お近くのショップで発売されることはないかも知れないが、ドライバー部門で業界を牽引するテーラーメイドとキャロウェイゴルフの両社が、今週、新モデルをUSGAの適合リストに追加した。

とは言え、リストに掲載されても商品の特徴を知る方法があるわけではないので、我々が両社から情報を仕入れている間は推測しかできない。


 

テーラーメイド 『SIMツアー』

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今シーズン発売されたSIMシリーズの3モデルに、『SIMツアー』はなかった。

テーラーメイドは、ここ数世代のドライバーにヘッド体積が430-440ccのアンダーサイズツアードライバーをラインナップしてきた。今回はラインナップに3モデルある他、ゴルファーが同社はモデル過多で(ここ数年は違うが)半年ごとにドライバーのラインナップを刷新すると思い込んでいるので、小型ドライバーを発売しない選択は良く理解できる。

低スピン、低MOIのツアーヘッドと高MOIでドローバイアスのヘッドをリリースしてきたことを考えると、マス向けにSIM MAX Dドライバーを追加したのは賢い選択というわけだ。

お伝えしたように憶測の域ではあるが、最近の同社によるツアーモデルのネーミングを考えると、今回のモデルは1月の発売時にはなかった460ccを若干下回るドライバーである見込みが高い。

そして、『SIMツアー』が発売されるか否かは、テーラーメイドがSIMドライバーのラインナップに確かな「抜け」があると感じたり、ラインナップを拡充することでSIMの鮮度を保ち販売数を増やせると思えるか、ということにかかっている。

SIMドライバーは、今年の小売販売数でトップに君臨。

これだけ見れば、ラインナップを増やすような切迫した状況ではないだろう。とは言え、コロナ渦であることとキャロウェイがドライバーのシェアを伸ばしているという報道もあることから、何が起きてもおかしくはないはずだ。

個人的には、発売して欲しいけど。

最新情報:テーラーメイドから回答があったが、文字通りこの時点では何もなし。『SIMツアー』と標準モデルの差はサイズではなく単にコスメで、クラウンにあるテーラーメイドロゴのアライメントエイド(マーク)が、ツアーモデルにはない程度だ。テーラーメイドのSIMを使いたくてもロゴは見たくないという人がいるだろうからね。間違いない。


 

キャロウェイ『 MAVRIK SUB ZERO(バージョン4)LS(トリプルダイヤモンド)』

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USGAをパスしたMAVRIKシリーズの数を数えていた人にとっては、びっくりしたことだろう。

両手で数えるのはもう無理。自分が数えたところ、レフティを除いても今回の『SUB ZERO LSトリプルダイヤモンド』でマーベリックシリーズは13本になる。

とは言え、キャロウェイの商品が市場にあふれているわけではない(多くは実際に販売されていない)。そうではなく、これはキャロウェイがゴルファーのスペックを細分化してクラブを設計していることを示しているのだ。

低スピン性能とニュートラルからフェードが出やすい重量配分で有名なキャロウェイのダイヤモンドシリーズは、そうしたクラブを求めていたゴルファーの一部から大きな支持を集めている。

『SIMツアー』と同様、この『LSトリプルダイヤモンド』が小売りでキャロウェイを牽引することはなく、特定のショップで限定販売されると断言して差し支えないはずだ。

これはエピックフラッシュの『SUB ZEROトリプルダイヤモンド』の手法と同じだし、MAVRIKでも同様になるのが当然かも知れない。


 

460cc以下のツアーヘッド市場

発売されたタイトリストのTS4ドライバーのように、『SIMツアー』と『MAVRIK SUB ZERO LSトリプルダイヤモンド』は、ニッチな市場に向けてデザインされたクラブだ。重心位置が低く深くなるにつれ、使用率も減少。PGAツアーにおいても圧倒的多数が460ccヘッドのドライバーを使っている。

小型ヘッドは市場の10%には支持されるかも知れないが、5%と考えた方がより合理的と言えるだろう。

今回の2モデルが今後どのようになるかは分からないし、小型モデルが将来的に続いて出てくるかも不明だが、クラブ業界が、ゆっくりではあるものの、より特定分野に特化したクラブ開発に向かって進化していくことに、疑いの余地はないはずだ。

特にドライバーにおけるカスタムフィッティングは成長を続けているだけに、こうした特化したパーツを、小型で低スピン、低MOIのツアー向けデザインがフィットする市場の数%に対してそのメリットを最大化させる方法を熟知しているフィッターの手に委ねることは理解できる。

詳細は、また分かり次第お伝えする。