ゴルフ用品には、『Most Wantedテスト(MyGolfSpy独自のランキング)』 や『バイヤーズガイド』では大きく取り上げていないが、魅力ある製品がたくさん存在する。これらの“隠れた名品”にどんな性能や機能が隠されているのか、読者の皆さんなら興味があるだろう。そこで、『We Tried it(トライ)』と称してこれらの商品を取り上げ、広告通りの性能が備わっているのか検証してみることにした。
検証した製品:
ガーミンの人気機種「Approach S62(アプローチS62)」の後継モデル、ゴルフGPSウォッチ「Approach S70(アプローチS70)」。
待った甲斐あり
果報は寝て待てと言うけれど、「アプローチS70」ゴルフGPSウォッチは、文字通り待ちに待ったガーミンの新製品だ。長きにわたる王者ガーミン「アプローチS62」の後継モデルとして、「アプローチS70」には大きな期待がかかる。
果たしてその期待に応えられるのか?実際に「アプローチS70」の性能を試し、ガーミンがもたらした最新かつ最高の機能について内部情報をゲットした。
ガーミン「アプローチS70」:いくつかの外観上の変更点
待った甲斐はあったのだろうか?声も高らかに「あるよ!」と言っておこう。
「アプローチS70」が「S62」よりも大幅にアップグレードされていなければ、この検証企画は自分の中での成功とは言えない。だが、そんな心配をする必要もなかった。なぜなら「アプローチS70」は、自分自身が求めていたものほぼすべてを叶えてくれたからだ。
ガーミンは、実際にユーザーからのフィードバックに傾ける耳を持っていたようだ。
『AMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)』ディスプレイ
新型「S70」と先代の「S62」における最大かつ最も注目すべき違いは『AMOLED(アモレッド)』ディスプレイの導入だ。 私のような技術オタクであれば、『AMOLED』ディスプレイが鮮明なコントラストで知られていることは先刻承知。『AMOLED』パネルでは、黒はより黒く見える。色彩はより鮮やかになり、コースマップは1.4インチの大型ディスプレイ上で驚くほど美しく表示される。
サイズが重要
ディスプレイといえば、そのサイズこそがガーミンの最新ゴルフGPSウォッチの次なる大きな変更点となる。
ガーミン「アプローチS70」ゴルフGPSウォッチは、頑強な47mmモデルとわずかに小さい42mmの2サイズで展開される。手首が華奢なアナタに朗報。もう悲しい思いはさせないよ!一方、47mmモデルは私の手首にぴったりなサイズだ。
グラフィックの改善
画面が広くなったのだから、機能性も向上して然るべしだと思うが。ありがたいことに、ガーミンはコースマップの樹木やペナルティエリアなどをよりリアルなグラフィックに変更してくれた。小さなことのように思えるだろうが、これによりコースナビゲーションに臨場感が増したってわけ。
ガーミン「アプローチS70」:ユーザー体験
優れたゴルフGPSは、簡単かつ直感的に使えるものでなければならない。その点、ガーミン「アプローチS70」は、大きくなった新しいディスプレイと優れたソフトウェアにより、素晴らしいユーザー体験を与えてくれる。
「アプローチS70」を使ってみて気づいたことをいくつか紹介しよう。
・「PLAYSLIKE DISTANCE(高低差情報)」機能は、風の強い日や高低差がある場合に非常に有効。難しい計算は時計にお任せだ。・搭載された気圧計によりデータ点が一つ追加され、フラッグまでの距離計測がより正確になった。
・コース上の任意の場所をピンポイントで測れるのが便利。これにより、レイアップするときやペナルティエリアまでの距離の確認がスムーズにできるようになった。
・自動ホール検出は問題なく動作した。「アプローチS70」では、各ホールに進む際に何の問題もなかった。
健康上の利点
「ボディバッテリー」のトラッキングは、私が最も使っている機能の一つです
コース上での使用感はもとより、ガーミン「アプローチS70」が使えるスマートウォッチであるかどうかも確かめたかった。比較対象は、我々ほぼ全員にとっての絶対的スタンダードである「アップルウオッチ」。結果、「アプローチS70」はコース外においても十分な競合になりうることがわかった。
