・タイトリストが「ボーケイ SM9」ウェッジの通常販売ラインナップに「Tグラインド」を追加

・「Tグラインド」は、ツアーで (そしてMyGolfSpyスタッフの間でも) 人気の高いローバウンスモデル

・軽量シャフトモデルもラインナップに追加

・2023年3月10日より販売開始


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「やっとだよ!」という雄叫びが聞こえてきそうだが、タイトリストとボーケイが、「ボーケイ SM9」の通常販売ラインナップにローバウンスモデルの「Tグラインド」を追加するという決定をようやく下した。

基本設計は他の「SM9」ウェッジと同じなので、ここで再度説明することはせず、割愛させていただく。

もし「Tグラインド」をご存じない方の為に、一言で伝えるとしたら、「Tグラインド」はPGAツアーで極めて人気の高いモデルだということ。つい最近まで、ボーケイはカスタムの「ウェッジワークス」を通じてのみ「Tグラインド」を提供してきた。

今回市販される「ボーケイ SM9 Tグラインド」は、「ウェッジワークス」で販売されているものとほぼ同じ。ロフト角は58度と60度、どちらもバウンス角は4度。「SM9 Tグラインド」はローバウンスモデルとしての要件を全て満たしているだけでなく、市場で最もローバウンスのウェッジとして様々な状況下で意図した通りに機能してくれるはずだ。


ボーケイ「Tグラインド」とその他ローバウンスウエッジとの違い

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「ボーケイSM9」ラインナップの中で「Tグラインド」と比較対象となり得るのは、「Lグラインド」とローバウンスの「Kグラインド」だろう。

違いを簡単に説明すると、タイトリストのボーケイ「Tグラインド」ウェッジは、グリーン周りで“究極の多様性”を発揮するように設計されている。一般的にイメージされるローバウンスのグラインドに加え、三日月形のソールと広いバックフランジを備えている。

「Lグラインド」に比べ、「Tグラインド」のリーディングエッジは地面としっかり接地し、ヒールやトウ、トレーリングエッジが相当削られていることで、フェースをオープンにして構えてもリーディングエッジは浮かない。

同じバウンス角4度ではあるものの、「Lグラインド」はスクエア(真っ直ぐ)に構えたときにそこまでリーディングエッジがぴったり接地する座りにはならず、「Tグラインド」のようにヒールとトレーリングエッジが削られていないため、フェースをオープンに構えるとリーディングエッジは地面からすこし浮く。

しかしそのため犠牲になるのが「寛容性」だ。「Lグラインド」は地面に刺さりにくいのでより「寛容性」が高く、それがラインナップの定番になった理由。逆に「Tグラインド」がウェッジワークスであり続けた理由だ。


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ローバウンスのウェッジを探していて、フェースをオープンに構えることが滅多にないなら「Lグラインド」のほうがやさしいはずだ。

同じローバウンスでも、ソール全体にバウンスが広がるワイドキャンバーソールを備えた「Kグラインド」はまた別物だ。(「Tグラインド」のバンカーショットの性能は過小評価されていると思うものの)、バンカーでのプレー(そして芝とのコンタクト)でより「寛容性」の高いローバウンスのオプションを求めているゴルファーにとって、「Kグランド」は堅実な選択だろう。

逆に「ボーケイ SM9 Tグラインド」ウェッジを真剣に検討しているなら、同じローバウンスでも「Kグラインド」ウェッジなど眼中にないはず。


ボーケイ「Tグラインド」は誰向けなのか?

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フィッティングの指南書には、ローバウンスウェッジ(そしてタイトリストのボーケイ「Tグラインド」はローバウンスモデルの最たるものだ)は、入射角がシャロー(ゆるやか)なゴルファーや硬めのコンディションでプレーするゴルファーに最適だとある。

確かにその通り。

だが私が前に指摘したように、ゴルフコースにはプレーヤーの入射角に対する配慮などない。状況に応じて各自持てるもので、勝負するしかないのだ。そう考えると、様々なバウンスのウェッジを組み合わせて持っておくに越したことはないということになる。

「Tグラインド」までは必要ないかもしれないが、なんらかのローバウンスウェッジは入れておいて損はない。

この手のことはフィッティング指南書には書かれていないが、プレーするコースが手つかずの状態ではなく、凸凹やらベアグラウンド(コース上の土がむき出しになっている部分)やら、とにかく全体的に平坦で青々としたライではないことがわかっているなら、「Tグラインド」は救世主になり得ると言っておく。

また「Tグラインド」は究極の“ショートサイドウェッジ”(短い距離専門のウェッジ)にもなり得る。


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とはいえ、コースコンディションが軟らかい場合、「Tグラインド」だとトラブルに巻き込まれる可能性が高い。

「Tグラインド」が絶対に必要だとは言わないが、硬いコンディションや、最高の芝環境とはいえない芝が薄いコースでプレーする場合には検討する価値はある。


ボーケイ「SM9 Tグラインド」の価格と仕様

タイトリストの「ボーケイ SM9 Tグラインド」ウェッジのロフト角は、58度と60度(バウンス角は4度)。仕上げはツアークローム、ブラッシュドスチールとジェットブラック。ノーメッキ仕上げはカスタム対応のみだ。

店頭販売は23年3月10日から。小売価格は(他の「ボーケイSM9」ウェッジと同様)スチールが179ドル、カーボンが195ドルとなっている。


タイトリスト ボーケイ「SM9」軽量シャフトモデル

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また、低~中ヘッドスピードのゴルファー向けに、店頭用に(つまり“既製品” として)軽量シャフトモデルが追加されたことは、「ボーケイ SM9」ラインナップ拡大の一環と呼んで差し支えないだろう。

ゴルファーの多くが100g未満のシャフトをアイアンに挿している現実を考えると、ウェッジに120g以上のシャフトを選ぶのはナンセンスだからだ。


スペック・価格・発売時期

タイトリストのボーケイ「SM9」ウェッジの軽量シャフトモデルの仕上げは、ツアークロームとブラッシュドスチール、ジェットブラックの3種。

以下はロフト/バウンスの組み合わせ:

・KBS「Tour Lite 95(ウェッジ用)」: 50.08F、52.08F、54.10S、56.08M、56.10S、56.12D、58.14K、60.12D

・Tensei「AM2 Red(R)」:50.08F、52.08F、54.10S、56.10S、58.14K、60.12D

・Tensei「AM2 Red(L)」:52.08F、54.10S、56.10S、58.14K、60.12D


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小売価格はスチール179ドル、カーボン295ドルで発売日は23年3月10日となっている。(アメリカ)

日本での価格および発売は、

・「Dynamic Gold (ダイナミックゴールド)」シャフト: ¥27,500(税込)

・「N.S.PRO 950GH neo(N.Sプロ950GHネオ)」シャフト : ¥27,500(税込)

・「BV105」シャフト : ¥27,500(税込)

・2023年3月10日より販売開始(予定)