タイトリスト 「TSI」フェアウェイウッド-重要ポイント
・タイトリスト「TSi」フェアウェイウッドは、2モデル展開。
・「TSi2」の主な特徴は、高い打ち出しと抜群のやさしさ。
・「TSi3」は、突き抜けるような弾道と可動式ウェイトが特徴。
・小売価格は、299ドル。
通常フェアウェイウッドがドライバーと同等の注目を集めることはなく、「TSi」も例外ではないのだが、かといって全くストーリーがないわけではない。
今回の「TSi」フェアウェイラインナップには、再び2つのモデルが登場する。
フェアウェイウッドにも「ATIチタン425」の話を期待していたという人がいたら、残念ながら今回はない。
というのも、「TSi」フェアウェイウッドのフェースには「465ステンレス鋼」が使われている。そこに特に斬新なものはないが、機能としては十分に果たしている。
「TSi2」と「TSi3」の容量はどちらも175ccであるため、外観の違いはサイズではなくシェープにある。
「TS」の場合と同じように、「TSi3」ドライバーが合っているからといって、「TSi3」フェアウェイウッドがフィットするとは限らないことは覚えておいた方がよい。
これら二つの間に相関性があるとしても微々たるものなので、私なら気に入った方を選ぶだろう。
可能であれば、どのモデルを選ぶにせよ、フィッターがそれぞれのゴルファーに合った正しい提案をくれるはずだ。
タイトリスト「TSI」フェアウェイウッド -ARC 4.0
新「TSi」フェアウェイウッドは、独自の『Active Recoil Channel(アクティブ・リコイルチャンネル)バージョン4.0』を備えているが、タイトリスト版「スロット・テクノロジー」である。
復習として、タイトリストの『ARC』は、他のスロットと同様にフェースのたわみを向上させ、フェース下部にあたったミスストライクでもボールスピードを維持する役割を果たす。
新モデル発売の度にクラブヘッドが進化し、それに伴い『ARC』も改良されてきた。今回の『ARC 4.0』は、(上下の)チャンネルウォールが短くなり、再設計により5グラムが削減され、重心の再配置が可能になったようだ。
その他には、エアロダイナミクスが改善され、トップラインのルックスがさらに洗練された。
最後の1つはなんでもかんでもという感じもするが、私にとっては「TSi」と描かれたアライメントグラフィックがなければ始まらないといっても過言ではないくらい重要で、これもまた改良のひとつだと思う。
タイトリスト 「TSI2」フェアウェイウッド
「TSi2」フェアウェイウッドは、シャローなフェースやアドレス時の投影面積の大きさが特徴だ。2つのフェアウェイウッドの中でも打ち出しが高くやさしいタイプだ。
タイトリストによると、重心は低深部設計だという。だが、競合の中にはテーラーメイド「Sim Max」があるため、「打ちやすさ」を一番に求めるなら、その希望を最も叶えてくれるのは「TSi2」フェアウェイウッドであるということは知っておいた方が良い。
「TSi2」フェアウェイウッドには可動式ウェイトの搭載がないが、スイングウェイト目的でウェイトを微調整することは可能だ。標準ウェイト重量は9グラム。5グラム、7グラム、11グラム、13グラムのウェイトオプションが揃う。
「TSi2」フェアウェイウッドのロフト角は、13.5、15、16.5、18、21度。21度は右利きのみ。
タイトリスト「TSI3」フェアウェイウッド
「TSi3」はよりすっきりとしたルックス、コンパクトヘッドが特徴。
これは「TSi」フェアウェイウッドの中でも「操作性」に優れたモデルだ。逆に言えば「やさしさ」に欠けるともとれるが、重心位置がより前方配置であることを考えると当然といえる。これらが揃い、よりフラットな弾道が可能になるはずだ。
タイトリストが『Tour Shape(ツアーシェイプ)』と表現しているものの一つとして、なめらかなトゥの形状がある。
「TSi3ドライバー」と同様に、これは実際に開いていなくてもフェースが開いているように見せることが目的。フェアウェイウッドが得意なゴルファーやアグレッシブスインガーなら、おそらく気に入るのではないかと思う。
とはいえ、多くの人にとって、フェアウェイウッドは最も難しいクラブの1つであるため、3ウッドは右にしか飛ばないという人には「TS3i」が不安を取り除いてくれるかもしれない。
