まず、磁石がどれくらい強力で、「H4」が落ちる心配はないか?次に、磁石は「GPS」と「RFID」タグ付けと混同しないか?両方とも懸念事項として上がったが、ショットスコープは万全の注意を払ったようだ。
「GPS機能」と「RFID」リーダーを切り離すためのシールドがマグネット周りに備わっていて、心配する必要はない。「H4」を落として無くしてしまう可能性については、レーザー本体には2つの強力な磁石付きの一体形成のリップ(縁、「H4」の取付け口)が装備されている。
「磁石が接着すると、カチッという音がする。実際に引っ張られるのを感じるはずだ。必要なテストは全て行なった。」とディア氏。
誰のためのデバイス?
「これまで一度も完璧に組み合わせたことのない2つのものを組み合わせると、それに興味を持ち購入する人が必ずいる。」と言った人がいる。
ゴルファーの中にはGPSウォッチ愛用者もいれば、レーザーの人もいる。そして、両方を持っている人もいる。今回の新商品は複数のデバイスを持ち歩くことなく、ショット追跡機能を追加することに成功した。
まさしく、この言葉通りの商品だ。
ショット前のタグ付けの手間が増えたとしても、この統合デバイスは特に時計の着用を嫌うゴルファーにとって魅力だろう。競合品といえば、アーコス「Caddie」。ショットスコープは、バッテリーレスのクラブセンサーで差別化しており、月額または年額のサブスクリプション料金はかからない。
嬉しいサービスだ。
だが、ショットスコープにはアーコス「Caddie」のように多彩な機能がなく、コース上の気象条件や、気象・標高に基づくクラブの推奨機能も備わっていない。さらにGPS電話アプリもない。
しかし、これらの機能がやや多すぎだと感じている人やサブスクリプションが好きではない人、ショット追跡したいだけなら、ショットスコープが優れた代替品になるだろう。
「V3」や「H4」に搭載のGPS機能に加え、統計には「ストロークス・ゲインド」を含む100以上の測定項目が含まれる。価格もお手頃で、十分な機能が搭載されている。
さらに、サブスクリプションなしという特典付き。
最終考察、価格、販売予定
念には念をということで、「H4 」と「PRO LX」のマグネット機能をテストしたいと思う。ライブビデオでは2つデバイスが互いに引っ張り合うのを確認したが(接続時にカチッという音がする)、引き離すにもある程度の力が必要のようだ。
しかし、コース上でどのように持ち運び、ケースに出し入れし、ショット前に地面に置く際にどのように扱うか、テストをしてこの目で確認する必要がありそうだ。
「V1」時代からのショットスコープを使ってきたが、ほとんどが素晴らしい経験だった。アーコスもそうだが、時々ショットを見逃すが、編集はかなり簡単。スタッツは、アーコスほどではないが、ショットスコープは測定項目の多さに圧倒されることなく十分な情報を提供する。
セットアップは簡単で、課題を挙げるとすればGPSがコースを見つけるのに少し時間がかかること。ティーオフの10分前にセットアップするのが良い。
ショットスコープの新作「H4」には、ユニット、USBクリップ充電器、金属ベルトクリップ、カラビナ(リング)、クラブ設置用の16個の追跡タグが含まれる。搭載コースは36,000以上。「H4」の価格はアメリカで149.99ドル、カナダで199.99ドルだ。
「PRO LX」レーザー距離計は、アメリカで249.99ドル、カナダでは329.99ドルで販売される。
「PRO LX +」はコンボパッケージで、「PRO LX」レーザー距離計と「H4」が含まれる。価格はアメリカで349.99ドル、カナダ449.99ドル。コンボで購入すると、アメリカでは50ドル、カナダで80ドル節約できる。
レーザー距離計には3色のアクセントカラーが揃う。ベーシックなブラックにグレー、ブルー、オレンジのいずれかのアクセントが付いている。
また、これまでの商品を廃止することなく、「V3」データ収集/ GPSウォッチや、「G3」GPSウォッチはラインナップに残る。「ProL1」レーザー距離計も購入可能だ。
3月31日に発売。アメリカでは、「DICK'S」や「Golf Galaxy」、「PGA TOUR SuperStore」、カナダの「GolfTown」で販売される。
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