昨年、テーラーメイドはグラフィックがド派手なPIXボールをラインナップに追加。
TP5だけに採用されたデザインだが、これは誰もが、少なくともロゴは違うが人気上昇中のキャロウェイのTRUVISボールシリーズかと思わせるほど見覚えがあるもので、ゴルフ用品業界にはよくある話だ。
誰がこれを始めたのか、何の目的があるのかなど冗談を言うこともできるが、これはボール市場が変化していることを表している。
別に白いボールが過去のものになっているというわけではなく、コスメやラインを入れたりカラーをつけることが市場で徐々に成長し、真っ白なボールよりも受け入れられているということだ。
現在、白以外のボールは、ボール全体売上の20%前後にまでになっている。しかしこれがキャロウェイになると売上の70%にまで達するのだとか。
これは柔らかいボール以外に手を出しているメーカーにとってはチャンスであることを示す数字だろう。そして、テーラーメイドも明らかにこれに当たる。
リッキー・ファウラーのニューボール
今回のPIXで変わったことはコスメだけだが、リリースには目を引くことが少しある。
一つ目は、リッキー・ファウラーとのパートナーシップを改めてアピールしていること。ファウラーは、クラブはコブラと契約し、テーラーメイドとの契約はボールとグローブだけ。
しかし、テーラーメイドはファウラーをタイトリストから引き抜くために多額の契約金を使ったと言われており、タイガー・ウッズがブリヂストンとボール契約していることを考えれば、ファウラーがテーラーメイドボールの顔にすることは納得できる。
テーラーメイドが今回のボールの紹介の一つとして、ファウラー監修と伝えているのもこれで説明がつくだろう。プロの信頼性も大切なのだ。
今回のテーラーメイドのニューボールは、真っ白なボールだとフォーカスするものがないというファウラーの指摘から始まった。
対照的に模様は目を引くため、ラインやドット、幾何学的なパターンがゴルフボールの特徴となるのは十分に理にかなっている。
テーラーメイドのロゴが2つもなければ、ボールに視覚的なサポートを入れてはどうかと提案したのはファウラーだったのだ。
クリアパス・アライメントを搭載
今回のボールでより大切なことは、このクリアパス・アライメントにある。初代PIXは「ホワイトボール」のクールな代替品だったが、今回のデザインは目的がはっきりしているのだ。
今回のPIXは、同じロゴを2つ入れるのではなく、テーラーメイドのロゴをサイドスタンプの反対側に一つだけ入れている。どちらも改良されたPIXデザインの中央に配置。
ロゴの文字とPIXデザインのアライメントがボールの中心を通るラインを作っており、12個ある多色のグラフィック(PIX忍者スター)がロゴの周りに位置しているデザインとなっている。
テーラーメイドによると、このデザインによりカップに向けて構えやすくなりラインをフィードバックしてくれるという。
テーラーメイドは、クリアパスでトリプルトラックに対抗しているわけではないようだが、確認したアニメーションはそれを意識した仕上がりになっている。
このクリアパスは、ボールが転がっているときに正確にボールをヒットしているかを視認させてくれるのと同時に、アライメントにも役立つのだ。
PIXシリーズは、テーラーメイドにとってのクロームソフトTRUVISとトリプルトラックを足したようなボールと言えるだろう。ファウラーは、このボールをウェイストマネージメント・フェニックス・オープンで使用予定。
シリアスなゴルファーでもホワイト以外のボールを使えるという、ツアーレベルにおける十二分の評価をもたらしてくれるはずだ。
販売時期と価格
テーラーメイドのニューTP5 PIXとTP5X PIXボールは2月28日から発売スタート。定価は44.99ドルとなっている。
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