2020年 レーザー距離計 バイヤーズガイド
世のゴルファー達は、自分のゴルフを次のレベルに引き上げてくれる何か新しいものを常に探している。生活と同様、現代のゴルフでも「テクノロジー」によって急速に従来のやり方が変わり、必要だった“タスク”を代行してくれる時代になった。
距離の推測のためにヤード杭を使ったり、目標までの距離を推測したりする必要がなくなってから何年も経つが、レーザー距離計の分野は進化し続け、今でも改良が進んでいる。
近年、ピンまでの距離をデジタルで計測するだけでなく、GPSテクノロジーを駆使してホールのレイアウトを読み取れるようになったおかげで、より正確で戦略的なゴルフが可能になっている。
今年のレーザー距離計で印象的なのは、全体的に「正確性(精度)」が劇的に向上したことだ。ほぼすべての距離計は5ヤード以内のピンを正確に計測した。すなわち、高性能なレーザー距離計が数多く利用可能というわけだ。
今日にでも新しいレーザー距離計を購入したい人も、お役立ち情報を探している人も、単に最近の距離計事情を知りたいという人も、この購入ガイドを見ればみなさんのニーズに合うレーザー距離計を見つけることができるだろう。
レーザー距離計に欠かせない機能
正確性
距離計は、「正確」でないと全く役に立たない。今回テストした距離計は、5ヤード以内の距離を正確に読み取った。常に同じ距離を読み取るレーザーなら、自分が目にする数字を常に信頼できることだろう。このテストでは、各レーザーを精力的にテストして、提供された数値が正確で一貫しているか検証した。
結果、「ブッシュネル」ほど一貫して正確なレーザー距離計は見られなかった。「正確性」という点では、「Pro XE」、「Tour V5 Shift」、「Tour V5」が確実にトップ商品だと言える。
画像とディスプレイ
レーザー距離計の「画像」をテストする時は、ファインダーとデジタルディスプレイの「見やすさ(明瞭さ)」に焦点を当てる。表示がシンプルなほど、当然わかりやすい。理想を言えば、常に正確な計測距離が得られるよう、シンプルで簡潔に測定情報を表示するディスプレイが欲しいことだろう。また、ほとんどの距離計に焦点を改善するための「視度調整機能」が搭載されている。
2020年のテストで最もクリアな「画像」が得られたのは、ニコン「Coolshot Pro Stabilized」だった。レンズの透明度により、目標をすばやく簡単に認識し、正確な距離を読み取ることができる。
1つのディスプレイの中でできるだけ多くの情報を得たい場合、ガーミン「Approach Z8」がGPSによるホール画像や、グリーンのフロント、ミドル、バックからの距離、フェアウェイバンカーまでの距離、傾斜まで表示してくれる。
ロックインジケーター
レーザー距離計が、目標をロックオンする仕組みはいくつかある。中には何よりも素早くターゲットを捉えて通知する製品もある。「振動」や、「パルス」、「視覚による通知」はすべて、目的のターゲットを捉えたことを知らせるアラートシステムだ。どの通知方法がいいかは個人の好みだが、経験上これらのアラートシステムと併せて、読み取った距離を確認するのが一番良い方法だと思う。
ブッシュネル「Pro XE」は、振動による通知に加えて、赤い点滅による視覚的な通知も利用できる。
計測スピードNo.1のレーザー距離計 -シュアーショット「PINLOC 5000IPS LASER」
衛星受信を待ちたくない人には、最速で計測するレーザー距離計が役に立つ。シュアーショット「Pinloc 5000iPSLaser」なら、瞬時にターゲットを認識する。「正確性」、「画像」、および「ディスプレイ機能」で高ランクだったこの距離計は、何とか乗り切りたいバンカーや池なども明確に捉える。検討に値する商品だと思う。
専門家のアドバイス-スロープ(勾配)機能
高低差の激しいコースでプレーする場合は、勾配(スロープ)機能付きの距離計の方が、正確な距離を読み取る。標高差を考慮した上で、実際の距離と調整後の距離の両方が表示される。
※レクチル:望遠鏡などの指標のために視野内に刻まれた十字線
ロックインジケーター:目標をとらえたときの表示
ベストテクノロジー-ガーミン「APPROACH Z82」