「TSI3」フェアウェイウッド-ウェイトエレベーター
私にとって「TSi3」フェアウェイウッドの目玉は、『可動式ウェイト』が感動的な“ソリューション”と共に搭載されたこと。
同社の設計ゴールは、重心を後ろに動かしたり、芝のすべりを乱したり、「トラック」が芝や土、破片などにさらされることなく、ヒールからトゥまでの調節機能を可能にすることだった。
このソリューションは非公式に「ウェイトエレベーター」と呼ばれ、フィッター(およびゴルファー)が“分解”まがいのことをしなくても、ヒール/トゥウェイトの位置をすばやく調整できるようになっている。
二重ネジは、レンチを数回転させるだけでポリマーとカーボンファイバーのカバーが持ち上がる。プロセス自体は10秒もかからない。
「トラックウェイト」は3つの位置(トゥ、ニュートラル、またはヒール)に調整可能で、カバーが「トラック」をほぼ完全に封じ込み、数個の小さな切れ目だけが露出している。「トラック」は、芝などがついていない状態にしなければならない。
これは、フィッターの時間と頭痛の種を取り除くためにデザインされた、やや意図的な設計である。
「TSI3」フェアウェイウッド-ヒールからトゥへのウェイト移動
「TSi」ドライバーと同様に、「TSi」フェアウェイにも「ドロー/フェード」を調節するヘッド周辺の可動式ウェイトは搭載されていない。
代わりに、「N(ニュートラル)」「T(トゥ)」「H(ヒール)」というポジションを使う。一般的な説明をすると、「トゥ」がフェード位置になり、「ヒール」がドロー設定になる。
混乱を招くかもしれないが、タイトリストはショット形状を修正する策として、“ホーゼルファースト”つまり「ホーゼル」を優先としている。
可動式ウェイトもそれをサポートすることはできるが、タイトリストは「重心」と「インパクト」を揃えるべきだと強く唱えている。この考えの下では、ウェイト位置をどこにするかはボールの速度次第だ。
繰り返しになるが、フィッターを利用することをお勧めする。
標準ウェイトは12グラム。オプションとして、8グラム、10グラム、14グラム、16グラムのウェイトに交換可能。
「TSi3」フェアウェイウッドのロフト角は、13.5、15、16.5、18度。16.5度と18度は、右利き用のみ。
ヘッドウェイト重視
「TSi」ドライバーの話では触れなかったが、タイトリストはフィッティングの多様性として「ヘッドウェイト」を挙げている。
「TSi」フェアウェイウッドとドライバーの標準ウェイトは、大多数のゴルファーに適するはずだが、ヘッドウェイトを増やすとMOI(慣性モーメント)が向上し、ボールスピードも向上しやすいとタイトリストは謳っている。
「私達が望むのは、スピードを落とさずにできる限り重いヘッドを振ってもらうことだ。」とはタイトリスト・メタルウッド開発部長ステファニー・ルトレル氏。
フィッティングに伴う制限(時間や疲労)を考えると、主なフィッティングセッション中にヘッドウェイトの調節が可能とは限らないが、時間が許すならば、さらに性能を向上させる良い機会だと思って是非ヘッドウェイト調節を行ってもらいたい。
タイトリスト 「TSI」フェアウェイウッド-シャフト
目玉のシャフト(「オリジナル」とはもはや言わないようだ)はドライバーと同じだが、フェアウェイ用のシャフトは通常10グラム重くなる。
シャフトオプションには「Kuro Kage Black」やテンセイ「AV Blue Raw」、HZRDUS「Smoke Black RDX」、テンセイ「AV White Raw」が含まれる。
プレミアムシャフト(200ドルの追加料金)は、Graphite Design「TourAD-DI」「Tour AD-XC」、および「TourAD-IZ」だ。
「TSi」フェアウェイウッドの小売価格は299ドル。
最新の技術を犠牲にしても価格重視でいくなら、「TSシリーズ」(前作)のフェアウェイは在庫がある限り249ドルに割引されている。「TSi」ラインナップのフィッティングは本日から始まり、11月12日から小売店で販売される。
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