ゴルフでは、ゴルファー自身が完全にコントロールできることは少ない。
クラブセッティングは、その一つだ。14本のクラブの組み合わせを制限するルールはない。
これを踏まえて、アマチュアゴルファーは何を頼りにセッティングを決めればいいのだろうか?
それは、「データ」にほかならない。
Arccosのユーザーは、各クラブのデータを基にセッティング全体を分析して弱点を見つけることができる。 具体的には以下の通りだ。
・各クラブの使用頻度
・各クラブと他の番手のパフォーマンスの比較
・異なるセッティング間のパフォーマンスの比較
先日の記事(データで見る4番対決 ~アイアン VS ユーティリティー~)では、4番ユーティリティーと4番アイアンの検証を行った。前回同様、Arccos が収集した160万ラウンド、1億ショット以上のデータベースを使用して、今回はウッド(3番・5番)、ユーティリティー(2番・3番)、3番アイアンを対象とした。
検証はハンディキャップで分けたグループ別に行い、ティーショットの飛距離、アプローチショットの飛距離、フェアウェイキープ率、パーオン率、ティーショットで使用した場合の平均スコア の5項目で比較した。
ハンディキャップ0~5
3番ウッドから3番アイアンまでのクラブでは、最も上手いテスターでさえティーショットと同じ飛距離をアプローチショットで出すのは難しく、5つのクラブすべてに大きな差があった。
アプローチショットでは、5番ウッド、3番ユーティリティー、3番アイアンはほぼ同じ距離(約175ヤード)だが、ティーショットだと3番アイアンがこの3本の中で明らかにアドバンテージがあり、圧倒的にフェアウェイキープ率が高い。(そう、このレベルのゴルファーは3番アイアンでも芯に当てることができるのだ!)
あなたのハンディキャップがこのレベルなら、倉庫に眠っている3番アイアンを引っ張り出してきてキャディバッグに入れてもいいだろう。
※FAIRWAY%(フェアウェイキープ率)、GIR%(パーオン率)
ハンディキャップ6~10
このグループでは、2番・3番ユーティリティーのティーショットとアプローチショットの飛距離差は比較的小さい。 また、3番ユーティリティーのフェアウェイキープ率が最も低いのは興味深い。
「データで見る4番対決 ~アイアン VS ユーティリティー~」に寄せられたコメントによると、シングルプレーヤーはティーショットでユーティリティーを使うとフックしやすいという。これは、3番ユーティリティーのフェアウェイキープ率が3番アイアンより5パーセント低いというデータに合致する。
このグループのゴルファーは80を切ること目指していると思うが、ユーティリティーを上手く使いこなすことができれば、その可能性は高まるだろう。
※FAIRWAY%(フェアウェイキープ率)、GIR%(パーオン率)
ハンディキャップ11~15
上記グループと同様に、このグループでもユーティリティーでティーショットとアプローチショットの飛距離は3ヤードほどしか変わらなかった。 この差が最も大きかったのは3番ウッドだった。言うまでもないが、3番アイアンは今回のテストの中で一番短いクラブである。
このグループのゴルファーは、この知識を練習に生かすことができるだろう。飛距離と正確さを考慮すると、このグループでは2番ユーティリティーがベストということになる。フェアウェイキープ率、飛距離の安定性がともに高く、意外なことにティーショットで使用した時の平均スコアも最も良い。
※FAIRWAY%(フェアウェイキープ率)、GIR%(パーオン率)
ハンディキャップ16~20
ここで初めて、ティーショットよりアプローチショットのほうが飛ぶクラブが出てきた。 2番・3番ユーティリティーは、アプローチでそれぞれ5ヤード、6ヤード遠くへ飛んだ。
一般的に、2番ユーティリティーから3番アイアンまでのパフォーマンスは非常によく似ており、ティーショットの飛距離差は数ヤード、フェアウェイキープ率も数パーセントしか変わらない。
これは、このレベルのゴルファーが3番ウッドよりユーティリティーを使うべきだという考えが間違っていること示している。フェアウェイキープ率では、明らかに3番ウッドが優れているのだ。
※FAIRWAY%(フェアウェイキープ率)、GIR%(パーオン率)
ハンディキャップ20以上
このグループでは、2番・3番ユーティリティーでアプローチショットのほうがそれぞれ5ヤード、9ヤード遠くへ飛んだ。他のグループでは3番ウッドがフェアウェイキープ率で圧勝だったが、このグループでは2番ユーティリティーが善戦しており、約2.5%しか変わらない。さらにアプローチショットでは1ヤード遠くに飛び、パーオン率は約2.5%上回っている。
※FAIRWAY%(フェアウェイキープ率)、GIR%(パーオン率)
あなたにとって最適なセッティングを見つける方法は、いたってシンプルだ。
Arccosを使ってプレーすればするほどデータは増え、あなたは情報に基づいた意思決定ができるようになる。
答えはいつもデータの中にある、ということだ。
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