オススメのヘルスケアおよびフィットネスオプションの一部を紹介しよう:
・「Body Battery」エネルギーモニター。数値が大きいほどエネルギーも高くなる。ゴルフラウンドの後で測ったら「身体のバッテリー残量」は100点中8点まで下がっていた。おっと。
・「ストレスレベル」の採点。特に夜間、皆に読んでもらうための文章を書いて長い一日を過ごした後で寛ごうとするとき、自分のストレスレベルをチェックできるのがとても気に入った。
・「睡眠モニタリング」。このGPSウォッチは本格的な睡眠トラッカーとして機能する。それもかなりの高機能。
レーザー距離計と同等の精度
画面をタップするだけで簡単に「PLAYSLIKE DISTANCE(高低差情報)」に切り替わる
では、ガーミン「アプローチS70」の精度はどの程度なのだろうか。レーザー距離計ほど正確ではないのは確か。それは自明だろう。といっても「S70」は(距離計の読み取り数値との比較から)数ヤード以内の誤差だった。
まあその点についてはあまり気にしていない。ゴルフ用GPSウォッチに求めるものは、完璧な精度ではなく、使いやすさだから。精度をさらに高めたい場合は、従来のグリーンの手前、中央、奥のデータに頼るのではなく、時計にピン位置を手動入力することも可能だ。
バッテリー駆動時間
フル『AMOLED(アモレッド)』ディスプレイ導入における最大の懸念は、当然予測できるバッテリー問題だった。しかし、スマートウォッチモードで16日間のバッテリー駆動 (GPS/ゴルフモードでは20時間) が謳われており、その懸念はすぐに解消された。
この1週間、毎日「S70」を手首に付けているのだが、ミズーリ州にあるペイン・スチュワートをトリビュートしたコース、ペインズバレーで(そう、ちょっとした自慢)5時間のラウンドをした後でさえ、一度も充電していない。
少々の不満
『グリーン傾斜情報』にはGarmin Golfメンバーシップの契約が必要
全部が全部、大満足なんてことはあり得ない。ということで、不満が一つあるとしたら (ほんの小さなものだが)、それは全体的なセットアッププロセスに関するものだ。
ブルートゥース経由でのセットアップと携帯電話とのペアリングをおこなうのに何度かやり直すはめになった。しかし、電源をオフにしてから再度オンにするという古き良きITテクニックのおかげで、ガーミン「アプローチ S70」を携帯電話に接続することができた。
最初のセットアップ以来、接続に問題はない。
もうひとつ若干の煩わしさを感じるのは、「グリーン傾斜情報に」アクセスするためには有料のGarmin Golfメンバーシップ契約が必要なこと。この手の追加機能の定額課金制度はガーミンに限ったものではないため、ここで彼らを非難しても仕方ない。
とはいえ、これまで使用したゴルフ用GPSデバイスの中には、グリーン傾斜情報を有料機能にするのではなく、無料で提供するものもいくつかあった。
ガーミン「S70」:上がるハードル
「アプローチS70」は、『2023年のベストゴルフGPSランキング』に参加するには登場が少し遅すぎたが、もし参加していたら、ランキングを席巻したのか、はたまたしなかったのか?は何とも言えない。2024年にもう一度テストしてみないとわからないだろう。
それでも、ガーミン「アプローチS70」は私が使った中で最高のゴルフGPSウォッチだ。問題はずばり価格。「S70」 は700ドルという孤高の価格帯にある。ただし、ゴルフのためだけでなく日常的に使用できるデバイスを手に入れるための対価だということをお忘れなく。
個人的には、ガーミン「アプローチ70」にはその価格に見合うだけの価値がある。
ガーミン「アプローチ70」の価格は、「アプローチ70」47mm が99,800円(税込)、「アプローチ70」42mm Whiteが93,800円(税込)。
ガーミン「アプローチ70」の詳細はこちら
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