ガーミン「Approach Z82」は 「Z80」からバージョンアップしたモデルだ。レーザー距離計と GPSデバイスがコンボになったこの距離計に、新たな機能が追加された。「Approach Z82」では風向の計測に加え、レーザー範囲が改善され(350ヤードから450ヤード)、視覚的通知と振動通知の両方で目的を捉えたことを知らせる。「スロープ(勾配)機能」も搭載。また、GPSによるホールレイアウト画像も利用可能で、すべてのホールが正確に表示される。これらの機能に加え、バンカーや池などのハザード地帯をお知らせする機能も付いてくる。GPSと距離計の両方のテクノロジーを備えているため、当然価格は高くなる。正確には599.99ドルだ。
さらなるアドバイス
・GPSとレーザー距離計を両方持つ必要はない。ガーミン「Approach Z82」はその両方を1つのデバイスに組み込んだ優れものだ。
・レーザー距離計の使いやすさの決め手は、選択ミスさえしなければ、ゴルファー一人一人で異なる。例えば、手が大きい人は、小さい距離計よりも大きい方が安定する。この点から、購入前に自分に合うか試してみることをお薦めする。
・多くの距離計には、その他の追加機能が備わっている。マグネットマウント(カートフレーム等、鉄素材に装着できるマグネット)や気象状況を距離計測に反映させるセンサー、手ブレ軽減、GPS機能など、長々と項目が続く。購入前に、必要な機能と不必要な機能を明確にしておくことが大切だ。
・手ブレが気になるゴルファーには、ニコン「CoolShot Pro Stabilized」がお薦めだ。「振動低減テクノロジー」により、ターゲットをすばやく効率的にキャッチする。案外、これが欠かせない機能だと気付くゴルファーが多くいるのではないか。
・レーザー距離計の中には標準の使い捨て電池タイプもあるが、携帯電話のように充電ポートを使用して長時間使えるものもある。繰り返しになるが、これらは個人的な好みの問題だ。バッテリー寿命は各モデルによって大きく違う。使い捨て電池が良い場合、「Precision Pro」なら無期限に無料で電池交換が可能。
正確性No.1 レーザー距離計 -ブッシュネル PRO XE
ブッシュネル「Pro XE」が2020年のベストレンジファインダーに選ばれた理由のひとつに、距離計測の正確さがある。何度目標を捉えようとしても、「Pro XE」は毎回同じ数字を表示した。さらに、距離を表示する際に、「高度」と「温度」も考慮する。正確性に優れているのは「Pro XE」だけでない。「V5 Tour Shift」と「Tour V5」(ブッシュネルモデルの2番目と3番目のモデル)にも同じテクノロジーが搭載されており「正確性」においては同等だ。グレードと価格帯を下げて、「機能」は犠牲にしても、決して「正確さ」は失われないのがブッシュネルのウリである。
2020年ベストレーザー距離計 -FAQ-
Q:レーザー距離計は高価な方が良いのか?
A:全員に当てはまるわけではない。高価な距離計にかかるコストを、すべてのゴルファーが必要または望むわけではない。多くのオプションを望むなら、その分高くなることを覚悟しなければならない。そうは言っても、豊富な機能を備えるわけではないが、基本的な要素はカバーする低価格帯の距離計も中にはある。「Inesis」や「Precision Pro」などのブランドから、妥当な価格帯で優れた距離計が発売されている。
Q:スロープ(勾配)機能は必要か?
A:スロープ機能は、よく使われるようになっている。熱心なゴルファーにとって、「スロープテクノロジー」はコースでより賢い決断を下すのに役立つ。初めて周るコースで練習ラウンドをするトーナメントゴルファーにとっても、これはコースの概要を知る貴重なツールになるはずだ。目標までの距離を知りたいだけで、その他の部分は自分で把握したいゴルファーは、スロープ機能のない距離計を選び節約しても良いと思う。
Q:手ブレに最適なレーザー距離計は?
A:距離計の手元を安定させるのに苦労している場合、お薦めできるモデルはニコン「CoolShot PRO Stabilized」だけだ。この距離計は、レンズを“フリーズ”させ、手ブレしても目標を正確に捉えてくれる。価格的には高い方だが、手ブレにお悩みなら見合う価値がある商品だ。
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